第21話未定

 ……まあ、アレだ。水霧が宇宙の化身が化けた美少女と仲良く成ろうと努力しているらしい事を聞いて、正直な話馬鹿らしく感じた。それをやるなら本気でやらないと戦うルートに入るなら余計に心情的に面倒に成るからな……。それに前提条件を色々と無視したならば、相手側も仲良くなる気が有る前提でも無ければ、超越者のご機嫌取りに色々と貢ぎ物をするモブ住人レベルな行為だからな、これは。……まあ、相手も仲良く成る気は有るのだからそうでは無いとは言えるし、別にそれを止めはしない訳だが。一先ず色々と鍛錬しよう。水霧がヘカトンケイルの神格を得たらしいが俺はまだだからな。……うーん。ゴーレム関連で何か適当なのは無いだろうか?調べてみるか。……うん。鍛治の神とか錬金術の神様とかは条件が俺にはまだ明らかに足りないな。……ならゴーレム側の方はどうだ?……タロース辺りなら行けそうだ。投石で船を壊すのは隕石で問題無いとして、高熱を発するのはエネルギーのオーバーヒートで行けるかもしれない。退治された際の逸話がアレだが、現状直ぐに届きそうなのはそれくらいだな。……いや待て、仮に成れる神格数に数制限が有ろうものなら此処でそれに飛びつくのは長期的には……。しゃーない。直ぐに成ら無くても問題なさそうな奴は後回しにしておいた方が良いよな……。何なら情報をヴィシュヌ様とやらに聞いてからでも良い……それまでは念の為、いわゆるオーバーヒート攻撃はしないようにしておこう。まあアレだ。そもそも水霧がヘカトンケイルの神格を得たのだって、別に五十頭の百手の存在に成ったからそれだけ単体で神格を得た訳では無い。それは断言出来る。そうでないと変身能力持ちは多種多様な神格を低いハードルで得られることに成る。得られる神格の数の制限無しはそう言う奴の対策を考えれば基本的には当然だろう……まあ、問題としてはその理屈が正しいなら万能神とか言われる存在に成りたければ他の神格を得るタイミングでそれを棄却するのを繰り返す必要が有るかもしれない。いや、神格を進化や強化を出来るかもしれないけれども、持てる神格を強化進化出来ない場合、神格数制限が有る前提だと万能神に成るのは相当いばらの道と言わざるを得ない。他の奴なら普通に神格を振るえるレベルに成って居ても尚神格無しである程度立ち回る必要が有るからだ。姿を真似るだけで神格を得られるなら苦労はしないが、神格の進化や強化無しで個々に神格少数限界が有るならシステム的には万能系の神様とかまだ存在してすらいない迄あり得る。まあ、ヴィシュヌ様とやらに聞いてみれば解る話か。……まあ、しかし、世界創造をした様な奴等って、自分が創った生命の事をどう思って居るのだろう?家畜か?やる奴次第では創造主こそ全ての世界とか創っちゃうのだろうか?簡単に量産出来る物に唯一性の価値なんて見出せるだろうか?なんでもかんでも簡単に創れる故に創れるものに対して価値を見出せなく成るのだろうか?まあ、それでどう言うのを創ろうが、それに対して無価値でしか無いと言う認識だけは断固否定しなければならない。……まあ、そうでないと創造主的な此方を簡単に殺せそうな奴が居る環境でそれの価値なんて無いなんて言うとそのままブーメランで殺されかねないし……。



 ゲームには放置ゲーと言う物が有る。要は放置している間にもレベリングなり何なりが勝手に進行するゲームだと此処では定義するが、現実でそう言う状況に成った場合、本人側が何もしていないと言う定義を崩さないなら、それで得られた強さは全てシステム側に依存する。何も努力しなくてもスペック的にはとても強く成れるからいいだろって?全部が能力に依存する力しか無いなら当然それらを使いこなせないし、使いこなせる補正付きだとしても今度はミラー戦闘で詰む可能性が高い。勝てる根拠が相手側にも全く同じのが有るのだから、能力に全依存とかしたら詰む可能性は高い訳だ。……大抵の奴には勝てるから良いよ?……。スペックが全ての世界なら確かにそうだな。昔のゲームみたいに戦闘力を数値化してそれの大きい側が勝ち的な、基本スペック以外を度外視する世界ではカタログスペックこそが全てだ。だが、相性ゲーと言う物も有る。……まあ、最強キャラにだけしか勝てない能力でも良いと言うなら、それに勝てると言う事だけに一点特化した能力も有りだ。他への勝率度外視で良いから、とにかく一勝出来れば良いだけだからね。口論的にはそれも通せる。まあ、仮にそれを有りにしたら完全無敗の最強なんて口論上は存在しえない訳だが。

まあ、前置きが長くなったが、何が言いたいかと言うと、つまりは、だ。別の仕様群の世界との抗争展開に成るなら、スーパーウルトラハイパーイージーモード的に強さを得られる世界と戦う展開も有ると言う事。……まあ、いや、それは可笑しいと思うよ、俺も。だが、そうだな。地球に住む奴と、月に住む奴の重力差とかによる筋力差とか……そう言う要素をまともに世界間で取り入れると、相手の世界での最下層の雑魚でもこちらではまともな強キャラ相応とかも有り得る。だがこれは別に相手側が卑怯な訳じゃ無い。要は負荷トレーニングを相手側が此方よりデフォルトに高負荷で一生続けて居たと言うだけでしか無い。……まあ、アレだ。ステータス強化系でも無いと基本的な筋力は負けて当然って酷くないか?しかもそれが色々な要素に当てはまる訳だ……この世界に無い要素群を振る世界よりも、ある程度以上世界の仕組みが離れて無い世界の方が脅威なパターンも有るとはね……いや、離れている世界なら高山病と似た理屈とかで住めない状況に成るだろうから、戦う時に明確な弱点が有る状態になるからだが……。宇宙の化身が降伏したのは如何やらそこ辺りが原因だと思われる。……なんかなぁ。互いに打算有り有りだと此方は解って居る訳だから、正直な話幾ら可愛いのを出されても冷静な部分が有る。……普通の彼氏彼女とかじゃ無くて相手は此方を殺せる力を持ち此方は確実に対抗出来る(と思われて居る)のだから、相手側が可愛かろうがそれに対して俺が精神的な余裕が無いだけだが。……まあ、アレだ。頭の中に冷静な部分のあるままの、いちゃつきと言う名の腹の探り合いなのでね……。

一言で言えば、違う世界に来たのだから違う世界の基準で強さを再定義する。それが出来れば全ては解決する。此方の方式以上の楽を出来る方式を世界から定義上全排除出来る。……ああ、なんか纏らないな。色々な世界の強さの方式が有る。それは良い、良いのだが、それを一つの世界内で並列させる必要性は無い。それを前提に他の世界で強い奴を此方の世界で再定義する。そうすれば此方がズルをして居なくとも、此方よりズルしている奴は自然と元よりこの世界では雑魚に成る。……まあ、これが妥当なのじゃ無いのか?楽したいタイプの奴らには悲報だとしても、自分よりズルしている奴等を全員潰せるだろうから良いと思うのだがね。

「貴方様はスライムなのですか?」

「水の身体だから、=スライムは短絡的すぎない?」

「でも貴方様はスライムの様な挙動も出来るじゃ無いですか」

「……ある程度以上の万能系能力者全般に喧嘩売っているよね。その言い方だと」

「そう言うつもりはございませんが、知りとうございます」

「自分の生命線をネタバレする気はないけど、創作で言うスライムって前提と成る仕様次第で強さが激変するから、作話的には雑魚と扱いたければ雑魚に出来るし、強キャラ扱いにも出来る類のそれだから、まるでスライムだとか言われても、褒められているともけなされているとも取れる微妙な所な訳で」

「ええと、そう言うつもりは無いのですが、只知りたいな、と」

「教えないのは変わらないが、何で宇宙の化身さんは此方に取り入ろうとするのか?どういうつもりだ?」

「貴方様と仲良く成りたいからでは駄目ですか?」

「……前提として此方を排除してきたのは変わらないのは忘れずに」

「ならそれについては謝りましょうか?」

「……なんか打算的な内容の会話が多すぎて此方がまともに喋れる事が無いのだが」

「……つれないですね。貴方様とは本当に仲良くは成りたいのですよ?」

「はぁ……それは解る、解るが、なら能力関連の話全般は止めろ、今話せる事は無いから」

「ではどう言う人が好みですか?」

「……ああ、代わりにそう言うのにして来るのか……正直解らん」

「貴方様が望む見た目に私は成れますよ?」

「……そう言う奴はやらなくて良いから。変身能力持ちだからって変身した状態で無いと元の見た目がアレな見た目な奴でも無い限り、変身した後の方の見た目が良いなんてアレだから」

「なら見てみます?私の本当の姿と言う奴」

「……いや、見なくて良い。何か見ると面倒な事に成りそうだし」

「興味無いのですか?」

「いや、無くは無いが、見ただけで何か効果が有る奴だからその見た目じゃ無くしている場合、ならアレだから、だな」

「別にそう言うのは有りませんよ。私の本当の見た目は見た人にとって最適に変わりますから、魅了されてしまうかもしれませんが」

「……見る人によって見た目が変わる能力、か。しかも見た人を魅了する姿に見える、と……それ、質量的にはどうなるのか?顔が変わるだけならともかく全身が変わると成ると常時周りに自動で幻覚を与えていると言う奴の方が説明は付くが」

「最初の身体からして、質量の有る幻覚なら問題は有りませんよ」

「……じゃあ今の君は幻覚って事かよ?」

「そもそも身体は別に有りますし」

「つまり宇宙規模の幻覚が出来るのか?」

「ええ。正確には自分の中でエネルギーを他にそういう風に見えるように循環させているだけですけど」

「ははは……流石は宇宙の化身、か」

「ははは……流石は宇宙の化身、か」

「原則の化身を貴方様だって倒しているでは有りませんか」

「……まあ、それはそうだが…………そうだな」

 実情としては他の奴の協力有りきで独力でじゃ無いのだが、このニュアンスだと此方が単独で倒したと思われてそう。……まあ、原則の化身に直接攻撃を加え遂行した人と言う意味では間違いでは無いが……。……相手も条件付きとはいえ仲良く成ろうとしては居る。その点に置いて通常の口説くのより難易度は落ちてはいるが……まあ、アレだ。……かなり探り入れて来ている物な……だから、ベタ惚れされているような事を話されてもベタ褒めされても喜べる状況じゃない。だが此方も宇宙の化身とは仲良く成らなければ成らない。故に無下に扱う訳にも行かない。情報を余り明かしてはいけない。だが即開戦に成らないような好感度は得なければならない。……どうするよ、これ……。……ん?宇宙の化身なのに此方から情報を得る事にこだわる理由はなんだ?

「なぁ、宇宙の化身さんは何故此方から情報を開示するのを求める?そうしなくても余裕で得られるだろう?そう言う情報は」

「……まあ、それはそうですわ。でも敢えて言うなら貴方と仲良くなろうとしているのは、そうすれば色々と得だからです。それはもう色々な意味で」

「それを話してくれないとどうしようもないな」

「うーん。話しても今の貴方様にはどうしようもない要素なので話しても良いでしょうね。要するに、貴方様はシステム作成者と伝手が有りますよね?その伝手を間接的にでも私も得たいのです」

「……まあ、そう言う事だろうと思ったよ。だがなら此方に協力出来る事は無い。基本的に奴は此方に干渉して来ないからさ」

「……つまり、有事には彼方から干渉して来る時が有ると言う事ですわね。……まあ、此方の話は、その時に通せば良いでしょう。ならしばらくは様子見させて貰いますわね」

「……そう言う事で宜しく」

 ……何故宇宙の化身が此方の情報をわざわざ此方から聞き出そうとするか?から目的を大まかに聞き出せたけど、素直に喜べる話でも無い。何故ならこれはシステム作成者が介入して来る面倒事が起きる際に追加で面倒事か何かが起きるのが最低限保証されたと言う事だからもう笑うしか無く成っているのだけども。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る