第19話未定
「さて、この状況はどうするのか、これは」
『「ブラフマンは加えた原則で無意味化されたけど、それはそれとして水霧は原則を書き換える力を持つと言う事実をどう扱うか、だ。」水霧とは違う方面でそれなりに強い奴に散々囲まれている状況だしな』
「どうするかね?『せっかく得た力を捨てろと言うのか?』」
「……皆様方はどう思います?」
周りは気まずい沈黙の後、
「世界を造り替えてブラフマンから助けてくれたのは感謝する、が、現状のままだと、汝の気分次第で首が挿げ替えられただけの元の状態に逆戻りにも簡単に出来る。故に汝が力を行使する上で何らかの制限を設けるべきであろう」
「制限と言うなら、そうですね。自分の範疇の神格統合を個々が解除する権利を持つ。と言うのでどうでしょう?俺が好き勝手をし出したら貴方方の此方との神格統合を解除すれば良い。そうすれば俺の力はその分だけ神格統合をして無い状態に戻るはずです」
「……つまり、あくまでも借り物の力なのだから汝が暴走するようなら此方からの借り物分を回収して貰って構わない、と。では聞こう。これからどうする?」
「出来ればだが、俺らが元居た世界の宇宙の化身を倒したい。今なら行けるかもしれない」
「……ふむ。では此方も力を追加で貸そう。此処で名が上がると言う事はブラフマンと似たレベルの脅威であろうし、此処で此方が力を回収した所で、そいつとの敵対状態が消えないなら、どうせ今回の事を根拠に此方も巻き添えだろうし」
「……申し訳ない」
「ブラフマンを倒して貰っては居るのだから、その分の義理は返す。それだけで有ろう」
そして、更に追加で力を貸して貰う事に成った。……明確な勝算が出てきた分、逃げたままで終わりにしてもアレだろうしな……。
その時世界が書き換わった……が、シュライク・バースディがその変化をねじ伏せる。
『……パラドクスクリーナー。正史を正史と認めない類の手段なんて対策済みだよ』
『……まあ、それは言い換えれば正史を正史にする能力だが、……此処一応他の世界じゃ無いか?』
『それについては問題無い様だ。今回のこれは勝敗を覆そうとしたのだろう。いや、原則を書き換える事で勝ちと負けの定義を変えて無理矢理勝てた事にして原則の制御権を奪おうとした……と言うのが正しいか』
『……何それ、アレ過ぎるのだが、通常手段じゃどんな事をやられようが此方が負けた事にされて原則の化身の勝ちにするって?』
『前提原則を弄れるからな、そう言う事も出来るのじゃ無いか?』
『……要は完全に殺さないと駄目な奴か……まあ、それをするくらいなら世界を零から作り直した方が良いレベルだが……まあ、それはともかく』
「すみません。原則の化身を本当に殺し切らないと幾らでも逆転手段は有るようです。まあ、此方はねじ伏せられますが、ずっと此処に在中する訳にも行きませんので、……最悪、もう少し力をお貸しいただけますか?それで世界を造りそれに完全に移りましょう」
「……まあ、言いたいことは解る。先の奴が問題のそれだと言う事も……だが、それをするのが良いのなら、そもそも今回協力して無いのだよ。なら、原則の化身の原則を追加で塗り潰せ」
「解りました。何処までやれるか解りませんがね……」
そして原則を追加で崩して行く。まあ、そして原型は無く成り、完了。これで良いだろう。
「でどうだ、やれたか?」
「原則を軒並み崩しました。ですが、それだけです。保障は致しかねます」
「……封印すれば良いのでは無いか?」
「世界の原則の化身を封印とかが出来るならそもそも世界を全部壊してから似た規模の世界を零から創った方が手間的には早いです。それこそ結果的には世界の全ての原則を全部機能不全に成るレベルで壊すのと似た事に成りますし、それが出来るならもう世界を創って移住した方が早いです」
「では聞こう。原則の化身がその移住先に来ない保証は何処に有る?たとえ面倒でもやるべきだ」
「……では、原則を原則の化身が封印される形に再構築します。ですがいずれ封印は解けますよ。原則の化身を原則で封じても原則の化身に原則へと介入されたらアレですし」
「原則の化身が成立する為の原則を全殺しした。それでは足りぬか?」
「例えるならばあくまでも水面の月を、水を抜いて別の物で埋めて隔離して水面の月が其処に映らない様にして居るだけですので、その隔離と代わりに埋めている物を壊されると元通りです。世界を壊して造り替えて原則の化身が成立出来ない様にしない限りは、ですが」
「ではその壊すのを出来ないようにする原則を用意しろ。今なら出来るはずだ」
「……解りました」
そして原則を更に加える。……封印と言うか、原則の化身の徹底的な無力化だな。……まあ、そのための枷が、相手側が操れる物である可能性が有る物だと言う事がアレな訳だが。そして作業をして行く途中で妨害が入る。
「ええい、往生際の悪い」
「勝ち負けの原則を変えれば幾らでも勝ちに出来る。そりゃあそうも成る……これは……世界の丸吞みだろうか?」
「クソ、食われた部分の神格統合が潰れている。神格統合を潰しに来た様だ」
「……まあ、馬鹿でしょうと言わざるを得ないな、やれ」
……その言葉とともに各所で大爆発が起きる。
『……何が起きた?』
『そりゃあ、お前、アレだよ。此方のエネルギーを無理矢理奪って来たからと言ってそれが此方の制御下から外れている訳じゃ無いからだよ。しかも通常の攻撃より此方を取り込もうとしたのだから、そのエネルギーを集めるや取り込む器官を此方にぶつけて来ているはずだ。だから、それを爆発さした。それだけ』
『……普通奪われたなら制御から外れているのじゃ無いのか?』
『別に俺らは原則の化身より総合力で弱いからこの状況に成った訳じゃ無い。持つ力の種類の問題だ。それにわざわざダメージ受けやすい所を相手が此方のエネルギーの場所に近付けてくれたからな。そりゃあ、ね。別物倒して倒したことにして威張る奴はまた話は変わるけれど』
『……要約すれば相性ゲーに負けただけでしか無く、別に実力で負けた訳では無い、と』
『まあ、そりゃあ、ね。能力を持ってない奴の僻みに聞こえるかもしれないが、だが、そう言う奴等の力を合わせたら相手は倒れた。原則の化身にすれば個々で相手にすれば簡単に処理されるような内容の力で、だ』
『……今はそれで殺し切れてないからこう成って居ると言うのは無粋ですね。……まあ、原則を更に追加します。少々耐えてくださいね』
まあ、原則を加えては反乱され加えては反乱され、を繰り返し、暫くして……攻撃が止んだ。まあ、これで良いかな。……この世界の基本原則を粗方壊し尽し別物に変えた後のそれなので……正直な話、もう俺は世界創造主に成れるレベルだ、今の自分の力ならさ。……まあ、それで威張るとしても、所詮は借り物でしか無いけどね。更に言えば簡単に回収されもする物だ。故に自由に世界創造を行える立場でも無い。……まあ、先はああ言ったが、膨大な力を扱う感覚と言う奴は今回の膨大な力を例え回収されようが俺の財産に成り、残る。貰った能力でそう言う感覚を嵩増しして無いからだけどね。……自由に世界創造を行いたいなら自力で膨大な力を振るえる所まで行かなければ。そうすれば自分の世界創造が他人の都合に左右されなくて済むように出来るのだから。
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