第16話未定

 そして後処理を始めて思う。……これ俺居る必要有ったか?……いや、これは本来俺が倒すべき相手で、そいつがヴィシュヌ様にわざわざ喧嘩を売ったからだ。インドラに勝ったから調子に乗って居たのだろう。見えない事が売りの攻撃を見える前提で対処出来る奴が居たら、それはこうも成るだろうが、結局本来見えないのが見えた理屈が提示されて無いのでなんか釈然としない。攻略出来ていない物を攻略しないでも攻略したと無理矢理して居る様な感想が出る。それをもし例えるなら自分側が倒せない敵を敵側が処分する的なそれ。ヴィシュヌの分体もそれを説明する気も無さそうだしな。ま、それは良いか。……しかし、ヴィシュヌの神話を自分の手でレプリカ相手に再現し、ヴィシュヌだと名乗る権利を得る、か。……まあ、武勲だけでそれをするならヴィシュヌが倒した奴と似た相手を軒並み倒せば良いだけだとしても、再現する上でそいつだから出来る事系の奴はどうするつもりなのだろう?いや、そう言うのがもし俺に出来始めたなら、ヴィシュヌに成る事に拘る必要性がそもそも無く成るか。それが出来ると言う事は神話の神の所業を普通に振るえる様に成って居るのだから。つまり、それで自分に神格的な意味で下駄を履かせる為の物だと思えばいい。……まあ、それだと神だと呼ばれるに足る武勇伝を得よう的なニュアンスに成るが、軍神とかの戦系の神と呼ばれるにはそれで十分では有る。……まあ、より正確には神話の神が出来た事が俺にも出来た。故に神話の神相応に俺は成った……とは言える訳で、神呼ばわりされるレベルの事が出来るなら、そもそもヴィシュヌと言う称号に拘り襲名する必要がそもそも無く成る。そういう意味ではヴィシュヌに成ろうとして似た事が出来る様に成るのは最終的には通過予定点では有る。それが俺に出来るかはまた別としてだが。……あ、そうそう。相手に強制ラーニング能力耐性を付けたければ多分学習能力が皆無に成るしかないかな。要は学習する事を防がないと駄目なのだから、耐性付けたらハイ解決としたいなら学習能力を零にするしかないのだし。まあ、要はAI積んで無い操作するだけのロボットとかに対処させれば良いのだが、要はそれを受けた時の対策じゃ無いし。

『まあ使い手も倒された様だし、もうそれについては考えなくて良くない?』

『ラーニング能力の性能次第では他人に能力のラーニングをさせてそうだし、暫くは様子見した方が良いと思う。今回の奴を防ぐにはどうするかだ』

『学習がどのように行われたか?の、手法が解れば該当学習能力だけを一時的に潰してれば良い訳だけど、今回の場合は視覚?それとも嗅覚?』

『それについてなら今回は多分嗅覚だろう。短い時間だけ見てれば効くとかならそれを運ぶ間に自分側がそれを喰らいかねないし、そうじゃないとやられたタイミングが殆ど同時には成らないだろうし』

『嗅覚、ねぇ。対策にはガスマスクでも付けてれば良いのか?』

『方式が五感のどれかにに働き掛ける物なら対応しているのを使えない状態にすれば良いのだし、それでも良いのだろうが……決め打ちして対策したとして居たら別方式ぶつけられましたとかされたらアレだからな……方式が割れれば対策を決め打ちしても問題無く成るけど、方式が解らない状態でも確実なのは五感の学習能力を零にする事に成る訳で』

『まあそれに装備品でどうにかするって言うのは、相手からすれば該当の装備品さえ壊せば能力を通せる状態だしね。……まあ、五感を封じて一時的に学習能力潰してもその状態でまともに戦う為の能力が無いと、頭の悪いAIみたいな挙動をさせられかねないけど』

『計算で全部導き出せるとか言うのは、相手の取り得る対応策を全て知って居て初めて成立する物だけど、まあ、それはさておき、どうする?居るかもわからん生き残りとでも再戦前提で動いてみるか?』

『あー、相手の能力含めたステータスが全部解る能力有れば良いのですけどね』

『……持つ能力の内容にも依るが、一番倒すのが面倒で有ろう能力を膨大に持つ奴とか大抵の事が出来る万能すぎるタイプの奴にはほとんど意味は無いだろ。見られても要約すれば大抵の事は出来ると言う事しか解らん訳だし、もし利点が有るとしたら、相手の能力の隠し札の有無が解るくらいか?』

『想定外の一撃、と言う奴は受けにくく成るかと』

『そうするためには、相手の持つ能力の全ての使い方を把握して無いと究極的には防げないと思うが。使い手の技量を度外視したカタログスペックだけ解ってもさ』

『一言で言えば、相手が何でも出来ると言う事だけが解ったからって仕方無い。と言う事ね』

『それだよ。それとも鑑定系とは相手を見るだけで相手の既存の戦闘ログを全て把握出来る奴の事を言うのか?』

『……ステータス次第でしか無いから出来る奴も居るかもしれないですけど』

『普通に考えて記憶可能量のキャパシティ量的に多用出来る物じゃ無いよね』

『それは人間ならの話ですし、機械ならハードディスクを追加で加えれば良い。さらに言えば相手のデータを永遠と持ち続けている必要性も無いですから、要は一個体分の記録を抱えきれさえすれば良い』

『要約すれば性能が高ければ可能だ……ってか。それをやる際に掛かる消費するカロリーとか電力がヤバすぎるだろ……とかもエネルギー効率とかスペックが高ければ、とか言われそうだな、それだと。相手側が後出しじゃんけんが可能な状態で相手の思考迄完全にいつも読み切れるなら苦労は無いのだが』

『……まあ、消費エネルギー量に関しては俺も相当イカサマしている訳だから言うとアレだが、見てから回避余裕でした。とかされたら、計算もクソも無いが』

『それはもうその対応も計算で解るって言われるだけじゃない?』

『……それにどんな対応されようが、と付けるならもうそれ特に根拠無しに勝てるって言いたいだけでは?まだして無い計算も出来るって言って居るだけだからな』

『本格的な認識のズレが有る様に感じるわね……。どんな能力も使えるから対応出来るは都合の良い能力を適宜に用意すれば良いだけだからともかく、相手の可能な手段全部を全開示で戦える戦いでも無いとそもそも条件不足で完全にシミュレート出来ないでしょう?不確定要素を無い物だとしてガン無視でなら可能だけど』

『……それ相手の隠し札一つで簡単に破綻する奴だろ……それで大丈夫だとかガチで言うのか?』

『まあ、これだけあー色々と言っても俺スペック良いのでやれます。で終わるような話と言うアレな話だからな』

『……まあビィシュヌ様なんて世界を吸収して再創造出来ますしね。出来る理屈の突き詰めなんて無粋な話かもしれませんが。頭の悪いそう言うふざけた内容に俺が辿り着きたければ理屈が要ります』

『“全身“水の身体で人外に成っている事の説明もせずにそんな理屈を吐くのか?』

『それは確かに話せません……それは確かに生命線でしょうが、それでも此方をそちらの領域に引き上げるつもりは有るのですよね?ならなんか教えてくださいよ』

『嫌だね』

『……』

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