第13話未定

『でも心配なのは他者を意のままに操る能力系よね。それが現実可能かどうかはさておくとして、宇宙の化身とかを操る奴が出たら……』

『それを打破するのが出来るか出来ないかはさておいて、むしろそれの状態を打破出来れば宇宙の化身と結託をスムーズに出来る展開に成るからな。それが出来るか出来ないかは度外視して、の話だが』

『まあ、話の前提からして出来るか出来ないかは度外視して居るから、それを打破出来るか出来ないかも度外視し無いとアレよね』

『そう言う奴が出て来たなら、それを出来るか出来ないかは度外視するとしても、何もそう言うのが無く、普通に宇宙の化身と戦い、従わせるなり協力協定を結ぶよりかは難易度が低い事に成るだろうさ。国の政策で外敵創って結託させる手法の共通の外敵役に成るのだから、協力協定を結ぶ上でそれを結ぶ事でのメリットを提示しやすく成るのだし、エウミア連合国が出来る前に支配能力なら攻略済みだしな』

『……どんな奴でしたか?』

『要はここで言うそいつはラーヴァナレプリカの事だ。確か、能力はざっくりいうと穴抜け有りの挑戦権の掌握とそれを補う為の特定種族支配能力の混合能力だったかね?能力の完全なネタバレをシステム作成者に受けた上で戦って倒したから特筆すべき事は無いレベルで簡単に倒せたけど』

『そう言えばその例で行くとヒラニヤカシプは例えるなら条件付きの殺害権の掌握だった訳で、ビィシュヌが倒したのは何らかの権利掌握能力ばかりと言う事かしら?』

『まあ、それは知らないからどうだろうな?……と、そうだ、今は時間が有るしラクシュミーさんの所に案内してくれ。まあビィシュヌとの伝手が既に出来ているからアレだが』

「その必要は有りませんよ。お三方」

 恐らくラクシュミーが地面から出て来た……まるで有名な美女の彫刻の様に美しい。

「……美貌故に生まれて直ぐに散々アスラ達に散々付け狙われただけの事は有りますね」

「お世辞をありがとうございます。ですが貴方はそう言う事はしないのですね」

「……ビィシュヌ様と既に知り合いの状態で貴女様に手を出そうとは思いませんよ」

「あら、私は沢山の体を必要に応じて作れます。私の全部なんてあげられませんが、その内の一つくらいなら、貴方方に同行させても構いませんよ?連絡役としてですが」

「……」

「……苛立たしいけど、名目上は必要ね。水霧?解っているわね?」

「……ああ、そうだな」

 ……強い奴とのパイプ役、か。……ラクシュミー様の意に添わぬ形で手を出したらそのパイプも消えると考えると、そう簡単には手を出せないし、美味しいイベントに見えても、精神的なお預けを受けまくる状態な様な……気がする。

「さて、なら分体を渡しますね」

 そしてラクシュミー様は体を分裂させ、似た容姿の分体を渡し。

「それでは私は此処で失礼させていただきます」

 そしてラクシュミー様はいきなり霧散して此処から去った。

「改めてよろしくさせていただきますね。水霧さんにアーバーンさん」

「……よろしくお願いします」

「水霧は私のだけど、それで良いなら……」

「……私の立場が無いですが、よろしくお願いします」

「では挨拶はこれで良いとして、これからどうしましょう?」

「……ビィシュヌ様が仰っていた事を試したく思うのですが、どうでしょうか」

「忘れていました。私はあくまでも分体なので、私の事はラシュで良いです。様付けも要りません」

「ではラシュ、さん。仲間の所に合流しても良いでしょうか?」

「解りました。では参りましょう」

 そしてシュライク・バースディと別れた場所に移動すると、鍛錬だと思われるが、シュライク・バースディとテラ=マーテルは巨大隕石を沢山乱発して居た。

「……シュライク・バースディ、少し前までエネルギー不足で色々と苦労していたのにエネルギーの浪費をしているのじゃ無いよ」

「いや、これはエネルギーの消費量は見た目より少ないぞ。それはともかく、そちらの美人のお二方についての説明が欲しいのだが」

「要約すれば、偉い方とのパイプ役の人達だな。ええと、アプラサスの……」

「ラシュです。よろしく」

「同じく、スイレンカです。よろしくお願いします」

「……伝手って何処とのだ?アプラサスで何と無く予想は付くが」

「ビィシュヌ様とラクシュミー様だな」

「……何でそう言う所と伝手が出来た?」

「……リソース争奪戦をしていたら後は流れで……」

「……何か裏が無いか?騙されて無いか?それ」

「だが、ビィシュヌに関しては此処の情報だけしか知らないなら知る由無い此方の事を言及してきたし……」

「いいや違う。別に力を疑っている訳じゃ無い。ビィシュヌとは直接会って無いから、水霧が詐欺をされた可能性を心配しているのさ」

『ほう。まあたまには居るな。自分が見た物しか信じないと言う奴は。良かろうでは汝しか知り得ない情報を開示しても良いのだが、どうする?』

「……それは此方の心が読めるだけでも可能だ」

『なら巨大隕石を幾らでも此方に撃ち込んでくるが良い。全て対処して見せよう』

 そして水で出来たかなりのイケメンがある程度の離れた場所に出て来る。

「……良いのか?」

「そんな欠陥隕石なら幾らでも」

「……ああ、やってやろうじゃ無いか」

 そしてシュライク・バースディとテラ=マーテルは大量な巨大隕石を構成していく。……明らかに過剰火力で有る。

「おい、やり過ぎだ。流石にヤバイって」

「構わない。全て対処してやる」

「……行くぞ。絨毯隕石撃」

 大空を埋め尽くす隕石群が一斉落ちてくる。が。

「絨毯爆撃をもじったのか……」

「言った筈だ。それは欠陥品だと」

 ……一つすらビィシュヌには届かない。

「いや、ふざけているだろ。制御力どうなって……」

「今回の隕石群は要するに磁石の塊で有る。つまり、対象者にある程度以上の磁石に干渉出来る手段が有れば隕石群側が避けるなり、空中停止する。だからこその欠陥品だ」

「……いや、物量的に並大抵の奴ならそれがもし解っていても押し切られるレベルだが……」

「ちなみに通常の隕石群だけで今の奴をやられても、要はその隕石群を電気系統で直撃までに磁石化すれば同じ事は可能だ」

「ああクソ。本人かどうかはともかく、先に考え付いたばかりの事を指摘されたばかりか、ガンメタぶつけられちゃあな……実力は認めざるを得ないか……」

 まあ、少なくとも初見で無いのは確かだろう。それで見た感じ、アレだったから、ああ言いこう成った訳だし。

「さて君らは他にやる事無いのかな?ならやって欲しい事が有るのだが……」

「……いや、何やらせる気ですか?討伐系なんてビィシュヌ様がやれば良いですし、此方がわざわざやる意味無いでしょう?」

「……そうすると後進が育たない会社みたいな事に成るが?」

「だとしても飽くまでも俺達は外様ですよ?」

「理由は先に話した。有望株に声かけているだけだ。そして、そうだな。権利掌握系の奴倒しに行って見ないか?」

「それを此方にさせる事で何の意味が有るのですか?」

「同じ括りに居る事に成るだろう奴に繋がり持って置く事が悪い事かね?」

「……それだと俺はビィシュヌ様みたいな領域に行ける、と?」

「飽くまでも今はそのレベルに行く権利を持つ、権利を持つレベルだが、ね」

「……俺も一撃やって良いですか?」

「解った。来い」

「よし。行くぞ」

 俺は巨人を生成するそれに召喚システムと世界を混ぜた物を込める。簡易世界を巨人の拳に込め。ビィシュヌへとぶちかます。

「……ユミルインパクト」

世界と世界が簡易的にぶつかり合う。技の威力自体は重要では無い。互いの世界を攻撃で壊す事で互いの世界の修復機能の奔流に相手を叩き込む。要約すれば二つの世界の力を限定的に対象者へとぶつける技だ。辺りの場所が弾け飛ぶ……が。

「やるな。だが、前提と成るコンセプト上、威力は半減しているから、まあ、問題無い」

ビィシュヌ様はほぼ変わらず其処に居た。

「……つまり、ビィシュヌ様はこの世界の世界創造主だ、と?」

「一応な。世界創造主の対応する世界の中以外の時には十分通用するよ。これは」

「ありがとうございます」

 ……上はまだまだ高い、か……。

「何やった?」

「一言で言えば、システム干渉で他のエネルギーを攻撃と同時にぶつけた」

「……ああ、そう言う……なら追加で言うなら要は相手の領分のエネルギーをぶつけようとしたから本来の想定威力より実際の威力が下がった訳だ」

「まあ、そう言う事だな。このビィシュヌ様は多分レプリカじゃ無いだろう。……いや、そうでないと本物はもっとやばい事に成るし、このレプリカを創った奴は更にやばいだろうし」

「一応は本人だが、これが全力みたいに思われてもアレだな。此方はあくまでもビィシュヌの分体だ。だが、それでも世界二つ分の機構のエネルギーをぶつけられた程度でやられる程のレベルじゃ無いさ」

「……此方的には悲報なのですが?」

「別に今から直ぐに敵対する関係な訳じゃ無いのだが?」

「それはそうですが……これでもそれなりに強かったつもりなのですけどね」

「……いや、此方は仮にも主神レベルだ。そんなレベルに簡単に到達されてはその他大勢の立つ瀬が無く成る。……いや、まあ、其処のアーバーン=ウォーター側は、話は分体の此方からすれば別だろうが、今はそれを確かめるのは止めて置くとしよう」

「……まあ、そう言う事にしておきましょう。……例えば仮に当たり判定詐欺とかをやって居たとしても、通常死ぬようなのを凌いだのは確かなのだし」

「……ああ、余りにダメージ受けなかったから、それを疑っているのか。最後の奴はともかく、隕石群が此方に届きすらしなかったのは単純にメタを張れただけだから、それをしていてもあまり関係無いし、神話がどうこう言うなら、此方の本来のサイズも知るはずだが?」

「ミニチュアでも何でもないサイズの世界を三歩で跨ぐのが可能な大きさ……だったかしら?」

「ああ、そうだね。そう言う事に成る」

「失礼を承知で言うけど、貴方の語られる神話の基本形式上、後進の育成は向いてないと思うのよね。住人がアスラにしてやられたので、それを貴方がどうにかすると言う導入が多いらしいし」

「……相手側が此方と同格の奴から貰った力で無双する奴等なら構成上仕方なくないか?此方と同格の力の一部を振るう奴だから」

「貴方と似た力の後進を育成すれば良かっただけの話よね?」

「……有望株に声掛けしているだろ」

「それは貴方関係なく強く成れただけの奴よね?」

「……そんなに言うなら伝手の話は無くても良いのだが?その話的には同格の奴なんて居ない方が、都合が良くなるのだからな」

「同格以上の奴が皆無の環境を創れば、後は好き放題やり放題って言いたいのかしら?」

「此方をアスラと同じにするな。だが、唯一神と言う形式が成立した場合、そう言う事も可能だと言う事は確かだ。まあ、仮に此方がそれをやりたいなら世界を創れる以上はそれ専用の世界を創ればその中で問題無く好き勝手やれるがね」

「……それはそうね。流石に邪推だったわ。それはごめんなさいね」

「まあ、正直な話、効率が全てとしたら食事はサプリメントとドリンクだけで良い的な意味で、自分が何でもかんでも好き勝手や好き放題出来る世界と言うのは味気無い。片手間で何でも出来る様に出来るからとしたら達成感なんて得られるはずも無いからな。例えるなら、そうだな。最初からスキップ機能だけで他の障害は何もなく全てが終わるゲームなんて面白く無い」

「……要は金を得たから自己顕示欲が出て来た的なそれかしら」

「いや、違う。自分だからそれを得られたと言う付加価値が無いだけだ」

「……ゲームで言うなら他人にゲームの高難易度ステージをクリアして貰うような物、ですか?」

「手段は問わない。クリアさえすれば良いとか、報酬さえ貰えれば良いってそう言う事だ。自分がそれをクリアした。それを自分で手に入れたと言う感覚や実感がありゃしない」

「……それは大抵の物が何不自由無く手に入れられるから言えるセリフよ」

「ああ、そうだな。何でも創れる創造主なんてそう言う物だ。自分に都合の良い物を散々好き勝手造り並べ尽して心ゆくまで楽しめる……だが、いずれそれじゃあ満足出来なく成る。それで創る全ては自分の想像力を超えない物でしか無いからだ。百パーセントのネタバレを事前に受けた作品を初めて見て、それを面白いと言えるかどうか?」

「……そう言う事を幾らやろうがそれには未知を知ると言う刺激が無いからつまらない。と、言う事?」

「……これは下世話な話に成るが、只の自慰行為より、性行為が気持ち良いとか言われるのはまさにそれだと思う。自慰行為では自分の思考の範疇の快感しか来ないと言う奴だから」

「……本当に下世話ね」

「ゴホン……話を戻そう。権利掌握系の奴を倒しに行くか?否か」

「……倒しに行きますよ。それで強く成れるなら願ったり叶ったりですし」

「よし、ならその話に移ろうか」

 要はこの話はアレだ。実際にそう言う行為をやる際の問答、反応、対応、全部自分決めの台本通りで満足なんて出来るかよ。という話だろうか?……これ以上これを考えるのは止めよう。





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