第12話未定
……後は特に特筆する必要はないくらい簡単に勝敗は決まった。いや、勝負以前の問題だった。例えるならサッカーで、ゴール数で戦うはずの所で、相手はボール占有率で勝負すると考えて勝負して居たような物だったからだ。勝利条件自体を誤解している相手から勝利条件をもぎ取るのは簡単だろう。いや、こう例えた方が良いか?ババ抜きをやって居るのに、相手はジョーカーを最後まで持つ奴が勝利だと思って居たような物だ。故にテラ=マーテルが攻撃に転じたら勝負は簡単に終わった。……何だろう、この居た堪れない感じは。相手が勝利条件で無い物を勝利条件だと勝手に思って居たせいで此方の勝利条件が簡単に通ってしまったのだ。うーん。これは酷い。これは正確には勝利へ至る為のアプローチが互いに違うが故の結果だ。……明確に勝利条件をすり合わせないからこうなる。勝利でも無い物で勝手に勝ったと相手は浮かれでもしたのだろうか?勝利条件を明確にすり合わせないと何方も自分が勝ったと思ってそうだな、これだと……。うん。居た堪れないが、すり合わせを始めようか……。
☩
話し合いを無視しながら考える。神格の統合を相手はしたと簡単に言うが、神格の統合はリソース支配域の単純な足し算的な上乗せが可能。それは良い。それは良いけど、最初が雑魚いなら必要な戦闘回数は跳ね上がる。返り討ちにされてもアレだから、格下狩りを徹底するにしても派手に動けば流石に途中で他に狩られるだろう。ではパラレルワールドの自分を統合するのはどうだろう?まあ、其処迄しなくともパラレルワールドの自分とリソース支配域を共有すると言う事が出来れば良いだろう。まあ、パラドクスクリーナーを持つ関係上それは俺には使えないし、そう言う手段を取られてもパラレルワールドからの持ち込みは世界の正史で有らずとして、持ち込み分に限り削除出来る。まあアレだ。パラレルワールドが仮に一万個有って、それらの中の自分と協力協定を結んでいてリソース共有をして居たなら、パラドクスクリーナーは要するにそいつのリソース量を実質的に文字通りの一万分の一にする。パラレルワールドの数が膨大で在れば在るほどその効果は上がる。……まあ、そう出来るのは、あくまでもリソース元がパラレルワールドだったなら、だが。だから正史として並行して存在する他の世界からの持ち込みの物には使えないのだし、それで百パーセント無意味化とは出来ないが、パラレルワールドの自分と協力する。と言う手法についてはこれでメタを張れる。あくまでも正史世界では無い物を持ち込む訳なのだから、パラドクスクリーナーの修正の対象に成りますと言う奴だ。……アレだな。わけわからん格上に一当てしてみるのも良いかも知れない。能力を持つ事で自分に掛かる制限を相手にも押し付ける様な能力でも有るから盗られて使われても相手に制限が発生する上で、此方が能力使用に差し障り無い状態であり続けて居れば此方にはほぼ意味が無い訳だし。
「シュライク・バースディ。話を聞け。相手側はヨルズだったらしいが、これからどうする?最悪これからオーディンが来るぞ」
「……あくまでも殺しては無いのだから来ないと信じたい所だが」
「私の中のヨルズが言うには、気にする必要は無いと言う事らしいです」
「テラ=マーテル。それは何故だ?」
「あくまでもこの世界の大半の神格個体はレプリカで有り、故に関係者のレプリカが倒されようが本来の奴等のような繋がりは無いため、来ることは無い。だそうです」
「……本人でなくレプリカだったら他にどうされても良いのか?」
「それを言い出すと神格個体なんて様々な世界で既にレプリカが殺し、殺され、しているから今更な細事なので構わないそうです」
「……創作世界を本当の世界と定義するだけでもそれは確かにそうだけど、この世界みたいな環境の世界が他にも有るのか?……いや、それはともかく、此処で粘りやるべきだろとか言って、オーディンのレプリカが来るように仕向けるのもアレか。この話は終わり、終わり。うん。……さて、エネルギーを回収する話は十分もうこれで出来た気がするのだが、どうしようか?」
「……今すぐに宇宙の化身を倒しに行こうと言える状況でも無いだろ。時間制限が有る訳でも無いし、この世界をある程度平定してからでも遅くない。それが出来たなら更に此方の力は上がって居るだろうし」
「……神格の統合検案がまた来ればそうだろうが、次回は今回みたいには成らないだろう。流石にさ」
「……それを避けるなら今後簡単には大幅なレベルアップは見込めなく成るから、今から凸をした所で、大筋問題無く成るぞ」
「……そういえば此方で仲間に加わった奴がラクシュミーとお目通りさせてくれるそうだが、其方から行こう」
「……そんな伝手を得たのか」
「そっちだっていくつかの神格統合出来ただろうが。此方にだって少しは有るさ。……物は試しで試してみたい事も有るし」
「じゃあ其方に行くとしよう」
「私はパスで。ヨルズさんを統合した事で使えるようになった奴を確かめたいですので」
「……そういうことなら俺もパスだ」
「そうか、なら此方はまずアーバーンの所に行くか」
そしてシュライク・バースディとテラ=マーテルとはその場で別れ、アーバーンの居る場所に向かったのだった。
☩
『それでどんなのが出来る様に成った?』
『一言で言えば磁石生成、ですね。上手く行けば超巨大隕石も創れるかも知れません』
『……それは、それは。核の金属に磁石の岩を生成したのを大量に付けさせて超巨大隕石、か。能力自体は地味だが、実用性が大き過ぎるな。じゃあ色々やって行こうか』
そして色々と検証実験を行う事にした。要は磁石で出来る事も大抵出来る様に成るはずだから、試すべき事なら山ほど有った。……いや、もし仮にこれらが、ヨルズが出来ていた事だったから出来る様に成ったなら、ヨルズが此方を殺す気無かっただけだな、これは。
☩
アーバーンの所に行くと、アーバーンとアプラサスは口論していた。
「気付いていますか?その回答は貴女が嫌でなければ成立しないです」
「私にそれをやった事でマウントを取るのに対しては回答としては十分よ」
「……貴女方を犯す様な奴が出たらどうするのですか?」
「……たられば、なら例えば二次創作的には此方がどんなに強くても作者のやりたい展開の前には無価値よ。だから気にするだけ無駄な話」
「ですがアレの価値が無いなら、何をやれば価値が有ると言うのですか?」
「存在融合なら価値が有る」
「……肉体的な融合には価値は無いと?」
「私は変身能力持ちによる他人へのコスプレAVに価値が有るなんてしたく無いの」
「そんな無茶苦茶な事例なんて起きませんよ」
「私はまだ強くない時の話だから無名だった的な意味で対象外だったけど、前に起きたから私はこう主張している。此方が知らないだけで立場的には視覚情報的には事実上の寝取り映像なんて創られていてもおかしくないと思っている」
「……昔何が有ったのですか?」
「言葉通りの事が起きたのよ」
「そいつは何処に居ます?潰しに行きます」
「既に服役中よ」
「……」
俺は咳払いして二人に気付かせる。
「……もう良いか?」
「……色々と聞きたい事が出来ました」
「深堀してもこれ以上の話は無いわよ。そう言う事件が昔有りましたと言うだけだから」
「……」
「……いや、補足だけはしておくが、それは変身能力持ちが特定の誰かの見た目に成って、撮影したAVを撮り売りさばいた事件の話で、……視覚情報的な意味ではまともにそう言う行為をやる際のそれが完全にAVとして大量に売りさばかれた。それに必要なのは撮影機材と変身能力持ち一人と相手役のみ。犯人の事はともかくそう言う行為の視覚情報的なそれだったら、普通に疑似的な流失が簡単に起きる様に成っていた。……有名人、特にグラビア撮影している奴なんて露出している分だけ精巧に変身されて、そう言う映像を撮られたのじゃ無いかな。視覚情報的なそれに価値を認めているとそれを自分側がされた時にそれの価値認めないとだから、ね」
「……悪辣すぎますね」
『はぁ……まあ、そもそもの話だが、アーバーンは水の化身で、まあざっくり言うと存在自体が水の概念系だから、世界から水の全除去くらいし無いと死なない。世界の外では生きれそうだし、もしそうされても死なないがそちらの開示はしないけど、でも、その代わりに体が至る所に有る。だから、当たり判定はすごく広い。だから多少攻撃を撃ち込まれた程度で死ぬなら、通常生活している間に既に簡単に勝手に死んでいる』
『どういう事?』
『簡単だよ。世界各地に万遍無く有るような状態の身体持ちがその世界内の既存の攻撃で致命傷を負うレベルなら、そもそも今に至るまででもう死んでなければおかしいって事。定義上色々な攻撃の余波喰らいまくるのだからな。世界内でそれが初の魔法なら初見的な意味で話は別だがさ。だから、色々な魔法の余波を喰らいまくっているからね。定義上メタ思考をして無いと不味いのさ』
『当たると不味い系のも簡単に当たるのでは?』
『それは召喚システムが出来てからの世界としても初回発動でも無ければ既に当てられた事は有るはず。まあ仮に俺とか今其処に居るアーバーンとかに超威力攻撃とか当てても、それの威力がどれだけ高かろうが太陽や月を殺す為にソーラーパネルや水面の月を壊そうとしている様な物だし』
『……もし該当の情報が含まれている物で有ってもあくまでも本人では無いのでやられても関係ない、ですか?』
『それよりか少し定義が外れているがね。少なくとも呪いの藁人形が成立しない程度には。……そうじゃないと多分大抵の神は既に死んでいると思うし。色々な創作で散々好き勝手膨大な回数やられているのだから』
『先に出て来た宇宙の化身はどうなるのですか?それが正しいならそれを攻略できなければならないのでしょう?』
『……宇宙の化身が生まれたのは至近で、故にこの話の対象に成る攻撃も少ない。宇宙の化身が産まれた後からその後の全ての攻撃に関しては致死に至らないのは戦いに行って死んで居なかった時点で確定するが、宇宙の化身の部位破壊をするに足る火力が有るのは既に前の時に証明自体はされている。……だから、部位破壊で壊すべき場所が解れば或いは、だな……宇宙の化身に壊すべき所が有るかは知らんが、ここで言う壊すべきところで無い所に大規模ブラックホールとかをぶちかました所で死なないのは宇宙の化身なら前提条件上確定だろうし』
『……壊すべき所なんて有ります?』
『宇宙の化身を宇宙の化身足らしめて居る場所……的な物が有れば、或いは』
『水霧……そう言えば何真面目に攻略しようとしているの?貴方には普通に倒せるじゃない。あくまでもシステム上の存在なのだから、システム干渉で存在基盤を壊せば良いだけなのだし』
『……身も蓋も無いな。だがやる価値は有るか。……システム干渉でそれをやり尽すまで、場を持たせられるかどうかが勝負だ……まあ、その場を持たせると言う事自体が殆ど出来てなかったから思考の範疇の外だった。調査し無いとだな』
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