第6話未定
そして実験をした結果。
「……行けそうでは有るが、……本体が宇宙の遥か彼方に在るパターンならどうしようか。此方に威力が幾ら有ろうが守りに徹さられたら物理的な意味で其処に到達出来ないだろ」
「相手が攻撃してくるならそれを利用すれば何とかなるが……いや、相手が干渉してこないならそれはそれで良い」
「……宇宙に居る限りは相手の攻撃の射程圏のままなのに?」
「……だからって零から代わりの宇宙を全部創れる技術なんて持ち合わせていない訳だが」
「零からやる必要は無いだろ。少なくとも追放された際に付随された空間全ては相手の管理下からは外れているはず。そうでも無いと追放として意味が無いからだが」
「まあ、そうでも無いと身体のある場所からある場所に動かしただけに成るだろうし」
「合流が遅れてアレだけど邪魔するわね」
「アーバーンか。どうした?」
「宇宙の化身は今の条件上そもそも無理を押して倒す必要が有る相手かしら?」
「……追放で終わりと言う事はまともな直接の攻撃は出来ないからだろう?勝ち目は有るはずだ」
「私達が宇宙の化身に勝てるや勝てないじゃなくて、相手が此方の追放で済ましたならそれで良いわよね?明かりも有るし私達に関しては元から宇宙進出なんてしてなかったし、星は丸ごと移動されただけだし。まともな攻撃をされたら迎撃出来る物は有る状態な上、星の現在地が変わるだけなら困る要素なんて此方にはそもそも無いでしょう?」
「……言われてみれば確かに」
「……いや、此方はそれじゃあ困るよ。此方はそれが出来ないし」
「……だが、直接的なメリットが無い状況では有る。何なら戦うのは宇宙進出しなければならない段階に成ってからで良い」
「……なんか梯子を外されたな」
「私達は宇宙進出をしない限り大して不自由無い状況なのが悪いわ」
「……此処が宇宙の化身にとってのゴミ捨て場なら、ゴミ処理施設的なギミックが来たりするのだろうが、現状は無いし」
「嫌なフラグを建てるのは止めなさいよ……」
すると辺りが暗くなり始めた。
「フラグ回収早いな、ちくしょう」
「いや、空を見ろ。只の日食だ」
言われて空を見る。確かに日食らしき物が起きている。
「……いや、太陽有るのかよ?銀河クラスの範囲を移動されたのか」
「そんな事はどうでも良い一先ず次……いや、巨大な狼が来たなそれこそ上空の雲に届くくらいの大きさの狼だ」
「……いや、そこまで大きな狼だとフェンリルが思い付くのだが、フェンリルとか逸話的に神性喰らいとか能力で持って来ても驚かないぞ?」
「フェンリルに日食を起こす力が有るなんて聞いたことは無いが」
「じゃあフェンリルじゃあ無いのかも。……いや、もしかして大きい狼繋がりで、フェンリルの親戚か何かとか?」
「その場合フェンリルもどこかに居そうなのだから悲報なのだが?」
「そんなことを言って居る場合じゃないわよ。辺りがどんどん暗くなり始めているわ」
「能力は光喰いと言う事か?……いや、待て、温度計を見たら少しずつ寒くなり始めている。熱も喰らっていやがる」
「奴は殺すな。この能力なら恐らく体内にエネルギーを大量に貯蓄して居るはずだ。エネルギーの問題が上手く行けばかなり解消される」
「とは言え戦闘が長引けば所謂地形ダメージがヤバイ事に成るが?」
「光系と熱系の収集吸収の巨狼、か。視界も悪くなる一方だって言うのに」
「相手の大きさ故に雑に攻撃しても射程距離さえ足りれば当たる状況では?」
「相手がまともに動かないなら、な。最低限の機動力くらいなら此処に来られたのだから有るだろ」
「そう言えば光と熱吸収以外何もして来ませんね」
「通常環境でしか生きられない奴になら今の奴以外する必要が無いからな」
「さて、どう従えるかだよ。此処は」
「光と熱の吸収なら、炎は吸収されないのかしら?」
「いや、焼け石に水的な光源に使うならまだしも、炎で焼くのって結局は炎の熱で焼き殺して居る訳で……」
「まあ無理だな」
でも、奴を膨大なエネルギーの貯蓄庫だと仮に定義するとして、普通に倒したらエネルギーの暴発検案が起きるのでは?」
「それはほら、ファンタジー定番の魔石とかに成っているだろうから大丈夫だろ……多分」
「エネルギーが大量に欲しい時にエネルギーを壊す様な事をしても仕方無いし、此処は何とか穏便に……」
「なら一先ずは捕縛しましょう。奴の周りの水を全部操って、それで拘束するのよ。もしも熱を奪われても氷の枷に成るし」
「……相手が仮にフェンリルなら生半可な拘束では意味が無いが……まあ、試してみるか。アーバーン。行けるか?」
「ならやってみるわね」
そしてアーバーンが此処辺りの全域の空気上の水を制御し始める。巨狼は離脱しようとして跳躍をするが、何とか範囲内に収まる形で終、うわ、奴が地面に触れた時点で地面が揺れた。震脚と言う奴だろうか?単純な衝撃が辺りを襲う。……いや、おかしいな。先はこれが無いのにいきなり現れたのだ。もしや奴は誰かに運ばれてきたのだろうか?クソ。つまり、奴は既に他の奴のペットと言う訳だ。さて、なら誰が来るかはともかく、拘束出来たらそちらが干渉して来るかもだな、これは。そして辺りの水蒸気が尽く氷に成り雹に成り始める。それ自体には大した威力は無いが、このままでは空間上から水分が除去されてしまう事に成る。まあ。状態が違うだけで氷であろうが水は水で有る。雹であろうが構わず動かし拘束の為に操る。其処で巨狼は口から何かを吐き出すと、それは爆発した。その範囲に居たはずなのに巨狼は構わず動くと地面を揺らしながらそのまま離脱して行った。
「……いや、魔石有るのかよ」
「多分アレは集めたエネルギーの塊で有って、所謂魔力の塊では無いだろうけど」
「……はぁ、集めた物を塊にしてあり、危険ならそれを吐き出し、爆発させる。吸収対象の爆発ならそれを受けてもまた吸収すれば良い。結果的に自分の位置関係を無視した爆弾を運用出来る……か。ふざけんなよ。それだとまともに戦闘に成ったら再利用が前提とは言えエネルギー浪費されるじゃ無いか」
「……いや、一先ずは撃退出来たから良いとしよう」
「まあしゃあないか……」
「で、これからどうする?」
「あの巨狼追うか?エネルギーの大量獲得だったらそれが一番確実だろ?」
「エネルギー塊の爆発の原理があの巨狼の制御から外れた故の物なら、エネルギーの塊を無理矢理能力なり何なりとで奪っても、奪えた瞬間即爆発するだろ、アレは」
「実際、此処は彼方から干渉してくれれば話は早いわね。此方は相手が何処に居るか分からなくとも、彼方は此方に巨狼を送り込める状況なのだから、彼方が干渉してくれば手間が省ける的な意味で」
「何なら見ているだろうそいつに挑発でもするか?」
「巨狼の目的が各地を周ってエネルギーの回収なら、もういっそ、此処は待つだけでも回収出来なかった問題の解決の為の奴が来たりするじゃないかしら?」
「……いや、それだと相手の対応次第だし、巨狼追う方が確実だろ」
「なら彼方の目的がエネルギーの回収作業なら、此処で追わなくとも周辺地帯全域の防衛をするだけでも良い事に成るわよ」
「……余計な戦いもする事に成るが……いや、相手から来させるなら来ないと利益が消えてく形は上等か……いや、来ないなら、とか、要求を飲まないなら、人質殺すぞ……とはやって居る事は真逆だけど、意味合いは変わらない気がする」
「別に犯罪行為をして居る訳では無いし、感謝される事でもあるでしょう?」
「……何だよ、お前ら?手法その物はアウトと言える物なのに、実際にやる手段側はまともとか言う奴なのだが」
「要は強盗殺人と、生死問わずの賞金首殺しの対比みたいな物よ、これは殺すと言う結果は同じなのに、それに付与される意味合いが全然違うのだし」
「……いや、善行をやろうと言う話をして居るのに、悪人紛いだな、これじゃあ」
「つまりは行為其の物では無く、それに付随する付加価値が善悪を決めると言う事よ」
「……えげつない思考してやがる」
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