第3話未定

そして軍部に移動すると支部長の所まで直ぐに通され、テレパスをしろと言われる。

『前置きはさておき、いやはや、むしろ今迄良く隠せていたな、検案だと思うよ。水霧』

『……支部長もあの時は現場に居合わせていましたよね?』

『間接的にだが、そうだな。能力的な繋がりが有る状態であの話は行なわれて居たからな』

『つまり今回の事は事前に知って居たと言う事かしら?』

『ケールハイト代表。まあ、話をざっくり言えばそうですね。只それを除いても色々と彼はやって居たので、隠れた設定的な物がこれから追加で出ようとも、我が軍部としてはもう驚く様な話でもありませんが』

『……何をやらかしたので……いや、海獣討伐戦とかが有るのでしたね』

『ケールハイト代表。アレは私自身が出来たのは海獣が逃げないようにするサポートがメインでしてね』

『……いや、よく言いますね。確かに決め手は此方が召喚した人の力だったかも知れませんが、それ関連無しに戦線を維持できていたじゃ無いですか』

『援軍が来る事有りきで能力を出し惜しみ無しにぶつけまくっていただけなのだがね』

『……援軍を召喚する為に戦線離脱して居た時の事は確かに俺には分かりませんけれど、此方が奴のHPゲージを全部削った訳では無いのですから、謙遜が過ぎますよ』

『召喚システムに付いてはまだ隠している事が有るだろう?初期にアーバーンを召喚出来た理由とかの。それも今問い詰めるか?』

『……いや、今となってはあまり意味が無い奴ですよ。召喚をする上での召喚される奴を決める評価基準が只のランダムじゃ無く、他にも有るだろうと言う事に気付いて早くから試していただけです。ですから召喚に付いての研究が進んだ今はもう意味の無い内容です』

『……まあ先行者利益を得る為にはそれが正解だったのだろうから、公開しなかった事自体には文句は言わないが、本当にそれだけで説明の付く内容か?何か他にもヤバイ内容隠して無いか?』

『自分で自覚出来ない類の物に付いては解りませんが、特にこれ以上隠して居る事は有りませんよ……生命線に成る能力の詳細は別としてですが』

『どうせ水霊関連の奴なのは解るから隠す必要性も無いだろ?アーバーンがまだ水霊の時に水霧はその体を得たのだから』

『……いや、それはそうですが……』

『ああ、つまり水の制御と言う能力では無く、水霊の力か。厳密には水の制御と言う能力じゃ無いだけか。把握した』

『……水の制御と言うだけの能力で無い事の否定はしないけどさ。それ以上の掘り下げは勘弁な』

『分かりましたよと。まあそれはともかく』

 其処で空間上に地震らしきものが起きる。地面が揺れたのではない。“空間が揺れた”のだ。

『いきなり何だ?』

『地震、でしょうか?』

『なんか空中に有る物迄揺れているようだから、空間自体が揺れているのじゃ無いか?』

『……空間の化身とか産まれたのでは無いだろうな?』

『誰が好き好んでそんな物成るのかね?空間の範囲が世界全てと言うならそれこそ世界全ての現象の余波を受けるだろうに』

『いや、自称上位存在が潰れたイベントの代替案イベントを出して来たのでは無いか?』

『……いや、それだと空間が揺れたのは地震が空間にも存在したとかの理屈じゃ無さそうだな。クソが』

「お話中失礼します。大量な小さな物が辺り一面に降り注いでいます。対応をお願いします」

 そして外が見える場所に移動する

『……いや、それ明らかにヤバイ奴だな。出来る限りそれに触るなよ?巨大隕石が落ちてきた訳じゃ無さそうでは有るが、何が落ちて来たか……』

 そして落ちて来た物を遠巻きに調べると、

『……いや、これ、この世界に無い物質か、まだ未発見の物質なのだが?なんでそんな物が大量に落ちて来る?』

『これが天からの恵み……な訳無いですよね?』

『おい水霧。フラワシに連絡を取れるか?彼女ならなんか能力的に知っているはずだろ?』

 そして話を聞き、解った事と言えば。

『空間が歪みその歪みから色々な物が入り、星に降り注いだものはその一部だ。と?……いや、世界規模で空間に歪みを出せる奴なんてやれる奴は少ないだろうし、でもそれでやる事がこれか?』

『継続的に空間に歪みが出ては治るのを繰り返している。……自称上位存在がそう言う物に宇宙空間を変えたのですかね?』

『召喚システムの召喚の仕様の都合上、ダークマターの完全解明が出来ないは限り宇宙全ての化身と言うのを召喚システムで創るのは無理だろうから、そうだろうな』

『召喚システムで何かを召喚するのは要するに機械を組み立てる様な物ですしね。解らない物を解らないままで組み上げられる奴なんてそう簡単には居ないでしょうし。故に世界の化身も居ないはずなのですが、世界の創り主にその論法は通じませんよね。宇宙を創った側なのですからそれのデータを元に化身系を組み上げるのも出来なくは無いはず』

『仮に原因が宇宙の化身だとして小さな物が大量に降り注いだのは何故だ?』


『空間の歪みで外部からの取り込みを行った……いや、まさか空間の歪みは宇宙の化身にとっての口で降り注いだものは食べた物の食べかす、ですか?』

『……ハハハ、汚いとかそう言う事は脇に置いておいて、体内は体内でも食道とか胃袋とか小腸とか大腸とかか?つまり降り注いでいるのは排出物予定の物と言う事か……いや、なら水に相応する物を大量に飲めば?』

『……大洪水、ですね。早く対処しないと』

 そして対処に当たる事に成った。そして数日が経ち。

『まあ一先ず隕石の頻繫な大量飛来とかの事に成らなくて良かったな。……いや、宇宙の化身がやって居る事が只の食事なら、食う物をこぼす的な意味での大量飛来も有り得る状態では有るからアレだけど』

『一日一回世界に新規の物質が飛来する。……いや、それが貴金属類とかの絶対量が限られた奴なら歓迎では有るが、……定義上の実状的には食べかすがこぼれた物や床にこぼした食べ物、だからな』

『隕鉄的な物が定期的に来ると考えると美味しいかも知れませんが、定義上はそれなのがアレですよね』

『……いや、だがそれを気にしない奴もそれなりに居るだろう。牛乳とか蜂蜜とか動物の卵とか食べ物では良く有る事だし』

『少し意味合いは違う気もしますが、実利が有るなら度外視される範疇と言う奴ですね』

『天の恵みが来ると言うだけの仕様に自称上位存在がさせたとは思えないから、何か裏の意図が有りそうでは有るが、現状此方に得なだけだ』

『まあ私達が体内細菌的な扱いなら、宇宙の化身にそもそもサイズ的に認識されてないからなだけな気もするけど』

『……いや、それはつまり、宇宙の化身を討つべしとしたら?』

『相手からすれば体を動かすや物を食べるや水を飲むだけで此方は大災害に襲われる。でも、そもそも宇宙の化身からすればそれは戦闘行為ですらない只の生活での行為な訳で。戦闘行為をし始めたら、多分さらにヤバイ事に成るわよ』

『スケールが違い過ぎるとは此処まで理不尽なのか』

『……多分、他の世界に水霧を出て行かせる為の物よね、これは。貴方にはこの影響下から逃げ出す事が出来るから』

『いや、だが世界の外に逃げたら逃げたで前に自称上位存在が撃退していた奴等と本格的に戦う事に成る可能性が高いぞ?今逃げるのはそれに釣り合う事か?』

『現状はそうじゃ無いわね。でも、展開次第では考えておいて』

『解った。準備だけはしておく』




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