第263話 1 イーグルアイを鎮静化させよう

慈善団体イーグルアイ

訳ありで冒険者登録できない者がそこでは冒険者活動をする

俺達の住んでいるグリンピアにも支部があり、ギルドとは反対方向だ


飲食店で変ないちゃもんをつけたり、森で出会った正規の冒険者を遠ざけて自分の狩場を確保したり他にも色々と耳には入る

クローディアさんの堪忍袋の緒が切れたのか、彼女はクリジェスタの2人に突撃を指示しちゃったのだ

一番加減を知らないであろうリゲルとクワイエットに頼んだという事はそれほどご立腹だと思われる


俺は中心街で仲間と共に待っていると、リゲルとクワイエットはやる気満々で現れたのだ

クワイエットさんなんか…もうね、なんで人を殴るようのグローブを左手にはめているのかわけがわからない

殴る気満々じゃん…


ティア

『あぁこれは』


リュウグウ

『私はティアと見ているだけだ』


クワイエット

『ティアマト君とリリディ君を借りるね。2人共いけるでしょ』


リリディ

『スタッフで殴っても?』


クワイエット

『良し』


ティアマト

『何すればいいんだ?』


リゲル

『飛び掛かってきたら殴って吹き飛ばす』


ティアマト

『わかりやすい』


《どっちがゴロツキかわかんねぇぞ》


確かに!


街のちょっと外れにある建物

2階建てのイーグルアイのグリンピア支部がそこにはある

結構見た目は綺麗なんだが、中はそうでもない

なんというか、内装も綺麗なんだけども人がそう見えないくらい不良っぽい見た目の者が多いのだ


俺達は建物の前に立つと、リリディが足元にいるギルハルドを撫でる為にしゃがんでから口を開く


リリディ

『どうする気で?』


クワイエット

『馬鹿は恐怖で支配しかないよね。怖い奴には逆らいたくないし面倒な事起こしたくなくなるでしょ』


リゲル

『馬鹿はそれしか手がねぇ、絶対恐怖でしか手は無い』


ティアマト

『まぁ仕方ねぇだろうが。剣振り回してくるんじゃね?』


クワイエット

『当たり前でしょ。さぁ行くよ』


先陣を切るクワイエットさんに躊躇いはない

っていうか、凄い笑みだ


ティアは苦笑いしながらも俺の腕を掴むと、建物の中に入っていったんだ

2階は吹き抜け…ではないようだが1階の作りは俺達が拠点にしているギルドと酷似している

目の前には丸テーブル席が点々と設置されており、赤い絨毯が奥にある受付まで伸びていた


《みんな魔物から人間に転生したのかってくらい顔つき悪いな》


こんなところで1日いれと言われたら無理だ

俺達が入ってきた途端、全てのイーグルアイ冒険者の視線が突き刺さる

しかし、中にはそこまで人相が悪くないと思われる者もいるからちょっと安心だ


受付嬢は可愛いのに、受付で伏せて寝ているぞ?

イーグルアイの運営職員が2人しかいないのは何故だろう、日中なのに少なすぎる

きっとあれだ、経費削減でギリギリの人件費で施設をまわしているのだろう


『なんだぁ?』


『誰だてめぇら?』


そんな声が聞こえてくるが、見覚えのある奴がこちらを見てギョッとしている

以前に俺達も飲食店で絡まれたことがあるんだけど、イルドゥンという仮冒険者チームさ

リーダー格のエンリケにサイファー、ゼニス、オスカー

全員が俺達を見て驚いていたのだ


しかしそれよりもクワイエットさんがいるとわかった彼らは驚愕を浮かべ、なんだかいきなり席を立って後退りし始める

あれだ、これも以前と言うべきか…。クワイエットさんはイーグルアイの集団のカチコミを返り討ちにした事あるんだったよ


リュウグウ

『既にあっちは後手』


彼女はそう囁くと、ギルハルドを抱きかかえて近くの開いている椅子にティアと座ったのだ

なら俺も座ろう…うん何も言われないから良いと解釈だ


クワイエットさんが一歩進めば、イーグルアイ冒険者は一歩下がる


リゲル

『悪いが危機感ねぇ馬鹿共にゃ痛い目見せねぇと駄目だと判断した』


クワイエット

『最近問題起こし過ぎ、新米チームもかなり困ってるから君たち半殺しにしてからジョブズ男爵を脅しにいくよ』


オスカー

『お…お前ら何をいって…』


クワイエット

『さようなら』


クワイエットさんは近くの丸テーブルを回し蹴りで吹き飛ばし、奥にいたイーグルアイ冒険者二人に命中させて吹き飛ばした

これには受付で寝ていた受付嬢も飛び起きたし職員も驚く


だがすでにリゲルとクワイエットは飛び出していき、逃げ惑うイーグルアイ冒険者を片っ端から殴り飛ばしたり飛びかかってきた者が振り下ろす剣を避け、酒瓶で顔面を叩く


ティアマトとリリディがいない

気づけばロビー内でクリジェスタに混ざって乱闘騒ぎだ


『ニャーン』


リュウグウ

『男は元気だな』


俺を見て言うな…


てか9人くらいは椅子に座ったまま傍観し、酒を飲んでいる者がいる

彼らもイーグルアイ冒険者なのだが、彼らと目が合うと理由がわかったよ


『俺達は問題は起こしたくねぇからな?迷惑はかけた覚えはない』


『私もだね、別に普通に活動してるだけ』


アカツキ

『冒険者登録の条件はあるんですか?』


『不透明かな、ある程度は普通に活動すれば創設者が冒険者ギルド運営委員会に推薦状を出して査定、だが2チームしか俺は許可が降りた奴を知らん』


ティア

『大変ですね』


『てか普通あの二人に飛びかかるなんて無理無理、それに君はティアちゃんだろ?下手したらこっちの首が飛ぶ』


そこまで理解してるなら正常では?


《半分消えたか》


気づけばイーグルアイ冒険者の半数が地面に倒れてる

てか何人いると思ってんの?パッと見で50人近くいたよね?


『助けてくれぇ!俺じゃねぇぇぇ!』


悲鳴を上げて逃げるものが多い

立ち向かおうとした奴はほとんどは瞬殺されてる、死んでないよ?


ティアマトは丸テーブルを持ち上げると飛びかかってきた冒険者にぶつけて吹き飛ばし、リリディは欠伸をしながら攻撃を避けては木製スタッフで叩く、を繰り返してる


エンリケ

『てめぇ!ただで済むと思ってんのか…戦争でもする気か』


リゲル

『一方的に蹂躙するのに戦争とか馬鹿か』


イルドゥンのリーダーであるエンリケ

抵抗虚しく、リゲルに腕を捕まれると強く引寄せられ、肘撃ちを顔面に受けて前屈みになる

鼻血が出ているが、リゲルは関係ないと言わんばかりにエンリケの髪を掴むと、鼻をおさえているエンリケに頭突き


『みぎゃっ!』


痛そうな悲鳴


その間のティアも最高なんだよ


『あ!バナナジュースください!三人!』


店員

『か…かしこまりました』


この状況で頼むぅ!?


リゲルはエンリケの胸ぐらを掴むと、凄い怖い顔で睨む

これには流石にイーグルアイ冒険者達が生唾を飲むくらいだ

本当に怖い顔してるんだよ


エンリケ

『ひっ…』


リゲル

『あとはどこ折ればいい?』


エンリケ

『ひぃやぁぁぁぁ!サイファー!ゼニス!オスカァァァア!』


チームメイトの名を叫んで助けを呼んでいるが

エンリケの虚しき声はきっと三人に聞こえない


ティアマト

『これか?』


サイファーは壁から下半身が出てる状態

多分だけどティアマトが投げちゃったから壁に突き刺さって気絶したのだろう


ゼニスはティアマトが踏んでる

オスカーは残念ながら今クワイエットさんが受付の奥に投げたから場外だ


残り20人くらいだが

半分は涙目で両膝をついたまま両手を上げている


エンリケ

『もう…しません』


リゲル

『聞こえねぇなぁ?』


また顔面に頭突き、あれは痛い

可哀想だけど、何度も問題を起こすなら仕方ないのかもな

鼻が潰れたエンリケは涙目になりながらも服従を口にするが

どうやらリゲルやクワイエットさんはとことんやるようだ


リゲル

『ギルドマスターいるか?』


エンリケ

『いまひぇん』


リゲル

『あ?』


エンリケ

『ごぶっ!?』


俺でもギリギリ見えたリゲルの蹴りはエンリケを吹き飛ばした

受付下に滑り込むようにして背中をぶつけ、近づくリゲルに『きるなぁ!』と叫び散らしてる


もう戦う意思はあちらにはない

あまりにも強すぎるから諦めるまで早かったな


クワイエット

『あのさ、火種を作るとこうなるよ?次何かあったら腕切り落とすから』


リゲル

『全員な?なめんなよコラ』


《こっちがゴロツキだったか》


アカツキ

『ふむ』


ティア

『でもお兄ちゃんも言ってたけど馬鹿は恐怖でしか薬にならないって言ってた』


アカツキ

『まぁやってることはそれと変わらないもんな』


静まったけど、半分以上は気絶してる

あの二人が少しでも動けばみんなビクンと驚くのだが恐れすぎである


リゲル

『こっちは怪我人でてんだ。金も巻き上げたそうだな?誰だこら』


一斉に視線がエンリケに向けられた

途端に彼は悲鳴を上げながら受付の近くまでしゃがみこんだまま後退りしたのだ


凄い怯えようだな…


クワイエット

『あれ?9人くらい普通な個体が』


リゲル

『ありゃ大丈夫だ。ジ・ハードとウルフライダーっつぅチームだ』


クワイエット

『ああなるほど、無害なら冒険者登録させたら?普通なんでしょ?』


これには傍観していた9人が少し驚く

彼らも普通の冒険者登録が出来れば収入が増えるのだ

慈善団体イーグルアイで活動しても報酬は半分もここのギルドに吸われちゃうって聞くしさ


『俺達は悪さなんてしてない、普通に稼ぎたいだけだ』


リゲル

『俺達は冒険者だが冒険者ギルド運営委員会の職員でもある。なりたきゃ話をつけてやるぞ』


『それは願ってもない話だ』


『あら?意外にイケメンなこと言うのね』


クワイエット

『なら二組は報告しとこうかな、なんで登録できないのさ』


『浮浪児の時に盗みで生き永らえていたから犯罪歴がある、俺のチームは親に捨てられて稼ぎ方を知らなかったから犯罪に手を染めていたが誰かを傷つけたことはない、今は小さな稼ぎで学生が見るような参考書を買ったりしてコツコツ勉強してるんだ』


『あたしは学生のときに喧嘩ばっかだったからねぇ、シグレ君は流石に立ち向かえなかったわ』


リゲル

『こっちゃ報酬の2割がギルドで8割は冒険者だ。冒険者保険に加入しとけば活動中の怪我は国が8割負担んでギルドが2割負担で無償だぞ?、一人銀貨5枚を月に1度納める事になるがな』


話している間、クワイエットさんがエンリケに積めよって何か話してる

もうしないか?的な内容っぽいな


『適正検査があるだろう?俺達は正式に冒険者になるにはギルドで受けなきゃいけないし筆記試験もある』


リゲル

『遠回り過ぎだ、合格させてから稼いで勝手に勉強でもしとけ。ここでの稼ぎで何かしようとしても時間の無駄だ、クローディアさんに行っとくから明日ギルドに行け。まぁ行くか行かないかはお前ら次第だ』


困惑するまともなイーグルアイ冒険者

ちゃんと生きようとしてるならば、誰かが評価するべきだがリゲルがその役目になろうとしてるとは驚きだ


リゲル

『ただ適正検査は立ち回り方を地下訓練場で見る筈だ。良けりゃ最初からEにもなれる』


『助かるよ。受かれば俺達も先の不安を覚える事はない』


クワイエット

『終わったよリゲル』


リゲル

『そうか』


ようやくここでのやることは終わったらしい

まぁ確かに最近はイーグルアイ冒険者と普通の冒険者の揉め事は多かったしな

クローディアさんも我慢していたが、こんな形で終わるとはイーグルアイ冒険者も嫌だろうな

だけども自業自得だ


今までは争いを避けるつつも有効な解決策を練ってはいただろうが、これが最善策だ

馬鹿は痛い目を見ないとわからない


リゲルはしかめっ面を浮かべ、足元に転がる酒瓶を蹴った

それは受付の奥まで飛んでいき、職員は驚いて屈んだ


リゲル

『お前ら次はわかってんなオイこら?てかここの関係者出せよ』


職員

『い…今は不在で』


リゲル

『1人でギルドに来いって言っとけ。悪いが普通にここで生活したきゃいうこと聞かねぇと直ぐ潰すぞ?』


クワイエット

『さて、2組連れて行こうか』


リゲル

『てめぇら顔覚えたからな?俺の後輩もイジメやがってよぉ』


リュウグウ

『ヤンキーか』


彼女が囁く声が聞こえる

こうして皆でギルドに向かうと、ロビーにはいつも通り冒険者が昼間っから酒盛りしている者が多い

まぁ若い冒険者は昼時だし昼食を食べたりと色々さ


そんな雰囲気の中、連れてきたイーグルアイ冒険者2組の目が泳ぐ

一度しか来た事が無く、ある意味自分たちを求めてはくれぬ場所だという感情があるからかもしれない


しかしそんな彼らの不安は直ぐに冷める


バーグ

『お?リゲル…イーグルアイ卒業の新しい冒険者かい?』


イーグルアイ冒険者は胸にバツ印のついたバッジをつけている為、直ぐにわかる

外すことは出来ない。脱退しないかぎりは


リゲル

『そうなるかもしれないっすね』


バーグ

『そかそか、君らもクローディアさんの試験頑張ってね』


バーグさんは微笑むかけると、イーグルアイ冒険者達はたどたどしく頷く

俺は何故かリゲルとクワイエットさんに呼ばれ、共に応接室に向かう事になったけどなんで俺がついていくのか聞くと『なんとなく』とかリゲルは言ったんだ


俺もロビーで待っときたいよ

仲間は先に昼食とるから羨ましい

椅子が並べられ、そこにイーグルアイ冒険者9人が奥のドアに体を向けて座る

リゲルやクワイエットさんは彼らの前で立って何かを待っているようだが、俺はリゲルの横についた


《ミスマッチだぜ兄弟》


やめろ、わかってる


すると奥のドアからクローディアさんが鉄鞭を肩に担いだままきたんだけど

武器を持ってくる意味は絶対にない


イーグルアイ冒険者達の顔が強張る

でもクローディアさんに怒っている様子はない

彼女は手前の椅子に座ると、足を組んで溜息を漏らした


クローディア

『自殺願望の子?』


リゲル

『違うっすよ。普通の更生しようとしている連中見つけて連れてきたんす』


クローディア

『あらそう、異動させるかどうかは彼らがそうしたいならいいんじゃない?最近の揉め事に関係しているならば別だけど』


イーグルアイ冒険者

『俺達は何もしていない。無関係だ』


クローディア

『なら別にいいけど。まぁうちのギルドの冒険者も色々と揉めたりとする事もある時はあるけどね。』


クワイエット

『軽いですねクローディアさん。一応連絡を交えて連れてきたんですけど』


クローディア

『今からイーグルアイ更生審査員あんたたちね』


リゲル

『はぁ?』


クローディア

『任せたわ、さっき受付でロキから掃討してきたのは聞いたから明日はタタラの男爵馬鹿に会ってきなさい。』


彼女は面倒臭そうな顔を浮かべると椅子を立ち、奥のドアを開けて部屋を去ってしまった

一応俺も知ってるけど、クローディアさんがイーグルアイで更生した者を審査して登録許可を与える権限があるのだ


軽くクリジェスタの2人の押し付けたぞ?ギルマスの権限なのにいいのか?


『あの、俺達はどうなったんだ…』

『めっちゃ怖い女じゃん…あれがここのギルマスとかヤバいとこだ』


女性は知らなかったらしい

今度はリゲルが面倒臭そうな顔を浮かべ、頭を掻く


リゲル

『お前ら合格、明日はここのルールとか冒険者としての触れあい方みたいな眠くなる講習を受けてもらうが2時間程度だ。講習前にイーグルアイ冒険者カードを受付に提出してから講習開始、んで終わる頃に新しいカードが発行されるけども適正検査もくそもねぇなら最初はFランクからだがいいかよ』


『願ってもない。助かる』

『マジでぇ…』

『こんなアッサリと行くなんて運が良い』

『やばいぞ、馬鹿みたいなピンハネからおさらばできる』


嬉しそうだな


クワイエットが彼らの前に立ち、一応な感じでここでの活動するためのシステムを話す

その間、俺はリゲルとこの後を話し合ったのだが

今日中にはここを発ってタタラに向かうという事らしい

3日ぐらい留守にすることは家に話しているから大丈夫だ


クワイエット

『魔石の報酬は時価な部分あるから毎日受付に聞いたりして確認するのもいいけど大きな変動はないよ?依頼は君たちならランクEの魔物ぐらいまで倒せそうだけど、無理をするよりかは自分たちのランク帯の依頼報酬を消化して一気にランク上げたほうが良いと僕は思うよ』


クワイエットさんが元イーグルアイ冒険者となるだろう者たちに簡単な話を今からしている

明日でもいいとは思うけど、彼なりの配慮があるのかもしれない


リゲル

『今日は移動、んで明日はかちこみだ』


アカツキ

『ボコるの?』


リゲル

『しねぇよ、威圧して危機感持たせるだけだ。だからティアが必要なんだよ』


アカツキ

『なら今俺達はここで出来る事はないんだな』


リゲル

『まぁな。昼飯食ったら行くぞ?報酬はちゃんと払うさ』


アカツキ

『気前良いな』


リゲル

『ちゃんとギルドから金は貰ってるからな』


こいつ職員だもんな

羨ましい


こうしてロビーに俺だけが戻ると、仲間と軽く焼きおにぎりを食べる事になったが

今日はギルド内に人が結構いる気がする

何故なのか近くの知り合いに聞いてみると、今日は酒が安く提供される日だから日中から飲んでるんだとさ


リリディ

『お酒好きですねぇ』


ティア

『あんな不味いのよく飲めるね…』


アカツキ

『俺も飲めないぞ』


ティア

『知ってます』


《タタラは馬車で行けば丁度良く夜につくだろうよ。まぁゆっくりすりゃいいんじゃね今日は》


ティアマト

『賛成だ』


アカツキ

『そうだな』


すると2階からイーグルアイの冒険者達とクリジェスタの2人が降りてくる

イーグルアイの冒険者達はそのままギルドを出ていくと、リゲルとクワイエットは入り口に親指を差す

多分だけど、行くぞって意味なんだろうと思う


アカツキ

『飯は?』


リゲル

『俺もクワイエットもある』


クワイエット

『大丈夫、行こうか』


んで馬車乗り場でタタラ行きの乗ったんだ

渡牛という珍しい魔物に引かれていくんだけど、この牛って足は遅いけど長距離を普通に歩くから凄いのだ

初めてお目にかかれたが、案外大きいな


『フニャーン』


ギルハルドは眠いのか、欠伸をすると開いている席で横になって静かになる

目を閉じているから多分寝ている、と思う


クワイエット

『あんまり揺れなくていい馬車だね、馬だと早いけど酔いそうになる』


ティアマト

『ちっとわかるかもしれねぇ。俺もそうだ』


クワイエット

『ティアマト君は意外な事が多いね』


ティアマト

『そうか?』


クワイエット

『不死身そうだもん』


これにはリュウグウがクスクスと笑う

まだ街の中だが、話し込んでいるといつの間にかグリンピアを出ていた

そこで俺達は面倒な事に巻き込まれたんだ








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