第247話 12 焦熱席 不死虫王ジャバウォック

俺とリュウグウが先に飛び出す

相手の行動パターンを知るためであり、最初から攻撃を仕掛けるわけじゃない

ある程度こいつの技や魔法がわかればそれでいい


まずわかったのは異常な攻撃速度だ

奴は走りながらも前の足を横に振ると、真空斬が俺の目の前に直ぐに押し寄せる

あまりにも早い投擲速度に俺は大きく驚いたよ

動体視力が高く無ければそのまま胴体を両断されているだろう


『くそっ!』


刀を前にガードするも、俺は弾かれて後ろに地面を転がりながら吹き飛ぶ

直ぐに起き上がると、おぞましい姿の魔物が既に目の前にいる

技の放つ速度も、動く速度も並外れている


だが奴は俺には見向きもせず、奥に走っていったんだ


無視されたリュウグウですら驚いている

何故あいつは俺達に興味を示さない?

その答えはジャバウォック自ら見せてくれた


狙っているのは明らかにリリディだったんだ

ティアマトの長斧での攻撃を弾き飛ばし、ティアのラビットファイアーですら俊敏さを見せつけて避けると、奴はリリディに飛び込んだのだ


『黒を嫌う悪魔とお爺さんから聞いてますので』


彼はそう告げると、襲い掛かるジャバウォックが振り下ろす爪を黒い煙と化して回避した

怒りを顔に浮かべ、辺りを浮遊する煙を視界で捉えようとジャバウォックは飛び退く

狙いはリリディ、悪魔の天敵としてリリディの称号は存在しているのだと俺は思った


リュウグウ

『鬼突!』


リリディに気を取られている隙にジャバウォックに背後から跳びかかり、背中を槍で突き刺したのだ


『ギャアァァァァァァ!』


悲鳴を上げるジャバウォックは体を振って彼女を振り落とそうとするが、リュウグウも必死だ

俺は居合突を放つために刀を押し込み、真空の突きを飛ばす

だが暴れまわるジャバウォックの足に弾かれ無意味になる


脚は頑丈だな…となると狙うは胴体

様子を見る予定だったが、敵は非常に交戦的だ

そんな暇はないと知る


リリディはジャバウォックの死角である頭上で実体化すると、リュウグウはジャバウォックの背中から離脱

ティアのショックを前足でガードすると同時にリリディは木製スタッフをジャバウォックに向けて黒い魔法陣を展開する


『シュツルム』


その声に過剰に反応したジャバウォックは上を見上げ、黒弾を素早く避けた

爆発が起き、近くにいた俺は吹き飛ばされまいと足に力を入れる


『おかえりぃ!!』


ティアマトがジャバウォックの背後から股下へ

長斧を振り上げて下から胴体に武器を食い込ませた

これが最初の一撃になったんだ


『ギュルァァァァァ!』


甲高い悲鳴を上げ、その場で暴れるとティアマトは逃げ出そうとするがその際に足に当たって大きく吹き飛んだ


俺とリュウグウはジャバウォックを前後で囲み、何度も攻撃の機会を伺うがこれ以上近付けない

奴の脚による攻撃を避けるので精いっぱいだ

トヨウケという魔物を俺は思い出す。こいつはあれと同じスピード、そして巨体だ


ジャバウォックは大きく跳躍すると、高い天井に張り付いた

嫌な予感しかない俺は無意識にティアに近づくが、みんなも彼女に近づいている

その勘は見事に当たったよ


『ギュルァァ!!』


口を大きく開くと、奴は口に大きな水球を溜め始めた

紫色の弾、どうみても俺達に害あるものとしか見えない

奴はそれを落とすと、落下途中で破裂したんだ

雨のように降るそれを避けるため、ティアは真上にシールドを展開する


雨は周りに落ちるとブクブクと泡を吹く

どうみても毒、しかも酸性のな

荒れに触れるときっと人間なんて簡単に溶けてしまうだろう


すると今度は壁を走り初め、赤く光る眼から赤い光線を何度も飛ばしてくる

ティアのシールドでそれを何度も防ぐことは出来ない

皆は一気にその場から飛び退いた


どんな攻撃をしたとしても、壁を走るアレに攻撃を当てるのは無理だ

誘い込まないといけない

それにしても…


『僕ばっかですか』


リリディは全ての光線をスレスレで避けているが

あれは長くは持たない


『シャ!』


ギルハルドは毛をまさぐると、丸っこい鉄みたいなのを取り出す

これにはリュウグウは驚愕を浮かべるが、それなど見向きもせずギルハルドはジャバウォックの移動先を読んで投げたんだ


読みは見事に当たり、ジャバウォックが近づいた瞬間に鉄屑は爆発したんだ

あれはそういう攻撃暗器なのかと俺は驚いた


『手榴弾だと!?』


どうやらそういう名前の武器らしい

リュウグウしか知らないとなると、彼女の世界の…


『ギュルガカカカ!』


ようやくジャバウォックが俺達のいる地面に戻ってきた

途端に奴は狂暴性を増す

俺の断罪での一撃を初見で見切り、足で弾き飛ばすと側面から飛び込むティアマトを地面に叩き落として前に走ってくる


だがそこで奴は足を止めたのだ

リリディが放ったアンコクという黒い刃が目の前に迫っていたからだ

以前よりも大きく、大剣ほどの大きさ

ジャバウォックは前足で弾き飛ばそうとすると、なんと奴の脚は弾け飛ぶ


『…』


リリディのアンコクも砕け散るが、それよりもジャバウォックの様子が可笑しい

宙を舞う自身の足を地面に落ちるまで見届けていたのだ

不気味過ぎる光景に背後にいた俺とリュウグウは足を止め、身構える


ティアはリリディの近くに静かに移動し、赤い魔法陣を展開したまま様子を伺う

そこでようやく、悪魔が驚くべきことをした


『クロ、アクマ、ホロボス、ヤクサイ』


リリディ

『…喋れるとは』


『タマゴ、タオス、ケイカク、ジャマ、サイコウ、デキヌ』


リリディ

『やってみなさい!』


彼は強く叫んだ

その覇気にジャバウォックの顔の目が鋭くなると、飛び掛かったのだ

ティアのラビットファイアーを前足で全て弾き、口を開けて襲い掛かるとティアとリリディはその場から飛び退いて避けた


『断罪!』


俺は後ろから刀を振り、ジャバウォックの前に斬撃を生み出す

リリディに意識を向けているからか、奴の腹部を斬り裂くことが出来た

赤い血が流れているが、それでも俺には見向きもしない


狙いはずっとリリディ

彼はジャバウォックの真空斬をしゃがんで避け、前に駆け出す

毒液の弾をスタッフでガードし、目の前まで迫ると奴の顎に向けて武器を振り上げたんだ


『賢者バスター!』


ジャバウォックは仰け反り彼に腹を向けるがそのまま地面についていた足だけで地面を蹴って後方に宙返りし、宙を舞いながらも目から赤い光線を連射する

俺達はそれを避けながら後方に下がり、全員で集まった


せめて足を奪えればと思うが、このスピードの生物の動きを止めるのは苦労する

だがやるしかない、俺はティアマトに視線を向けると彼は何かを悟り不気味な笑みを浮かべた


『行こうぜ』


『よし』


《胴体は堅くねぇ!脚だけだ!》


『ニンゲン、ショクモツ』


『シャハー!』


リュウグウ

『気色悪い蜘蛛めが』


奴は走りだす、同時に俺とティアマトもだ

互いに目の前まで迫ると、ジャバウォックは大きく口を開いたのだ

何をする気なのか不気味であり、俺達は左右に跳んで避ける

すると奴は大声を全力で上げ、口からソニックブームという音の衝撃で起きる波動が前に光線のように撃ち放たれたのだ


狙いはリリディ、俺達が迫っても無視とは少々腹立たしい

リリディとティアは直ぐに避ける事が出来たので俺達はそのまま今をチャンスを考え、直ぐに攻撃に転じた


『ディザスターハンドォ!』


無茶をするかティアマト!

魔力も万全ではないのに、撃つとは思わなかった

ジャバウォックの足元にまで伸びたティアマトの影、そこから大きな黒い腕が現れるとジャバウォックを平手で叩きつけたのだ

今度は当たった、ならばと俺は立ち上がるジャバウォックに向けて目の前に飛び込み、刀を鞘に押し込んだ


『刀界!』


衝撃波に交じる斬撃が俺の正面に吹き出す

立ち上がる事で時間を費やしたジャバウォックは前足で顔を隠してガードするが、胴体は技によって斬り刻まれていく


『ギュルアァ!』


ドスン!と後ろ足で地面を踏んだだけで衝撃波、俺は吹き飛びながらも体を回転させて着地をすると、ジャバウォックはすぐ目の前まで迫る


《兄弟!!》


ヤバい、既に前足を振っている

ガードしたらまた吹き飛ばされるのがオチだ

ならば懐に潜りこむしかないな


『光速斬!』


俺は間一髪で奴の攻撃を姿勢を低くして突っ込んで避ける事が出来た

このままジャバウォックの足元を駆け抜け、下から刀を振って通過したんだ

それによってジャバウォックはバランスを崩したんだ


直ぐに振り返った俺は構えと取ると、ジャバウォックは俺に振り向く

だが相手は俺だけじゃない、直ぐに奴の背中にリリディの黒弾が命中して転倒だ


『イマイマシイ、クルーガー!』


ティア

『感情論で戦ってくれて嬉しいねっ!』


『コムスメ!』


ジャバウォックは振り向く、だがその時には奴の目の前にいるのはリュウグウであった

彼女は槍を両手一杯握りしめ、大きく叫んだのだ


『百花乱舞』


1秒だけしか発動しない技スキル、しかし秒間30回も槍で対象を貫くことが出来る

魔力で光を放つ槍の残像が俺に視界に見える、綺麗な技だな


『ギュルァァァァ!』


顔をめった刺しされたジャバウォックは大きく仰け反ると、俺はアレをもう発動させていた

鞘を刀に押し込んでおり、瘴気と交じる金色の煙から現れていたテラは背後からジャバウォックに飛び込んでいたんだ


どうやらジャバウォックにはテラの気配がわかるらしく、技が終わったリュウグウを足で叩いて吹き飛ばしてからこちらぬ振り向いた


『よう悪魔野郎!』


『テラ、オウ、トジコメタ!』


『神には敬語使え馬鹿』


感情を爆発させたジャバウォックはテラに飛び掛かるが、相手は神

テラは刀を大きく振るとジャバウォックは上半身と下半身を両断されたのだ

真っ赤な血が大量に吹き出し、地面に落下するのをテラは通過しながら横目で眺める


勝った、俺はそう感じて安堵を顔に浮かべる

リュウグウはリリディに肩を貸してもらい立っている状態だ

ティアマトやティアも無事、大怪我をせずに終わることが出来た事に俺は大きく深呼吸する


しかし、様子が可笑しい

倒したはずなのに魔石が出ない

俺はそれがあって反対方向にいる仲間の元に近づけない


テラ

『…しぶとい野郎めが!』


アカツキ

『テラ!』


テラ

『生きてる!気をつけろ!』


彼は叫ぶと光となって消えていく

するとどうだろうか


ジャバウォックはピクンと動くと直ぐに上半身が動き出したのだ

普通の生物ならば死んでも可笑しくはない重傷、だが相手にしているのは生物じゃない


悪魔だ


ティア

『そんな…』


リュウグウ

『アンデット以上の生命力か!』


『ワレ、シヌ、ナイ!』


プッと何かを口から飛ばしてくる

それはあまりにも早く、俺の目では終えなかった


『ぐっ…』


何かが俺の胸部を貫通した

視線を胸に向けると、防具を貫通して怪我をしていた

何を飛ばしてきたかはわからない、しかし撃ち抜かれたのだ


ティア

『アカツキ君!』


アカツキ

『くそ…』


《兄弟!》


胸から激痛が走る

しかも息が出来ない、どうやら肺をやられた

膝をつくと、ジャバウォックは上半身だけを動かして俺に迫ってくる

『マズ、テラ』と片言を口にして迫るその不気味な姿に俺は汗を流し、静かに立ち上がる


リリディは後回しとはな

テラにも恨みがあるか…それは理解する

だがもう少しで勝てる、死ぬわけにはいかない


上半身だけだとスピードが半減、だからこそ仲間は追い付ける


ティアマト

『大将狙う前に挨拶しとや』


ティア

『虫駄目』


『ジャマ』


血を垂れ流しながら走るジャバウォックは首だけをグルリと回し、背後から迫る2人に口から音の光線を放つ

だが俺の仲間はこれでも幻界の森を生き抜いたんだぞ

それで止まる筈がない


『戦闘形態!ノア・シールド!』


ティアは素早く金色の翼を生やし、球体に包まれるとシールドを全方向に展開

そのまま突っ込むとティアマトは後ろを追従だ、リリディはリュウグウもな


ティア

『行くよ!』


彼女は音の波動砲に突っ込んだ

絶対防御のカブリエール、悪魔ジャバウォックの音波動砲

どちらが上かと言われると、答えはティアだ


ジャバウォックの攻撃はティアのシールドに弾かれ、彼女はそれでも押し込もうと翼を何度も強く羽ばたかせて前に進む


『ナント、カブリエル、キサマ!』


ティア

『行って!』


彼女が叫ぶと、仲間がティアを犠牲に走りだす

ギルハルドはジャバウォックの顔面を短刀で斬り裂いて通過すると、奴の攻撃は止まる

その場で暴れるジャバウォックだが、リュウグウの放つ槍花閃の光線が胸部を貫くと動きが止まる

今しかないと見たティアマトとリリディ、2人は同時に飛び込んだ


『行きますよ!』


『しゃらくせぇ!』


『ムダ、ワレ、フシ』


だが完全じゃない筈だ。お前には核という悪魔の心臓がどこかにある筈

それはここには無いという事だな…

今それを探す暇はない、今の状況を打破するためにどう立ち回るかで精一杯なんだ


ジャバウォックの攻撃速度は遅くなっている

だからティアマトとリリディの仕掛ける方が速い


ティアマト

『連続斬り!』


長斧を振りかぶり、回転しながら2回連続で振り下ろされるジャバウォックの脚を弾く

ティアマトは衝撃で吹き飛ばされるが、リリディの攻撃チャンスを作っただけファインプレーだ


『賢者バスター!』


全力のフルスイングはジャバウォックの顎に命中し、奴は顔を仰け反らせた

直ぐにグェンガーで脚による突き刺しを避けて背後に実体化したリリディはスタッフをジャバウォックに向けて黒い魔法陣を展開する


させまいとジャバウォックが首を動かしてリリディに何かをしようとするが、リュウグウの槍花閃が奴の頭部を貫いた事により技の発動は止まる


『グヌゥ!』


リリディ

『シュツルム!』


黒弾が撃ち放たれ、それはジャバウォックに命中して爆発した

爆炎の中から転がって姿を現すジャバウォックは回転しながら生きている目3つで光線を連射し、リリディを狙う


『ニャ!』


ギルハルドがここでやってくれた

両手に持った手裏剣を投げてジャバウォックの目を2つ潰したんだ

なんて魔物だ、こいつがリリディのパートナーで本当に良かった


『グギャァァァァァ!』


悲鳴を上げるジャバウォック

リリディはグェンガーでその場から黒い煙と化して光線を回避するとジャバウォックの近くに実体化する


その瞬間を狙ってか、残る1つの目で彼を追っていたジャバウォックは足を振り落とす

させまいと俺は痛みを堪えながら光速斬で駆け出し、リリディを狙う足の付け根を斬り飛ばした

俺が出来るのはここまでだ…まぁ良い方だろう


地面を転がりながら吹き飛ぶが、ティアマトが上手く受け止めると俺は彼に担がれる


『回復しろ』


『だが…』


ティア

『大丈夫。1回分残してる』


ならば甘えるか、いや甘えないと最悪おれは死ぬ

戦いに目を向けると、リリディはチェーンデストラクションで巨大な黒い鎖2つを魔法陣から伸ばしてジャバウォックを拘束していた


リュウグウが果敢にも百花乱舞でジャバウォックの胴体を超光速で何度も貫くと鮮血が噴き出す

だがそれでもジャバウォックの動きは止まらない、ゾンビ以上のゾンビだ


『ムリ、ウゴキ、トメル、イノチ、トマラナイ』


リリディ

『確かに…ボロボロの貴方を鎖で止めるのは今は容易いですがこれで倒せるとは思いません』


彼の肩からは血が流れていた

どうやら赤い光線を避ける際、僅かに遅れてグェンガーを発動してしまったようだ

煙と化す前に肩を撃ち抜かれたようだな


それでもリリディの目の強さは変わらない


『ギュルァァァァァ!』


叫びながら抵抗するがリリディの鎖はビクともしない

ジャバウォックは今や上半身だけで動いており、俺達の仲間が与えたダメージで肉体も激しく損傷しているんだ

だからリリディの鎖は切れない


リリディ

『そういえば思い出しました…貴方は太陽が苦手というわけじゃない』


『ワレ、チカ、バンニン、ソト、ツレダス、ムリ』


リリディ

『昔の記憶は思い出せないのでしょうか…一度あなたは外気に触れた筈』


ジャバウォックはピクリと体を動かす

すると奴は残る1つの目で影を眺めたのだ

その意味は俺にはわからないが、倒すには条件通りに倒さないと駄目だ


俺は開闢で仕留め損ねたんだ


『ムリ、ワレ、シナヌ』


リリディ

『ならば一か八か、試しましょう』


彼は驚くべき行動を取り始めた

拘束したジャバウォックを崖に引きずって行こうとズリズリと動かし始めたのだ

これには俺達は唖然、しかしジャバウォックは焦りを見せている


『ヤメロ!ガケ!ウミ!』


リリディ

『お爺さんは流れていったら偶然倒せた、と言っていましたね』


『マエ!クロ、オマエ!イキノコリ!』


リリディ

『完全に倒す方法はわかりませんが…今倒す方法はこれしかない!』


彼は鎖に魔力を多く流すと、ジャバウォックを持ち上げた

リリディのいう一か八かとはあれだ、共に崖から落ちて水の流れるままにどこまでも行く

そういう事だ


普通この状況でそんな馬鹿な事を考える筈がない

俺はティアに回復してもらうと彼を止めに近づくが

もう遅かった


リリディ

『馬鹿で死ぬか証明して生きるか!付き合いなさい!』


ジャバウォック

『ギュルガァァァァァァァァァ!』


リリディは崖からジャバウォックを投げ落とした

それだけなら飽き足らず、彼は俺達に顔を向けて微笑むと『生きてたら会いましょう』と言って崖から跳んだのだ


何故そんな馬鹿な真似をした?

どう考えても死にに行くような行動としか思えない

崖から下を仲間と共に見下ろすと、彼はジャバウォックと共に激流に飲まれて消えていったのだ

俺は反応に困った


しかし、それは直ぐに起きた


《島の付近は海流が早いが地下から吹き出す穴から海水が行き来しているからだろうな。落ちたら最短ルートで外だ》






ティアマト

『なら行くとこまで行くか』


何故お前まで?

しかも何故お前は俺の背中を押した?

すでにバランスを崩した俺は不気味な笑みを浮かべる熊と共に崖から落ちていく

それを追うようにしてティアがギルハルドを抱えて落ちてくる


リュウグウ

『馬鹿者どもが!』


お前までも来るのか…


こうして俺達は崖から落ち、激流に飲まれていった



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る