第240話 5 カブリエール
次の日、俺は気持ちよく起きると仲間を連れて侍騎士の案内で朝食をとるべく食堂に向かう
そこは普通の侍騎士が食事を取る場所であり、かなり広々とした空間だ
幾つもの長テーブルが設置され、それを囲んで侍騎士は今日の朝食メニューであるベーコンエッグやアサリの味噌汁、そしてご飯を美味しそうに食べていた
この城内の米は美味しい
いつも俺達が食べている米よりも良質であり、米だけでもイケる
危険な仕事を担う可能性のある侍騎士に対してのムサシ王の計らいだ
食材は良い物を使い、1日の楽しみにしてほしいという願いがあるのだと案内してくれた侍騎士が話していたんだ
当然、案内してくれた侍騎士も食事を取る時は確かに1日の中でも楽しみにしていると笑顔で告げていた
周りと同じメニューが運ばれると、仲間は美味しそうに食べ始める
味噌汁が上手い、アサリの味噌汁か…壁に今日の献立が記載された紙が貼られているが
昼食はカレイに煮つけ定食に豚汁だとさ
食べたい
ティア
『凄い美味しい』
リュウグウ
『飯の為に侍騎士になってもいいくらいだな。城内勤務の侍騎士になりたがる理由がわかるな』
《飯は1日の活力だ、当然それは士気にも繋がる》
『ミャンミャー!』
ギルハルドはテーブルの上に乗り、更に盛られた生魚を美味しそうに食べている
俺はそれを見ながら朝食を食べていると、食堂に思わぬ者が入ってきたんだ
天下無双衆の1人、シキブ・ムラサキ
以前会ったことがあるが綺麗な女性だ、しかも若い
エド国で唯一Sランクとなった者でもある
ティアマト
『べっぴんさんだな、明日は一緒か』
《強ぇぞ?対抗できそうなのはティアお嬢ちゃんくらいか》
ティア
『私?』
《カブリエールだぞ?まぁその称号に慣れたら面白い戦いが出来そうだがな》
ティアがそこまで強くなってきているとは…というかそれが普通か
彼女の称号は完成された状態、カブリエールの先が無い
テラは《タイマンだとシキブが戦いたくない相手だろうよ。ティアお嬢ちゃんの鉄壁を砕くには上位スキルじゃねぇとな》と豪語する
シールドを体の周りに展開しながらの戦闘方法
見たことは無いが戦闘形態と化してからシールド展開してしまえば大抵の相手は逃げるしかないようだ
いつか見てみたいな
しかも驚くべく事をティアは口にしたのだ
ティア
『ホーリーランペイジと違って戦闘形態って周りの空気を媒体に持続するから魔力消費しなくて楽なんだよね』
アカツキ
『マジ?』
ティア
『そだよ?ガード・フィールドも空気をメインにして魔力を少し消費してスキルを発動するから消費量が少ないんだよね。シールドが破損して来たらケアで修復できるし』
リュウグウ
『待て、シールドの耐久はどのくらいなんだ』
《中位スキルじゃティアちゃんが横になって寝てても破壊できねぇよ》
リュウグウ
『相当だな…』
とんでもないな…物理と魔法の威力を半減させる効果を持つシールド
確かにタイマンという形ならば勝つ見込みは俺にはない
しかもティアのスキル発動速度に関して聖魔法は早撃ちレベル
喧嘩はしたくないな…
仲間内でそんな会話をしていると、視線から外していたシキブさんが何故か俺達の近くにいる
これに驚いていると、ティアの隣に座ったのだ
凄いティアを見てる、凄い可愛いけど悪いがティアが一番だ
《あ、めんど》
シキブ
『貴方が人類2人目の聖賢者ティアちゃんね』
ティア
『…』
ティアは強い、シキブさんに首を傾げて反応を見せている
周りの侍騎士は朝食を食べながらその様子を伺っているが、あの女性は何を企んでいるのだろう
シキブ
『聖女という異名とか色々流れてきているけど、背中に担ぐ武器みるととてもそうとは思えないわね』
鉄鎌か、確かにな
ギルハルドはミャンミャン鳴いているけど、シキブさんの胸を猫パンチで軽く叩いている
羨ましいな、変われ
シキブ
『ヒドゥンハルド、凄いの連れてるわね』
リリディ
『気に入ったならばデートしませんか』
シキブ
『それはやめとくわ』
リリディは肩を落とす、何故デートの話になったのか俺もわからん
するとシキブさんはティアの隣で運ばれてきた朝食を食べ始めたのだ
食べる姿は普通の女性にしか見えない
リュウグウ
『何か用事でもあるのだろう、言え』
ツンツンさはリゲルにも負けないな…
するとシキブさんは味噌汁を飲んでから言ったんだ
シキブ
『夢で見ちゃったのよ、翼の生えた貴方に手こずる私がね』
ティア
『それは災難ですね』
シキブ
『そうでしょ、だから貴方が気になったのよ』
遠回しに言いたいことがあるのだろう
だがそれは夢のまた夢で終わる事となる
シキブさんの背後に近づく布袋を被る男、ジェスタードさんだ
ジェスタード
『やめなさいシキブ、貴方では勝てませんヨ』
シキブ
『…』
それまで可愛い顔を浮かべていたシキブさんの目が細くなる
関係は良くないようだ。
彼女は静かに立ち上がる
ちょっと不味い雰囲気で周りが静かになると、ジェスタードさんは唸り声を上げながら近くの席に座った
ジェスタード
『貴方はスキル発動速度強化スキルが高いからこそ発動が異常に速い、上位スキルではなく中位スキルを会得してそのステータスの良さを活かしている。誰かが1つのスキルを使うとすれば貴方が2つをしようするくらいに速いのは我が輩も凄いと思いマス』
シキブ
『それで?』
ジェスタード
『中位スキルでの数撃ちはティアお嬢さんには効かない。ましてや上位スキルはいかに早撃ちの貴方でも魔力消費が激しいから連発デキマセン。ティアお嬢さんが称号に不慣れであっても称号の価値の差には敵わないのデス。世界に貴方より強い者はいる』
シキブ
『百聞は一見に如かず、って言葉は知ってるかしら』
ジェスタード
『それは人生で大事な言葉デス。しかしもし良からぬ事をお考えならば我が輩も仕方なく動くことにナリマス』
シキブさんは『何をするつもりなのよ』と苛立ちを顔に浮かべながら言うと、ジェスタードさんの体から紫色の魔力が放出される
これには周りの侍騎士も食事など忘れて一気に下がってしまう
明らかな殺意、それがジェスタードさんから全体に放たれているのだ
俺達ですら体が強張る
ギルハルドが天井を見上げて激しく威嚇しているが、見上げると意味がわかった
高い天井、俺達の頭上には10メートル級の呪王ジャビラスが鬼の形相でシキブさんを睨んでいたのだ
いつの間にいたのかわからない
ジェスタードさん自体がわからないといった方が良いかもしれない
シキブ
『…これはどういう事かしら』
ジェスタード
『お前の道楽で国が危機に瀕するならばお前を殺すしかナイデショウ。』
シキブ
『人間国宝カブリエール、私は真実を知りたいだけなんだけどな』
溜息を漏らす彼女を見てジェスタードさんの気が小さくなっていく、ジャビラスもうっすらと姿を消していくと、いつも通りの彼に戻る
一触即発な状況から脱却したと感じ、俺はホッと胸を撫でおろす
ジェスタードさんは近くに椅子に座りなおすと、頭を掻きながらシキブさんに話したんだ
『気づいていたデショウガ。そのくらい貴重な存在であり国との抗争になり兼ねない原因を作る可能性もあるノデス』
『知ってるわ。知ってて頼みたいだけよ』
『ならティアお嬢さん次第デスネ、タダで…とは思ってもイマセンヨネ?彼女が貴方の頼みを聞くならば問題はナイデショウ』
ティア
『ティアマト君の片手斧の握り部位が長い武器とチーズケーキが欲しい』
シキブ
『のったわ!』
そういえばティアマトの武器、別なの欲しがってたな
今の片手斧だと彼のパワーが武器に伝わりにくいから眺めの斧が良いという話を仲間内でしていたんだ
棒の部分が長い方がパワーは増す、ティアマトに丁度良いんだ
シキブさんはニコニコしながら席に座ると『昼過ぎに中庭ね』と告げて食事を続ける
本気の戦いではない、見定めたいという感情がシキブさんにはあるのだろう
実際、俺も見てみたい
こうして昼食であるカレイの煮付け定食を食べた後は中庭となった
とても広い場所であり、そこは侍騎士の訓練場としても使う時があるのだという
中庭の中心でティアとシキブが見合っているのが凄い似合う
模擬戦ということで時間があった侍騎士、そして城内にいた文官が建物の窓から様子を伺っている
勿論中庭の外側にももの凄い数だ
シキブ
『合図はティアちゃんが構えたら、私はそれまで待つわ』
ティア
『よろしくお願いします』
律儀に深々とお礼するティアは可愛い
あちらこちらからも可愛いという声が聞こえるが、その通り可愛い
見た目で判断してはいけない、そういう話はテラやクローディアさんから色々言われたことがある
それはティアに関してではなく、冒険者として未知な敵に遭遇した際に決して油断するなという意味でだろう
《神が作った称号を舐め過ぎだ…たかが極シルクトリッカーがカブリエール相手にとはな》
アカツキ
『シキブさんの称号か、どんな特徴なんだ』
《任意でスキルを連続発動できるし発動速度もかなり速い。魔力消費量も僅かに軽減されているが数で相手を圧倒する戦闘…ましてやあれだ》
途端にティアが口元を動かして何かを囁く
その瞬間、彼女の背中に大きな金色の翼が出現し、辺り一面を金色の魔力が流れ始めた
『ガード・フィールド』
初めて見る鉄壁のスキル、俺達は口を半開きにしたまま驚いてしまう
半透明な球体が彼女を包み込み、そして周りには高貴な盾がびっしりと張り付く
あれが難攻不落と言われる彼女の防御だというのか…盾が僅かに光り輝いている
彼女の背中から生える翼が十分に広げれるくらいの大きな球体、見ただけでも生半可な攻撃は貫けないとわかる
リュウグウ
『なんだ…あれは』
アカツキ
『な…』
リリディ
『とんでもないですね』
シキブ
『これが…天使の盾』
彼女は驚きながら僅かに後ろに上がる
しかし一瞬にしてその顔が真剣になると、鉄の扇子を両手に持ってから動き出したのだ
『カッター』
シキブさんはその場から飛び退きながら緑色の魔法陣を2つ展開したのだ
8つの風の刃が飛び出すが、魔法を2つ同時発動とは驚きだ
それよりも驚くべき光景が今から起きる
ティアは首を傾げながら浮遊するとそのまま低空飛行で一直線にシキブさんに飛んでいったのだ
避ける素振りは無い、それもそのはずだ
8つの刃はティアの纏うシールドに触れるだけで弾かれたのだ
『っ!?』
シキブさんは驚きながらも突っ込んでくるティアの攻撃を避けた
その突進はかなりの速度だというのによく避けれたな…
『チッ!』
だがシキブさんは天下無双衆の1人、こちらも強いんだ
彼女はティアの追従からの突進を避けながらも魔法の同時発動を発動させ、攻撃を仕掛ける
ファイアーボール、大きな火の球が2つも飛ぶとは驚きの連続だ
しかし、ティアは避けずに撃ち放たれた火の球に突っ込むと逆に弾き飛ばしたんだ
彼女の猛攻は恐ろしい
それはシールドの基礎である球体の下部が地面に触れているので抉りながら進んでいるんだ
土を撒き散らしながら突っ込んでくる光景に俺は引き攣った笑みが消えない
『ファイアアロー』
矢が2つ飛び出すかと思えば、彼女の早撃ちの真骨頂が繰り出された
同時発動ではない、かなりの連射で撃ち放たれているんだよ
秒間で5発は撃っている、ティアの突進を避けながらも全てを球体に当てていくが盾が痛んでいる様子はない
するとシキブさんは突進を避ける際に鉄扇で球体を斬ったのだ
宙を回転しながら着地し、振り返ると同時にティアも素早く方向転換
斬った時が僅かしか見えないほどにシキブさんのスピードは速い
しかし…
シキブ
『ちょっと…』
ティアは低い位置で翼を羽ばたかせ、シキブさんの様子を見ていた
球体に傷はついているが掠り傷だ…かなり凄い音が聞こえたんだがな
膠着状態と言うべきなのか、ティアは目を細くしてシキブさんの様子を伺うが、翼を大きく羽ばたかせて金色の魔力を周りに飛ばすと、それだけで見ているのもは目を奪われる
《見ろよ…あのシキブが動けないでいる。相性が悪いんだ…確かにあの女の早撃ちや数はやべぇよ。だがな…小さな力の数じゃ大きな盾を貫けねぇんだ》
守りに徹した称号カブリエール
それはシキブさんにとって一番戦いたくない相手だったんだ
だがそこでシキブさんは終わらない
彼女は真剣な目つきとなると、大きな魔法陣を正面に展開した
赤く、そしてそれは直ぐに撃ち放たれたのだ
『フレア』
巨大な業火がドラゴンのブレスのようにティアに襲い掛かる
流石にこれは不味いだろうと思い、俺は前に身を出すとティアは業火に飲まれていく
やり過ぎではないのかと俺は近づこうとしたがテラは《やめろ、ティアお嬢ちゃんの勝ちだ》とわからないことを口にする
意味は直ぐに視界に映し出される
フレアの魔法が消えると、ティアは無事だったのだ
でも球体の破損が激しい…
シキブさんは口元に笑みを浮かべて畳みかけようとしたが、ティアの放つ言葉で彼女の戦闘意欲が消え去った
『ケア』
緑色の魔力が彼女の周りの球体やひび割れた盾を包み込むと、嘘のように修復していったのだ
駆け出していたシキブさんはその光景を見て徐々に速度を落とし、ついには足を止める
『馬鹿…な』
ティア
『シキブさん、武器とチーズケーキください』
『…』
ティア
『ください』
ティアはブレない
腕を掲げ、それを下に振り下ろす
すると何が起きたか、昨夜の森で彼女が発動したホーリーが発動したのだ
魔法の名を口にしなくても発動できるなんて初めて知ったぞ…
空から降る巨大な白い光線は輝いたままシキブさんの足元に落ちていったのだ
大きな光線の一撃は音速を超え、衝撃波で俺達はバランスを崩す
シキブさんは『キャッ!』と女性らしい悲鳴を上げて地面を転がると素早く立ち上がって構えるが、直ぐにその構えを解いた
大きな穴に視線を置き、その場に座り込む彼女は大きく深呼吸をすると苦笑いを浮かべたのだ
『世界は広いわね…伝説のカブリエールか』
《試されたな…》
アカツキ
『どういうことだ』
リュウグウ
『馬鹿か…どの程度の力を持ってるのか試されたんだ。それを知っててティアはあまり攻撃に転じていないんだぞ。』
なるほどな、戦闘力を調べたかったのか
それに気づいててティアはホーリー以外攻撃系は使っていない
彼女のステータスを知るのはムサシさんとジェスタードさんのみ、シキブさんも噂のカブリエールをこの身で感じたかったのだろう
ティアは武装を解除するとトコトコこちらに歩いてくる
どうやら疲れている様子はない
アカツキ
『…お疲れティア』
ティア
『あの人すっごい速くて追いかけるので必死だった』
《でも良い感じに威圧してたぞそれ》
ティア
『そうかな』
リリディ
『僕なら追いかけられたくないですね。地面を抉りながら追従してくる巨大な球体に吹き飛ばされたくないです。』
ティアマト
『将軍猪に追いかけられた方がマシだな…というか、ティアちゃん…シキブさんに』
ティア
『どうだろ?』
だがその疑問は本人から再び言い渡された
近くまで歩いてきたシキブさんが彼女の肩を両手でモミモミしながら言ったんだ
貴方の方が強い、と
その言葉が侍騎士達を騒がせた
『シキブさんが負けたぞ!』
『あり得るかよ!?あの連射でも砕けねぇシールドって』
『大変だ!ムサシ王に!ムサシ王に!』
今日はきっと城内が混乱するだろう
シキブさんは『武器は夜に届けるわ。チーズケーキは夜食に全員のメニューに入れるように料理長に私がお願いしておくわ』と言ってくれた
俺達は逃げるようにしてその場を離れるが、城内は依然として騒がしい
大袈裟じゃないかと一瞬思ったけども、結構とんでもない事をティアは成し遂げちゃったんだ
エド国の戦力である1人に勝ってしまった
それは確かに一大事としか言えない
ムサシさんの側近である侍騎士に見つかると、俺達は応接室に連れていかれる
部屋の中にはメイドがいるのみ、そして侍騎士3名と共に中に入ると中央のテーブル席に座って待機する事になったんだ
侍騎士
『急な予定で申し訳ない、しかしグリモワルド様が呼ぶようにと』
アカツキ
『あの人が…』
侍騎士
『直ぐに来ると思いますが』
過ぎに来たよ
奥のドアから布袋を被る男性、貴族の様な服を着ている変わった姿の人
やっぱり両腕のデスペルは掴んだまま離さないようだ
彼が向かいの席に座ると、僅かに笑い声が聞こえてくる
ジェスタード
『ティアお嬢さんも人が悪い…トドメと言わんばかりにホーリーで威嚇するとは面白いデス』
ティア
『多分色々調べたいんだろうなと思ってホーリーを見せただけなんですけど』
ジェスタード
『ふむ…ですが戻ったら面倒ですよ?ティアお嬢さん』
ティア
『そうですねぇ』
彼女は頭を掻いて苦笑いを浮かべた
どういう事だろうと思ってジェスタードさんに話しかけたけども、案外わかりやすい問題だ
先ほどの戦い、どう足掻いても外部に漏れることになる
人から人に流れる話は早く、それはギルドの耳に入れば情報共有として一気にエド国内に広がる
広がれば他国にも流れる
そうなると俺達の国であるマグナにも勿論今日の事は知れ渡るだろう
どの国にも力を誇示するための戦力、それは兵数でもあり単体の強者で決まる
ティアはその強者に勝ってしまったのだ
その意味が大きかった
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