第226話 5 パゴラ村
『グルァァァァ!』
山に入ってすぐ茂みからランクDのグランドパンサーが彼女達に襲い掛かる
狙われたアネットは顔色一つ変えず、避ける素振りすらせずに剣を素早く振って両断すると直ぐに前に顔を向けて歩き出す
アネット
『なんかいつもよりやる気出てるよ』
ルーミア
『だねぇ…』
シエラ
『クリスハートちゃん、側面』
途端に茂みから飛び出すグランドパンサーにクリスハートは横目だけで捉え、剣を振って斬り飛ばす
魔石を回収しつつも歩いていくと、魔物の数も増えていく
『グルルルル』
『グルルル』
正面には2頭のグランドパンサー
しかし彼女達の気配感知には左右側面に2頭、背後に迂回する1頭の気配を感じていた
クリスハート
『狼種のように利口ですね』
シエラ
『普通のグランドパンサーじゃない』
ジリジリ迫る正面のグランドパンサー
しかし先に仕掛けたのは両側面の茂みに潜む2頭だ
それにルーミアとアネットがすかさず反応すると正面と背後の魔物も飛び掛かる
シエラ
(今は温存)
彼女は魔力を残すため、背後から飛び出すグランドパンサーの噛み付きを避けつつローブに隠した投擲用のナイフを頭部に投げて突き刺す
着地と同時に彼女のローブの裏には沢山の投げナイフが仕掛けられているが、それはクワイエットが彼女の護身用に使えるように投擲術を教えたのだ
『ガフッ』
大半の生物は頭部を狙われては生きてはいない
力なく倒れたグランドパンサーを横目に、シエラは再び現れた別の個体がアネットの後方に迫ると右手を伸ばし、赤い魔法陣からファイアアローという火の矢で胴体を貫いた
アネット
『サンキュー!』
シエラ
『うん。てか数多い』
ルーミア
『このペースは30どころじゃないねぇ!』
クリスハート
『足を止めずに進行しましょう』
きりがないと見るや、彼女達は進みながら倒す事を選ぶ
現れる魔物はグランドパンサーのみ、となるとリーダー各は察しがついている
小休憩目的で足を止めるが、彼女らはそれが仇となったようだ
直ぐにグランドパンサーが彼女達を見つけると囲む
クリスハート
(多すぎる…でも数を減らしとかないといずれまた…)
『グルル…』
シエラは光の球を出現させ、辺りを照らす
見える個体だけでも数は8頭、しかし茂みにもまだまだ潜んでいる事は確かだ
シエラ
『遊牧系にしては可笑しい』
アネット
『利口だけど利口じゃないね、やたらと好戦的過ぎるわぁ』
クリスハート
『何が起きて…』
『グルァ!』
一斉に飛び掛かるグランドパンサー
彼女達は動き回らず、目の前に迫り個体を優先的に倒していく
遊牧となると、数が減らされれば逃げる
だが逃げる素振りはなく、ただただ好戦的な様子に徐々に困惑の色を見せた
倒したグランドパンサーを眺めながらも魔石を回収するシエラは立ち上がると、変な気配を感知する
エルフ特有の勘も相まった彼女の感知能力は森の奥に何かがいると信号を放つ
シエラ
『何かいる!魔物?わからない』
ルーミア
『…普通の敵じゃないって事ね』
アネット
『さぁて、面白くなって参りました』
クリスハート
『シエラ、案内してください』
道を阻むグランドパンサーを倒して進んだエーデルハイド
山の中腹にある滝の近くでそれは姿を現した
これには四人の開いた口が塞がらない
滝の音の他に耳なり、その耳なりの原因はきっと大きな木の枝にぶら下がるアレだと直ぐに悟る
見た目はまるでコウモリ、全長は2メートルと大型サイズ
黒い翼で体を覆い隠し、逆さまにぶら下がっていた
クリスハート
『なんですか、あれは』
彼女が驚きを口にすると、グランドパンサーが点々と姿を現す
それらを警戒しながら不気味な魔物に意識を向けていると、そこから声が聞こえ始めた
『生娘の血、美味しい』
アネット
『話した…』
クリスハート
『破廉恥な…』
コウモリは翼を広げ、その姿をあらわにする
黒い体毛で覆われており、顔はコウモリというより人間の顔だ
目は左右2つずつ、額には赤くて丸い目がギョロギョロと動き、最後には彼女達を睨む
『我が子ら倒した、許さぬ、人間の分際』
ルーミア
『ねぇ貴方はだぁれ?最後に聞きたいなぁ』
『お前らの体をいただく前、教える、我、悪食の席の一人、等活のオイハギ』
シエラ
『悪魔!』
クリスハート
『なるほど、身分はわかりましたが…』
彼女は剣をオイハギに向けると、目を細めて口を開く
クリスハート
『愛した人にしか体は許しません』
アネット
(多分あっちの意味は違うよね)
オイハギ
『何かわからない、だが復活祭に捧げる血、お前らで賄う!』
悪魔種、悪食の席である等活席オイハギ
超音波で任意の魔物を操り、戦わせる
自ら戦う事が少ないヴィドックと違い、オイハギは戦えた
枝から離れたオイハギは低空飛行で彼女達に迫った
その翼は鋭利であり、触れると鉄さえも切り裂く
『見える』
クリスハートはオイハギの頭上を飛び越えながら背中を斬ろうとしたが、剣を振った時にはオイハギは一瞬だけ光を放ってその場から消える
驚く一同、それは転移魔法スキルだった
彼女達の頭上にオイハギが現れると、それは一気に急降下する
狙われていたルーミアは退きつけてから攻撃しようと待ち構えるが、オイハギが翼を大きく振った時にカマイタチが発生したのを見て仲間と共に飛び退く
彼女達はゾッとした
カマイタチは地面をいとも容易く斬り刻み、それはまだ地面で消えずに残っている
オイハギ
『避けた、嫌』
シエラ
『ファイアアロー!』
アネット
『真空斬!』
火の矢が撃ち放たれ、斬撃がオイハギに襲い掛かる
しかしオイハギは飛行しながらも不規則に体を動かし、細身である体を活かして避けながら彼女達に真っすぐ突っ込む
オイハギ
『ヌッ!』
クリスハート
『強撃』
彼女は仲間の放った攻撃と共に駆けだしていた
既にオイハギの目の前、剣に僅かな発光を魅せると彼女はそのまま振り上げた
『チッ!』
体を縦にして間一髪回避に成功したオイハギはそのまま彼女を通り過ぎようとすると、間髪入れずに次なる攻撃が襲う
赤色の棘が多数飛んできたのだ
それはシエラが幻界の森で会得したニードル・アクションという魔法スキル
対象に突き刺さって数秒で爆発するという2段構えの攻撃
(馬鹿な!後ろには味方が…)
オイハギはチラリと背後に視線を向けた、しかしそこにクリスハートはもういない
それに驚いている時間がオイハギの失態となる
『くそっ』
無感情なトーンで言葉を発し、真上に飛び上がるオイハギは棘に当たることなく真下で爆散する棘を見て苦虫を噛み潰したような表情を見せた
(ただの生娘ではないか…それにニードル・アクションだと?)
人間にとって希少価値の高いスキルを目の当たりにしたオイハギは僅かに彼女らを警戒し始める
飛んでくるファイアアローと真空斬を翼を盾に弾くと、そのまま静かに近くの木の枝にぶら下がり始めた
アネット
『すばしっこいねぇ』
クリスハート
『そうですね』
ルーミア
『何しにここに来たのさコウモリさん』
オイハギ
『村の血、貰う、捧げる、復活祭』
クリスハート
『誰に捧げるのですか』
オイハギ
『悪魔、王位なる者』
ルーミア
『ボスちゃんにって事ね、なんだか面倒そうだしそれもさせたくないわね』
アネット
『させないよ』
オイハギ
『無理、この数、お前ら倒せない』
オイハギは口を大きく開けると超音波を飛ばし、彼女達に酷い耳鳴りが襲う
途端に周りで様子を伺っていたグランドパンサーが一斉に吠え初め、エーデルハイドに襲い掛かる
『グルァァァァ!』
ルーミア
『面倒ね!』
皆がグランドパンサーを倒していると、オイハギは隙を見て翼を振って先ほどのカマイタチを飛ばす
たまらず誰もが飛び退いて避けると、あろうことかグランドパンサーだけが斬り刻まれる
クリスハート
『あの動きを封じれれば』
ルーミア
『周りのグラパン邪魔だけど、やるしかないねこれ』
シエラ
『行こう』
傍観しながら攻撃の隙を伺うオイハギは上で飛んでおり、彼女達の殆どの攻撃は届かない
しかしクリスハートは果敢にもシエラと共にグランドパンサーの間を通り抜けていくと、足に力を入れて跳び上がる
空中では避けるという動作が出来ない事はクリスハートも重々承知している
だがこれをオイハギがチャンスだと感じて動けば逆に利用できると思ったのだ
『馬鹿め』
クリスハートの剣による攻撃をオイハギは避けると素早く後ろに回り込んだ
両手の鋭い爪を光らせ、腕を伸ばそうとした途端にオイハギの翼に僅かな痛みが走る
(何が、一体…)
そこでオイハギは自身の右翼にナイフが突き刺さっていることに気づく
魔力の感知ならば出来るが、こういった物理的な攻撃は目視しなければ避けれない
魔法使いと剣士が狙っているというのまではオイハギは見ていた、魔法使いは魔法を使うと勝手に思い込んでいたのが失態となる
シエラが投げたナイフに彼は気づかなかったのだ
『ヌッ!』
クリスハート
『はぁぁ!』
彼女は魔力を帯びた剣を振り下ろす
だがオイハギは爪を大きく伸ばして彼女の剣を受け止めたのだ
それでも彼女の攻撃はただの攻撃ではなく、強撃という技スキル
オイハギの爪は砕かれ、そして反動で地面に叩きつけられると真上から剣を向けて落下してくるクリスハートの攻撃を避ける為に素早く体を転がして避け、飛んで距離を取ろうと翼を広げる
(チッ!)
その時に食い込んだナイフを抜いて地面に投げるが、側面から閃光が走ると同時に何者かが目の前を通過していく
あまりにも速く、それはオイハギでも目で捉えきれないほどだ
次の瞬間、オイハギの体にビリビリと何かに感電したかのように体が動かなくなる
痛みが体中を走り、そしていつの間にか斬られた傷跡から黒い血が流れ始めた
『ガガガガ!』
ルーミア
『どう?』
瞬雷閃光、ルーミアが幻界の森で入手したスキルだ
それは閃光の如く速度で相手に迫り、対象を斬り刻みながら通過すると電撃が走る
魔力を半分も吸収し、そして威力も強力と人間にとって非常に貴重過ぎるスキル
(小娘めが!)
オイハギは魔力を奪われた事に憤怒し、体に力を入れて電撃を弾き飛ばす
飛んできていたシエラのファイアアローと2つの真空斬を翼を振って弾き飛ばすと、オイハギは首をゴキゴキと骨を鳴らして彼女らを見据える
オイハギ
『血…』
クリスハート
『貴方は弱い』
オイハギ
『悪魔の席に座る、俺が弱い?』
クリスハート
『ええそうよ、貴方は確かに動体視力はずば抜けている…攻撃してもきっと容易く当たらないでしょうね』
オイハギ
『俺は強い』
翼を広げ、飛び立つオイハギはグランドパンサーの数の限界が来ていることに気づくと舌打ちをする
だが数は問題じゃない、自分が強いのだからと感じると一気に急降下していく
単純な体当たりだと知るエーデルハイドは各自で左右に飛び退くが、オイハギはグルンと反転すると腕を長く伸ばしてアネットの右腕を掴んだ
アネット
『なっ!?』
オイハギ
『腕は伸びる、馬鹿が』
そのまま彼女を放物線を描くように投げ、地面に叩きつけると飛び掛かるルーミアとクリスハートの攻撃を爪でガードし、弾き返してから翼を羽ばたかせて吹き飛ばす
伸ばした腕を戻すと、沢山の棘が飛んでくるのを確認して体を高速で回転させて自身に命中する棘を弾き飛ばす
棘が爆発すると、翼の羽ばたきで砂煙を舞い上がらせたオイハギは彼女達に首を傾げて見せる
これでも弱いというか?と言わんばかりの姿に皆は険しい顔を浮かべ、剣を構えた
アネット
『っつ…いたた』
オイハギ
『丈夫か…』
アネット
『パワーはそんななんだね』
オイハギ
『だが先ほど同様にパフォーマンスを発揮できぬだろう?』
見抜かれていた
骨にダメージは無いが、アネットは背中から地面に叩きつけられたため呼吸もままならない
彼女達を囲むグランドパンサーが後ろに退くとオイハギは翼を羽ばたかせ、突風を起こしながら高度を上げていく
また飛び回る気だと彼女らが悟ると同時にオイハギは不気味な笑い後を出しながら縦横無尽に彼女達の周りを飛び回り、攻撃を仕掛けてくる
エーデルハイドが背中合わせで構えると、オイハギは1人、また1人と攻撃を仕掛けていく
爪で引き裂くその攻撃を皆が手に握る武器でガードし、隙あらばカウンターで攻撃しようとすると既にオイハギは別の者に狙いを定めて遠ざかる
ルーミア
『ほんっと面倒』
オイハギ
『翼にナイフ刺した、それがお前らの最後』
俺に攻撃は当たらない、先ほどはマグレだと言わんばかりにオイハギはほくそ笑む
クリスハート達は考えた。
こうまで飛び回られてしまうと対応が遅れてしまう
仲間との連携が難しくなってしまうからだ
そうとなると方法は1つしかない、イディオットならばどうするかと考えると答えは簡単だ
彼らは単純に動くからこそ直ぐに答えを導き出せる
綺麗に倒さず、多少の犠牲を払ってでも勝つ
それを全員が会話もせずにそうしようと決意を固めた
『そら!』
シエラ
『わっ!』
しゃがみ込み、何とかオイハギの攻撃を回避できたシエラはアネットに背中を掴まれて立ち上がる
するとそこでオイハギはアネットに標的を絞る
自身を見ていない今が攻撃のチャンスだと敵も感じたのだ
急な方向転換を見せてオイハギは一気にアネットに突っ込むと、彼女は剣でガードしたが吹き飛ばされてしまう
『きゃ!』
クリスハート
『アネットさん!』
シエラ
『アネ!』
オイハギ
『遅い!』
仲間の輪から離れてしまったアネットに急降下で襲い掛かるオイハギ
しかも彼女は剣を放してしまい、武器は遠くに吹き飛んでいた
だからこそオイハギは両手の爪を光らせ、そして彼女を狙った
まだ立ち上がることが出来ないアネットはオイハギが迫るのを確認すると、背中を見せて逃げる素振りをしたのだ
これにはオイハギも笑みが顔から零れ落ちそうになる
『終わりだ!』
あと少し、オイハギはアネットが何かを投げたのを視界に捉える
彼女の直ぐ後ろには木、そこにボール状のなにかを投げたのだ
それは木に当たると、一瞬だけ眩い光を放ってオイハギの視界を奪う
『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
たまらず苦痛を声にだし、目を抑えるオイハギはそのままのスピードで木に激突
それでも頭部から黒い血を流して飛び回るオイハギは目を強く閉じながらも腕を振り回す
本当に単純な作戦だ
発光玉をアネットが投げ、それでオイハギは視界を奪われたのだ
(くそっ!くそ!)
そのまま空に跳び上がるしかないオイハギは翼を羽ばたかせて上に飛ぶが、木の枝に邪魔されて空に飛び立てないでいた
『くそ!こんな策で!』
暴れまわりながらも数秒で視界が戻るオイハギ
しかし彼が目を開けた時には既に終わりが近づいていたのだ
どこを飛んでいたかも定かではない
しかし今彼は地面スレスレを低空飛行で飛んでおり、目の前にはクリスハートが巨大な3つの斬撃を剣に乗せて振り下ろす姿が見えていた
龍斬
それは龍種にも有効なダメージを与えることが出来る貫通性能が高い斬撃系で貴重なスキルだ
両断一文字の上位互換であり、これを受けて無事な魔物などいないと言われるほどの威力を叩きだす
オイハギは頑丈な悪魔ではない、反射神経とスピードだけが特化した生物だ
龍斬で斬られれば致命傷は避けられない
『ぬっ!』
それでもオイハギは斬られる寸前で空に舞い上がる
しかし、無事ではない
『ぐはっ!』
龍斬によって腹部から下半身にかけて深く斬られてしまい、大量の黒い血が体から吹き出す
避けなければ一撃であったが、彼自身僅かな延命になったに過ぎないだろうと冷静に考えた
それでも良い。血を吸えば回復するからだ
(ここは退くべきか)
オイハギは下で自身を見ている3人の女性を睨みながら撤退を考えた
そして思い出す、何故3人だけなのだろうと
『1人いない!?』
いないのはルーミアだった
焦りを顔に浮かべたオイハギは辺りを見回すが、そこで思わぬところから声がかかる
『やぁ』
オイハギは振り返る、自分より頭上から迫るルーミアに驚きながらだ
何故そこにいる?どうやって移動したと考えてもオイハギには答えなど出るはずもない
ルーミアは飛翔用の風魔法スキルを持っていたため、オイハギが視界を奪われて暴れている隙に空に跳び上がっていたのだ
きっと奴は逃げる、そう信じていたのだ
振り向いた時には既にルーミアがオイハギの首元を双剣で素早く斬り裂き、素早く蹴って地面に落下させる
背中から叩きつけられたオイハギは更に追い打ちをかけようとするルーミアを伸ばした腕で叩いて吹き飛ばし、立ち上がる
『馬鹿な…。強い、悪魔』
アネット
『強いと思うよ』
『っ!?』
オイハギの視界が可笑しくなる
彼は死角にいたアネットに首を刎ね飛ばされたからだ
目を大きく見開き、剣を振りぬく彼女の姿をマジマジとその目で焼き付ける
アネット
『強いけど、負けないって道理はないよ』
シエラ
『ファイアーボール』
最後にシエラの放つ大きな火球でオイハギの首は激しく燃え盛り、灰と化した
すると周りで唸り声を上げていたグランドパンサー質が尻尾巻いて山の奥に逃げていった
本当にもう終わりだろうと思った4人は大きな溜息を漏らすとその場に座り込む
オイハギの胴体が地面に倒れ、黒い魔石が出てくるとオイハギの肉体は吸い込まれていく
彼女達はこれには驚くしかない
シエラ
『吸い込まれた』
クリスハート
『なんで…しかも魔石が黒光りしてますね』
アネットとルーミアは体が痛くて動きたいないと言いだすと、クリスハートとシエラが魔石に近づく
確かに光っている、でも普通の魔石じゃない
手を伸ばすのも億劫だが、2人は意を決して黒い魔石に手を伸ばす
クリスハート
『スキルドロップではないですね…』
アネット
『ただ光ってるだけ…ねぇ』
シエラ
『でも倒せたから安心』
アネット
『私これ完全に打撲だわぁ、足いた…』
ルーミア
『私は脇腹痛い、思いっきり叩かれたし』
クリスハートは魔石を回収し、仲間を起き上がらせる
山が騒がしかったのはオイハギの出現で間違いないとわかった彼女達はゆっくり下山していき、逃げ遅れるグランドパンサーを倒しながら戻っていく
先ほどよりも森は騒がしくなく、心地よいほどに静かだ
アネット
『悪食の等活席、オイハギねぇ』
クリスハート
『席順では一番階級が低いですが…今回は運が良かったですね、他の悪魔だったらもっとお強い筈』
アネット
『運が良かったよ。てか悪魔の情報は少ししかわからないけどさ…なんで動き出したのやら』
等活席 オイハギ
黒縄席 ???
衆合席 ヴィドッグ
叫喚席 ???
大叫喚席 ???
焦熱席 ???
大焦熱席 ゾディアック
阿鼻地獄 席 ???
クリスハート
『それはわかりません。わかる為には後手に回るしかないのが悔しいですが…今はそれよりもエルベルト山を目指しましょう』
ルーミア
『まぁとりまあれだね、村帰らないと』
エーデルハイドは1時間後、村に戻ることができた
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