第164話 幻界編 4
森の茂みから飛び出すは2体の魔物
鰐・グルーミーとガウ・グルーミーだ
鰐・グルーミーは見た目がまんまワニのぬいぐるみにしかみえない、しかも全長3メートルはありそうだ
ガウ・グルーミーはグランドパンサーを人形にした感じだ。
全身2メートルか、こっちはまだマシか
そして2体共、目がバッテン模様だ
『ケッ!』
ティアマトが動くとリリディも素早く反応する
俺はリュウグウと共に駆け出し、ガウ・グルーミの噛み付きを左右に避けながら武器で側面を攻撃する
『ガウ!』
バランスを崩す様子はない
まるで痛みを感じていない様だ
『胸に弱点!』
ティアが赤い魔石を見つけてくれた
するとガウ・グルーミーはすかさず彼女に襲いかかる
全身がぬいぐるみでも、爪と牙は本物同様だ
『はや!』
間一髪避けたティアは振り向きながら体制を立て直すが、直ぐにガウ・グルーミーは彼女に飛びかかる
『この!』
俺は光速斬で加速し、大きく体を引き裂くとガウ・グルーミーは空中でバランスを崩す
その隙にリュウグウが三連突で素早く敵の体を貫く
『ガァァァァウ!』
『『!?』』
その咆哮を間近で聞いてしまった俺とリュウグウは体が僅かに重く感じてしまう
これが話で聞いた体力を奪う咆哮なのだ、何度も受けると相当辛いぞこれ
『二度目はない!』
リュウグウが果敢にも飛び出すと、ガウ・グルーミーはリュウグウを避けながら俺に向かってくる
噛み付きではなく、爪での引き裂きを刀で受け止めての鍔迫り合いは一瞬で弾かれた俺の敗けだ
『人形なのに!』
吐き捨てながら吹き飛ぶ俺はティアの放ったラビットファイアーがガウ・グルーミーに命中したのを確認して安心する
『ガウキャワーン!』
『う…重い…』
ティアもきつそう
てかとんでもない魔物だなこいつ
僅かに体力を奪われると思っていたのだが、予想以上に削る
『ふん!』
『ギャイン!』
火だるまでのたうち回るガウ・グルーミーにリュウグウは槍で赤い魔石を貫き、制圧完了だ
動きを止めたガウ・グルーミーは口から普通の魔石を吐き出すと、直ぐに灰になっていく
ティア
『動きはグランドパンサーまんまだけど…』
リュウグウ
『鳴かれると困るな』
アカツキ
『こんな削るとはな。ティアマト達も大丈夫そうだ』
同じタイミングで倒したらしい
てか鰐・グルーミーの歯がボロボロなのは何故だ?
アカツキ
『なんで鰐そんなボロボロなんだ』
リリディ
『噛みつかれそうだったので口に賢者バスターですよ?』
アカツキ
『あぁそっか』
リリディ
『もっと関心して良いんですよ?』
アカツキ
『難しいな』
ティアマト
『パペット種の癖に馬鹿力だったぜ…押し負けそうになった』
力で攻めたのか…ったく無茶するなぁ
アカツキ
『凄く面倒な魔物だったな』
リリディ
『僕らは吠えられなかったので大丈夫です。』
リュウグウ
『これで見張り業務終わりだ』
ゲイル
『よくやった。』
俺は魔石を回収し、みんなの元に戻る
どうやら父さんも寝るらしいけども、この後はクローディアさんが起きる予定だとさ
それならば全然安心だ、エーデルハイドさんもいるんだし
アメリー
『こちらはバッハさんとトーマスさんが次の警備です』
アカツキ
『聖騎士大変じゃないですか?』
俺は気になって質問をしてみると、その答えをジキットさんが苦笑いを顔に浮かべて答えた
『上司の顔色伺うのが』
安心できる答えだった
ティアマト
『一番大事な業務だな、くっくっく』
アメリー
『それが無ければ…はぁ』
どうやら大変のようだな
リゲルとクワイエットさんも大変だったのだろうなと一瞬考え、きっと違うなと一瞬でわかった
ルドラさんがいたんだしな
クリスハート
『お見事でしたね』
アカツキ
『ありがとうございます、頼みました』
アネット
『オッケー』
シエラ
『おやすみ』
色々話したいが、少し眠い
仲間と共に洞窟内の奥まで行くと、聖騎士達が三角テントを張って中で寝ているのだが
いびきが凄い…
それにはティアマトも首を傾げる
リリディ
『女性がいなくてよかったですね』
ボソリと囁くリリディはテントから離れた場所で安易テントを直ぐに張り、俺達はその中に入ろうとした時に寝ていたであろうリゲルが目を覚ました
上体を起こし、俺を見ているけども
完全な寝起きであるから目が虚ろである
アカツキ
『まだ寝てても大丈夫だぞ?』
リゲル
『んむ』
ストン、と寝始めたぞ
こうしてみるといつものチクチク感はないな
ずっと寝起きのままでいてほしいなと思いたくなる
クワイエットさんは幸せそうな顔で寝ている
安心して寝れない場所なのに、この人は平和だな…
『入るぞアカツキ』
『ああわかった』
ティアマトに急かされ、テントの中に入る
直ぐにリリディは横になると驚きの速さで寝てしまうが、俺とティアマトはちょっと寝付けないでいる
『何いるんだろうなぁ、森の奥』
『出会っちゃいけない魔物だろうな』
『だろうな。好奇心はあるが…素直に会いたいと思えねぇ』
『アヴァロンの話を覚えてるか?出会えば確実に不味い存在だ』
『お目当ての魔物さえいればすぐに帰れるだろうが、まぁ計画は飽くまで理想だ…いくらか長引く』
『最悪な展開にならないことを願うよ』
ロイヤルフラッシュ聖騎士長からの話だと、アンノウンという巨大蝙蝠が持つスキル発動速度強化だ
それがドロップすれば俺達は直ぐに撤退、聖騎士は時間を使って帰還して任務の失敗ということで報告するとなっている
厚着しているから幾分かマシだが、ティア達は大丈夫だろうか
冬じゃなければ良かったなぁと思いながらも静寂な洞窟の中で俺は明日の事を考える
幻界の森、過剰すぎる危険という表現は本当なのかと正直疑いたくなるが、そう思っていればきっと痛い目を見るだろう
プッと誰かがアレを出した
起きていた俺はティアマトと顔を合わせ、首を傾げると犯人の声が聞こえてきた
クワイエット
『うへへぇ…くかー、くかー』
ティアマト
『寝っ屁かよぉ…』
リゲル
『ふぐっ!?うぅぅぅぅ』
『近くのリゲルはモロだな、寝ながら苦しんでるな』
『寝る前に変なコントしやがってよ…寝りゃしねぇ』
『てか開闢使ってなかったな』
『聖騎士いるんだ、しゃぁねぇべ』
『そういうことにしよう。これが終わったらカルビ専門店でも行こうか』
『おっ?いいなぞれ』
ゲイル
『生きて帰れたら連れて行ってやる』
父さんが入ってきた
外は寒い、と言いながら俺の隣に来たけども狭い
4人だとぎゅうぎゅう過ぎる
でも人が多いと僅かに寒さが軽減されるし寝やすくなったと言っても良いだろう
『そういえばティアマト君、うちの息子はようやく男になったぞ』
『!?』
アカツキ
『帰るまで我慢してくれ…ティアマト』
ティアマト
『揉んだか?』
アカツキ
『表現エグイぞっ』
ゲイル
『くっふっふ…』
こうして俺は頑張って寝る事が出来たのだ
・・・・・・・・・・
クリスハート
『静かですね』
彼女は横目で洞窟の近くで腰を下ろして警備しているバッハとトーマスを見ながら仲間に向けて小さな声で言い放つ
それに声を出して返事をする仲間はいない、みんな頷くだけ
クローディアは起きたばかりであり、頭が爆発したかのようにとんでもない髪型をしている
それを目の当たりにするエーデルハイドはあまり見ないように心が得る
『油断は駄目よ』
クローディアのこの真剣な眼差しが髪型とマッチしていないのだ
だからこそアネットとルーミアは笑いを堪えるのに必死だ
シエラ
『魔物、気配なし』
クローディア
『シエラちゃん気配感知高いのよね』
シエラ
『4』
クローディア
『十分過ぎるわ。』
アネット
『そういえば幻界の森ってクローディアさんは言ったことあるんです?』
クローディア
『数回だけよ?』
数回だけでも凄いと思う、とクリスハートは思いながらも目をギョッとさせる
だが攻略に至ることはなく、撤退でしかない
アカツキの父であるゲイル、リリディのお爺さんのハイムヴェルトそしてオズボーンでの4人パーティーで挑んだ回数は3回、中枢まで行くことが出来たが、とある問題に悩まされて引き返すしかなかったのだ
幻界の森はとても広く、一日では到底最深部まで行くことが出来ないのだ
あのような森で寝泊まりなんて死ぬだけだとクローディアは強く彼女らに言う
アネット
『てことはもっと魔物を知っている?』
クローディア
『まぁ入り口付近なら大丈夫だと思って言わなかったけど、念のために明日には話すわ』
クリスハート
『例えば何がいるんですか?』
クローディア
『アバドロンっているアンデット種、推定ランクはBね』
ランクBアンデット種のアバドロン
左右に腕が3本ずつある甲冑を纏うミイラである
速度や攻撃に関しては飛びぬけた性能は無いが、左右合わせて6本の手に握る片手剣のよる攻撃が非常に厄介であるため、Bとみている
しかし、そのランク帯でもレベルは低いとクローディアは語った
クローディア
『だって火が凄い弱点だもの、火魔法スキルなきゃかなり手ごわいんだけど…』
シエラ
『私のファイアーボール、いける?』
クローディア
『いけるわよ?てかアバドロンて私が勝手につけた名前だけどね』
アネット
『魔物全書にも書いてないですよね?新種ですか?』
クローディア
『幻界の森にしかいない魔物よ、まぁあそこはそんな魔物しかいないわ』
ルーミア
『強いんですか?』
クローディア
『隠密性能高いって感じよ、いるのがわかれば全然対応できるけども…数で攻めてくる嫌な魔物もいる』
シエラ
『数?』
クローディア
『オーガントっている鬼の顔をした10センチ程度の蟻よ。地面を埋め尽くす数で迫ってくるのを目の当たりにすると背筋がゾッとするわねぇ』
魔物ランクB、個体としてはランク付けすら出来ない貧弱な魔物
しかし数でくればレベルは関係ない
クローディアでも未知数な魔物であるため、詳しい詳細は誰も知らない
クリスハート
『声が聞こえますね…』
クローディア
『声…』
クリスハートの反応にクローディアは森の中に耳を傾ける
そこで彼女は険しい顔つきを見せた
誰もがグリンピアのギルドマスターである彼女の顔を見てただ事じゃないと思い、武器を構えると聖騎士は直ぐに立ち上がって辺りを見回す
トーマス
『声、ですか』
バッハ
『何も聞こえないが…』
クリスハート
『ですが確かに声が聞こ『タスケテー』』
片言での助けを求める幼い女の子の声に誰もが目を大きく開いて驚く
しかしクローディアだけは『無視しなさい』と冷静になりながらも洞窟の前で腰を下ろした
良く考えてみればわかることだ、こんなところに子供がいる筈がない
いないと断言はできないが、1人だけは絶対に違うと断言出来ていたのだ
バッハ
『これは…』
クローディア
『ランクBの死音蛙。食べた生物の声を真似るのよ…残念だけどこの声の主は生きていないわ』
ルーミア
『そんな…。幼い声なのに』
クローディア
『人肉が大好きな魔物が長い時を得て変わった能力を手に入れたんでしょうけど、不気味ね』
クリスハート
『実際に見たことはありませんが、やはり強いのですか』
クローディア
『気にしないでやり過ごしなさい。聖騎士も聞かなかったことにして』
トーマス
『わかりました。それにしても…子供ですか』
クローディア
『残念だけど、聞きたくない声だったわね』
バッハ
『Bがいるとは…』
クローディア
『ここは国内で最大級の広さを誇る大森林よ?他にもいるわ』
そこで丁度良く、その存在が方向を上げる
それは気高き猛獣の声であり、サーベルタイガーの咆哮だ
誰もが聞いたことのある鳴き声に溜息を漏らす
い過ぎだ、とアネットは思いながら無駄な戦闘は避けようと心に誓った瞬間でもある
クリスハートが腰からカランビットナイフを取り出し、くるくる回して暇を持て余していると、ルーミアが突如としてシエラに話しかけた
ルーミア
『そういえばシエラってクワイエット君とどうなの』
唐突な質問にシエラは固まる
進展はない、それは彼氏彼女という関係でもなければ特別仲が良いというわけではないからだ
アネット
『玉の輿できるよ?』
シエラ
『優しい人だけど、それだけ』
シエラはそう告げると、このままではいじられると感じて話題を振る
クリスハートちゃんはどうなのか?と
それにはご本人であるクリスハートがハッとした顔をすると、勝手に地雷を踏んだのだ
クリスハート
『リゲルさんとは別にそそんな何もないですよ』
シエラ
『私、言ってない、リゲル君って』
クリスハート
『へ?』
トーマス
『リゲルさんですかぁ、口は凄い悪いですけど面倒見良くて、若手からは信頼厚かったですね』
バッハ
『妬ましいけど、アメリーもリゲルに気が合ったよな…チョコ渡してたし』
クリスハート
『チョコ!?』
バッハ
『あれは完全な好意だな、トーマスも見ただろ?移動中にアメリーの奴ずっとリゲルをチラ見してたろ』
トーマス
『でしたね』
クローディア
『ライバル…か』
シエラ
『聖騎士さん、リゲル君はどんなヤンチャ少年だったの?』
トーマス
『気に食わない上官のコーヒーにゴキさん入れてた』
バッハ
『夜食で上官の飯を盗み食いしてた』
アネット
『子供かっ!』
クリスハート
『子供かっ』
クローディア
『でもルドラに特別扱いとかされてたんでしょ?クワイエット君はどうして副隊長に?』
トーマス
『クワイエットさんは単純に強いんですよ、一番ヤンチャなのはあの人なので上官でも下手につつきません。怒ると上官とか関係なしに襲い掛かる人で何度もボコボコにされた人を見てきましたね』
バッハ
『俺は気に入っていたからイジってなかったけど、本当にボコボコにしてたよな。強いから副隊長なんだろうけどもリゲルがいなけりゃ制御できないってのも面倒だ、あいつ止めないし』
トーマス
『リゲルさんは調子にムラがあるから副隊長になれなかっただけですしね、本調子だとクワイエットさん何度か負けてましたし』
クリスハート
『ルドラさんとの関係はどうでした?』
食いつくクリスハートにバッハは少し狼狽えながらも頬杖をついて昔を思い出した
特別扱いだからと言ってもリゲルは調子に乗ることはなかった
怒って喧嘩をすることはあっても、そのお咎めは双方ともに軽かったと話す
飽くまで特別扱いとは、リゲルとクワイエットの稽古にルドラが直接していたということが一番大きいのだ
バッハ
『カイさんとシューベルはクワイエットにボコボコにされた思いであるから怨んでるだろうし、リゲルとも何度も喧嘩しそうになっているから今回の任務はヒヤヒヤだぜ』
クローディア
『こっちは私が面倒みるわ、でもそっちの聖騎士はロイヤルフラッシュの馬鹿に任せるわ』
トーマス
『あの人を馬鹿と呼べるのが凄いですよ、確かにたまに脳筋ですが』
それにはクローディアも流石に笑いそうになる
部下にもなんとなくバレているのか、と
クローディア
『素直すぎるのよあいつは。まぁ悪い奴じゃないけども冷静になる時になれないのが短所よ』
トーマス
『肝に銘じます』
クローディア
『そうね。少し目を閉じて寝ておきなさい?私が見とくわ…幻界の森じゃ少しでも体力残さないと死ぬからね』
重い言葉に息を飲む聖騎士2人は小さく頷くと、洞窟の入口の隅で休み始めた
クローディアはエーデルハイドにも少し楽にしてて良いわよ、と言われて素直に従う
一度あの森へ行ったことがある人間の指示には従っておいた方が良い、それが彼女らの頭にはあった
アネット
『明日が本番か、頑張らないと』
ルーミア
『まだ死ぬつもりはないからねぇ、慌てたら死ぬとかヤバヤバだよ』
クリスハート
『みんな、明日は頑張りましょう』
シエラ
『頑張る』
こうして彼女らは何事もなく、体を休めながら見張りをしていると、その時は来る
寝落ちしそうになっていたクリスハートは誰かに肩を叩かれた気がし、振り向いた
むにゅっと何かが頬に当たる
それは肩を叩いたリゲルが人差し指を立てており、振り向いた拍子にクリスハートの頬に命中したのだ
よくある子供のいたずらだ
クリスハート
『…』
リゲル
『起きたか?』
クリスハート
『噛みつきますよ?』
リゲル
『破廉恥め』
クリスハート
『真似しないでください』
そういいながらもクリスハートは立ち上がると、他の者も立ち上がる
クローディアは自身の出番が終わったことを悟り、洞窟から姿を現すロイヤルフラッシュ聖騎士長に多少驚いた
聖騎士長自ら見張りはあり得ない
きっと理由がる、リゲルとクワイエットの見張りがそれだろうと彼女は考える
クワイエット
『僕寝ようかな』
リゲル
『寝たらビンタするぞ?』
クワイエット
『あはは…』
ロイヤルフラッシュ聖騎士長
『…バッハとトーマスは休め、3時間後に起こす』
聖騎士2人は直ちに洞窟内に戻る
エーデルハイドの4人も交代ということで見張りを3人に託し、クローディアと共に洞窟に入る
リゲルは(ロイヤルフラッシュさんかよ)と思いながらも溜息を漏らし、目を合わせないように見張りをする予定だったが
その流れをロイヤルフラッシュ聖騎士長が断ち切る
『すまなかったな、リゲル』
『まだ病んでるんすか』
『いや、そんなわけでは』
少し懇話するロイヤルフラッシュにクワイエットは顔を反らしてクスリと笑う
実質ここにいる3人は強く、Bの魔物が現れたとしても直ぐに対象出来るだろう
だからこそリゲルとクワイエットは気を張らずにいられる
それはロイヤルフラッシュもだ
彼もまた、この2人の強さに信頼していた
『覚えてるか、お前が幻界の森で置き去りに去れそうだった時を』
『ルドラさんが助けに来たのは正直驚きましたが、今なら納得出来ますよ』
『クワイエットも飛び出しそうだったがな』
しかし、クワイエットは他の聖騎士達に止められて助けにいけなかった
だが事実として、リゲルの父であるルドラが助けに向かった
『クワイエット、気絶させたのはジキットだぞ?』
『やっぱりです?ストンっ!てやられましたね』
『にしてた、俺はルドラを止めようとしたが、無理だった』
『あんたなら止めれたろ』
『この俺に殺意を込めて言ったんだ、止めたら殺すぞとな』
知らない事実にリゲルとクワイエットは驚く
だがリゲルだくは直ぐに鼻で笑い、『バカな親父』と呟く
その時の顔が、ロイヤルフラッシュにとって安心できる顔だった
(大丈夫そうだな)
リゲル
『化け物なんだと思います?』
ロイヤルフラッシュ聖騎士長
『想像も出来ん。Aは確かだが…』
クワイエット
『ただのAなら問題はない、でも』
ロイヤルフラッシュ聖騎士長
『それ以上の存在ならば笑うしかあるまい。会うこと無いは筈だ』
リゲル
『でしょうね。てかカイさん俺とクワイエットを睨みすぎっす、視線感じますもん』
ロイヤルフラッシュ聖騎士長
『へんなことしないようには見ておく、森では頼むぞ』
リゲル
『わっかりましたよ』
クワイエット
『カイさんが面倒だよねぇ、シューベルさんは強いのに性格あれだし勿体ない。なんであの2人がひっぱる役目なんですか』
ロイヤルフラッシュ聖騎士長
『お前らが戻ってくればその問題も解消される』
リゲルとクワイエットは互いに顔を見合い、苦笑いを顔に浮かべて言い放ったのだ
今の方が楽しい、と
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