第153話 お金は溜めれば良いことある
アカツキ・ライオット
☆アビリティースキル
スピード強化【Le5】MAX
気配感知 【Le3】
動体視力強化【Le4】
斬撃強化 【Le4】
☆技スキル
龍・開闢 【Le3】
刀界 【Le2】
居合突 【Le4】
光速斬 【Le3】
地斬鉄 【Le2】
☆魔法スキル
称号
無色斬鉄
☆称号スキル
スキル発動速度【Le1】
斬撃強化【Le1】
特殊技『断罪』
・・・・・・・・・
リリディ・ルーゼット
☆アビリティースキル
魔法強化【Le2】
打撃強化【Le5】MAX
気配感知【Le3】
動体視力強化【Le3】
麻痺耐性【Le3】
スピード強化【Le3】
攻撃魔法耐久力強化【Le2】
☆技スキル
ドレインタッチ【Le3】
爆打 【Le2】
骨砕き 【Le1】
☆魔法スキル
風・突風 【Le3】
風・カッター 【Le3】
黒・チェーンデストラクション【Le2】
黒・シュツルム【Le3】
黒・ペイン 【Le1】
黒・アンコク 【Le1】
黒・グェンガー
称号
ハイ・クルーガー【黒】
☆称号スキル
魔法強化 【Le2】
自動魔法盾【Le2】
スキル発動速度強化【Le2】
魔力消費軽減【Le2】
特殊魔法『クラスター』
・・・・・・・・・・
ティアマト・ウロボリス
☆アビリティースキル
斬撃強化 【Le5】MAX
気配感知 【Le3】
毒耐性 【Le4】
耐久力強化【Le3】
動体視力強化【Le3】
スピード強化【Le4】
筋力強化 【Le2】
☆技スキル
連続斬り 【Le3】
真空斬 【Le2】
大地噴出断【Le1】
鬼無双 【Le2】
☆魔法スキル
火・パワーアップ
☆称号
バトラー
称号スキル
体術強化【Le1】
耐久力強化【Le1】
特殊技『ギロチン』
・・・・・・・・
ティア・ヴァレンタイン
☆アビリティースキル
安眠 【Le2】
魔法強化 【Le2】
気配感知 【Le5】MAX
麻痺耐性 【Le1】
動体視力強化【Le3】
スピード強化【Le3】
☆技スキル
☆魔法スキル
火・ラビットファイアー【Le3】
雷・ショック【Le4】
木・スリープ【Le2】
風・キュア 【Le2】
風・ケア
風・シールド【Le3】
白・ホーリーランペイジ【Le1】
称号
エクシア
☆称号スキル
デバフ強化 【Le3】
自然治癒 【Le2】
動体視力強化【Le3】
運 【Le4】
固定スキル 『天使』
特殊魔法 『デルタ・バルカン』
・・・・・・・・
リュウグウ・モチヅキ
☆アビリティースキル
突強化 【Le4】
スピード強化【Le4】
気配感知 【Le3】
動体視力強化【Le4】
限界突破 【Le1】
☆技スキル
鬼突 【Le2】
三連突【Le3】
シャベリン【Le1】
ドレインタッチ【Le1】
稲妻花槍突【Le1】
槍花閃【Le2】
☆魔法スキル
称号
星渡(ホシワタリ)・女花
☆称号スキル
隠密 【Le3】
運 【Le4】
安眠 【Le2】
状態異常耐性【Le2】
スキル発動速度【Le1】
特殊魔法『ラフレイル』
・・・・・・・・・・
魔物表
SS ???
S 虹王蛙、死王ギュスターブ、赤龍ササヴィー、奪宝ゼペット
A闘獣 金欲のアヴァロン(妖魔羊)
睡欲のモグラント(土駆龍)
????????
A 呪王ジャビラス、ドミレディ、ノヴァトラーク(炎龍)
B デュラハン、将軍猪、閻魔蠍、鬼ヒヨケ
女帝蜂、ミノタウロス
サーベルタイガー、イエティ、ジャクラール
エレメンタル(オール)
C ブラック・クズリ、トロール、ファングマン、侍ゾンビ
パペット・ハンマー、リザードマン、鉄鳥、マグマント
剣蜂、キラービー(単体D/集団のみC)
般若蠍、ベロヌェルカ
ロゴーレム、ニャン太九郎、魔妖精
チベタンウルフ、雷狼
エレメンタル(アイス・サンダー)
D キングゴブリン、グランドパンサー、ゴーレム
ラフレコドラ、ケサラン
ソード・マンティス、黒猪、グレイバット
鎧蛇、棘巻トカゲ
リッパー、ゲロックロ、ハンドリーパー
ブー太(梟)バイオレット
E コロール、エアウルフ、ハイゴブリン、
エレメンタル(レッド・グリーン・ダーク・アクア)
パペットナイト。ボロゴーレム、棘蜂、グール
グリーンマンティス
ゲコ(ヤモリ)、闇蠍、格闘猿(エド国)
F ゴブリン、ディノスライム、格闘猿、ゾンビナイト
風鳥、ゴースト、ウッドマン、ビリビリフラワー
眠花蜘蛛、角鼠、カナブーン ゾンビナイト
赤猪、棘鴉、オオダンゴ、ギョロギョロ
ゾンビランサー、シロオニバス、イビルハープ
・・・・・
俺は今年最後の冒険者稼業を行うために仲間と共に森に歩いていた
明後日は年末という大事な日であり、明日から俺達は休み
今日こそは良いスキルを手に入れようと意気込んでいたのだが、森に入る入り口付近でウキウキで帰ってくるバーグさん率いる夢旅団に首を傾げた
早過ぎるからだ
バーグ
『やぁ君たち!今日は良い日だ!ロゴーレムがいたからね!』
ロゴーレム、それはランダムでスキルを確定ドロップする超幸運な魔物
どうやら遭遇したらしく、スキルもゲットしたのだという
この感じだとバーグさんが手に入れたみたいだが…なんのスキルかな
ティア
『なんのスキルでした?』
バーグ
『あはは…僕じゃないんだ…』
アカツキ
『そのウキウキからだとバーグさんかと』
ドラゴン
『俺さ!ショットガンっつぅ炸裂系の魔法さ』
それは無属性魔法スキル、腕を伸ばして灰色の魔法陣を展開すると、魔法陣から前方に向けて灰色の小さな弾が一気に炸裂しながら跳んでいく凶悪な魔法スキル
リュウグウはそれは『名前のまんまショットガンか』とわからないことを口にする
彼女の住む場所ではあるのだろうか…
ドラゴンさんは幸せそうな顔を浮かべ、『頑張れ諸君!俺もお前らの背中を追うぜ!』と元気な声を上げて街に帰っていった
《運が良いなおいおい、無属性って少ないからなぁ…》
ティアマト
『メリットある魔法属性か?』
《発動速度がティアちゃんの白魔法と並んで速いのと魔力消費が少ないのが良い》
リリディ
『なんだかんだドラゴンさんも食らいついてきますね…』
ティアマト
『越されないように俺達も頑張らねぇとな』
アカツキ
『そうだな、さぁ行こうみんな』
今日は目的があって来たのだ
テラ・トーヴァはギルドでみんなと集まると、《熊五郎にとっておきのスキルを持った魔物が珍しくいるから俺を使え、場所は案内するぜ?》と意味深な発言をしたのだ
そのせいもあり、ティアマトもウキウキしている
大雪からさほど雪は降っていなかったため、ある程度は溶けてはいるが未だに歩くのは大変だ
足首が隠れるくらいまでは雪があるが、この前よりはマシさ
今日はブルドンが久しぶりにいるからこいつも無駄に張り切ってる。背中にはやる気のないギルハルドが欠伸をしながら寛ぎまくってるのがあれだが……
『ニャハーン』
リリディ
『魔物がいるらしいです』
リュウグウ
『適当な事を…』
ティア
『あ、ほんとだ』
リュウグウ
『なん…だと?』
《本当に猫語理解してんのか…》
ちょっとビックリだ
現れたのはモコモコに暖かそうなエアウルフが5頭
後ろにもエアウルフが3頭と団体客だ
ティアマト
『良いねぇ!』
『ガルルル!』
アカツキ
『各個撃破だ』
魔物は人間を優勢して襲う
まぁブルドンは襲われても背中にいるギルハルドが動くから心配はない
リリディ
『来ます!』
一斉に襲いかかるエアウルフ、俺は飛び込んできた1頭を斬り倒してから体を回転させ、もう1頭に刀を刺し込んで倒す
仲間達も軽々とエアウルフを倒し、あっという間だ
魔石は光らなかったが、まぁ良しとしよう
俺は魔石を拾い集めているとテラ・トーヴァが《このまま真っ直ぐだ》と案内を始めたので先頭を歩いて進む
途中、ゴブリンやハイゴブリンそしてコロールなどが現れたがリリディが自慢のスタッフで殴り倒す
ティアマト
『最近あれ聞いてなぇぞ?メガネバスター』
リリディ
『殴りますよ?賢者バスターは使うと寿命が縮む危険な技なんです』
リュウグウ
『本当に殴るぞ?』
リリディ
『……』
凄い設定だ
リリディはリュウグウの細めた目を見て口をへの字にしたまま無言を貫いた。
俺はティアマトと笑いを堪え、『進もう』と告げて歩き出す
比較的、歩きやすい道に出ると偶然にもエレメンタル種のエレメンタルアイスと遭遇したが、氷の結晶の形をした半透明な姿は綺麗だ
冬にしか現れない珍しい魔物だ、ランクCとエレメンタル種にしては少し高い
スキルも氷と珍しく、貫通性能が良いスキルを持ってるが今は必要無いのでスルーだ
こちらから襲わなければエレメンタル種はあまり襲ってこない
ティア
『テラちゃん、なんの魔物がいるの?』
彼女は浮遊しながら森の奥に消えていくエレメンタルアイスを眺めながら質問すると、テラ・トーヴァは答えた
《鬼パンダ、ランクB》
Bかよ!
てか何故凶悪ランクがいる?
普通なら緊急依頼レベルだぞ
アカツキ
『おい、大丈夫か?』
《大丈夫大丈夫、冬眠してるから先手できらぁ。場所は海抜の低い森…崖近くの下り坂を降りたら場所を教える》
そこまでいくのがこの季節は辛い
しかし、二時間かけて崖下まで行っても気配はない
ティアは『冬眠してるから気配が殆どないんだと思う』と言うとテラ・トーヴァは《正解!》と満足そうに答える
言われた方向に少し歩いて向かうと、木の根本に雪に埋もれた小さな穴がある
こんな穴?と首を傾げたが人がギリギリ通れるかどうかの狭い穴だ
冬眠するときは外気をあまり入れないように穴はある程度は魔物が塞いで冬眠するとティアから説明を受ける
リュウグウ
『この穴か、しかし先手となると…』
ティアマト
『リリディのシュツルムを穴に?』
《だろ?一応は2メートル半の熊だと思え?鬼の様に狂暴そうな顔のパンダだが》
リュウグウ
『まぁ一先ずメガネが1発、穴に向かって撃ってからアカツキの開闢をタイミングよく放つって手段でいいのか?』
ティア
『一撃で死ぬかな?』
《ある程度はダメージ与えろ、頼むぜ》
そんな会話をしている最中、居ても立っても居られないのかリリディはシュツルムを放つために黒い魔法陣を展開し、黒弾を穴の中に撃った
彼は穴の中で爆発によって吹き飛ばされたが、ちょっと抜けているな
リリディ
『ふぁぁぁぁぁぁ!』
リュウグウ
『どんでもばい馬鹿だ…』
ティアマト
『おっ!起きたな!』
かなり強い気だ、しかも不安定な感じだが怒っているようだ
『パァァァァァァァァ!』
爆発で大きくなった穴から獣の大きな叫び声、それが穴を破壊して姿を現す
3mとはではいかないが、でかい!パンダみたいな模様の熊にしかみえないし顔が鬼のように怒り散らしている
両手から伸びる爪は鋭く、一撃で人間など細切れにしてしまう凶悪な爪だ
『ショック!』
ティアは鬼パンダが姿を現した瞬間に黄色の魔法陣を展開し、雷弾を放つ
タイミングはバッチリ、避ける事が出来なかった鬼パンダは雷弾が体に命中するとピリッと感電して僅かに動きが鈍る
ティアのショックのスキルレベルは4、となるとBでも僅かに効果が発揮される
状態異常耐性がない魔物に対しての話だがな
こいつはなかったのは運が良い
その隙にティアマトは飛び出し、リュウグウは槍を肩に担いだまま鬼パンダに腕を伸ばし、拳を握り締めると叫ぶ
『ラフレイル!』
彼女の体の周りからは5つ緑色の魔法陣が展開され、そこから綺麗な赤色の花が咲く
その花の中心から灰色の弾が一斉に発射されると、鬼パンダの命中して小規模な爆発が起きる
狼狽える鬼パンダだがダメージは浅いか
ティアマト
『連続斬り!』
その隙にティアマトが正面から飛び込み、鬼パンダの胸部を斬り裂いた
素早い片手斧の2連撃から繰り出される攻撃によって血を流す鬼パンダは苦痛を浮かべるが、それでも戦意を失ってはいない
『パアァァァァ!』
爪を伸ばして引き裂く攻撃、ティアマトは武器を前にしてガードに成功するが獣の腕力を前に地面を滑るようにして俺達の後ろまで吹き飛んでいく
ティア
『ラビットファイアー!』
リリディ
『シュツルム!』
リュウグウ
『槍花閃!』
仲間が一斉に放つ同時攻撃
鬼パンダは襲い掛かろうと走り出した瞬間だったが、避けるにしても既にそれらの攻撃は目の前まで迫っていたために腕をバツの字にしてガードの構え
ラビットファイアーがその腕に火をつけ、シュツルムの爆発によってガードが弾かれて無防備な状態になると、リュウグウの槍から放たれた花弁が舞う光線は鬼パンダの顔面に命中し、奴は前屈みで悶え苦しむ
Cならばこれで確実に死ぬダメージ量だが流石はBだ
《兄弟!》
俺は呼ばれたので開闢と叫び、鞘から刀を僅かに抜いた状態から押し込んで金属音を響かせた
すると正面に瘴気が噴出し、その中から鬼の仮面をした武将が熱を帯びた刀を握り締めて鬼パンダに一直線に襲い掛かる
『パォォォ…』
鬼パンダが顔を持ち上げた時には実体化したテラ・トーヴァが刀を振り下ろす瞬間であり、彼は《いただきます》と言いながら縦に両断してのけた
ヨーイドンではない戦い、こちらからの先制攻撃もあるとBの魔物も一気に畳みかける事でスムーズに倒せる
強くなってきている、俺達は
まぁ一番楽に戦える理由としては皆の能力値が高い事もあり、ティアのショックのレベルが4もあるからだろう
Cの魔物なら一発で確実に麻痺するようになっているからブラック・クズリも凄い楽です
大勢の魔物に囲まれたとしてもティアがスリープの魔法スキルで一気に多くの魔物を眠らせたりするから危険な状況になり難い
ただし、アンデットには状態異常は殆ど効かないがな
『パオォ…』
力なく倒れる鬼パンダ
その様子をティアマトは右肩をダラリと垂らしたまま俺達の後ろからやってくる
ティアマト
『ジンジンするぜ…流石に筋力強化があと2は欲しいな』
リリディ
『よく受け止めましたよ…』
アカツキ
『流石だな…』
《魔石出るぞ?熊五郎こっちこい》
テラ・トーヴァはそう告げると、瘴気となって消えていく
直ぐに鬼パンダの体から発光した魔石が出てくると皆でその魔石に歩み寄ってなんのスキルか手を伸ばして確認してみたよ
鬼走り恐道というあまり聞かない技スキルだ
斬撃武器専用の技らしく、一瞬だけ腕力を向上させた状態で縦横無尽に目の前にいる対象を斬りまくるというバーサーカー染みた技スキルだとテラ・トーヴァは話す
ティア
『これお兄ちゃんも持ってる!聞いたことある!思い出した!』
アカツキ
『シグレさん…』
リリディ
『あの人に似合う技ですね…』
リュウグウ
『熊が鬼熊か…いやかわらんな』
ティアマト
『何がだよ…』
アカツキ
『ほらティアマト、早くしないと』
ティアマト
『お…おう!後ろから来る魔物頼むぜ!』
背後からの気配、ティアがちらちらと目で後ろを気にしていたので俺も気づいていたよ
ティア
『リュウグウちゃん!』
リュウグウ
『ふむ!』
どうやら2人が対応するらしい
現れたのはコロール3頭だが彼女らなら全然問題はない
俺はリリディと共にティアマトが魔石を掴んで光を吸収している様子を眺めていると、ふとテラ・トーヴァが口を開く
《筋力強化2あるからいけるな》
アカツキ
『どういうことだ?』
《まぁ見てろ。おい熊五郎、体に変化ないかい》
テラ・トーヴァは光を吸収し終えたティアマトに声をかける
ティアマトは自身の体を見回し、首を傾げて俺に視線を向けた瞬間に彼の体が光る
これは驚く
だって称号獲得、いわば進化の証だ
動揺を隠せないティアマトは空に向かってガッツポーズしながら自身の体の変化を見守るという変わった姿を見せているが、嬉しいらしい
ティアマト
『しゃぁぁぁぁぁ!』
リリディ
『熊の進化ってあるんですね、熊ですか?』
ティアマト
『それ変わんねぇだろ』
アカツキ
『だよな』
ティア
『あ!光ってる!』
あっちも倒し終えたか、早いな
ティアマトの発光も静まると、彼は我が物が出ステータスを開く
・・・・・・・・・・
ティアマト・ウロボリス
☆アビリティースキル
斬撃強化 【Le5】MAX
気配感知 【Le3】
毒耐性 【Le4】
耐久力強化【Le3】
動体視力強化【Le3】
スピード強化【Le4】
筋力強化 【Le2】
☆技スキル
連続斬り 【Le3】
真空斬 【Le2】
大地噴出断【Le1】
鬼無双 【Le3】up↑
☆魔法スキル
火・パワーアップ
☆称号
オーガナイト
称号スキル
筋力強化 【Le1】
耐久力強化【Le1】
体術強化 【Le2】
耐久力強化【Le2】
特殊技『ギロチン』
特殊魔法『ディザスターハンド』
・・・・・・・・
なんだかみんな普通の称号を持っていない気がするな
ちょっと冷静に並べてみるか
アカツキ 無色斬鉄
ティアマト オーガナイト
リリディ ハイ・クルーガー【黒】
ティア エクシア
リュウグウ 星渡(ホシワタリ)・女花
この状態でも幻界の森は油断ならない
鬼パンダの魔石をティアマトは俺に渡すと、不気味な笑みを浮かべながら颯爽と歩き始める
超ご機嫌だが顔が怖い
ティア
『いこ、アカツキ君』
彼女が俺の手を掴み、口を開くが手を掴まれるだけではもう俺は動揺しない
『行こう』といって握り返してから彼女の手を離し、仲間と共に辺りの森の散策を続行する
現れる魔物は低ランク、要はD以下の魔物ばかりだ
雪があって奥まで行くのが大変だからそこまで森の中を進んでいないからだろう
途中で昼のご飯の時間になるが
冬の寒さでは普通の食材は冷たくなって堅くなることがあるので高めの保冷バッグを購入していたんだ
サンドイッチなら冷めても全然平気なので森に向かう途中で買っておいたよ
赤騎馬ブルドンの背中のバッグからサンドイッチを取り出し、森の中での休憩が始まる
ティアマトは茂みから顔を出すシマリスを見つけると、彼はサンドイッチの端を千切って投げる
似合わない光景だが、シマリスは地面に落ちたサンドイッチの端を口に咥えたままどこかに消えていく
リリディ
『成長させてから食べるんですね?』
ティアマト
『その前にお前を食おうか?』
ティア
『冬でもコントかぁ…』
アカツキ
『ブルドン、ほら牧草団子』
『ヒヒン!』
2つほど食べさせればいいとティアに言われたので手の平に乗せてブルドンに食べさせると、俺の手はよだれまみれになる
雪で頑張って手を洗ってからサンドイッチを食べるけど、美味いな
『ミャハハーン』
ギルハルドは豚の生肉を頬張りながら鳴いている
まるで美味しいと言っているかのようだな
タマゴさんどに照り焼きチキンなど確かにどれも美味しい
この卵はオズボーン商会の養鶏所の卵だ。まだ規模は小さいが別の街から流れてきた卵よりも安いからそのうち彼の養鶏所の卵はグリンピアに浸透するはずだ
そんな食べ物の匂いに誘われたのか、魔物ではないものが現れた
クワイエット
『美味しい匂い…』
リゲル
『…』
なんでお前らがいるんだ
数秒間、俺はリゲルと目を細めて見つめ合うとクワイエットさんは笑顔で俺の隣に座る
無言の笑顔はまるで『僕の分は?』と今にも口から放たれそうだ
俺は言われる前に立ち上がると、ブルドンの背中のバッグから余っているサンドイッチを1つだけ差し出すと、彼は満面の笑みで受け取った即座に食べ始める
リゲル
『さっさと帰るぞクワイエット』
クワイエット
『食べたら!』
溜息を漏らすリゲル
こちらにはあまり意識を向けていないのがわかる
だがティアが『何してたの?』とリゲルに話しかけると、彼は腕を組みながら話してくれた
彼らも今日で森に行くのは今年最後であり、適当に稼いでいるとの事
いつもお金ないイメージだけどもちょっとおかしい事に気づいたリュウグウはおもむろにそのことをリゲルに聞き始める
リュウグウ
『聖騎士なんだから国民の税金が入っていただろう?無駄遣いしていてないのか?』
リゲル
『それ忘れてた』
ティア
『え?使ってはいたよね?』
クワイエット
『聖騎士の時は宿舎でご飯はいつでも出るし、ルドラさんがお小遣いくれたからそれで生活してた』
ティア
『毎月お給金ある筈だけど…』
リゲル
『手を付けたことないな…10年以上か』
リュウグウ
『凄い大金だぞ、どこにあるんだ』
彼らは『知らない』と顔を真っ青にしながら答える
流石に大金であるため、その件に関しては嫌でもロイヤルフラッシュ聖騎士長に聞くしかないとリゲルは溜息を漏らして口にする
来月になればロイヤルフラッシュ聖騎士長はくる
その時に聞くしかないだろう
クワイエット
『10年以上だね!いくらぐらいかな!ねぇリゲル!金貨100くらいあるかな!』
リゲル
『どこからそんな単純計算出来るんだよ、ブラック企業みたいな黒騎士だな』
リリディ
『300くらいでしょうか』
リゲル
『お前も馬鹿か?もっとある気がするが…』
いくらぐらいだろうと皆が無駄に考え始める
するとそこで思わぬ来客が姿を現したのだ
『2人はそろって約金貨4千枚』
その声が森の中から聞こえた
誰もが瞬時に立ち上がり、無意識に武器を構えてしまう
アカツキ
『誰だ』
《完全な隠密スキルだ、俺でも気づかなかった》
仲間たちは辺りを見回すが、姿は見えない
どこかで聞いたことがある声だ、聞いてはいけない声とも思える
リゲル
『誰だ?』
『聖騎士は所属するだけでも国の税金から給与が支払われるが、1番隊となると不自由ない暮らしが出来る金が入る…それをお前らは長い間を溜めたのだ、我が親友のルドラ、いやライガーの管理の元。お前らがお金をかけずに飲み食い出来たのはライガーが自身の持つ金から出していたからだぞ。独り立ちする資金を溜めてほしいというあいつの願いよ、リゲル』
現れたのはフルフレア公爵、ただ1人と護衛がいない
それがやけに不気味であり、俺は息を飲んでしまう
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