第143話 ルドラの贈り物
アカツキ
『はぁ』
街を守る戦い後から3日後だ
死傷者がかなりでてしまい、ギルドはその対処に追われている
死んだ者の弔いは昨夜あり、俺は父さんと共にそれを見守った
遺体は燃やされ、灰にして用意された多くの骨壺に入れていくのだが
リゲルは無表情のままルドラが燃えていくのをただ見ているだけだった
彼は重傷であり、エーデルハイドの皆さんもかなりの怪我をしていたから今は入院している
父さんには『落ち着くまでリゲルとは顔を合わせないほうがいい』と言われているけど
そんな事言われてても俺は今熱を出して寝込んでいるんだ
自分の部屋、ベットに横になって窓から大粒の雪が降っているのを眺めるのも暇になる
《ヴィンメイ、倒したな》
『リゲルがな。それにしても間に合って良かった』
《だな。てかティアお嬢ちゃんの光魔法やばい効いたな!あの頑丈な筋肉をバッサリだ》
『獅子は光属性に弱いって本当か…』
何故彼女がそれを知っているか、俺はクローディアさんから聞いた
イグニスめ、何を企んでいる?
《あれならティアちゃんがタイマンすれば楽勝だったかもな》
『確かに、ヴィンメイは弱いが初見はなめ腐った態度を前にだすから油断しまくるだろうしな』
《そうそう、対応される前に初見で一気に決める事は出来たが…まぁ結果オーライだ》
面白い言葉を使うテラ・トーヴァに首を傾げていると、ドアをノックされた
上体を起こすのも面倒な俺は無言のままドアを見つけていると、そのドアが僅かに開いてティアの顔が見える
《デートが部屋とか最初からレベル高いな》
アカツキ
『違うだろ…』
ティア
『看病だよテラちゃん』
彼女は苦笑いを浮かべたまま部屋に入ってくる
てか私服だから少し興奮する!私服は至福なんちゃって
『ティアマトとかみんなは何してる?』
『森の調査に呼ばれて向かってるよ?』
クローディアさんに頼まれて森の異常が本当に無くなったのか調べるために呼ばれたってさ
ティアはあの騒動で怪我をした冒険者にケアをするためにギルドに残っていたらしいけども、ある程度終わってからここに来てくれたらしい
嬉しい
《だが兄弟、これであと2人だな》
アカツキ
『ゾンネとイグニスだ。ゼペットが姿現さないの怖いけどな』
ティア
『多分漁夫の利戦法って感じする。ここまで姿を見せないってなんだか企んでるとしか』
《多分ティアお嬢ちゃんの予想で当たりかな。あいつは良いとこ取りして楽をする》
アカツキ
『ティア、漁夫の利ってなんだ』
ティア
『もう…』
呆れる顔も、いいかもしれん
彼女はリビングで母さんと共にお粥を作ってくれていたらしく、少しするとリビングからお粥を持ってきてくれた
鮭お粥だけども美味しい、ティアが作ったというスパイスが旨味を増してるだろうな
キュアで治るかと聞くと、魔物と関係ない熱だから無理だとティアに言われた
それにしても彼女の機嫌がやたらと良い
ティア
『リゲルさん、どうするんだろうね』
ふと彼女は暗い顔を浮かべた
どうするのだろうか、俺にはわからない
まさかあのルドラがあいつの父さんだったとはな
彼を守って死んだ後にそれを知るとはなんとも酷過ぎる
しかも獣王ヴィンメイがリゲルの親を殺している
気が気じゃないだろうがよく彼は最後堪えたなと思うよ
『あいつは大丈夫だよ』
理由なしで口を開く
しかしティアは『そうだよね、強いもんあの人』と納得を浮かべた
『でもなんのスキルを手に入れたんだろうね、リゲルさん』
ティアはお粥をスプーンで俺の口元に運びながら言い放つ
それを食べながら俺に考えていると、テラ・トーヴァが答えた
《ルドラの持っていた龍斬にヴィンメイの持つノヴァツァエラだ》
『『!?!?』』
ノヴァツァエラ!?マジですか!
とんでもない魔法スキルを手にしたなと考えると熱が悪化しそうだよ
時刻は夕方、俺はティアと他愛のない話をしていると彼女が帰る時間となり、シグレさんが顔を出す
警備兵の服装であり、彼女と去り際に『治ったら頑張ってね』と告げて去る
何の事だろうかと俺は知らない振りをする
熱と言っても微熱だ。お粥の後に母さんに薬を飲ませてもらってから熱は平熱になっているから明日には動けそうだ
ティアが去った後、シャルロットが堂々と俺の布団に潜り込んで寝ようとするのもいつもと変わらない光景だ
父さんがシャルロットがいないことに気づき、俺に部屋に来るけども仕事は終わったらしく部屋着だ
『大変だったな』
『そうだね。でも俺達も危なかった』
ヴィンメイがいる森の中に行こうにも魔物がずっと俺を狙ってきていたんだ
進むにも勧めなかったところで元魔法騎士会の副魔法騎士長補佐のマキナさんに鳥人族のクロウラウズさんが手を貸してくれたからこそ俺達イディオットは森に向かうことが出来た
《あの鳥野郎、マジで強ぇぞ》
『凄かったよ、孤高の黒鳥という二つ名も伊達じゃない』
《なんだかお前を最後気にしてたようだが…ありゃ戦闘狂だ。アクマと同じ》
アクマという言葉に俺は思い出す
人間恐慌アクマという、初代英雄五傑の1人だ
『そいつはわかるのかテラ』
《覚えてるぜぇ?ヴィンメイを人間にした感じ》
『規格外なのは伝わる』
《称号はバーサーカ、1日に何度か戦わないと暴走して止まらない》
『面倒過ぎない?』
そんな可笑しな設定の男が今の世でどこにいるのかとか話が上がらないとなると、そこにいるのかまったく見当がつかない
ゲイル
『アクマか。あいつは頭を抱えたくなるほどの戦闘狂だし戦が多い場所にしか現れない』
アカツキ
『戦いの匂いってことか』
ゲイル
『戦人だからな。そのうち会えるさ』
嫌だ
その日のうちに熱が下がり、無駄に元気な俺はティアと共に冒険者ギルドに向かった
隣街の冒険者は怪我人だけがまだ入院中であり、ギルドの治療室ではなく近くの専用施設にて体を休めている
そしてロビー内の冒険者もやけに静かだ
それもそのはずだ。俺でも知る冒険者が数人亡くなっているからだ
いつも明るいバーグさんもここでは珍しく酒を飲んだしんみりしているのがわかる
ゼルディム率いるソードガーデンも異様に静かだ
この場に似合わない雰囲気が漂っているから俺も少し動揺を隠せない
『ティアマト君達はまだみたいだね』
ティアが辺りを見回して告げる
現地集合って言ったし、俺達はちょっと早めに来てしまったからな
受付にはアンナさんがいるけども、今日は北の森への依頼は停止されており、森には入れない
明日には解禁されるらしいが今日は違う森しか行けない
丸テーブル席に座り、俺はティアと共に近くを歩いていた軽食屋の店員にココアを注文して仲間を待つことにした
一息ついてから彼女と何か話そうとしていると、そこでクワイエットさんが現れて俺達の席に座ってきた
クワイエット
『やぁアカツキ君、元気?』
アカツキ
『俺は大丈夫です。あの…その』
俺は聞きたいことがあって聞こうとしたが、クワイエットさんは直ぐに悟るとニコニコしながら答えてくれたよ
クワイエット
『リゲルは大丈夫だよ。なんだかんだ暇してない』
俺とティアは答え方に違和感を持つ
その答えは吹き抜けの2階から聞こえてきたんだ
『私は魚が食べたいんです』
『はぁ?肉に決まってんだろ。強くなれねぇぞ』
『その言い方は卑怯ですよ』
何やら聞きなれた声が2人ほど聞こえる
クワイエットさんが『見に行ってごらん』と言うので俺はティアと共に階段を登り、少し2階の様子を覗いてみた
応接室のドアの前でクリスハートさんとリゲルが言い争いをしており、2人を囲むようにしてシエラさんやアネットさん、そしてルーミアさんが苦笑いを浮かべてその様子を見ている
よく見るとリゲルの腰には今まで使っていた剣ではなく、ルドラが使っていた立派な剣を装備しているのがわかる
シエラ
『どっちも、食えばいい』
シエラさんが最もな事を言うとリゲルとクリスハートさんは黙った
普通の飲食店に行けば魚も肉もあるから食べたいものを食べればいいと思う
俺はリゲルがあの日を引きづっていると思っていたが、意外とそうでもないらしい
クワイエットさんのいう意外と暇してないという答えはきっとリゲルにとって別の事を考えるきっかけとしては良い薬なのかもしれない
クワイエット
『僕たち聖騎士やめるんだ』
背後からクワイエットがそう告げた
彼らがいた理由はリゲルの母さんが死んだ真実を知るため、強くなるのは副産物でしかないが
そこにいたからこそこの人も、リゲルも強い
いる理由が無くなったことで、俺達とも協力関係も無くなると心配したがクワイエットさんは『それはないよ、リゲルもここにいたほうが暇しないって思ってるだろうし』と話してくれたよ
なんだかんだ今のリゲルにはここがもしかしたら心地よいのかもしれない
素直じゃない性格の持ち主なのが面倒だけどな
ティア
『アカツキ君、一波乱起きる』
ふとティアが険しい顔を浮かべて俺の腕を掴む
ギルドの入口に視線を向けるティアを俺も同じくその方向に目を向けてみると
これまた面倒な貴族の登場だ
アルスター・ロット・カルテット子爵の息子オコーネルだ
クリスハートさんの実名はルシエラ・ル・ダンカードなのだが
今現れたオコーネルと婚約している関係なのだ。
しかしクリスハートさんは好きでもない男との結婚は嫌であり、父であるリクゼン・ル・ダンカードにそれを言ったら冒険者ランクBになったら考えると言ってしまったので彼女は光の速さで家を飛び出したって感じ
そこまで嫌な理由はきっとオコーネルの性格だ、面食いで色物好き
女性もとっかえひっかえで遊びのうわさが絶えないからだろうと確実に思う!
結婚できればクリスハートさんの実家は貴族会の介入が約束されているからこそ大事な問題なんだけど
貴族会はある程度の階級にならないと加入は出来ない
男爵以上になるためには子爵家の者と繋がりを持つしかなく、クリスハートさんの家は切羽詰まっているのだ
てことは準男爵家か。貴族なだけ凄い
オコーネルの後に続く貴族騎士は10人と多い
そういえばここでひと悶着あったって聞いたな
クワイエット
『うわ、数増えてる…前は3人くらいだったけども』
アカツキ
『何があったんです?』
クワイエット
『ほにゃらら!』
なるほどな。理解した
という事はだ…、オコーネルの引き連れた貴族騎士は対リゲル対策か
オコーネルは清々しい顔のまま辺りを見回すと『ルシエラはどこだ?あとリゲルという小僧っ子を出せ』とこの場の空気を読まない言葉を口にする
ロビー内の冒険者は一度オコーネルに顔を向けるが、先日の出来事のせいで反応は薄く直ぐに顔を逸らしてしまう
貴族騎士
『オコーネル様、調べてまいりますか』
オコーネル
『そうしてくれ。』
貴族騎士が辺りを探し出す
それにいち早く気づくクリスハートさんは自然とリゲルの体に隠れてしまう
俺達も2階に上がり、彼らに近づくがリゲルは俺にそんな反応を見せることはない
ちょっと緊張したけども、助かった…
クリスハート
『また来た…』
リゲル
『本当にお前あいつ嫌いなんだな』
クリスハート
『嫌です』
リゲル
『はぁ…仕方ねぇ。わぁったよ、追い払えばいいんだろ』
クリスハートさん、嬉しそう
だが相手は貴族だ。下手に対応すれば侮辱罪でひっとらえられても可笑しくはない
そうこうしているうちに貴族騎士が2階に上がってくるとリゲルとその後ろに隠れる
しかし、直ぐに貴族騎士は2階にいたクリスハートさんを見つけて仲間を呼び始めてしまう
オコーネルや貴族騎士が集まり、逃げるための階段は防がれた
途端に応接室から騒ぎを聞いて出てきたのはクローディアさんだ
彼女はしかめっ面のままオコーネルを睨みつけて虫の居所が悪いのを伝える
『貴族がなんの用?騒ぎを起こしたらガキでもボコボコにして叩きだすわよ?』
クローディアさんは鉄鞭を担ぎ、貴族騎士達を威嚇する
何故こんなにも機嫌が悪いのか。この人は書類仕事が大嫌い
先日の件で山ほど仕事が溜まっているんだろう
貴族だとしても、クローディアさんの事は十分に知っているであろう顔をしている
だって少し顔が強張ってるんだもん
オコーネル
『さ…騒ぎ?こっちは貴族さ』
クローディア
『ここはギルドよ?私が誰だかわかってきてるならばいい度胸ね?お父さんに言われなかった?近づくなって』
オコーネル
『起こす気はないさ…僕はルシエラを引き取りに来ただけさ』
リゲル
『帰れよ意気地なし』
オコーネル
『貴様、この前は大目に見たが今回は貴族への侮辱罪でこっちは大義名分を掲げることが出来るんだぞ』
リゲル
『そうかいそうかい、んでお前はそれを伝えに来ただけか?好いてる女ならお前がかかって来いよ?』
オコーネル
『ぐぬぬぬ』
かかってこない
というか貴族騎士を動かそうとしている
リゲルは溜息を漏らし、剣を抜こうとするがクローディアさんはそれを止めた
『悪いけどもオコーネル君?クリスハートちゃんを連れていこうとすると貴方の家系不味くなるわよ?』
『どういうことですかねぇ?』
『フルフレア公爵から先ほど連絡が入ったのよ?これあなた宛ての手紙』
クローディアさんは手紙をヒラヒラと見せつけながら彼に渡したのだ
オコーネル、目が飛び出そうなほどの驚くが手紙を開けようとはしない
驚きながらも『そんな筈はない!公爵家がこんな階級貴族の問題に顔なんて挟まない!』と荒げた声で言い放つ
俺もそれは可笑しいことに気づく
公爵家とは王族と並ぶ権力があるからだ
それはマグナ国が始まってからそういう権力関係で出来ている
そんな存在が階級の低い貴族の問題に顔を突っ込むなんて、あり得ない
クローディア
『手紙を開かないならばフルフレア公爵からの伝言、伝えるわよ?そのうち貴方の家とクリスハートちゃんの家にも同じ文書が届くはずだけど、その前に事を大きくするとオコーネル君の家無くなるわよ?』
オコーネル
『い…一応聞いておこう』
クローディア
『我が友であり、恩人でもあるライガー・ホルンの願いによりダンカート家には付近の街の漁業権を与え、男爵に任命し、貴族会への参入を許可する。カルテット家においては今後ルシエラ嬢との政略結婚の件は解消し、今後ともより良い関係を気づくことを願う…。尚ダンカート家の妨げになるような行為を行った場合、公爵としてカルテット家にそれ相応の対応として罰を与える事とする。フルフレア・ロード・ランド・コスタリカ公爵』
あり得ない事が起きた
俺だけじゃなく、リゲルが一番驚いている
オコーネルは何かを悟ったのか、小刻みに震えながら泣きそうな顔を浮かべ、光の速さでその場を立ち去った
貴族騎士達も慌ただしく彼を追うが、本当に何が起きてるんだ…
クリスハート
『まさか…本当にルドラさんが』
リゲル
『公爵と繋がってたのかよ…リクゼン家とカルテット家の問題はこっちで何とかするって言ってたが…』
ティア
『よかったねリゲル君、今後安心してクリスハートさんと遊べるね』
リゲル
『馬鹿っ!んな事考えてねぇっ!』
どうやらクリスハートさんは今後、普通に動けるらしい
彼女はホッと胸を撫でおろすと、リゲルに向かって『ありがとうございます』と静かに告げる
どう反応していいかわからないリゲルは挙動不審になりながらも言ったんだ
『勝手な事しなくても、俺が何とかしてた』
しかしそれは変に捉えても可笑しくはない言葉であり、シエラが拾ってしまう
『あ、最初からリゲル君、クリスハートちゃん助ける気だった!』
『おいこのロリ女の口をふさげ!』
シエラさんはクリスハートさんの背後に隠れ、ニコニコとリゲルを見る
肝心のリゲルは溜息を漏らすと、自身の腰の剣を見ながら僅かに触る
『あんた、何者なんだよ…』
ちょっと嬉しそうにしている顔が珍しい
するとそこでクリスハートさんが何かを思い出したらしく、彼に言ったのだ
クリ坊じゃなく、ちゃんと名前で呼ぶ約束ですよね?と
どうやら生き延びていたらそういう約束をしていたらしい
つまらない約束だなと内心思っていても口にはしないが
ここでリゲルがその意味をはき違えてしまったことに俺とティアは引き攣った笑みを浮かべてしまう事となる
リゲル
『わぁったよ。飯行くぞルシエラ』
その場の者の時間が一瞬止まる
クリスハートさんなんて、名前を呼ばれただけで顔を真っ赤にしているが
普通そんな反応しないだろ
クワイエット
『リゲル…多分名前ってクリ坊じゃなくてクリスハートって意味で…言ったと』
リゲル
『あ?そうなのか?だが今更偽名で呼ぶ意味ねぇだろ』
クリスハート
『ひぁ?いえ…私は、その確かにそうですが』
凄いモジモジしている
ティアの興奮し、俺の手を強く掴んでいるが、凄い強い!
リゲルは冷静にも『どうせ隠す理由もないんだし面倒くさい。ルシエラでいいだろ』と言い放つ
確かにその通りだ
彼女は名前を隠して偽名を使っていたのはオコーネルにバレないのが本命だったのだ
その意味がなくなるとなればクリスハートの名前の意味はない
俺達はその名に慣れているのでそのままだけど
リゲルは4文字の方が呼びやすいと豪語すると、クリスハートさんは何故か何度も高速で首を縦に振る
居た堪れない
俺はその場を去ろうとするが、ティアが俺を逃がすまいとガッチリ掴んでいる
《意外と聖騎士小僧も天然だな》
アカツキ
『素直に捉えたんだろうな』
ティア
『どうなるかな!面白い』
アカツキ
『でもリゲルもなんだかんだ楽しそうだよね』
そう告げると地獄耳らしいリゲルは俺に顔を向け、近づいてくる
また何か色々つつかれる、そう思っていたが…
リゲル
『暇だから監視しといてやるよ』
それだけで彼は少なからず過去を克服したのだと俺は気づいた
最後に彼はルドラが父としての行動を感じたはずだ
死んでもなお息子の為に動いていたことにきっと嬉しいんだと思う
顔には出さないけどな
アカツキ
『聖騎士は勝手にやめて大丈夫か?』
リゲル
『脱退するための書類は持ってたからな、今日の朝に速達で送ってやったよ、だから俺はただの冒険者だ。クリジェスタってBランクのな』
自慢げに言い放つ彼は腕を組んで階段を降りていく
するとクローディアさんがエーデルハイドに顔を向け、とある事を口にする
クローディア
『エーデルハイドもBになるわ。今回の功績も私は実際見ていたからね』
アネット
『マジ!?クローディアさん!』
クローディア
『マジ、よ』
クリスハートさんもシエラんさん達も万歳して喜んでいる
これでこの街にはBランク冒険者が3チームだ
俺達イディオットにエーデルハイド
そしてクリジェスタだ
アカツキ
『ゼペットの手下も2人倒した、あとは2人だ』
シエラ
『私も、頑張る』
アネット
『もっと強くならないとね!』
ティア
『頑張ろアカツキ君!』
みんなでやる気を出していると、クローディアさんが微笑みながら階段を降りていく
クワイエットもリゲルを追いかける為にロビーに戻る
嬉しそうなクリスハートさん達を見て俺は断然やる気が湧いてきたよ
ゾンネとイグニスだけだ。きっと2人を倒せばゼペットも顔を出す筈だ
さぁどっちから先に顔を出す?
そうこうしているとティアマトやリリディそしてリュウグウがギルドに現れる
ギルハルドはリリディの上着の裾を掴んで2足歩行と案外可愛い
今日はエーデルハイドと共に森に向かう予定だった
目的は彼女らの為にスキルを提供すること
仲間を強化することは重要だとテラ・トーヴァも納得しており、今日はその方が良いと提案したのだ
エーデルハイドと共に下り降りると俺は仲間と合流し、そのままギルドを出て東の森に足を運ぶことにした
ギルドを出てから赤騎馬ブルドンを連れて歩き出そうとすると、そこで俺達は声をかけられる
リゲル
『暇だし見るだけ見るぞ』
クワイエット
『もうリゲル、素直じゃないなぁ』
《全員揃ったな…んで今日は何を目標に?》
アカツキ
『アネットさんが動体視力強化っていうからグランドパンサー探しだな』
アネット
『やったね!』
俺達は仲間と共に、東の森に向かって歩き出した
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