第104話 学園イベント

アカツキ・ライオット


☆アビリティースキル

スピード強化【Le4】

気配感知  【Le3】

動体視力強化【Le4】

斬撃強化  【Le3】



☆技スキル

龍・開闢  【Le3】

刀界    【Le2】

居合突   【Le4】

光速斬   【Le3】

地斬鉄   【Le2】


☆魔法スキル


称号

無色斬鉄


☆称号スキル

技・魔法発動速度【Le1】

斬撃強化【Le1】

特殊技『断罪』

・・・・・・・・・


リリディ・ルーゼット


☆アビリティースキル

魔法強化【Le2】

打撃強化【Le4】

気配感知【Le3】

動体視力強化【Le3】

麻痺耐性【Le3】

スピード強化【Le3】

攻撃魔法耐久力強化【Le2】


☆技スキル

ドレインタッチ【Le3】

爆打  【Le2】

骨砕き 【Le1】


☆魔法スキル

風・突風   【Le3】

風・カッター 【Le3】

黒・チェーンデストラクション【Le2】

黒・シュツルム【Le3】

黒・ペイン  【Le1】

黒・アンコク 【Le1】

黒・グェンガー


称号

ハイ・クルーガー【黒】


☆称号スキル

魔法強化 【Le2】

自動魔法盾【Le2】

スキル発動速度強化【Le2】

魔力消費軽減【Le2】

特殊魔法『クラスター』



・・・・・・・・・・

ティアマト・ウロボリス


☆アビリティースキル

斬撃強化 【Le4】

気配感知 【Le2】

毒耐性  【Le4】

耐久力強化【Le3】

動体視力強化【Le3】

スピード強化【Le2】

筋力強化  【Le1】


☆技スキル

連続斬り 【Le3】

真空斬  【Le2】

大地噴出断【Le1】

鬼無双  【Le2】


☆魔法スキル


☆称号

バトラー


称号スキル

体術強化【Le1】

耐久力強化【Le1】

特殊技『ギロチン』



・・・・・・・・

ティア・ヴァレンタイン


☆アビリティースキル

安眠    【Le1】

魔法強化  【Le2】

気配感知  【Le4】

麻痺耐性  【Le1】

動体視力強化【Le2】

スピード強化【Le3】


☆技スキル


☆魔法スキル

火・ラビットファイアー【Le3】

雷・ショック【Le4】

木・スリープ【Le2】

風・キュア 【Le1】

風・ケア  【Le2】

風・シールド【Le3】


称号

パナ・プレイヤー


☆称号スキル

デバフ強化 【Le1】

自然治癒  【Le1】

スピード強化【Le1】


・・・・・・・・


リュウグウ・モチヅキ


☆アビリティースキル

突強化   【Le4】

スピード強化【Le3】

気配感知  【Le2】

動体視力強化【Le4】

限界突破  【Le1】


☆技スキル

鬼突 【Le2】

三連突【Le2】

シャベリン【Le1】

ドレインタッチ【Le1】

槍花閃【Le1】


☆魔法スキル


 

称号

星渡(ホシワタリ)


☆称号スキル

隠密 【Le3】

運  【Le4】


・・・・・・・・・・

魔物表


A闘獣 金欲のアヴァロン(妖魔羊)、睡欲のモグラント(土駆龍)


A 呪王ジャビラス、ドミレディ


B デュラハン、将軍猪、閻魔蠍、鬼ヒヨケ、女帝蜂、ミノタウロス

  


C ブラック・クズリ、トロール、ファングマン、侍ゾンビ

  パペット・ハンマー、リザードマン、鉄鳥、マグマント

  剣蜂、キラービー(単体D/集団のみC)、般若蠍、ベロヌェルカ

  ロゴーレム、ニャン太九郎、魔妖精、チベタンウルフ


D キングゴブリン、グランドパンサー、ゴーレム、ラフレコドラ、ケサラン

  ソード・マンティス、黒猪、グレイバット、鎧蛇、棘巻トカゲ

  リッパー、ゲロックロ、ハンドリーパー、ブー太(梟)


E コロール、エアウルフ、ハイゴブリン、エレメンタル各種

  パペットナイト。ボロゴーレム、棘蜂、グール、グリーンマンティス

  ゲコ(ヤモリ)、闇蠍、格闘猿(エド国)


F ゴブリン、ディノスライム、格闘猿、ゾンビナイト、風鳥

  ゴースト、ウッドマン、ビリビリフラワー、眠花蜘蛛

角鼠、カナブーン ゾンビナイト、赤猪、棘鴉、オオダンゴ

ギョロギョロ、ゾンビランサー、シロオニバス


・・・・・・・・・


2週間ちょっと経過し、11の月も最後になる

ヴィンメイ戦での傷は癒え、リハビリを兼ねての魔物討伐を2日間したけど

感覚を戻すにはあと1日必要かもな。


2週間以上経過してもやっぱりギルハルドを見に隣街から来る冒険者が絶えないから俺達は逃げるようにして森に向かった


明日はクリスハートさん率いるエーデルハイドも来る

それは巻き込んでしまった罪悪感もあるからこそスキルを提供しようと考えたんだ

入院中の時だ。クリスハートさんは躊躇ったが、近くにいたリゲルが言い放ったことによってクリスハートさんは首を縦に振ったんだ


『クリ坊。頼み方ぐらい習わなかったか?頭下げれば普通の人間は理解するんだぞ?』


それがきっかけで、彼女はようやく決めたんだ


『すいません、少しばかり力を借りたいのです』


俺は笑顔で答えたよ

わかったって


まぁその予定は明日、今日はイディオットで森に来ている

しかもクローディアさん付きという面白い状況さ

大きな鉄弁を肩に担ぎ、魔物と戦う俺達を監視するだけ

ゾンネやヴィンメイそしてイグニスが来ても対応できるように彼女がいる


いわば保護者

ちょっと悲しい


『俺が全部やるぜぇぇぇ!』


『ギャギャギャー!』


ゴブリン3体にハイゴブリン1体、ティアマトは意気揚々と駆け出す

あいつ1人で大丈夫だ。

俺は彼が戦っている間、周りを見ながらクローディアさんに気になる事を聞いてみたんだ


『そういえば今の五傑に妹とか…』


『ミランダね?6つ違いの妹よ?気弱な性格なんだけどねぇ』


流石に驚くよ

ティアですらその話に興味を示したようだ


『妹さんなんですね!』


『自分でいうのもなんだけど…、私みたいになるって言って飛び出したらいつの間にか五傑に抜擢されてて笑ったわ』


アカツキ

『昔の五傑よりはあれだとしても強いってことですよね?』


『どうだかね。一回も顔出さないし母さんも激おこよ?』


そこの話はそっちで何とかしてもらいたい

ティアマトはハイゴブリンの錆びた片手剣を弾き、左拳で殴って転倒させるとリュウグウが槍で貫き、トドメをさす


『取りやがったな?』


『私も動きたい、1体ぐらいいいだろう』


『ケッ、仕方ねぇ』


クローディア

『それにしてもあんた達、本当に強くなったわね』


リリディ

『抵抗する力ぐらいは持たないと駄目ですからね。やんちゃはある程度したつもりですが』


クローディア

『リリディ君はハイムヴェルトさんにステータスが似てきたわね』


リリディ

『それは嬉しい、ロットスターはどんな人間です?』


クローディア

『新人苛め、自己中…ゴマすり上手、上に立つ人間じゃないわね。ハイムヴェルトさんがなるべきだったけど…まさかあいつがそんな馬鹿な真似をしてハイムヴェルトさんを死に追いやっていたなんてね。私が頭をカチ割りたいわ』


リリディ

『お爺さんは魔物の襲撃での傷に体が耐え切れず、通院虚しく亡くなりました。僕はあいつを許すわけにはいきません』


クローディア

『あれは私たちにとっては価値のある力じゃないけど、貴方達にとっては脅威よ…忘れないで』


リリディは静かに頷き、森の奥から走ってくるエアウルフ3体の向けて右腕を伸ばす

手の先から黒い魔法陣が現れると同時に黒弾が放たれ、襲い掛かるエアウルフの足元に着弾すると爆破にによって魔物は吹き飛ばされた

かなりの威力にクローディアさんも僅かに目を開いて驚いている


『お爺さんがなぜロットスターに抵抗せず静かに帰ったのか僕にはわかります。だからこそ僕がこの称号を完成させなければいけないんです。』


『ニャハハン』


ギルハルドはリリディの足元でスリスリしている

彼の言葉の意味は俺にはわからない

ロットスターに嫌気がさして、ではないような気がした

もっと別な何かだろうな


《奥に丁度いい魔物がいるぜ?お前らなら好きだろ?》


何がいる、と告げると《内緒》と答える

俺はブルドンの背中のバッグに魔石を入れてから森の中に進むと、獣道からとんでもない魔物が姿を現したんだ


魔物ランクCのロゴーレム

カラフルなブロックの人型の魔物であり、種族はパペット種になっている


『ロゴゴゴ!』


『これは倒すしかあるまい!』


リュウグウが燃えている

そりゃそうだ。この魔物はスキルをランダムで落とす

開闢を使わなくても絶対ドロップの幸せになれる相手だ

でも物理も魔法もあまり効かない、しかし


『数で叩けば問題ねぇな!行くぞ!』


『そだね!』


ティアマトの吐いたセリフにティアが苦笑いしながら追いかける

俺もいかないとな


『ロゴッ!』


真っ正面から突っ込んだティアマトに右ストレート

だがそれは顔をさげて避けられ、ティアマトは左拳に魔力を纏い、固めた


『鬼無双!』


渾身の一撃がロゴーレムの顔面にヒット

ふらついた隙にティアマトが真横に移動し、ティアのラビットファイアーが3発命中し、その部分が赤く染まる

燃えはしなかったが、奴は膝をついた


『ロゴゴ!』


『チッ!』


背後から飛びかかったティアマトだが

ロゴーレムは立ち上がると同時に振り向き、腕を振り回すと武器でガードしたティアマトを吹き飛ばす


『こっちもいるぞ!鬼突!』


リュウグウが真横から魔力がこめられた槍を使い、胴体に深く突き刺す

貫通力がある技スキルでも貫けないくらいの硬い体か


『ラビットファイアー!』


ティアの伸ばす腕の先から現れた赤い魔法陣から、熱光線が5つ放たれた

全てが命中し、そのうちの1発がロゴーレムの顔面に当たると、奴は両手で顔を隠しながら悶える


『刀界!』


鞘に刀を強く押し込み、金属音が鳴り響く

前方には斬擊の混じる衝撃波。顔をおさえていたロゴーレムが地面転がるようにして横に避けた

意外と見た目に反して動けるみたいだな


『ラビットファイアー!』


待ってましたと言わんばかりにティアが赤い魔法陣から熱光線を5つ撃ち放ち、起き上がろうとしたロゴーレムに3発が命中

右肩、腹部、顔面だ


『ゴゴッ!?』


岩ではないから命中した箇所が溶けている

貫通はせずともダメージはかなりのものだろう

トドメに向かう俺達は急に動きを止めたロゴーレムを見て足を止める


『あぁん?』


ティアマトが首を傾げ、様子を伺っていた


『ロゴ……ゴゴ』


フラフラしながら立ち上がるロゴーレムは、数歩まえに歩いてからバタリと倒れた

どうやらすでに瀕死だったみないだな


『頑丈な魔物なんだけどね』


クローディアさんがそう告げると、ロゴーレムの体から発光した魔石が現れた

何よりもこいつのドロップ品はウキウキしてしまう

何を落とすかわからないからだ。


なんでもこいつは落とす


『早く見てみようぜ?』


ティアマトが口元に笑みを浮かべ、言ったんだ

この場合、相応しい人間にそのスキルを渡す事に決めている

以前、ロゴーレムを倒したあとに決めたんだ


期待が高まる一同は地面に転がる魔石に素早く近づき、手を伸ばした

クローディアさんが後ろから覗きこむように見ている


リュウグウ

『お?』


リリディ

『聞いたことないスキルです』


クローディア

『ちょっとどきなさい?』


困惑する俺達は彼女に見てもらうことにしたよ

クローディアさんは発光した魔石を人差し指で触れると、苦笑いしながらティアに顔を向けたんだ


『クローディアさん?』


『あなた達のステータスは吟味したけど、これはティアちゃんに渡した方が得策だと外部の私は思うわ』


《面白いスキル落としたなぁ!確実にティアお嬢ちゃんだぜ?!》


テラが興奮気味なのには驚きさ

かなり凄いスキルなのか


『ティア』


『あ、うん』


俺は彼女が魔石を掴み、スキルを吸収している間にテラに聞いてみたよ


『テラ、これなんだ?ホーリーランペイジって』


《魔力消費量はやべぇけどよ、一時的に魔力で身体能力を飛躍的に向上させた状態で自身の武器を白属性に変えて攻撃する白魔法スキルさ。レベルが1だと5秒くらいか…まぁスキルで倒した魔物の魔力を吸収もできるから多数の魔物相手に使えばスキル使用時の魔物消費量の問題も軽減できる》


クローディア

『天使みたいな気分になれる貴重なスキルよ』


一同は驚く

スキルを吸収してるティアも凄い顔してるよ

このスキルを保持してるのは、なんと魔物Aランクのドミレディという天使みたいな魔物らしい


リリディ

『見てみたいですね』


リュウグウ

『ドミレディか、ドミニオンという天使を連想させるな』


確かに名前の一部が微妙にそうなっている

早速見たいなと思いながらティアに顔を向けたんだけど


『あれ?!』


ティア驚く

俺達も驚く

クローディアさんは引きつった笑みを浮かべてる


《あれ?》


ティアさんが光ってるんだよ

まさかパナプレイヤーの次の段階かと予想したが違う

ケアのレベルが5と決まってるからだ

となるとまったく別の称号になる


『あばばばばば!』


あたふたするティアを見ていると、光が消えた

ちょっとした静寂、俺は息を飲んで話しかけてみたよ


『ティア…どうなった』 


『天使!』


ティアが万歳してるけど

凄い興奮している

何が天使なのかはわからんが…

見た目に変わった様子はない


《こっちの称号の方が強いから強制的に塗り替えられたな。ステータスが面白いなぁ!こりゃ1000年振りに人間の世界にも》


クローディア

『私も見てみたいわ』


リュウグウ

『ティア、見せろ』


ティア

『うん!』


彼女がステータスを開く

面白いというか…言葉に出ない感じだった




・・・・・・・・

ティア・ヴァレンタイン


☆アビリティースキル

安眠    【Le2】up↑

魔法強化  【Le2】

気配感知  【Le4】

麻痺耐性  【Le1】

動体視力強化【Le2】

スピード強化【Le3】


☆技スキル


☆魔法スキル

火・ラビットファイアー【Le3】

雷・ショック【Le4】

木・スリープ【Le2】

風・キュア 【Le2】up↑

風・ケア  【Le3】up↑

風・シールド【Le3】

白・ホーリーランペイジ【Le1】


称号

エクシア



☆称号スキル

デバフ強化 【Le3】

自然治癒  【Le2】

動体視力強化【Le3】

運     【Le4】

固定スキル 『天使』

特殊魔法  『デルタ・バルカン』


・・・・・・・・


ここでタイミングとして教えとくことがある

運というスキルの詳細だ。

これは魔物から得られるスキルのドロップ率さ

しかし、天使はわからない


クローディアは引き攣った笑みを浮かべたまま、ティアを見つめている

言葉に出来ないほどに驚いているのは珍しいな


『ティア、固定スキルって…』


俺は聞いてみると、彼女は俺の手を握ってブンブン振りながら答えてくれたよ


『白魔法スキルの攻撃力の上昇だって』


スキルを得るとその効果も頭に流れ込んでくるから彼女のいう事が本当なら凄い

でも白魔法のスキルの攻撃を彼女は1つだけだ


そのことを告げると、彼女は『特殊魔法も白魔法だよ』と言った


リリディ

『いきなり何で…』


リュウグウ

『ホーリーランペイジが条件だったのだろうな…』


《千年ぶりの称号だ。面白くなってきやがったな!》


アカツキ

『そんなにこの称号は希少価値が高いのか?』


どうやらティアはとんでもない称号を得たようだ

俺はてっきりパナ・プレイヤーの次の完成された称号のグレイス・ノア問回復魔法使いになると思っていたよ


『ニャハーン』


『ヒヒン!』


ギルハルドと赤騎馬ブルドンはティアに寄り添ってスリスリしているけども

祝っているのかな?


ティアマト

『どんな立ち位置にある称号だ?テラ』


彼がテラに聞いた

俺もそれが一番だろうと思う

神様なんだし、知っている筈だ

帰る答えに一番驚いたのはリリディだったんだよ


《ギール・クルーガーのと双璧関係だ。》


リリディ

『!?』


黒はギール・クルーガー

白はティアのエクシアか

しかし、ティアのは途中称号であるとテラ・トーヴァは説明してくれた


《白魔法で倒すとドロップ率も上がる、運と相乗効果が望めるぞ》


アカツキ

『うわぁ、頼もしい』


クローディア

『ちょっと興奮しそう』


《威力はメガネ小僧の称号が上だが、白魔法は発動速度がダントツだ。あと次の称号になるためには白魔法での撃破数だ。頑張って魔物退治しな》


ティア

『リリディ君みたいになぞなぞしなくていいんだね』


リリディ

『いったい大賢者とは…』


アカツキ

『大賢者って聖なるうんたらかんたらとかのイメージがあるけど。どうなんだテラ』


《歴史を調べればわかるさ、太古の人間のな…》


意地悪め。知ってるだろお前


ニャハハーンとギルハルドが鳴きながら奥にある高い木を見つめた

何かいるのかと思い、見てみるとランクDのソードマンティスが枝にしがみついてこちらを見ている

近くを通れば襲ってくる気だったんだな


『流石ですよギルハルド』


リリディは撫でて褒める

すると、ティアは真剣な顔を浮かべ、ソードマンティスがいる木に走り出したのだ

俺達は彼女の後ろをついていくと、ソードマンティスは羽を広げて飛び始め、急降下してきた

狙いは先頭のティア、彼女ならば余裕だろうけど


『ホーリー・ランペイジ』


ティアが囁くように言い放つと、俺達は足を止めてしまった

彼女の背中に2つの白い光が現れ、それは白い翼となって広がったんだよ

それだけじゃない。左手に握り締めているサバイバルナイフに白い魔力が包み込むと伸び始め、剣のような形になったんだ


まるで天使みたいだ。クローディアさんは笑顔でその光景を見ている

見たことがあるのか…


背中に天使のような翼が生えたティアはなんと僅かに浮遊し、ソードマンティスの剣のような手の攻撃を避け、不規則な動きで四方を縦横無尽に駆け回りながら斬り刻んでいった

その攻撃は5秒ほどで効果が消え。彼女は『よっと』と言いながら着地した


肝心のソードマンティスは細切れ。魔石が出てくると、ティアは苦笑いしながら頭を掻いた


『勿体なかったね』


《白魔法使う時はモロ前線できるな》


アカツキ

『凄まじいな…』


ティアマト

『マジ凄ぇけど。5秒か…』


リュウグウ

『あれだけの迫力のあるスキルだぞ?5秒以上あれば化け物だぞ』


ティア

『化け物…』


アカツキ

『大丈夫、ティアはティアだよ』


ティア

『ありがと、でも化け物にならないとね!』


プラス思考だな

思わず笑ってしまうよ

デルタ・バルカンが何かをティアに聞いてみると、彼女は説明してくれた


『3つの光の玉が三角形の形みたいに線で繋がった状態で頭上に現れて、それが光速回転しながら中心から白弾が凄い沢山バババババババババ』


アカツキ

『ティア、どうした?』


リリディ

『言いたいことはわかりますが、表現をもっと具体的に…』


リュウグウ

『連射で撃てるって事か』


ティア

『あはは、そうそう!』


そのうち見られるだろう

彼女はホーリーランペイジを使ってしまったから魔力の温存をするために魔法スキルは控えることにした

まぁ温存しなくともまだ彼女は魔法スキルは使えるようだが


何か起きた時に動けるようにしたい


リリディ

『魔石も結構ゲットしましたがどうしますアカツキさん』


彼はブルドンの背中のバッグを漁りながらどうするか聞いてきた

夕方までもう少しだし、このまま折り返して戻ることにしたよ


『ギャギャ!』


ゴブリンが1体で俺達の前をふさぐ

俺はこの魔物がわからない。どう考えてもお前に勝ち目ないだろう?

戦うのが好きなティアマトですら微妙な顔、動く気配はない

まるでお前やれよみたいな顔で俺を見てくる


俺?


『馬鹿な魔物ね』


クローディアさんはそう言い放つと、自身の腰付近で握り締めていた左拳の親指を弾いた

すると見えない何かがゴブリンの額を貫き、奴は糸が切れた人形のように地面に倒れた


『雑魚はこれで十分』


クローディアさんは左手でブイサインをしてお茶目に笑う

29歳の彼女はまだ彼氏はいまだにいない!やはり募集中だ

なんで彼氏が出来ないのか、少しわかる気がするけど、言わないでおこう


『凄いですね…それ技スキルですか?』


『リリディ君、自力よ?』


リリディ、引き攣った笑み

力技でそんなことできるんかい!

どうやら指を光速で弾くと同時に僅かに魔力を腕に流すと魔力弾を撃つことが出来るそうだ

アビリティースキルの組み合わせで発見したオリジナル技だと彼女は自慢げに話す

とんでもない人だ。流石元五傑


『明日はエーデルハイドちゃん達と同行ね?』


『そうです。クローディアさんはどうするんですか?』


『ゲイルさんと今後の打ち合わせよ』


俺の父さんが来るのか


ティア

『ゼペットの刺客はどうしてるんだろう』


クローディア

『一度お手合わせしたいわね。昔の時代の最強ねぇ…他人事みたいで申し訳ないけど。面白いわね』


《お前も戦闘狂か》


クローディア

『元よ?でもなんだか聞いてると暇し無さそうな状況ね。』


《戦闘狂か》


クローディア

『あんた蘇ったら殺すわよ?乙女になにいってんのよ』


神様にとんでもねぇなこの人

あと俺を睨んで言わないでほしい、怖いよ




まぁこの後、普通にギルドまで戻ったよ

いつも通り、冒険者以外にも見知らぬ者もいる

ギルハルドを見に来たんだろうな


俺達は素早く受付で報酬を受け取ってからクローディアさんに呼ばれて2階の応接室に向かう

何かの話かなと思い、入ると誰もいない

ティアマトは先に開いている席に座り、寛ぎ始める


ギルハルドは可笑しな行動をとる

壁を歩いているんだよ、地面みたいに4足歩行でま

その様子をリュウグウが凄い顔で眺めている


リュウグウ

『なんなんだメガネの猫は』


リリディ

『凄いですよね。重力関係ないんですかねぇ』


ティア

『Bランクって不思議な魔物だね』


アカツキ

『本当にBかこいつ』


リリディ

『まぁ遭遇した人間の情報が稀過ぎてヒドゥンハルトの詳細がまったく解明されてないんです。予想ランクということも考えられます』


ティア

『本当は未確定ランクってことだよねそれ』


リリディ

『だと信じてます』


肝心のギルハルドは天井まで歩くと、寝そべる

どっちが地面なのかわからなくなるよ…


すると応接室の奥のドアが開き、クローディアさんが現れる

後ろからついてきたのはどこかで見たことのある中年男性。はて…?


ティア

『グラン先生!?』


あ!思い出した!俺達の通ってたグリンピア中央学園の先生!担任だ!

教師の専用の服きてないからわかんなかった!しかも髪の毛ぼさぼさ!


『変わらずキュートだねティアちゃん』


ティア

『ご無沙汰してます!』


クローディア

『まぁみんな座りましょう』


ティアマトは既に座ってた

俺達も座ると、グラン先生が俺に視線を送る

凄いニコニコしてるけども嫌な予感しかない、またチクチクされる


『アカツキ君もリリディ君もティアマト君も変わらないねぇ。』


アカツキ

『お久しぶりです』


リリディ

『約1年半ぶりですね』


ティアマト

『先生、どうしたんだい?』


『いやぁ、学科の悩みがあってだね…グリンピアの冒険者ギルドのクローディアさんに相談したのさ、魔法科を来年度に作る予定だったから講師を雇おうと思ってね』


俺達の時はなかったぞ?

内容としてはこうだ

今後、冒険者として魔法職を目指す者の為に下地を作る学科を作るんだそうだ

それは魔法科だけじゃなく、他の冒険者の学科も設立する予定らしいが、どう区分けするかで来年には間に合いそうもないってさ


武器は色々あるからな

だがしかし、魔法は形が出来そうだから実演講師を募りたいのだそうだ

グリンピアに滞在する魔法使いが何人か名乗りを上げたようだが、クローディアさんはリリディはどうだろうかと推薦したのだ


俺達は一斉にリリディに視線を向けた

対するメガネ、顔が強張っているが、その顔に似合わない言葉を言い放つ


『大賢者たるもの楽勝ですね』


グラン

『クローディアさんも人を見る目が無くなったのかと初めは疑ったよ。でもイディオットの魔物討伐の経歴を聞いて私は唖然とした…本当に元教え子なのかとね』


クローディア

『リリディ君、貴方のしたいことに繋がると思って紹介したの。勝手にそうしたのは悪かったわ』


リリディ

『問題ありません。名を広めるチャンスですから』


グラン

『あのハイムヴェルトさんの孫となれば学園の教員は誰でも知っている。君が授業中の眠り魔なのもね』


それは彼だけじゃない、俺とティアマトもだ

グラン先生が目を開いていっているけど、心がチクチクする

寝ていてすいません

グラン先生は担任であり。数学専門でもある


『校長から実践講師を募るように言われてね、そこで試験をして1人だけ選ぶのさ…なぁにリリディ君心配ないよ。魔法科の授業はギルドの職員を派遣してもらうから受かった者は実技だけで結構さ。』


リリディ

『誰が名乗りを上げましたかね?』


グラン

『ゼルディム君とこのチームにいる女性じゃな。名前は…』


『あ、はい次お願いします』


ティアマトが爆笑

話は続く


グラン

『ドラゴンさんにシエラちゃん、ミーシャさん、それにロズウェラ君にサンドラ君ならわかるだろう?他は数名いる』


バーグさんとこのドラゴンさんじゃないか!魔法も使える片手剣士だ

エーデルハイドのシエラさんもいるか…ミーシャさんはグリンピア最年長の魔法使いの冒険者。女性だが歳はまだ30代だったな

ロズウェラはシグレさんと同期の秀才で有名な男に人だ。サンドラさんはロビーで良く挨拶してるから知ってる


みんなグリンピアでも腕利きだ。

特にドラゴンさんとシエラさんだよなぁ


グラン

『採用試験は簡単だ。実技だ』


リリディ

『学園に魔物でも連れてくるんですか?』


彼は冗談半分で言ったのだろう、半分笑っている

だがグラン先生は笑顔のまま『そうだ』と言うとリリディはキョトンとした顔を浮かべた


クローディア

『学園の裏は森なのはわかるわね?低ランクでも魔物がいるから立ち入り禁止の森』


ティア

『呼び寄せるんですね』


クローディア

『学園で専用のゲートを作ったのよ。闘技場みたいな構造のね…森側のゲートを解放した状態で魔物を呼び寄せて実践での試験。学園側のゲートは封鎖するけど、高い壁の上にちゃんと見学できる椅子はずらりとあるからそこで試験官が見ることになってるわ』


リリディ

『やります』


ほぼ二つ返事

やるとは思ったよ

しかもそれは12月の頭。もうすぐだ

ギリギリでリリディが滑り込む形でエントリーみたいだな


リリディ

『ティアさんは?』


確かに!俺はティアに顔を向けると、彼女は首を横に振った


『私はアカツキ君と座って応援しとくね』


俺か。だが嬉しい


リュウグウ

『私もいくぞ、メガネが間抜けな行動しないか看取ってやる』


リリディ

『死にませんから…』


ティアマト

『しゃあねぇ!腕組んで見守りにいくか』


グラン

『決まりだな。楽しみだよ…ハイムヴェルトさんの意思をついた能力を持つ者と聞けば。当時のあの人を知る引退した冒険者も見に来るものもいるだろうな』


アカツキ

『見に来る?』


クローディア

『見学は自由よ?千人座れるから明日から学園は実技講師の試験の見学者募集のポスターをグリンピアに貼るんだけど。リリディ君は勝手に私がキャッチフレーズ決めといたわ』


リリディ

『かなり荷が重そうな感じが…』


グラン

『そりゃ重いさ。ハイムヴェルトさんの孫だ…グリンピアで随一の魔法使いの者だったらしいからな』


どんな宣伝文句か。安易に予想できた

リリディは動揺せず、メガネを触ってやる気を口にした


『まぁ将来はマグナ国で一番の魔法使い、大賢者ですから』


ティアマト

『おい足震えてんぞ?』


リリディ、ティアマトの脇腹をどつく

そこでいつも通りの睨み合いを始めると、ティアが呆れ、グラン先生は『懐かしいな』と昔を思い出したようだった


《まぁメガネのやりたい事に繋がるから俺も勧めるか。名を売るのは悪い事じゃねぇからな》


アカツキ

『だな』


《いつでもゼペットの刺客に気を張る必要はない、たまには人間らしく、やりたいこともするべきだ…じゃねぇと何のために生きてるか見失うぜ?》


俺も、そうしたいものだな




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