第126話 日常の復活

アカツキ・ライオット


☆アビリティースキル

スピード強化【Le4】

気配感知  【Le3】

動体視力強化【Le4】

斬撃強化  【Le3】



☆技スキル

龍・開闢  【Le3】

刀界    【Le2】

居合突   【Le4】

光速斬   【Le3】

地斬鉄   【Le2】


☆魔法スキル


称号

無色斬鉄


☆称号スキル

技・魔法発動速度【Le1】

斬撃強化【Le1】

特殊技『断罪』

・・・・・・・・・


リリディ・ルーゼット


☆アビリティースキル

魔法強化【Le2】up↑

打撃強化【Le4】

気配感知【Le3】

動体視力強化【Le2】

麻痺耐性【Le3】

スピード強化【Le3】

攻撃魔法耐久力強化【Le1】


☆技スキル

ドレインタッチ【Le3】

爆打  【Le2】

骨砕き 【Le1】


☆魔法スキル

風・突風   【Le3】

風・カッター 【Le3】

黒・ペイン  【Le1】

黒・シュツルム【Le3】

黒・チェーンデストラクション【Le2】

黒・アンコク 【Le1】New



称号

リトル・クルーガー【黒】


☆称号スキル

毒耐性【Le1】

動体視力強化【Le1】


・・・・・・・・・・

ティアマト・ウロボリス


☆アビリティースキル

斬撃強化 【Le4】

気配感知 【Le2】

毒耐性  【Le4】

耐久力強化【Le3】

動体視力強化【Le3】

スピード強化【Le2】

筋力強化  【Le1】


☆技スキル

連続斬り 【Le3】

真空斬  【Le2】

大地噴出断【Le1】

鬼無双  【Le2】


☆魔法スキル


☆称号

バトラー


称号スキル

体術強化【Le1】

耐久力強化【Le1】

特殊技『ギロチン』



・・・・・・・・

ティア・ヴァレンタイン


☆アビリティースキル

安眠  【Le1】

気配感知【Le4】

麻痺耐性【Le1】

動体視力強化【Le2】

スピード強化【Le3】


☆技スキル


☆魔法スキル

火・ラビットファイアー【Le3】

雷・ショック【Le4】

木・スリープ【Le2】

風・ケア  【Le2】

風・シールド【Le3】


称号

パナ・プレイヤー


☆称号スキル

デバフ強化 【Le1】

自然治癒  【Le1】

スピード強化【Le1】

・・・・・・



魔物表


A闘獣 金欲のアヴァロン(妖魔羊)、睡欲のモグラント(土駆龍)


A 呪王ジャビラス


B デュラハン、将軍猪、閻魔蠍、鬼ヒヨケ、女帝蜂、ミノタウロス

  


C ブラック・クズリ、トロール、ファングマン、侍ゾンビ

  パペット・ハンマー、リザードマン、鉄鳥、マグマント

  剣蜂、キラービー(単体D/集団のみC)、般若蠍、ベロヌェルカ

  ロゴーレム、ニャン太九郎、魔妖精


D キングゴブリン、グランドパンサー、ゴーレム、ラフレコドラ、ケサラン

  ソード・マンティス、黒猪、グレイバット、鎧蛇、棘巻トカゲ

  リッパー、ゲロックロ、ハンドリーパー、ブー太(梟)


E コロール、エアウルフ、ハイゴブリン、エレメンタル各種

  パペットナイト。ボロゴーレム、棘蜂、グール、グリーンマンティス

  ゲコ(ヤモリ)、闇蠍、格闘猿(エド国)


F ゴブリン、ディノスライム、格闘猿、ゾンビナイト、風鳥

  ゴースト、ウッドマン、ビリビリフラワー、眠花蜘蛛

角鼠、カナブーン ゾンビナイト、赤猪、棘鴉、オオダンゴ

ギョロギョロ、ゾンビランサー


・・・・・・・・・



2週間と数日経過

リリディとリュウグウの完治までもう少し

俺とティアマトは前の日に無事退院し、二人の様子を見に来ていた


リュウグウは入るなと拒むのでティアだけ彼女につけ、俺はリリディの入院している部屋に向かい、ベッドの横の椅子に座って雑談をしている


ギルハルドは床でゴロゴロしてるけども冷たくないのかな

なんだかんだこの猫も結構な怪我をしたのだが、魔物は治りが早いな


少しすると、バーグさんが来た

30代前半の冒険者であり、俺の家の近所だ

何やらニコニコしているが、何があったんだろうか

俺が入院中、この人は度々見舞いに来てくれた律儀な人


簡単にいうと近所付き合いは良好だと思っている


『何やら顔が可笑しいですねバーグさん』


俺はそう告げると、彼は俺の肩を叩いて答えたのだ


『聞いたぜイディオット、さっきクローディアさんが言ってたがミノタウロスとメスの閻魔蠍を倒したって!?』


『あ、それはまぐれで…』


『ロビー内の冒険者はそれで話が持ちきりだぞ?半信半疑な奴もそれなりにいるが、クローディアさんが言ったってのがあるしなぁ…閻魔でかかったか?』


それにはリリディが答えた


『でかすぎますね』


『てかリリディ君も噂だよ』


『え?』


『黒魔法使いってね、ステータス見せてもらっていいかな』


バーグさんがちょっとだけ!みたいな感じで人差し指と親指で間の空いた輪を作っている

リリディのステータスは隠す必要がないから彼は見せたんだ


バーグさん大興奮しながらステータスを見てると、リリディがやけにニヤけてる


『おいリリディ、顔』


ツッコんでみると、リリディは咳払いしてから顔を正す


『台風の日に現れる天鮫の背ビレを切断してから倒せば確定ドロップですが、奴は背ビレが無くなると黒魔法を放ってから素早く逃げるのでその前に倒さないと駄目です』


『それがこの爆発魔法のシュツルムか!』


『ええそうです!』


『マジか!こりゃいい事聞けたのは嬉しいけど、いいのか?』


『こちらは困りませんので大丈夫です』


リリディが言いなら大丈夫だ

バーグさんは俺達がいない間の事を話してくれた

聖騎士は直ぐ撤退して普段通りの街に戻ったが、クローディアさんとシグレさん、そして俺の父さんが相当ピリピリしてて怖かったらしい


あとは海抜の低い森の中に将軍猪が現れ、エーデルハイドという女性冒険者チームが当番したのだとか

あの人達も元気かなぁ、まだ顔を合わせてないな


『あとは新星冒険者チームが現れた』


バーグさんの言葉に興味を示した

3日前に突如現れた二人組のチーム

FランクなのにCランクの魔物の魔石をゴロゴロ持って来たんだとか


『あれランク詐欺だろ。見た目が新米じゃないぞ…』


バーグさんは少し険しい顔を浮かべ、近くの椅子を持ってくると俺の近くに置いてから座った


新星冒険者チーム、二人組か

なんとなく予想できるけど、あいつら暇潰しでもしてるのか?


『みんな称号持ちか、スピード上げてきたなアカツキ』


『エド国で鍛えて来ましたから』


それで誤魔化す、何故か納得するバーグさん


をで時間は昼頃だったので看護婦が部屋に入ってくると、トレーにリリディ用のランチを持ってきてくれたんだ

入院中のご飯はあまり美味いとは言えない

全ての味が薄いからな


丸いハンバーグにデミグラスソースがかかった料理

他には惣菜が沢山盛られているがハンバーグもハンバーグらしくない味なんだよね

米だけはまだ許せる


『美味しいご飯ですよ。病院食にしては』


看護婦はそう言いながら笑顔で机にトレーごと料理を置く

しかし、リリディは苦笑いを顔に浮かべるだけ

そんな彼の顔を見ても看護婦は反応せず、そそくさと部屋を出ていった


ここで働いているならばわからない筈がない

薄飯という事実は俺達よりも詳しいと思う


『せめてご飯くらい楽しみにしたいですね』


肩を落とすリリディ、食べる姿は女の子のように勢いのない食べ方をする

バーグさんはそんな彼の姿を見て口を開いた


『タダと言われてもキツイよなぁ』


『そうですね。バーグさんは今日は森には?』


『いんや?休みさ。昨日頑張ったんだぜ?』


俺は気になり、二人の会話に入った

どうやらエアウルフの群れに遭遇し、返り討ちにしてから般若蠍にバッタリ鉢合わせとなり、なんとか倒したんだとさ


『稼いだし今日は休みさ、暇だから様子を見にきたんだ』


その暇な時間で来てくれるのは嬉しい限りだ

なんだかんだ気にしてくれている


バーグさんは時計の時間を見ると『おつかいの時間』と言いながら椅子から立ち上がり、この場を後にした。


『ニャー』


ギルハルドは大欠伸をし、寝始める

こいつはゴロゴロしているだけだが暇じゃないのかな

バーグさんはこいつを初めて見た時はかなり驚いていたけども

やっぱり触ろうとするとギルハルドは威嚇する


男はリリディ以外は駄目だ、何故か女性は許されてる

きっとオスだと俺は断言できるぞ


『アカツキさん、暇じゃないですか?』


『暇だな。だからといって森にいくのも今はやめときたい』


『ゾンネとイグニスの動向が不明ですからね』


《だがそんなこと言ってたらきりがねぇぞ?いつ俺のスキル使うんだってなる》


テラ・トーヴァの言い分は一理ある

彼はイグニスは今日は動けないと言い切るけども、何故そう言えるかは謎だ


ゾンネだけか…

俺は立ち上がり、リリディに『安静にしとけよ』と告げて部屋をでようと歩き出した


『ニャー』


寝ていたと思っていたギルハルドが頭を持ち上げ、こちらを見て鳴いた

『お疲れ』ってか?


冒険者ギルドのロビーに出ると、ティアマトとティアが丸テーブル席で昼食を食べていた。

二人はリュウグウの様子を見ていたんだが、どうやら予定通り明日には復活できるらしい


俺も混ざって食べるか…


『アカツキ君も食べよ?』


『飯食ってねぇだろ?食おうぜ?』


唐揚げ定食を注文しに飲食店のカウンター席からマスターに伝え、テーブルに戻る

視線を凄い感じる、振り返っても普段通りの冒険者が…


ほとんど見てる

仲間たちと会話をしながら顔をこちらに向けているけども、何を話しているのか

馬鹿にされているって感じはしない

しかし、空腹だから気にせず戻り、のんびりと飯でも待とう


『リリディ君と何話してたの?』


『気にせず森に行ってこいだってさ』


『大丈夫かなぁ』


《今イグニスは動けない可能性が高い、となるとゾンネだがあいつも直ぐには襲ってこないだろうから気にしなくてもいい》


なんか引っかかる、しかしそれがなんなのか言葉に出来ない


『マジでお前ら閻魔蠍を倒したのか?』


ふと声をかけられる、後ろのテーブルの冒険者だ

いつも見る顔だ、それは当たり前か…

ずっと俺達はここで冒険者してたからな

殆ど知っている顔ばかりさ


『多分夢じゃないと思う』


そう答えた

今でも信じられないしなぁ

するとまた声をかけられる、別の冒険者だ


『美女軍団が心配してたぞ?』


エーデルハイドだと直ぐにわかったが確かに全員美人だ

俺は笑いながら仲間に顔を戻し、今日をどうするか決めることにした


『ティアのスキルを上げよう』


《俺もそれが良いと思うぜ兄弟、てか夜に行けよ…ティアお嬢ちゃんとメガネが必要な魔法強化スキル持ちの魔妖精が川辺いきゃわんさか見つかるだろ》


『夜は何回か経験したけど、あまり会ったことないよ?』


ティアが疑問を浮かべると、テラが話した

ハーブの香りがする物をもってけば寄ってくる、だってさ!初めて聞いた


『なら家からハーブ持ってくるわ』


ティアマト、まんま持ってくる気か…

魔妖精とは魔女のような姿の魔物。ランクはCだ

少し透明感がある体をしており、物理攻撃は奴の体を透き通ってしまう

でも相手は攻撃する時に実体化してくる

カウンターで攻撃すれば当たる


簡単なのは魔法スキルだ

半透明状態でも当たる

その魔物が持ってるスキルが魔法強化スキル、状態異常にしてから倒せばドロップスキルがスキル発動速度に変わるらしいが


あの魔物の状態異常耐性はもの凄く高いので非効率であると思われる

どちらのスキルも魔法使いなら喉から手が出る程欲しがる貴重なものだ


《確定ドロップ方法はない、俺を使うか、地道に数かけて倒すかだ》


ティア

『じゃぁ夕方頃にしよっか、良いスキル持ちがあったら私は後回しでもいいよ』


『いや駄目だ』


俺は否定した

ティアマトも俺の意見に賛成らしい。助かるよ


『ほらよ有名人、唐揚げ1個サービス増量』


隣接されている店の店員が笑顔でそう言ってきた

凄い有難いから俺も笑顔になる

出来立ての唐揚げは美味しいんだよなぁと言っていると、店員は『当り前さ』と言いながら店に戻っていく


俺は2人とは遅れて昼食を口にする。美味しい

食べてから森に行けば丁度夕方頃だ。最近日が暮れるのは早いから時間を潰し必要はない


ギルドの入口で待機させていたブルドンを連れて森の入口まで行くと、警備兵2人が森の入口を監視している

なんでかシグレさんがその中にいた


『おや?妹を食べそこなったアカツキ君じゃないか』


『わー!わー!』


俺は大声を出して誤魔化そうとするが遅すぎるよな…

ティアが顔を真っ赤にしながら俺を見るし、ティアマトは高笑いしている


警備兵

『シグレ、エグいぞ…』


シグレ

『あはは、すいません』


笑ってる…俺は恥ずかしいのに

今日はここの監視ですかと質問してその場の空気を変えようとすると、シグレさんは俺達を見てから答える


『今日はそうだね。ここにいれば間違って森から姿を出した魔物を間違って倒せるからね』


ティアマト

『意味わかんねぇっす』


アカツキ

『わからないですシグレさん』


ティア

『運動したいだけでしょ?』


シグレ

『そんなことないさ』


ニコニコしているが、きっと戦いたいだけだ

これ以上ツッコむのはやめとこう


『今日は平和だよ、アカツキ君』


もう1人の警備兵が一番マシな言葉を言ってくれる

先ほどと違ってわかりやすい


『森に行ってきます、夜の魔妖精狙いなので少し遅くなります』


シグレ

『なるほど、妹のためだね?』


『ええそうです』


シグレ

『気を付けるんだよ』


俺達は森の中に入った

入って早々とゴブリン2体。なんでこいつら目に入った者になりふり構わず襲い掛かるのだろうか


『ギャギャ!』


ティアマト

『根性があるのか、馬鹿なのか』


《ゴブリン種は単純な思考しかない、生物は食べれる…だ》


ティア

『生きる本能なんだね』


彼女はそう言いながら誰よりも先に駆け出した

俺とティアマトは直ぐに加勢出来るように追いかける

でも心配はない、運悪くという事が起きなければティアは楽にあれを倒す


『ギャギャ!』


先頭のゴブリンが錆びた短剣を大降りで振る

ティアはそれをサバイバルナイフで弾きとばし、顔面を平手で叩いて転倒させてから直ぐ後ろのゴブリンに向かって飛び込みながら胸部にナイフを突き刺した


『ギャフ…』


『次は』


囁くように言い放ち、腹部を蹴って吹き飛ばしながらナイフを抜き、立ちあがってきた背後のゴブリンの顔面に回し蹴りで仰け反らせ、これもナイフで胸部を刺して倒した

淡々とこなすあたりはやっぱ強くなったなって実感できる


『ティアマト、側面頼む』


俺は彼に指示をする

ティアマトは嬉しそうだ

魔物の気配を感じたから彼に任せるべきだと思ったんだ

一番変に飢えているのはこいつだからな


『ありがてぇ』


『ウキー!』


最低ランクの格闘猿だ。3体

サイズは1メートルしかない小柄だがエド国のは大きかったな

ティアマトは飛び込んでくる格闘猿を拳でどんどん吹き飛ばしているから邪魔はしないでおこう


『魔石だよ』


『ありがとう』


ブルドンの背中のバッグに入れようとすると、ティアマトが俺の横でニコニコしながら腕に魔石を3つ抱えていた

倒すの早いよお前


『楽しかったか?』


『そこそこな』


それならいいか


『日が暮れるの早いね』


ティアは空を見上げる

赤く染まる空が僅かに黒く滲んでいる

完全に日が暮れるまでもうすぐみたいだな


ティアが目的の魔物と戦うまでは体力は温存しない?と提案したんだけども、その通りだな

そこまで俺は考えていなかったな

彼女は呆れた顔を浮かべていた。普通に俺はバンバン敵を倒す気でいたからだ


《お前らもゴブリンと同じか…》


テラ・トーヴァにそう言われたよ

俺はティアマトと笑って誤魔化そうとするが、ティアの顔を見てもそうならないらしい


『1時間しないうちに暗くなるから避けれない戦いだけ戦うようにしないとね』


《ティアお嬢ちゃんの意見に賛成》


アカツキ

『うむ…』


息を潜んで1時間、すっかり暗いさ

俺はオイルランタンをもって辺りを照らしながら川辺に向かう

意外と近くだった。そこでブルドンの背中のバッグから花屋で買ったハーブを手に持って俺は仲間と適当に振り回していたんだけども


ティア

『…』


アカツキ

『どうした?』


ティア

『アカツキ君はいいんだけど、ティアマト君…花が似合わなくて…』



ティアマト

『しゃぁねぇだろティアちゃん…』


彼女はクスクスと笑いだす

俺はまだマシだと思う、だがティアマトはどうだろう?

熊に花、言葉だけでも俺は似合ってるとは思えない


そんな彼を見ていると、気づかれた


ティアマト

『なんだ?』


アカツキ

『…何でもない』


《時間差のコントは面白いがお目当ての魔物が来るぜ?》


ティア

『しかも2体って感じかな』


《正解だ。開闢は不透明の状態でも斬れるから直ぐ使っていいぞ》


便利だな

川の向こうから僅かに地面を浮遊しながら現れたのは魔妖精

ティアと同じくらいの身長をした美人さんのお出ましさ


『うふふ』


ティアマト

『何がうふふだコラ』


川の真上で浮遊し、こちらを見て笑みを浮かべている2体にそんなこと言ってもなぁ…

この魔物はまだ知性がある。


《撃てよ兄弟》


『…開闢』


鞘に納めていた刀を僅かに抜き、そして押し込んで金属音を響かせて言い放つ

すると鞘から瘴気が正面に溢れ、その中から鬼の仮面の武将の姿をしたテラ・トーヴァが現れた


『!?』


『!?』


魔妖精はその技にびっくりしているが

そんな隙は死を意味している


《胸がない》


それは魔妖精の事を口にしているのだろうな

ぺちゃぱい、こいつは大きいのが好きだと俺は今知る


『ギャ!』


俺達はちょっとそこで珍しい事が起きたことに驚く

なんとテラ・トーヴァは一振りで2体同時に斬り飛ばしたんだ

宙を舞う魔妖精の上半身が2つ、そこから発光する魔石が2つ出てきたのだ


ティア

『えええええええええええ!』


ティアマト

『マジかぁ!?』


アカツキ

『やばっ!光速斬!』


俺は川に落ちる前にキャッチしないと駄目だと思い、勢いよく加速して突っ込んだ

でも行かなくて良かったんだ


《ほっ》


素早く刀を納めたテラ・トーヴァは川の上で浮遊しながら両手を使い、2つの発光した魔石を掴んだんだ


《戻れ兄弟》


『ばふっ!』


突っ込んだ先はテラ・トーヴァ

俺は奴に蹴られて押し戻された。でも濡れずに済んだ、痛かったがな

河岸で倒れている俺にティアが近づき、頬をポンポン叩いている


『大丈夫?』


『大丈夫だ』


《ほらよっ、開闢は1回だが…2体斬れば2つだぞ?》


アカツキ

『先に教えてくれよ』


《普通に考えればわかるだろ》


ティア

『わかんなかった』


するとテラ・トーヴァは困惑し、頭を掻きながら消えていく


《早くスキル吸収しな》


完全に消えた

俺はティアに急いでスキル吸収さるために両手に魔石を掴ませた

面白い光景だ、二度と見れないかもしれない

2つのスキルを同時に吸収するなんて普通ありえないからな


ティアマト

『魔法使いにとって大事らしいなこのスキル』


アカツキ

『これリリディが持てばやばいんじゃないか?』


《かなり魔法火力が面白くなるぞ?今後は確実にリリディの魔法威力は要だ…2くらいは上げとけ。ティアお嬢ちゃんはキュアって魔法覚えさせれば完全に回復魔法使いだな》


アカツキ

『状態異常回復だな、となると魔物は…』


ティアマト

『わかったぜ!シロオニバスだ』


《何!?熊五郎が当てた!》


ティアも凄い驚いている

おもむろに彼女はティアマトに近づくと、面白い事を聞き始めた


『ティアマト君、熱ある?』


『勘弁してくれやティアちゃん…』


《がっはっはっは!》


俺さえ笑っちゃうよ

湖付近の魔物、というか花って言えばいいのかな

オオオニバスという底の浅いバケツのような葉で水に浮かび、その中に花がある

白い花弁には模様があり、睨みつける鬼に似ていることからシロオニバスっていうんだってさ

これ、肉食なんだ…似合わないだろ?


近づくと茎から生える細長い触手を使って襲い掛かってくるんだ

触手に刺されると最初に麻痺性の毒を流し込まれ、動けないうちに必要な分の血を吸いとる

大丈夫、死なないから

100mlくらいが数量の限界だってのはクローディアさんの冒険者補習授業で聞いた覚えがあるよ


ティア

『小さい湖は川の向こうにあるよね。夜でも大丈夫なのかな』


《夜の方が活発だからなぁ、岸部で大声出すと沢山寄ってくるぞ?ドロップ率悪いが血を吸わせてから倒すと確率上がる》


アカツキ

『ティアマトなら1ℓイケるな』


ティア

『10回挑戦できるね』


ティアマト

『殺すな殺すな死ぬからな?』


《がっはっはっは!》


とりあえず向かうか

ティアのステータスを見てみたかったから見てみたぞ





・・・・・・・・

ティア・ヴァレンタイン


☆アビリティースキル

安眠    【Le1】

魔法強化  【Le2】New

気配感知  【Le4】

麻痺耐性  【Le1】

動体視力強化【Le2】

スピード強化【Le3】


☆技スキル


☆魔法スキル

火・ラビットファイアー【Le3】

雷・ショック【Le4】

木・スリープ【Le2】

風・ケア  【Le2】

風・シールド【Le3】


称号

パナ・プレイヤー


☆称号スキル

デバフ強化 【Le1】

自然治癒  【Le1】

スピード強化【Le1】

・・・・・・



アカツキ

『あれ?これってケアにも…』


《勿論反映されるぞ?重傷じゃなければ時間かけてそれなりに治る》


ティア

『やた!』


彼女は嬉しそうだった、そんな顔が可愛い



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る