第105話 侍王と魔導王編 6

・・・・・


アカツキ・ライオット


☆アビリティースキル

スピード強化【Le4】

気配感知  【Le2】

動体視力強化【Le4】

斬撃強化  【Le3】


☆技スキル

龍・開闢  【Le3】

刀界    【Le2】

居合突   【Le3】

光速斬   【Le2】

地斬鉄   【Le2】


☆魔法スキル


称号

無色斬鉄


☆称号スキル

技・魔法発動速度【Le1】

斬撃強化【Le1】

特殊技『断罪』

・・・・・・・・・


リリディ・ルーゼット


☆アビリティースキル

魔法強化【Le1】

打撃強化【Le4】

気配感知【Le3】

麻痺耐性【Le3】

スピード強化【Le3】

攻撃魔法耐久力強化【Le1】


☆技スキル

ドレインタッチ【Le3】

爆打  【Le2】

骨砕き 【Le1】


☆魔法スキル

風・突風   【Le3】

風・カッター 【Le2】

黒・ペイン  【Le1】

黒・シュツルム【Le3】

黒・チェーンデストラクション【Le2】


称号

リトル・クルーガー【黒】


☆称号スキル

毒耐性【Le1】

動体視力強化【Le1】


・・・・・・・・・・

ティアマト・ウロボリス


☆アビリティースキル

斬撃強化 【Le3】 

気配感知 【Le2】

毒耐性  【Le4】

耐久力強化【Le3】

動体視力強化【Le2】

スピード強化【Le2】


☆技スキル

連続斬り 【Le3】

真空斬  【Le2】

大地噴出断【Le1】

鬼無双  【Le2】


☆魔法スキル


☆称号

バトラー


称号スキル

体術強化【Le1】

耐久力強化【Le1】

特殊技『ギロチン』



・・・・・・・・

ティア・ヴァレンタイン


☆アビリティースキル

安眠  【Le1】

気配感知【Le4】

麻痺耐性【Le1】

動体視力強化【Le2】

スピード強化【Le3】


☆技スキル


☆魔法スキル

火・ラビットファイアー【Le3】

雷・ショック【Le4】

木・スリープ【Le2】

風・ケア  【Le2】

風・シールド【Le3】


称号

パナ・プレイヤー


☆称号スキル

デバフ強化 【Le1】

自然治癒  【Le1】

スピード強化【Le1】

・・・・・・


魔物表


A闘獣 金欲のアヴァロン(妖魔羊)、睡欲のモグラント(土駆龍)



B デュラハン、将軍猪、閻魔蠍、鬼ヒヨケ、女帝蜂、ミノタウロス

  


C ブラック・クズリ、トロール、ファングマン、侍ゾンビ

  パペット・ハンマー、リザードマン、鉄鳥、マグマント

  剣蜂、キラービー(単体D/集団のみC)、般若蠍、ベロヌェルカ

  ロゴーレム、ニャン太九郎


D キングゴブリン、グランドパンサー、ゴーレム、ラフレコドラ、ケサラン

  ソード・マンティス、黒猪、グレイバット、鎧蛇、棘巻トカゲ

  リッパー、ゲロックロ、ハンドリーパー、ブー太(梟)


E コロール、エアウルフ、ハイゴブリン、エレメンタル各種

  パペットナイト。ボロゴーレム、棘蜂、グール、グリーンマンティス

  ゲコ(ヤモリ)、闇蠍、格闘猿(エド国)


F ゴブリン、ディノスライム、格闘猿、ゾンビナイト、風鳥

  ゴースト、ウッドマン、ビリビリフラワー、眠花蜘蛛

角鼠、カナブーン ゾンビナイト、赤猪、棘鴉、オオダンゴ

ギョロギョロ、ゾンビランサー


・・・・・・・・・


俺達3人は赤騎馬ブルドンを馬小屋から連れてきてからギルドに寄って、森に向かった

久しぶりにこのメンツとなるとなにかと新鮮だ

しかも天気は快晴、良い空だ


まぁちょっと寒い

明日から厚着でもするか


森の中に入った途端、ゴブリンの群れが待ち伏せしており、俺達が気づいた時には挟み撃ちされていた

15体、前方の道に8で後方は7体だ

15体のうちの3体はハイゴブリン、しかし問題はない


『リリディ、ブルドンとギルハルド入れて後ろを頼む!』


俺はそう告げると彼はフフンっと笑いながら後ろに体を向けた


『お任せください、前は任せましたよ?』


『任せな!てかアカツキの特殊技を見てみたいぜ!』


『ギャギャギャ!』


襲ってきた、武器は錆びた短剣やボロボロの片手剣

俺は刀を構え、新しい新技を試してみた


『断罪』


そう口にしながら刀を横に振る

すると正面から襲ってくるゴブリンの集団の目の前に斬撃が現れてその場に倒れたんだ

どんな技かってのはなんとなくスキルを獲得した時に理解はしていたが…


凄い便利な技だ

居合突や真空斬、飛んでいく技スキルとは違ってこれは刀の斬撃が対象の目の前に現れて斬ることが可能なのだ


一気に3体も倒せた…すご


ティアマト

『マジか!』


彼は飛び掛かってきたゴブリンを片手斧で叩き落としながら驚いていた

俺も残りの敵の攻撃を避けながら斬り、倒していく


後方の憂いはない、リリディもいるしギルハルドそしてブルドンだ


『ドレインタッチ!』


『ギャプランっ!』


リリディの体力吸収技、スタッフでハイゴブリンの顔面を殴るとその体が僅かに発光し、リリディに吸収される

勿論ハイゴブリンは吹っ飛んでいった、一撃だ


『ニャンニャン!』


『ギャ!』


『ンギャン!』


ギルハルドも素早さを活かし、ゴブリンを斬り刻んでいく

ブルドンは後ろ足で蹴って吹き飛ばしたりと豪快だ、こいつもかなりの戦力だ


『強い気がいますね!気を付けてください!』


リリディが敵を倒しつつ、知らせてきた

確かに気配が大きいのが感じるが…こんな浅い森の中にいるか


『!?』


俺は前方の奥に目を向けた

すると襲い掛かってくることもなく、様子を見ている魔物がいた


『ニー!』


可愛い鳴き声、人形の玩具の様な姿をしたパペット系の魔物、パペットハンマーという魔物ランクCのモンスターだ


ティアマトは『行ってこいや!』というので俺は光速斬でゴブリン1体をすれ違いざまに斬りながら奥に走る

大きなハンマーを持ったパペットだが、よく持てるなそれ…


《兄弟の腕ならいけるぜ!俊敏さ活かしな!》


『わかってる!』


『ニー!!!!』


パペットハンマーはタイミングよくハンマーを振り下ろしてくる

俺は横に避ける、すると奴は直ぐに横に飛んで俺の前に立ちはだかりハンマーを振ってきた

意外に素早いのは知っているよ、でも俺の方が速いしよく見える


当たる前に俺は懐に潜り込み、胸部を斬って奴の頭上を飛び越えた

こいつはこれだけじゃ死なない、まだピンピンしている

結構深く斬ったんだけどな


『ニー!』


振り下ろすハンマーが僅かに発光している

爆打だ、地面にハンマーが触れると爆発が起きた

俺は飛び退いて難を逃れると、奴は間髪入れずに爆炎の中から突っ込んでくる


好敵手、俺にはそう思える


『いい敵だ』


俺はそう囁くように口を開き、パペットハンマーが攻撃を仕掛けてくる前に光速斬でハンマーを持つ右腕を切断した


宙を舞う奴の右腕とハンマー

パペットハンマーは狼狽えることなく体を回転させて回し蹴りで俺の顔面を狙う

だが避けれる、俺はしゃがみこんでから刀を前に突きだしてパペットハンマーの顔面を貫いてから横に斬って裂いた


『ニ…』


『終わりだ!』


俺はバランスを崩したパペットハンマーに告げると、俺の頭上からティアマトが飛び込んできた


『いただき!連続斬り!』


彼はパペットハンマーの体を素早く2回斬ってその場に倒す

奴の体から魔石が出てくるのを確認すると俺達は武器をさげる


『こちらは終わりました』


リリディがブルドンとギルハルドを連れてやってくる

どうやら魔石は回収した後のようだ、ティアマトだけやり足りなくてこっちに加勢したか


『助かるティアマト』


『へへ!いいとこサンキュー』


彼は俺の背中をポンと叩き、魔石を回収してブルドンの背中のバッグに入れる


《結構いい感じだな、なかなかだぞ》


テラ・トーヴァもそういってくれると俺達もホッとするよ

強くなってるってわかりやすい


俺はテラ・トーヴァにゾンネの気配がするかと聞くと、安心しな、と答えてくれた

近くにはいないらしいから安心して魔物を倒して稼ぐか

皆が水筒で水分補給をしていると、ティアマトがテラ・トーヴァに話しかける


ティアマト

『そういや開闢のレベル3だろ、お前を呼べば今度何が出てくるんだ?熊か?』


リリディ

『ティアマトさん、熊は1頭で十分です』


俺は笑っていると、テラ・トーヴァは言った


《正面の道から般若蠍がくる、一発目に使ってみな》


それには驚きだ、魔物ランクCの蠍の魔物だ

全長は5メートルと意外に大きい蠍だ、尻尾は3メートルで胴体が2メートルってのが平均的なサイズ

黒く、顔は蠍に似合わぬ沢山の牙、犬歯は大きくて目がギョロっとしていることから般若蠍と呼ばれている


少し歩いていくと、それが本当に現れた


《な?》


『キキィィィィィィl!』


既に怒ってる、確かあいつは怒りやすいから直ぐに人を襲う

あいつの黒光りした体は堅い、まぁ上位にもっとやばい蠍がいる

閻魔蠍という、魔物ランクBの化け物がいる

あれは見たことが無いが、見たら逃げろと昔に父さんに言われたことがある


最大全長10メートルの笑いたくなるほどの巨体で若い頃は死にそうになったと父さんが話していたな

まぁ完成された父さんならば今でも倒せるだろうし


俺は走ってくる般若蠍に向かって構え、刀を鞘に強く納めて口を開く


『開闢!』


鞘から瘴気が正面に吹き出す、いつもより量が多い

そこから出てきた者に、俺達は驚いた


鬼の仮面をした武将の鎧を着た者、その鎧は黒光りしている


『一撃だ』


テラ・トーヴァの声だ

奴は一直線に般若蠍に突っ込むと、一撃で真っ二つにして倒しきった

今の俺達でも多少てこずるだろう敵を一撃か、流石だな


断末魔すら上げる暇もなく、2つに分かれた魔物の体はドスンと力なくその場に崩れた

そして体から出てきた魔石は発光していた

テラ・トーヴァはそれを拾うと、俺に向かって投げた


《兄弟、これは熊五郎だろう…耐久力強化スキルだ》


アカツキ

『教えてくれ、複雑すぎるんだが魔法攻撃耐久力強化と耐久力強化ってどういうくくりなんだ』


《わかりずらいよな兄弟、熊五郎の耐久力強化は物理、メガネの持つ魔法攻撃耐久力は魔法だ》


アカツキ

『うーむ』


《スキルで複雑なのはそれだけさ、強くなれば将軍猪は持つ筋力強化スキルは前衛である3人は持っとけ、イグニス相手ならそれがないと話にならん》


彼はそこまで話すと、ボンッと瘴気になって消えていった

アビリティースキルの筋力強化スキルは貴重なスキルだ

斬撃強化に加え、筋力強化スキルもあれば威力は格段と上がるとクローディアさんから聞いている


『ティアマト』


『おう!いただくぜ』


俺は彼に魔石を投げ渡す

スキルを吸収している間に周りを見渡すけども、異変はない


『ニャーン!』


『あれ?リリディ…ギルハルドの体、少しいい体格じゃないか?』


『先ほど倒した魔物の魔石が1つ発光していたのでギルハルドにあげたんです。あげ続ければ成長して強くなりますから』


『頼もしいな、期待してる』


『私にも期待していいんですよ?』


『最初からしてるさ』


リリディは笑い、スタッフを担ぐ

俺達は先に進もうとしていると、偶然後ろからコヴァ達が現れたんだ

カマクラの街のボス的な冒険者、あとはその仲間たちだ


コヴァの他に4人…1人増やしたか?

無視されるだろうと思っていると、彼は何かに気づくような顔をしてから声珍しく声をかけてきた


『あ?お嬢ちゃん2人はいねぇな、夜乱暴に扱って嫌われたか?』


『それどういう…』


『冗談だ、怪我でもしたのか』


『夜の街を襲う犯人との戦いで怪我をして入院中です』


『そうか…あとこれ以上森に進まねぇ方がいいぞ』


『どうしたんですか?』


『将軍猪が現れたんだ、さっき知った情報だがお前らとは入れ違いだろうな…』


将軍猪か…出会いたくはないな

暴君猪ともいわれるほど暴れる魔物だ

以前、追っかけ回されたなぁ…


『どうするよ、アカツキ』


ティアマトが指示を待っている

俺は討伐するのがコヴァ達がするだろうと思い、邪魔しないために『帰ろう』と答えた


『明日に控えますか』


リリディもそういっている

するとコヴァは懐から銀貨2枚取り出し、俺に投げ渡してくる


『これで飲み物でも買ってのんびりしときな』


彼はそう告げると仲間を連れて森の奥に向かっていった

彼なりのやり方だな、悪い奴じゃない

しかも強い…俺たちと同じ冒険者ランクCだが、Bランクの魔物も普通に倒す猛者だ

今月中にはBランクの試験もあるとは聞いている、流石だなぁ…


羨ましいがBランクとなるとどの国でも冒険者人口のごくわずかしかいないほど精鋭扱いだ


『ケッ、強者のつもりか?』


『ティアマトさん、実際あの人は強者ですよ』


『まぁそうだな、俺達も目指さねぇと…なぁアカツキィ?』


ティアマトは俺の肩をポンと叩くと、来た道に体を向けて歩き出した

彼のいう通り、俺達はもっと強くなる

急ぎ過ぎず、自分たちの出来る行動内で頑張るか


帰り道で低ランクの魔物を倒しながらギルドに戻り、報酬を貰ってからブルドンを馬小屋に戻してからティア達に会うために治療施設に向かった


施設の周りには警備侍ではなく、侍騎士が包囲している

キングレイ小隊長が入院しているし、聴取とかもあるからだろうな


『おかえりデス』


『『『わっ!』』』


街の中を歩いていると、後ろからジェスタードさん、いきなりで驚くと彼は笑いながら満足そうにしていた

どうやら1人で中に入るのは心苦しくて待っていたようだ

治療施設の入り口に向かうと、その場を警備していた侍騎士たちの視線が俺たちに注がれた


4人だ…怖い顔をしている


『通っていいんです?』


『通ればいい』


あしらわれる感じで言われた

ただ怪しい奴がいないか監視しているだけか、変に意識し過ぎていたのは俺だな

後ろでリリディが笑っている


すると侍騎士の1人が物珍しそうにギルハルドを見ていた


『ニャン太九郎を従えるとは、珍しいな』


『未来の大賢者ですから』


侍騎士は可笑しな人を見る目でリリディを見る


リリディはそれに気づかず胸を張りながら施設内に入っていくから俺達もついていく

ロビー内には普通の街の人も診察してもらうため、沢山の長椅子に座って自分の番を待っている者がいた


壁際には侍騎士がいるけども気にならないだろうか


俺はそんなロビー内の奥に行くと、廊下の先の待合室を抜けて廊下を歩く

するとティアと共に戦っていた侍騎士が正面から歩いてくる、松葉杖を使って歩いているけども…

4人か…1人は無傷らしく、先頭の小隊長らしき人に肩を貸していた


『…』


ジェスタードさんはその様子を見て顔をうつむかせる

俺達は正面から歩いてくる侍騎士達と面識はあまりない、すれ違う瞬間に軽く会釈するとジェスタードさんは突然彼に話しかけたのだ


『元気そうデスね、キングレイ小隊長殿』


その言葉に、キングレイ小隊長は首を傾げながら答える


『ジェスタード殿?』


『そう呼ばれるのは心苦しいデスね、元気ならば…それでいいのデスが、いつまでそのミサンガをつけているのですか』


キングレイ小隊長の右腕にはボロボロのミサンガがつけられている

大事な物だからだろうとわかるんだけども、ジェスタードさんがなぜそれにツッコむのか

それはキングレイ小隊長の答えでわかった


『これは優秀だった後輩に貰った大事な物だ、彼のおかげで生きている…彼の生き様も私は背負うからこそつけているのですよ』


『そうデスか…ご武運を』


そのまま彼らを通過すると、リリディはジェスタードさんに言った


『いいんですか?』


『カウラはあの時死んだ、今はジェスタード』


らしい

ティアやリュウグウの入院する部屋に向かうと、二人は看護婦と楽しそうに何かを話していた


空気を読んだ看護婦はニコニコしながら俺達に会釈をすると、部屋を出ていく


『ティア、問題ないか?』


『大丈夫!そっちは』


『こっちは問題ないが、テラの姿が凄かった』


《まぁ俺だからな!リュウグウの姉ちゃんはいつまでムスッとしてるんだよ》


『うるさい、お前のせいだぞ』


《わぁったよ…》


仲が悪い、しかしリュウグウもそこまで怒っている感じではない

俺達はリュウグウとの関係が気になっていて、ここまで来るときにテラ・トーヴァに質問をしたんだが


彼は話そうとはしなかった

それを話せば彼女は悲しむ、と言うだけだった

リュウグウも俺達に話そうともしないから無理に知ろうとするのも何かと気が引ける


俺達は椅子に座り、お互いに色々話したけども

どうやら侍騎士に聴取はされたらしい、しかもムサシさんの側近達にだ


『なんて言われたんだ?』


『どんな魔物だったかってさ、どのように戦ったかとかどう倒したかとか』


『なるほど』


ティアマト

『しっかしよ、ジェスタードさんがダメージ与えてなかったらやばかったな』


リュウグウ

『当たり前だ、いくらティアのケアで回復させていたとはいえだ…、あの致命傷でも強かったんだ』


リリディ

『万全なら、と思うと恐ろしい』


ティア

『きっと持ちこたえれなかったね』


アカツキ

『でも生きてる、今度は一緒にいよう』


リリディ

『それ軽く言ってますけど恥ずかしくないですか』


言われて気付く

ジェスタードさんは笑いを堪える為に腹をおさえてる

ティアは顔真っ赤、俺もつられるさ


『変態が』


『あ、はい』


リュウグウに低いトーンで言われ、素直に返事しちゃった


『そそそそいえば!断罪凄かったぞ!』


俺は無理矢理会話を変えた

ティアは乗ってくれたからその場の雰囲気も変わったし、俺はホッとする


『そういえば数時間前に聖騎士のあの二人が来たよ?』


ティアの言葉に俺達野郎どもは驚く

なんで侍騎士の監視を抜けてこれたのか謎だが、どうやら様子を見に来ただけだったみたい


ティア

『いつ戻る?って言われたから1週間とちょっとしたらって言っといた!』


アカツキ

『えぇ…』


ティア

『だってなんだかマグナ国のロイヤルフラッシュ聖騎士長から指示が来たらしくて伝えに来たんだもん』


リリディ

『指示?』


ティア

『マグナ国に入るための最初の街で聖騎士が待ち伏せしてるから気をつけろだってさ、監視だけらしいけども馬鹿は勝手に動くから気をつけろだってさ』


アカツキ

『なるほど、リゲルは誰かに横取りされたくないから教えたのか』


ティア

『だと思ったかな』


ティアマト

『不味くないのか?』


リュウグウ

『いや、横取りされたくないからこそ私達の監視をする聖騎士の二人は素直な情報を仲間に教えるとは思い難い』


アカツキ

『確かに…』


ティアマト

『だが用心しねぇとな、それと…ゾンネもきっとどっかにいる』


あいつは本当にしつこい

次は倒せればいいけど…会うたびに強くなるから厄介だ


ジェスタード

『実際はエドの夜の通り魔事件はムゲンだけじゃなくゾンネも関わっていマス、まだ終わりとはエド国も思ってないでしょう』


だろうな

というか獣王ヴィンメイが今どこにいるかがわからない

彼らしき情報はなし、比較的に無駄に表に出ないように待ち構えているのかもしれない


ジェスタード

『アカツキ殿達は今の状態でも十分お強い、しかしそれは普通に生きる者たちから見てでアル』


『どういうことですか?ジェスタードさん』


俺は彼にそう告げると、直ぐに答えてくれた


『力の世界に足を踏み入れれば、その強さも儚い…Bランクの魔物との戦いを制すればきっと色々な物が見えてくるだろう、今は焦らず行きなさい』


俺達は強い、でも弱い

いいたいことはわかるよ


リュウグウ

『強さの証明とはなんだ?』


ジェスタード

『まぁグリンピアの森はとても深い…未だに全てを見た者はごくわずか…』


リリディ

『それで?何を言いたいのでしょうか?』


ジェスタードさんはゆっくり立ち上がると、俺に視線を向けたまま話し始める


『海抜の深い森、その更に奥には入ったら生きて帰れない森が存在する…その場所に居る魔物の最低ランクはC、そこの主はAの上位で闘獣に匹敵するおぞましい魔物がいマス…幻界という森だ。そこだけは別世界だ…』


聞いたことがある

父さんが行っていた、馬鹿でも入りたがらない森があると

それが幻界という森、そこには未知なる魔物がわんさかいるとかなんとか


ティア

『そこの主とは何ですか?』


ジェスタード

『それは行って確かめるノダ、今の君たちでは早過ぎる』


ティアマト

『聞いてしまったからいつか行くぜ?』


ティアマトの不気味な笑みと言葉に、ジェスタードさんは笑った


『面白い、やってみよ…』


彼は椅子に座ろうとした

すると様子が変わったのだ

いきなり入り口の向こうに視線を向け、両手に持った糸操り人形に魔力を込めたのだ


異常過ぎる彼の行動に、俺達は嫌な予感しかない

元英雄五傑、道化傀儡グリモワルド・グレゴールが真剣に警戒しているんだ


こんなこと、現英雄五傑の桃源魔法ロットスターにも見せなかった

という事は…


俺の仲間たちが真剣な顔つきとなり、武器を構える

リュウグウとティアは動けないため、ベットの上で身構えるしかない


『シャァァァァァァァァ!』


ギルハルドすれも毛を逆立てている

誰が来てる?




《おいおいおいおい!マジかよ!堂々過ぎるだろ!!!!》


アカツキ

『どうした!テラ!何が来てるんだ!』


《こりゃイグニスの気配だぜ!?お前ら逃げろ!無理してでも女担いで逃げろ!!!まだ遠い!》


あり得ない

なんで世界最強が来るんだよ…

普通こないだろ!このタイミング!



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