第83話 激闘リザードマン編 1 魔物も強くなる
次の日、俺達は赤騎馬ブルドンと魔物ランクCであるニャン太九郎『ギルハルド』を連れて沼地がある森に向かった
その前にギルドにはちゃんと立ち寄り、リザードマン2体の討伐の依頼書を受注したから大丈夫さ
『ケッ!地面が凄い濡れてんな』
ティアマトが足元を見て口を開く
昨夜の雨でかなり濡れており、乾くことは当分ないだろうな
転ばない様にしないと
『みんな転ばない様に気をつけろよ』
『わっ!』
言った傍からティアが足を滑らせる
俺は素早く彼女の腕を掴んで転ばない様にすると『えへへ、ありがと』と口を開いてきた
ちょっと照れくさい
『空は薄暗いですね、昼前だというのに』
リリディは口を開きながら森の中で空を見上げる
今にも降りそうとも思える曇り空だ
降ったとしても関係はない
『ニャ』
ふとギルハルドが右側に顔を向けて鳴いた
どうしたのだろうと思った時にはリリディの顔色も少し険しくなるので、きっと魔物だろうとわかった
リリディ
『良い感じの気配ですね』
ティアマト
『手頃か?』
リリディ
『かもしれません、後方からも感じます』
アカツキ
『右側はリリディとティアマト頼む、他は後ろだ』
リュウグウ
『ふっ、さぁこい魔物め』
彼女はやる気十分だ
ティアも俺の隣でサバイバルナイフを構えてるけども、最初は魔力の温存をする気か
ティアマト、リリディの正面に現れたのは魔物ランクDのキングゴブリンに取り巻きのゴブリンが4体
これなら彼らでもいけるだろう
俺とティアそしてリュウグウが向く後方からはコロールが3体だ
『ドルルルル』
肥満体なコロールは錆びた鉄鞭を担ぎながら意気揚々と俺たちに走ってくる、しかし今となっては鈍足過ぎると感じれる
リュウグウ
『先に行くぞ!』
ティア
『あっ!私も!』
リュウグウが飛び出すと、ティアも続く
俺は乗り遅れたようだ…彼女らの背中を追うのだが…
『ドルル!』
リュウグウ
『邪魔だ!』
『ドルッ!?』
彼女は槍で刺さず、槍で頭部を叩いて転倒させると、後ろのコロールに向かった
目の前では頭を叩かれ、痛がるコロールに向かってティアが首を斬り裂いてからリュウグウの後に続く
俺は首から血を流してふらついているコロールに向かって刀で斬り倒し、ティア達の元に行こうと走り出すと、それは既に終わりそうだった
リュウグウ
『終わりよ!』
彼女は2体のゴブリンに素早く槍で胸部を貫いた
筋力はある魔物だが、反応が鈍いからリュウグウにとっては都合の良い魔物だな
『ドルル…ル』
ティア
『せいっ!』
トドメにティアが右側のコロールの頭部にサバイバルナイフを突き刺し、俺は左側のコロールの首を刀で斬り飛ばして終わらせたよ
すると頭上をゴブリンが悲鳴を上げながら飛んでいく
リリディが木製スタッフでぶん殴って吹き飛んだゴブリンだな
『くらえ!連続斬り!』
キングゴブリンの攻撃をティアマトは連続斬りで弾き、奴の片手剣が手から離れて宙を舞っているのを確認すると、そのまま右手で敵の頭を掴み、引き寄せながら膝蹴りを顔面にお見舞いした
『グブッ!?!?』
ティアマト
『おまけだ!とっときな!』
ティアマトは両手で顔をおさえて前屈みになったキングゴブリンに向かって目の前で片手斧を振り落として斬り裂く
キングゴブリンはその場に倒れ、動かなくなる
ティアマト
『へっ!ちょろいぜ』
『ギャギャ!』
ティアマト
『うるせぇ!』
彼は横から飛び込んできた最後のゴブリンを殴って吹き飛ばし、近くに木にぶつけた
全ての魔物から魔石が出てきたので死んだようだ
というかブルドンも倒しているな・・・足元で頭をつぶされたゴブリンがいる…踏み潰されたようだな
『ニャ』
ギルハルドは呑気に傍観していたようだ
まぁいてくれるだけで心強いけどな
そう思っていると、ギルハルドは目を細めて近くに木のてっぺんに視線を向けた
どうしたのかと思って視線の先を見ると、グリーンマンティスというDランクの魔物がいたんだ
カマキリ種は気配を小さくすることが出来るのは知っていたが、いるのがまったくわからなかったぞ
ギルハルドが一歩、その気に近づくとグリーンマンティスはビクンと体を震わせて飛んで逃げていく
どうやら勝てないとわかって逃げたんだな…
リリディ
『よく見つけましたね、偉いですよギルハルド』
『ミャー』
彼はギルハルドの頭を撫で、干し肉を1つ上げて食べさせている
リリディに対しては忠実であるが俺達の言うことは一切聞かない
まぁそうだとしても不自由なことは何も感じていないからいいけどね
ティア
『ブルドンちゃん荷物あまり揺らさないでね?』
『ヒヒン!』
わかった!とでも言っているのだろうか
こいつはティアに忠実だ…
皆で森の中を進み、比較的歩きやすい道に出る
道幅は3メートル程もあって歩きやすい、地面は土の道だ
左右は当然、森だ
目的の沼地はここを真っすぐ進めばつくだろうと地図を見ながら歩くリリディが口にする
空では魔物の蜂が飛んでおり、俺達は無駄に戦闘しないために森に姿を隠し、通り過ぎてから先に進みだす
リュウグウ
『さっきのは棘蜂ね』
リリディ
『そのようですけど、戦うと仲間を呼びそうであまり戦いたくありませんね』
リュウグウ
『そうだな…』
ティア
『また魔物の気配だよ、正面だけどもちょっと強い』
ティアマト
『どんな野郎が顔を出すか楽しみだ』
ティア
『後ろからが多い、正面は1で後ろが5』
面倒だな
俺は正面に刀を構えて進むと、堂々と歩いてきた魔物にちょっと驚いた
鉄鞭を地面に引きずって歩くトロールだ
後ろはコロール5だ
挟み撃ちで襲われるのが嫌な俺は両手で刀を握り締めると、真っすぐトロールに走り出した
『グロロロロ』
2メートル半の筋骨隆々とした魔物が不気味な笑みを浮かべる
俺は後ろからティアが来ていることを確認すると、前に意識を戻す
トロールはトゲトゲのついた鉄鞭を振り上げるが、タイミングよく俺を叩きつぶそうとしているのだと直ぐに感づいた
そうはさせんぞ
《兄弟!加速だ!》
『わかってる!光速斬!』
俺は一気に加速し、トロールの脇腹を斬り裂いて通過する
直ぐに振り向いて態勢を立て直していると、その間にトロールは苦痛を浮かべながらも俺とティアを視線にとらえるために体を横に向けた
挟み撃ちで来たのに逆に挟まれたトロールはキョロキョロと俺とティアを交互に見ている
結構深くまで斬れたな…奴は左手で脇腹を抑えているが血が止まる様子はない
『ショック!』
ティアは腕を伸ばし、黄色い魔法陣を発生させると同時にその中から雷弾を放つ
トロールは器用にもティアの放った雷弾を体を反って避けた
俺はその隙に懐に潜り込もうと走り出していた
『グロッ!!』
『おっと!』
コロールと違って肥満体型ではないトロールは素早く俺に体を向けると、足を押し込んで蹴ろうとする、喧嘩キックとかティアマトは言ってたなこれ
すかさず無理やり体を反らして避け、鉄鞭の薙ぎ払いをしゃがんで避けると直ぐに飛び上がり、刀を振り上げて斬る
トロールの胴体を斬り、血が噴き出すと奴は苦痛よりも怒りを顔に浮かべ、俺に鉄鞭を振り回す
空中で避けれない俺は刀を前に出し、それを受け止めながら吹き飛んでいくが両手が痺れてしまった
『グロッ!?』
その間、トロールの背中にティアのラビットファイアーの全弾命中、流石に筋肉質だとしても今のは痛い筈だ
俺も痛い…刀でガードとか無茶したなと後悔しつつもゆっくり立ち上がり、まだ元気なトロールが俺に走ってくると、振り下ろしてきた鉄鞭を避け続けた
ドスンドスンと地面が僅かに揺れる、当たったら非常に不味い攻撃だ
ティア
『ショック!』
その間にティアがトロールの死角から雷弾を放ち、それが足に当たると奴の下半身が一瞬痺れてしまって転倒したのだ
俺は追撃したくても奴の目はまだずっと俺に向いているから迂闊には近付けない
《流石トロールだな、だけど終わりだ》
テラ・トーヴァが口を開く
トロールは上体を起こして立ち上がろうとする
すると奴の近くを何かが素早く通過した
そして首元から血が噴き出したのだ
『グロロ!?』
深くはない、だけどもトロールは狼狽えている
何が通過したかは直ぐに分かった
『ニャ』
ギルハルドだった
血の付いた爪を舐めながらトロールに目を細めて凝視している
どうやらティアマトたちもコロールを倒し終えたらしく、彼らもこちらに近づいてくる
リュウグウ
『私が隙を作る!お前ら行け!』
リリディ
『では信じますよ?』
リュウグウ
『良いからいけメガネと熊』
ティアマトとリリディは苦笑いを浮かべる、がしかし直ぐに真剣な顔のままトロールを見据えると彼らは走った。
トロールは叫ぶと鉄鞭を振り回し、俺を無視してティアマトとリリディに襲い掛かる
リュウグウはその場で槍をもの凄い速さで回し、深呼吸してから回転させた槍の勢いを利用し、突きながら叫んだ
『槍花閃!!』
その場で強く槍を突くと、光線が素早くティアマトとリリディの間を通ってトロールに飛ぶ
桜の花びらが舞い、その美しい技はトロールが振り回す鉄鞭に見事に命中すると奴はバランスを崩してしまう
それは隙だ
魔物ランクCは強い、だけども全員で挑めば怖くはない
リリディ
『チェーンデストラクション!』
彼の両肩部付近から黒い魔法陣が現れ、そこから鎖がトロールの両足に伸びると巻き付いた
リリディ
『ぬん!!!』
彼は手を強く握ると、鎖はトロールを転倒させたんだ
ティアマトは『サンキュー!』と大声で叫びながら飛び上がると、片手斧を掲げてトロールに振り下ろす
『おらぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
『グロォ!!!』
全体重を乗せたティアマトの一撃はトロールの胸部に深く食い込んだ
それでもなおも動こうとしたトロールは鬼の様な顔のまま鉄鞭でティアマトを殴ろうとしていたので、俺は素早くトロールの鉄鞭を持つ右手を刀で斬って阻止させる
ティアがラビットファイアーを放った瞬間に俺とティアマトは飛び退いて彼女の魔法はトロールに命中し、奴はその場でジタバタと暴れ始めた
リュウグウ
『本当に生命力の塊だな』
リリディ
『そのようですが流石はCの魔物ですねぇ』
ティア
『案外Cも安定しそうだね』
アカツキ
『そうだけども油断は禁物だ』
『グロォォォォォォ!』
トロールは予想外な行動をとる
上体を起こすと同時に鉄鞭を投げてきたのは、それには一同驚く
回転しながら飛んでくる鉄鞭をティアマトはしゃがんで避け、後ろにいたリュウグウも凄い驚きながら真横に飛んで避ける
あれは後で回収しよう
上体を起こした状態のトロールにギルハルドが縦横無尽に奴の周りを移動しながら体中を爪で斬り裂いていく
その速度についていけないトロールは無駄に腕を振り回すだけ
当たることはない
ギルハルドの攻撃に意識を取られている間に俺は刀で地面を斬り、『地斬鉄』と叫ぶ
地面をえぐりながら縦の斬撃がトロールに真っすぐ向かうと、それは奴の足を斬り飛ばしたんだ
『グロォォォォォォォ!』
リリディは飛び込み、木製スタッフでトロールの頭部を思いっきり叩いた
リリディ
『賢者バスター!』
顔面に直撃、すると先ほどまで暴れていたトロールは急に大人しくなり、焦点の合わない目のままドサリと倒れてくれたよ…
ティア
『まだ生きてる…凄いね』
リュウグウ
『熊、とどめだとどめ』
ティアマト
『俺にいってんのかリュウグウ』
リュウグウはティアマトを見つめたまま笑顔で頷く
ティアマト
『ケッ…まぁいいか』
彼は片手斧で気絶したトロールを連続斬りで斬って絶命させる
魔石が体から出てきたから討伐完了だ、完全に死んでくれたか
俺とティアで拾っていると、また魔物だ
今回は多いな…
向かうべき道の向こうから鎧がすれる金属音を響かせてやってきたのはゾンビナイト
なるほど、太陽が隠れてるから普通に現れるか
アカツキ
『6体か、ティアマト頼む』
ティアマト
『おう!』
リュウグウ
『私もやるぞ』
ティアマト
『3体ずつな!』
彼はリュウグウを連れてゾンビナイトに襲いかかった
その間、俺はティアと共にブルドンの背中のバックに魔石を入れてから戦う二人をリリディを交えて眺めた
『おらぁぁぁ!』
ゾンビナイトが剣でガードしても、ティアマトの大振りな片手斧の一撃は武器すら破壊してゾンビナイトを打ち砕く
リュウグウは相手に何かをさせる前に素早く槍で頭部を貫き、倒していく
もはやD以下のランクで苦戦などしない
ティア
『また魔物だ』
リリディ
『ひっきりなしですね、足を止めるわけには行きません』
アカツキ
『進みながら行こう』
俺はティアマト達がゾンビナイトを倒し終えると、素早く魔石を回収してから歩き出す
次は何だと思いながら目の前に現れた魔物に俺は少し驚く
ゾンビランサーだが珍しいな…
皮装備をしたゾンビだがこいつはゾンビナイトよりもランクは一段高いEランクだ…。
それが2体
アカツキ
『リュウグウ』
リュウグウ
『言われずとも私の相手だ』
彼女は笑みを浮かべ、静かに歩き出した
ゾンビランサーは槍を構えたまま近付くリュウグウを待ち構えるが、それは無駄に終わった
槍のリーチに一気に詰め寄ったリュウグウは、2体のゾンビランサーの槍の突きを素早く弾いた
アンデット種の低ランクに力はない、女性の力でも容易く勝てるのだ
そしてリュウグウの槍の素早い突きが連続してゾンビランサーの頭部を貫く
地面に倒れていくゾンビランサーからは魔石が現れ、リュウグウはそれを拾うと俺に放り投げた
『物足りないな』
リュウグウはそう告げながらも微笑んでいた
少し歩くと、開けた場所に辿り着く
中央付近には大きめの木には赤い実が沢山実っており、ティアマトは食べれるか考えたのだが、ティアが言うには渋くて食べれないよと言われて彼は残念がる
座ることが出来ないが丁度昼だしここで昼食にするか
ティア
『ブルドンちゃん』
『ヒヒン』
ブルドンはティアに呼ばれ、彼女に近づく
荷物の中には屋台で買ったカツサンドが入っているから、それを俺はみんなに配って食べ始めた
リリディ
『雨…』
『ミャー』
降ってきた
だが小雨だ
俺達は中央の木の近くに移動し、雨をしのぐ
リュウグウは嫌そうな顔をしながら空を見上げ、カツサンドを食べている
飯を食べていると、ティアが俺達が通ってきた道を気にし始めた
『魔物か?』
『うん、どうする?』
彼女は俺に答えを求めてくる
さて、どうしようかと悩んでいるとそれは姿を現した
魔物Eランクのグールが2体、体を不気味にくねらせながら歩く姿は何とも言えない
灰色の体をしたアンデット種、口は大きく裂けたクリーチャーのような人型の魔物だ
『カカカカカ』
それは俺達を見ると足を止め、首をカクカク動かしながら鳴いた
ティアマト
『悪ぃな、雨宿りは他所で頼むわ』
『カカー!』
彼は怠そうな顔を俺に向け、一言呟く
ティアマト
『ここがいいってよ?』
グールが走ってくる
呑気に話している暇はない
俺は仕方なく倒そうとカツサンドを頬張った時、ニャン太九郎ことギルハルドが一気に駆け抜けていく
『シャァァァァァァ!!!』
『カカカ!』
『カカカッカ!!』
ギルハルドは飛び込みながら爪を伸ばし、きりもみ回転するとグールの間を通過しながら2体同時に体中を切り刻む
かなり深く斬り裂いたらしく、グールは足を止めてバランスを崩す
奴らの後方では半回転し、着地したギルハルドが地面を強く蹴り、1体のグールが振り向いてきたと同時に両前足の爪を前に出し、顔面を貫く
見ただけで痛そうな攻撃だ、リリディも木製スタッフで体の急所をガードしていたおかげであのような攻撃をされずに済んだんだな
『カカッ…』
『シャァァ!』
顔面を貫かれたグールはフラフラし始め、ギルハルドは残りのグールが爪を伸ばしてくるのに気づくと直ぐに爪を抜き、顔面を蹴って宙に跳んで逃げる
リリディ
『やれ、ギルハルド』
『ミャッ!』
彼の声に反応したギルハルドは下で見上げているグールに向かって落下していく
当然グールも待つだけじゃない、裂けた口を大きく開いて噛みつこうと待ち構えている
まぁそれが上手くいくことはなかった
ギルハルドはグールの大きな両目を両前足の爪で突き刺した
恐ろしいなこの猫
『カカ…』
ドスンとその場に倒れ、2体のグールの体から魔石が現れた
1つ光っている…やはり魔物が魔物を倒すとスキルのドロップ率は違うというのか…
ギルハルドは1つを口に咥え、残りの1つを尻尾を使って器用に掴んでリリディに持ってくる
リリディ
『偉いぞギルハルド』
『ミャー』
ギルハルドはリリディの前に魔石を置き、撫でられると心地良さそうな鳴き声を上げた
リュウグウ
『頼りになるな…しかしスキルはドレインタッチか?』
ティアマト
『…だろうな』
ティア
『凄い猫さんだね』
アカツキ
『リリディ、確認頼む』
俺はそう告げると、リリディは光る魔石に手を伸ばす
やはりドレインタッチらしい
そしてギルハルドの様子も可笑しい
光る魔石をまるで欲しがっているかのように嘗め始めたのだ
リリディの顔を見ながらだ
リリディ
『まさか…いや、…・ギルハルド、お前のだ』
『ミャーーン』
そこで俺達は驚きの光景を目の当たりにした
ギルハルドが発光する魔石に触れると、光を吸収し始めたんだ
ありえないもんを見た俺は開いた口が塞がらないよ
魔物もスキルを吸収するのか
《魔物は魔石スキルを吸収してもそのスキルを使用は出来ないが、強くはなる》
『どういうことだ…?』
《ゴブリンもそうさ、奴らは戦い…勝ってスキル付き魔石を吸収してハイゴブリンになる、そしてハイゴブリンは魔物と戦い続けてスキルを吸収するとキングゴブリンとなる、こんな感じだ》
最初は低ランクの魔物から強くなるというのか
それなら多少は納得する
『ミャーン』
リリディ
『ギルハルド、お前…』
俺は皆にテラ・トーヴァから聞いたことを教えると、リリディは目を見開いてギルハルドを見る
今以上に強くなるというのか…。楽しみだな
ティア
『ニャン太九郎より上位の猫種って…』
ティアマト
『ニャン太十郎か?』
ティア
『そんなのいないよ』
ティアマト
『ははは、だよな』
リリディ
『魔物図鑑には1種しかおりませんよ』
アカツキ
『俺の図鑑にはないぞ?』
リリディ
『アカツキさん…そろそろ最新号の魔物図鑑買ったらどうですか?いつのをずっと見てるんです?』
俺は父さんのだというと、彼は苦笑いを浮かべていた
答えを口にしたのはティアだ
『ペルシアン、魔物Bランクの猫だよ』
目撃情報はマグナ国内でも聞いた限りでは歴史上10回もないらしい
あまり人の前に現れない魔物であり、見たことがない理由は人目を避けるからだろうと説明をしてくれた
2メートル級の化け猫、だが猫種とは他にいないのだろうか
《まぁ人間は全ての魔物を知らない。人に飼われた猫がどうなるか楽しみだ…》
アカツキ
『どういうことだ?』
《他にも猫種の魔物はいるってことだ。幻と言われる希少種もな》
どんな猫だと聞いても《秘密》としか言わん
リリディに他にも別の猫種もいるってよ、と告げる
すると彼は微笑みながらギルハルドを見つめた
『お前はそれになれればいいな、ギルハルド』
『ミャー』
彼に撫でられ、干し肉を与えられるとギルハルドは嬉しそうにそれを食べ始めた
俺達は驚きながらもカツサンドを食べ終わりこのまま先に進むことにした
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