第71話 見捨てられた仏編 3 遭遇
俺達はカマクラのギルドにて報酬を貰い、ロビー内の丸テーブルを囲んで寛いでいる
時刻はまだ16時の為、余裕がある
全員で飲み物を頼み、外よりもマシな室内でのんびりとしていると、隣のテーブルにいたガーランドとノースが話しかけてくる
ガーランド
『師匠達、どうやってCランクにいけたんですか』
ノース
『私達もそれなりに自信はあるんだけどアドバイス欲しいかなぁって』
出来るわけがない
俺達は急遽、Cランクに昇格したんだからな
するとリュウグウが自信ありげに答える
『判断力だ、戦うか退くか…遅れると仲間を失い、道は遠くなる』
その言葉は答えに近いかもしれない
ガーランドはアッとした顔を浮かべると、頭を掻きながら苦笑いを浮かべる
ノースはそれに気づき、クスクス笑っている
彼女は女性なのに鉄鞭を武器にするとは非常に珍しい人だ
女性でその武器を使う人は1人だけ知ってるけども、まさか憧れてとかじゃないよな?
聞くのはやめておこう
今日のギルド内は少し静かだ、理由は簡単さ
隅のテーブルにいる冒険者のせいだよ
鬼刀ザントマ・ヘラクというエド国Sランク冒険者
国中を放浪する冒険者なのに、何故か最近ここらで出会うよな…
武将のような甲冑をし、面頬をかぶっているけども性別がわからない
椅子に腰かけ、足を組みながらも右手に持つ水をストローで飲んでいるのは少し変わってる
顔を見られたくないんだろうけどさ
ガーランド
『ザントマさんの話、聞きました?』
アカツキ
『いや、俺たちは知らないが何かあったのか?』
ガーランドはニヤニヤしながら咳払いをすると、自慢げに語る
『鬼刀ザントマ・ヘラクはそりゃ尋常じゃないくらい強いんですよ。有名な冒険者チームが全員で飛び掛かってもボコボコにするんですから』
ノース
『でもあれは飲み過ぎて悪酔いしたベヒーモスが悪いと思うけどね』
ガーランド
『だろうな、普段は優しい人たちらしいけど酒を飲むと豹変しちゃうからねぇ』
アカツキ
『それほどまでに強いのか』
ガーランド
『Aランク冒険者5人を単騎で倒したんですからね、それにAランクの魔物であるキングトロールを1人で倒したんですよ』
開いた口が塞がらない、Aランクを単騎で倒すとなると基準としてはマグナ国の旧英雄五傑の力を持っているということである
そんな凄い人が奥のテーブルにいるのは非常に意識してしまう
《お?丁度いいタイミングだ》
アカツキ
『ん?』
俺はテラ・トーヴァに何のことを言っているのか聞こうとすると、ギルド入り口の扉が開く
そこから現れたのはジェスタードさん
何やらキョロキョロしているが、俺たちを見つけるとわざわざスキップしながら近寄ってくる
ガーランド
『曲芸師ジェスタードさんじゃん』
ノース
『家に帰らないのかな?確か家族いるんじゃないの?』
ガーランド
『らしいけど、誰もそれ見たことなくないか?』
その言葉に俺は反応をしようとした時、ジェスタードさんが俺たちの元に辿り着く
ジェスタード
『やはりいると思ってましたデス』
ティア
『ジェスタードさんどうしたの?』
ジェスタードさんは唸り声をあげ、ガーランド達のテーブル席に座る
ガーランドとノースは少し驚いているが、彼は見向きもせず話しだしたんだ
ジェスタード
『恩人の事情は知っていたので少し思いついたことがあるのデス』
リュウグウ
『芸でも披露してくれるのか』
ジェスタード
『ははは、それもそうですが…』
それは別にいいよジェスタードさん
ジェスタード
『まぁ頑丈な敵に対して有効な刀技スキルを教えようと思ってデスね』
俺はその話に飛びついた
ジェスタードさんはカマクラの無縁墓地カタコンペルという場所にいる魔物Cランクの侍ゾンビを倒せばいいと教えてくれた
どうやら普通に倒してもドロップ率は1%、しかし特定の倒し方をすれば確率が上がるというのだ
ティアマト
『なんだかいろんな魔物の倒し方があって面倒だな』
ジェスタード
『世の中は複雑なのです。倒し方は簡単です…刀でトドメを刺せばいい』
単純だった
しかし、無縁墓地コンペルンの夜はアンデットの数が尋常じゃないほど現れるため、誰も近寄らなくなったと聞いたことがある
一番強いのは侍ゾンビかと問うと、ジェスタードさんは違うと述べる
リリディ
『さらに強いアンデットがいると?』
ジェスタード
『運が悪ければ魔物Bランク上位であるアンデット種デュラハンがいます。今の恩人達では逃げるしかありませんけど、あの魔物は縄張りを出れば追ってはこないので大丈夫です』
アカツキ
『凄い賭けだけど行く価値はあるんですよね』
ジェスタード
『侍ゾンビの持つ刀スキル、兜斬りは今後頼りにできますゾ』
彼が言うならば取得したい
その意思を伝えると、ジェスタードさんはウンウンと頷く
するとそこで面白い出来事が起きる
周りの冒険者たちが妙にザワつき始め、俺はその視線の先を追った
そこにはこちらに歩いてくる鬼刀ザントマ・ヘラクの姿がある
流石に俺はギョッとしてしまい、体が変に強張ってしまう
明らかに俺たちに顔を向けて歩いてくるのが不気味過ぎて呼吸が乱れそうになる
ガーランドとノースは驚きながら知らない振りを決め込む
こうして俺たちの前まで来てしまったエド国最強の冒険者は俺たちではなく、ジェスタードさんに顔を向けたのだ
立ったまま、その面頬という特殊な仮面から覗かせる目は彼を睨んでいる
リリディが息を飲み込む音が聞こえた
気づけばロビーは静寂に包まれていたことに、俺は今更気づいた
ジェスタード
『おや?誰かと思えば』
彼はそう告げるとそれは起きた
なんと鬼刀ザントマは、俺達が反応出来ない速度で抜刀し、ジェスタードさんの顔面を狙う
突拍子の無い行動に驚いていると、ジェスタードさんは刀の鋭い突きを顔を剃らして避けていた
風圧が俺たちを通過し、耳鳴りが大きくなる
速すぎる…。何かが起きた時にそれは終わっているように見えたんだよ
動体視力強化があってしても全然見えない!なんだその速度!?
ジェスタード
『少し早くなりましたネ』
ザントマ
『…』
少し?理解が追い付かない
先ほどの攻撃を避けるジェスタードさんも凄まじいよ
周りで見ていた冒険者たちは、時が止まったかのように固まっており、動きそうもない
ここまでの無音の状態は初めてかもしれないな…
するとザントマは刀を引き、鞘に納刀すると舌打ちをした
その時に俺は少し疑問が浮かんだ…
ジェスタード
『ザントマさん、良い話があるのですが』
その言葉にザントマは首を傾げる
ジェスタードさんは俺に顔を向け『彼女は信頼できる者だ』と告げた
ザントマ
『…』
ジェスタード
『あなたの不眠症の悩みを彼が解決できます、安眠スキル欲しくはないですか?』
俺達は驚愕を浮かべる
まさか、喋るのかと…
いやしかしジェスタードさんが信じる者ならば大丈夫なはずだ、俺はそう思うことにした
ザントマは立ったまま腕を組む
俺達は重たい空気に口を出すことが出来ず、流れる会話をただ聞くだけとなった
ジェスタード
『彼らに無縁墓地カタコンペルの入場許可を出してほしいのデス、あそこは立ち入り禁止区域なのは承知の筈』
ザントマは頷く
ジェスタード
『侍ゾンビのスキルである兜割り会得にはあそこにいくしかないデショウ、許可を彼らに与えるだけでいい…無事アカツキ殿がスキルを取得できた後に貴方の不眠を解消する安眠スキルを提供する筈です』
ザントマは一向に口を開かない
どうやら俺たちが行こうとしているコンペルンは普通に入れない場所だった
入るためには入場許可がいる、それを行使できるのはここにいる鬼刀ザントマなのだ
彼は面頬から驚いた眼を俺に向けてくる
凄いジロジロ見られ、凄い緊張する
『彼の素性を絶対に極秘にするならば』とジェスタードさんが告げると、ザントマは直ぐに頷いた
ここではそれ以上の話は出来ないと知るや、ジェスタードさんは場所を変える
何処にしたかというと、ギルドの応接室を借りたのだ
それはザントマが職員に2つ返事で了承してもらうという凄い待遇を見れたのも正直驚きだ
しかも奥からギルマスらしき人が慌ただしく現れると、彼は汗をダラダラ流しながら丁寧に皆を応接室に案内したんだ
何者なんだ?ザントマって
大きなテーブルを囲むように座る、壁は白く、先ほど見たギルマスがニコニコしながらブイサインしている壁画が気になるところ
奥のほうにザントマが座り、唸り声をあげているが
その唸り声は…
ザントマ
『何者なのだ?グリモ』
ティア
『女性!?』
やはりな
凄い若々しい声だ
それには俺達全員が驚く
しかもジェスタードさんの本当の名を愛称らしき呼び名だ
ジェスタードさんはため息を漏らし、口を開いた
ジェスタード
『その呼び名は恥ずかしいデス』
ザントマ
『私と結婚するのだ、愛称でもいいでしょう?』
リリディ
『結婚!!??』
リリディ、何故立ち上がる?
リュウグウが無理やり彼を座らせると、リリディは小さい声で謝りながら静かになる
ジェスタード
『まぁ吾輩に勝てれば結婚しても良いといいましたが、私には家族がいるのですよ?』
ザントマ
『いつまで家族ごっこをしている?いないのは知っているぞ』
いない?どういうことだ?
だがそれの答えは今わからないだろうな
首を傾げていると、2人の会話が応接室を飛び交う
ジェスタード
『まさかここまでそなたが強くなるとは思いませんでしたのでね、唯一吾輩の顔を知る人』
ザントマ
『私は覚えているぞ、あの火事で助けてくれた時をね』
ジェスタード
『いまだに幼き頃の夢、朽ちず…デスか』
ザントマ
『女の根性を舐めないで』
ジェスタード
『借りに吾輩に勝てたとして、私も男ですから二言はない覚悟はシマショウ、しかしあの時の私とは違うのデス。きっとその夢も諦めるはずです』
ザントマ
『変わらないわ…』
昔に色々あったと思える会話、その会話からはザントマの恩人がジェスタードさんという感じに聞こえる
ジェスタード
『今はその話をしに来たわけじゃない、切り替えましょう…』
ザントマ
『ええわかったわ、無縁墓地カタコンペルの入場許可は出すけど…彼らは一体何者なの?』
ジェスタード
『…アカツキ殿、本当に彼女は信頼できる方であり、あなたの素性を知れば助けになる人デス…いいですね?』
俺はジェスタードさんを信頼している
真剣な顔のまま頷くと、彼は素早く本題に入った
ジェスタード
『マグナ国の冒険者チームであるイディオット、そのリーダーであるアカツキ殿にはとあるスキルがある、開闢デス』
そのスキルの名でザントマは驚きながら立ち上がり、俺を見てくる
面頬から覗かせる彼女の目はかなりのものだよ
俺は息を飲みこみ、ジェスタードさんがザントマに何故俺たちがここにいるかも説明し、それが終わると彼女はようやく椅子に座って話し始める
ザントマ
『開闢を持つ不運な救世主か、それならドロップ確定だし苦労はない、安眠スキルもようやく手に入るわ』
アカツキ
『あの…』
ザントマ
『心配するな少年、私はロイヤルフラッシュのような弱き心を持った人間じゃないわ…まぁまずはあいつを返り討ち出来るくらい全員が強くならないと駄目ね。マグナ国の英雄五傑の入れ替えの情報は私にも入ってるけど、どうみても水増しメンツね…弱い』
弱いと申すか!俺から見てもロットスターは強かったと思うけどさ
ティアマト
『あんた何者だ?』
ザントマ
『ナンパするにはまだ早いわよ坊や、とりあえず明日の夜には無縁墓地カタコンペルの警備をする侍騎士に連絡しておくわ』
リリディ
『侍騎士に?なぜ上級騎士にそのようなことを話せるのです?』
ザントマ
『私が強いからよ』
清々しく言い切った
素性を明かさない気だな、まぁ今はまだいい
これでリザードマンを倒す為の技を取得する下準備が出来るということだ、運が良い
ジェスタード
『話が進みそうデスね、なら私はこれにて』
彼は立ち上がり、その場を後にしようと歩き出す
すべての視線がジェスタードさんに集まった瞬間、ザントマが呼び止めた
ザントマ
『あなたは何でいつまでも顔を隠すの?』
ジェスタードさんは静かに振り向いた
顔は見えない筈なのに、何故か俺の体に強い鳥肌が立つ
仲間たちも全員同じ監視の筈だ、顔を見ればわかるよ
ジェスタード
『…そなたはとても良い女性だ、しかし私には勿体ないんデスよ』
ザントマ
『誤魔化さないで』
ジェスタード
『そのままのそなたでいてほしいという吾輩の願い、どうか感じてほしいデスね』
彼はそのまま俺たちに背中を見せると、静かに応接室を出ていく
その時の背中は何故か悲しそうな雰囲気を漂わせていた、そう感じたよ
しばらくザントマ…さんが唸り声をあげて考え込むと、リリディが気難しそうな顔を俺に向ける
リリディ
『明日の夜、らしいですよ』
アカツキ
『なら明日は夜まで待機だな』
ティア
『リュウグウちゃん買い物行こ?』
リュウグウ
『し…仕方ない』
ザントマ
『アカツキ、貴方はそのスキルで何を願う?』
アカツキ
『え?願う?』
ザントマ
『その様子じゃまだまだね。私は明日の夜に無縁墓地カタコンペルの入口で待つわ』
アカツキ
『はい…そう言えばジェスタードさんとどんな関係なんですか?』
ザントマさんは小さな笑い声を出すと、直ぐに答える
ザントマ
『彼の一番の理解者よ』
ティア
『片思い…ですか!?』
食い付くのか!?ティア?!
ザントマ
『複雑な両思いよ、彼の昔話は私からは言えない、私の昔話も彼がいるから言えないわ…』
ザントマさんはそこまで話すと立ち上がって応接室を出ようとした
ドアノブを回し、ドアを半分開けてから此方に顔を向けてから口を開く
ザントマ
『無事に会得したら私の為に動きなさい、私からのお願いはそれだけよ。あと私の声や性別は極秘よ、もし他言したら明日はない』
彼女はそう言い残し、部屋を出ていった
ようやく肩の力が抜け、誰もが一息つく
最後の言葉は少し威圧があって怖かった、きっと本気だ
リュウグウ
『あんな女、いるのか』
ティア
『凄い空気が重かったね…、アカツキ君は平気?』
アカツキ
『俺は大丈夫だ。それよりだけど』
リュウグウ
『信用していいのか?まぁ布袋の変態の知り合いというならば頼りにしてもいいのかもしれないけど』
彼女は気難しそうな顔を浮かべ、そう答える
俺はジェスタードさんの信頼を得ているのだからきっと大丈夫だと、皆に告げた
あの人が半端な人を信頼するはずがないのだからな
リリディ
『となれば、明日決行ですね?』
彼はやる気満々のようだ
そこで俺たちは応接室を出てから近くの定食屋に足を運び、皆でから揚げ定職を食べながら作戦会議をした
定職が俺たちのテーブルに来た時のリュウグウの顔はとても幸せそうだけど、多分好物だな
ティア
『まずリザードマンは単体ではいない、複数体で行動する魔物だから私達にはキツイ相手よ』
アカツキ
『1体ならばいいが、2体となると相当辛い』
リュウグウ
『3体となると逃げるしかないわね、魔物ランクCだし』
俺達は強くなっている、しかしCの魔物を複数体相手になんかしていられない
それにリザードマンは頑丈な鱗でできた皮膚をもっているため、斬撃は殆ど刃を通さない
打撃はソコソコらしいがダメージソースになるかは不明だ、有効なのは突きである
あとは魔法は普通に有効だってのは安心だ
リリディ
『真空斬を使ってくるので要注意ですよ皆さん』
ティアマト
『武器は片手剣か、まぁ良いだろう…そのリザードマンに有効な刀技を持つのが無縁墓地カタコンペルにいる侍ゾンビの兜割りだな』
ティア
『リザードマンを倒す為の手段を増やすって事で考えてね、今の私達じゃ有効な攻撃方法はリリディ君のシュツルムにリュウグウちゃんの槍花閃ね』
ティアマト
『手段は増えりゃ戦いやすいな』
ティア
『そだね』
アカツキ
『侍ゾンビは耐久力は無いが他の能力値は高いと聞く、油断はするなよ?』
リリディ
『1体だけならばいいですが…問題はデュラハンですよ』
彼は溜息を洩らした
魔物Bランク上位であるアンデット種デュラハン
ジェスタードさんからの口からは今の俺たちじゃ倒せないようだし、遭遇したら逃げるしかないな
そのランク帯での下位ともいわれるミノタウロスですら倒せないんだから無理は出来ない
《ジェスタードの野郎の信頼があるならば許すが…あの野郎は何者だ》
アカツキ
『…お前でもわからないか、ザントマは』
《まぁあいつも強いのは確かだ、だが気品がある感じはどことなく察するもんはある》
アカツキ
『何かわかったのか?』
《予想してるだけさ…、もし当たってたら嬉しい誤算だ》
まぁこいつは答えを言わない
それが予想できるから聞くことを俺はしなかった
から揚げを食べ終わり、俺は満腹感を仲間たちと堪能し始める
比較的冒険者が多い定食屋であるため、結構賑やかだな
隣の席の冒険者たちは微笑ましい感じの会話をしているのを、俺は盗み聞ぎしていた
『Dランク昇格祝いだ!今日は食おうぜ!』
『やったね!これで稼ぎも良くなるわぁ』
『うむ!無理せず頑張ろう』
5人組の冒険者だ、聞いているだけで心が穏やかとなる
ティアが何故か俺を見て微笑んでいる、可愛いなぁ
しかしだ
そう感じていると思いもよらない奴が店内に入ってきたのだ
リゲル
『疲れた』
クワイエット
『本当に疲れたね、ロットスターさんは光の速さで逃げるし…』
どう考えてもマグナ国聖騎士の2人ですね、はい…
俺達は驚きながら体を固まらせる、だけどあっちは気づかないまま近くの開いているテーブル席に座ると、2人同時に深いため息を漏らして愚痴をこぼしはじめる
クワイエット
『五傑なのに…』
リゲル
『あの指示聞いたか?お前らは穏便に街に滞在して情報を流せ、だってよ。誰が流すかよ』
クワイエット
『本物の五傑に守られてちゃ近付けないよ…』
リゲル
『まぁそうだな、相当な極秘な作戦なのはわかるが少しは教えてくれてもいいんじゃないか?体張ってるんだぞ!』
店員が彼らに水の入ったグラスを持っていき、渡す
するとリゲルとクワイエットは同時に一気に飲み干したんだ
相当気がたっているようだ
だけどもまだ俺たちに気づかない
このまま逃げたいけども、絶対にバレる…時間の問題だ
リゲル
『だけどよ、やっぱ昔の五傑って凄いな』
クワイエット
『俺、サイン貰ったよリゲル』
クワイエットはウキウキしながらサインしてもらった色紙を見せる
リゲル
『作戦中に何してんだよ!』
クワイエット
『ダメ?』
リゲル
『金貨10枚でよこせ』
おい!
クワイエット
『でもなんであんなにもイディオットに固執するんだろ、ロイヤルフラッシュ聖騎士長』
リゲル
『わからん、だがこの際どう考えてもロイヤルフラッシュ聖騎士長が来なければ無理だと思うぞ?』
クワイエット
『あの人でも勝てそう?』
その問いに、リゲルは悩んだ
リゲル
『…だが、今の五傑1人だけなら駄目でも、複数ならどうだ?ロイヤルフラッシュ聖騎長なら動かせるとは思わないか?』
クワイエット
『そこまでして動かせても大事になるから迂闊にできないんじゃないかな』
リゲル
『だよな…ロットスターさん以外は聞いたことない名前の奴らばっかだし信頼ならねぇしよ』
クワイエット
『だよね、上官達は昔の五傑は凄いと感じさせるものをもってたって言ってたけど、今の五傑はなんだか微妙に憧れたいと思えないな。女性の人は可愛いかったなぁ』
リゲル
『面食いかよお前。、強いのは確かだが憧れるかと言われるとなんともいえん…ロットスターさんのいる魔法騎士会も前の魔法副騎士長が消えてから衰退してるらしいし、どうなるんだか』
《あのバカ!!!止めろ兄弟》
俺はテラ・トーヴァの声でハッとした
リリディが彼らに近寄っていたからだ、止めるにはもう遅い
リリディ
『教えてください!魔法騎士の昔を』
リゲルとクワイエットは目の前にいるリリディを見て、口を大きく開けて驚きを顔に浮かべていた
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