第67話 貴族交流編 3 強敵戦

ミノタウロス、身長は3mと大きい人型獣種である


頭の側頭部からは湾曲した大きな角、黄色いモヒカンと少しお洒落な髪型をしていた

体は全体的に灰色であり、両腕と両足は黄色い毛で覆われており、両肩部には白い円状の模様がある

筋骨隆々とした細マッチョ、尻尾は1m半ほどだ

両腕に握るは細長くて刃が大きな大斧を持つ


Cランクのトロールの馬鹿力を持ち、素早さと耐久力を兼ね揃えている魔物相手に俺達は逃げる手段を選べない


ガーランド率いる羅生門が大怪我をして動けないからだ

助けるしかない、見てしまった以上はな


魔物ランクBという魔物の中でも下位と言われてもその強さは確実に上位種

俺は光速斬で駆け出した


『うおぉぉぉぉぉ!』


『ウモォォォォ!』


共に叫ぶ

奴は大きく細長い大斧を横殴りに振り、俺を両断しようとした

この時、俺は自身のスキルに感謝したくなったよ


スピード強化のレベルは3、そして高速斬のレベルは1

アビリティースキルによって俺の高速斬の叩きだすスピードはより増している

技スキルにスピードスキルの恩恵が無ければ俺はきっと両断されていただろうな


『ぐぉっ!?』


間一髪、奴の攻撃が届く前に低い姿勢で股下をくぐりぬけながらも、太ももを刀で斬って通過した

しかし、あまりにも硬すぎて掠り傷しか与えることが出来なかった


『モッ!』


《よけろ兄弟!》


テラ・トーヴァの叫び声が俺の脳内に響く

ミノタウロスが振り向きながら放物線を描くように大斧を振り、俺に攻撃してくる


ティア

『ショック!』


ティアの雷弾が一直線にミノタウロスの背中に命中するが、当たった筈なのにちょっとも痺れる様子を見せない

マジか…、まさか状態異常耐性持ちなのか?


『グモォォォォ!!』


『うわっ!!!』


後方に飛び退き、間一髪で避ける事が出来た

するとミノタウロスは間髪入れずに走り出し、俺に迫ってくる

速い…、飛び退いて距離を取ろうとした俺にもう辿り着きそうだ


『チェーンデストラクション!』


リリディの両肩部の上の部分に黒い魔法陣が現れると、そこから鎖が伸びてミノタウロスの両腕にがっちりと巻き付いた

それによって奴は一度足を止め、僅かに後ろにいる俺の仲間達に顔を見せると、腕に力を入れて振り、鎖を切ったんだよ


リリディは驚きを顔に浮かべ、小さな舌打ちをする

その一瞬の隙にリュウグウが素早くミノタウロスの懐に潜り込み、顔を狙って槍で突くが、ミノタウロスは顔を横に振って彼女の攻撃を避けた


リュウグウ

『くっ!!!』


ティアマト

『さがれリュウグウ!連続斬り!』


ティア

『ショック!』


ティアマトは飛び込んでから叫ぶと、素早い2連斬りを放つ

ミノタウロスは大きな大斧を前に出してそれを防ぐが、ティアのショックは奴のガードの隙間を通って胴体に命中した


2回目でもミノタウロスまったく痺れる気配を見せない

ティアはそれでも諦めずに、再びショックを撃とうと準備し始めると、ミノタウロスの持つ大斧が発光し始めた


何をする気だと誰もが警戒を高め、一度退こうとした


《しゃがめ!死ぬぞ!》


アカツキ

『みんなしゃがめ!!!!』


荒げた声で叫ぶと同時に仲間は一斉に姿勢を低くしてしゃがんだ

リリディはしゃがむというよりは、床に伏せた

その瞬間、ミノタウロスは一回転しながら両手の大斧を大きく振り、円状に広がる真空斬を放ったのだ

俺達の頭をかすめたその真空斬は、近くの木々を容易く斬り倒すほどの威力を見せる


リュウグウ

『…これは』


ティア

『くらったら即死だね』


きっと容易く両断される

俺達はBランクの魔物との交戦は鬼ヒヨケのみ、幸いな事にこいつはBランクの中では下の部類

それでも圧倒的な力過ぎる


『ウモォォォォ!』


ミノタウロスはすぐにこちらに一直線に走ってくる

翻弄するために俺は光速斬を使おうとした瞬間、リリディが前に飛び出して腕を伸ばす


リリディ

『シュツルム!』


黒い魔法陣から黒弾が放たれるが、ミノタウロスは避ける素振りすら見せずに突っ込んでくる

走るミノタウロスに黒弾が直撃。爆発が起きて爆風と砂煙がこちらに流れ込んで来た


ティアマト

『野郎…直撃だぞ!?』


アカツキ

『なんで避けなかった!?』


驚愕を顔に浮かべていると、その答えが向こうからやって来た

雄叫びを上げながらも煙の中からミノタウロスが鬼の形相で現れたのだ

僅かに体にダメージを受けており、血が多少流れているのだが…


《流石の耐久力だぜ!油断するな!攻撃を当て続けろ!!!》


アカツキ

『お前ら!攻撃を当て続けろ!』


リュウグウ

『言われなくとも!!』


ミノタウロスが俺達の場所まで辿り着くと、掲げた大斧を振り下ろしてきた

誰もがそれを左右に飛び退いて避ける、奴の攻撃で地面が僅かに揺れているのがわかる

パワーは鬼ヒヨケ以上、しかしスピードは同じくらいだ…


今の俺達ならば見える!


リュウグウ

『鬼突!』


彼女はミノタウロスの攻撃後の隙に懐に潜り込み、腹部に槍を突き刺した

鬼突という貫通力を増加させた技であっても、槍の歯が隠れる程度しか刺さらなかった


リュウグウ

『なっ!?頑丈過ぎる!』


彼女は直ぐに槍を引き、ミノタウロスの横殴りに払う大斧を跳躍して避けた

すると奴は素早く大斧を持つ両手のうち、右腕で宙にいるリュウグウを斬ろうとした

空中で避ける事は無理だ


すかさず仲間のカバーが入る


アカツキ

『地斬鉄!』


ティア

『ショック!』


リリディ

『シュツルム!』


刀を振り下ろして地面を斬ると、地面を這う縦の斬撃がミノタウロスに襲い掛かる

その技は奴の足に触れると僅かに血しぶきが飛び、一瞬狼狽えていた

まったく喰らわないわけじゃない、ダメージはあるんだ


ティアマトが飛び込むと、狼狽えていたミノタウロスがすぐさま大斧を振り回して近づかせまいとする

リリディがシュツルムを放ち、黒弾が大斧に直撃する


『ウモッ!?』


それでも奴は離さない

大斧は弾かれ、ミノタウロスはバランスを崩した


『鬼突!』


リュウグウが一気に突っ込み、槍で右太腿を貫いた


『ラビットファイアー!』


ティアの火魔法、細長い熱交戦は5つミノタウロスの胴体に直撃し、奴は苦痛を浮かべる


ティアマト

『連続斬り!』


ティアマトが一気に懐に潜り込むと胴体を素早く2回切り裂いた

深手とはいかないが、それでもミノタウロスは斬られた部分から血を流す


『ウモォォォ!』


奴は大斧を振りかぶり、ティアマトを両断しようとした

そうはさせまいとリリディが飛び込み、大斧に木製スタッフをフルスイングする

どう考えても木材と金属じゃ話にならない


だがしかし、彼の武器は特殊なんだ


『賢者バスター!』


荒げた声で叫ぶリリディは全力で木製スタッフを大斧にぶつけた

結果は相殺だ、だがリリディは吹き飛んで転がっている


《兄弟!!》


『光速斬!』


俺は加速し、態勢を立て直そうとするミノタウロスに斬りかかった

意識が別に言っていたこともあり、俺の攻撃は見事にミノタウロスの脇腹を切り裂くことができた

堅い、だけども他の部分よりは肉厚が感じられない!


リュウグウ

『鬼突!』


リュウグウも側面から胸部に向けて槍を刺そうとする

だがそれは避けられ、彼女は蹴られて吹き飛んでいった


心配している暇はない、終わってからだと思いながらも再び攻撃をしようと俺は大声を上げ、ミノタウロスの注意を引く

別に俺が攻撃するわけじゃない、仲間は沢山いるからな


リリディはヨロヨロと立ち上がり、腕をミノタウロスに伸ばしていると、ティアマトが怒号を上げながら片手斧を全力でミノタウロス顔面に叩きつける

深く切り裂かれ、ミノタウロスは悲鳴を上げながらも前屈みになった


ティアマト

『がっ!!』


奴は回転しながら尻尾でティアマトを地面に叩きつけると、リリディが放ったシュツルムを大斧で切り裂き、2つに割れた黒弾はミノタウロスの後方で爆発する

やはりBランク、ここまで強い奴と俺たちは戦っていると思うと、一気に鳥肌が立つよ


『ウモォォォォ!!』


ティアマト

『いっ!?』


目の前で倒れているティアマトに向かって、ミノタウロスが掲げた両手の大斧を振り下ろす

不味いと悟ったティアマトはごろごろと転がりながらそれを避けた

大斧が地面に叩きつけられたことで多少近くが揺れている、凄い馬鹿力だ


驚いていると、ミノタウロスは僅かに後ろに下がってから俺たちを睨み始める

少し息が上がっているようにも思えるけども、それ以上に俺たちは疲れている


リュウグウ

『ぐ…』


ティア

『無理しないで、リュウグウちゃん』


リュウグウ

『平気だ…それよりもこの化け物を倒さないと』


リリディ

『そうですね…っ!来ます!!』


リリディは叫ぶ

ミノタウロスは怒号を上げ、大斧を振り回しながら襲い掛かってくる

俺は全員に、避けることに集中しろと告げる

計画性のない攻撃であるのは火を見るよりも明らかだったからだ

そんな攻撃を避けながら攻撃に転ずるのは今の俺達には危険すぎる


強張る体を深い呼吸で正そうとし、不器用に呼吸をしていると、大斧が俺の頭上から振り下ろされた

俺は動体視力強化とスピード強化がある、避けれる

少し自分の事に意識を取られて危なかったけども、真横に跳んで避けることができた


リュウグウ

『まだ元気だぞ!!』


アカツキ

『当たり前だ!Bだぞ!!!』


ティア

『ミノタウロスはそのランク帯の下位だとしても凄い強いよ!みんな逃げるんだから!』


Bランクを倒す冒険者というのは限りなく少ない

俺たちの国、グリンピアではエーデル・ハイドだけだ


あとはクローディアさんにシグレさん、そして俺の父さんぐらいだよ


モグラ叩きのように、何度も大斧を地面に叩きつけて俺たちを襲い掛かるミノタウロスは息を荒げながら転々と狙いを変えていく

もの凄い破壊力のある攻撃に誰もが息を飲んでいる筈だ、大斧が地面に叩きつけられる度に僅かに地面が揺れるからな、そして地面割れてる…凄いパワーだ


《慣れてきたら攻撃しろ兄弟!こいつはキレると倒すまで止まらねぇ!》


アカツキ

『みんな!慣れてきたら攻撃に転じろ!きっかけは俺が作る!』


リリディ

『頼みますよ!』


リュウグウ

『ぐ…、吹き飛ばした借りを返してやる!』


『ウモォォォォォ!』


怒号を上げながら、がむしゃらな攻撃をするミノタウロスを見ていると、ふと気づいた

何度か攻撃すると僅かに動きが止まる、それが攻撃の火蓋になる


何度か攻撃が続き、ミノタウロスが俺を睨みながら襲い掛かる

横殴りで大斧が振られ、俺は首を狙われているとわかるとしゃがみこんだ

後ろは大きめの木、奴は右手の大斧で木をなぎ倒すことは出来ず、食い込ませた


『モッ!?』


今しかない

相手は今までにはない強い魔物、攻撃できるときにしなければ死ぬのはこっちだ


今の俺たちでは勝てるかどうかも怪しい相手

勝つために戦ってるわけじゃない


『光速斬!』


俺は加速し、ミノタウロス股下をくぐりながら刀で右アキレス腱を切り裂いた

ここなら俺の刀でも通る

パンッ!と気持ちよい音が聞こえると、ミノタウロスは木に食い込んだ大斧を離し、苦痛を浮かべて膝をついた


俺は加速を止める体力が無くて地面を転がってしまう

だがしかし、追撃は俺がしなくてもいい


ティアマト

『おおおおおおおお!』


リュウグウ

『行くわよ!』


2人が一気に駆け出し、ティアマトは振り向いたミノタウロスの顔面を連続斬りで素早く2回斬り裂いた


『ウモォォォォォォォ!』


奴は血しぶきを上げ、顔を右手で覆い隠す

間髪入れずにリュウグウが背後から鬼突で背中を突き刺した

ミノタウロスが暴れると、彼女は慌ただしく槍を抜いて一度飛び退く


『ラビットファイアー!』


ティアの魔法がミノタウロスの体に前段命中し、奴は火だるまのまま手を振ってその場で暴れ始めると、リリディは高く飛び上がり、奴に腕を伸ばして叫んだ


リリディ

『シュツルム!』


黒い魔方陣が現れると、そこから黒弾が放たれる

アキレス腱を斬られたミノタウロスは避けることが出来ず、大きな黒い爆発の中に消えていってしまう


黒煙の中から斧が飛んでくる

左手に持っていた斧だな…

爆風でリュウグウとリリディが多少吹き飛ぶが大丈夫だろう


俺は肩で息をしながら立ち上がり、刀を構える

まだ気配がする、死んでいない


ティアマト

『な…なんちゅうタフネスだよ!』


ティア

『Bの下位でもこんな強いんだね…』


アカツキ

『っ!?』


『ウモォォォォォォ!』


黒煙の中からミノタウロスが姿を現す

体中から血を流しているけどさ…全然動けてるじゃん!!なんだこいつ!?

それには誰もが驚愕を顔に浮かべ、動きを止めてしまう


直ぐに動くべき、しかし今それが出来ない

こんな耐久力がある魔物なのかと感心したくなるよ

だけども予想とは裏腹に、ミノタウロスは右足を引きずりながら逃げていったのだ


《追うな兄弟!今のお前はパワー不足だ!眼鏡小僧の黒魔法の威力ならば本当は倒せる!だがミノタウロスは黒魔法耐久が高い!それがなきゃ倒せたけど今は逃がせ!》


アカツキ

『追えると思うか?』


《無理だろうな、お前らもう疲労困憊過ぎる…よく動けたよ》


森の中に必死で逃げるミノタウロスの姿が見えなくなると、リュウグウとティアはホッと胸をなでおろしながらその場に座った

ティアマトは両手をだらりと垂らし、大きな大きなため息を漏らすと倒れるようにその場に座り込んだ


今になって体が震えているのがわかる

怖かった、明らかに絶対に殺すという殺意を無意識に感じていた

こちらも興奮していて気づかなかったが、凄まじい…


これがBなのか…


ティアマト

『リリディのあの爆発威力でも動くのかよ…どう考えても倒せる威力だろうが…』


リリディ

『可笑しい…もしや耐久性能が』


アカツキ

『ミノタウロスは黒魔法耐久力が高いらしい』


リリディは俺の言葉を聞き、苦虫を嚙み潰したような顔を浮かべる

相手が悪すぎた、そういうしかない

もし別の魔物なら?決まってる…シュツルムの威力で倒せていたはずさ


終わったと思うと同時にドッと疲労が押し寄せ体が重くなる

仲間を見ても、きっと同じ感覚を味わっているとわかる


ふと奥に目を向けた

ガーランド達は無事のようだが、凄い剣幕で俺たちを見ている


何故逃げなかったのか

それはよく見ているとわかるよ


ガーランドは傷ついた仲間の前に立ち、剣を構えていた

なるほどな…足は非常に震えているけども仲間を見捨てない根性はあったわけだ

根っこから悪い奴ではないのを悟り、俺は安心したよ



アカツキ

『ティア、怪我はないか』


ティア

『大丈夫だよアカツキ君、腕出して?』


俺は首を傾げながらも自分の腕を確認する

よく見ると左の二の腕が斬られている、深いけどもミノタウロスが大斧を振り回していた時にかすめたんだろうな…

必死過ぎて気づかなかった


ティア

『ケア!』


ティアの手から緑色の光が俺の怪我した箇所に集まる

時間をかければ彼女の回復魔法で治すことが出来るのだ

骨までやられていると無理らしい、レベルが足りないからだとか


その後すぐにリュウグウの具合を見たのだが、脇腹にヒビが入っている気がする

彼女はそれをリリディに言われると、彼の頭を叩いた


リュウグウ

『馬鹿を言うな!動ける』


リリディ

『無理したら折れますよ?そうなったら完治まで長いんですから帰ったら直ぐにギルドの治療施設行きです』


リュウグウ

『グリンピアに帰るまで強くならねばならんのだぞメガネ』


リリディ

『今無理して時間のほとんどを入院にするか、今休んで残りの時間を鍛錬にするか明白でしょう?』


彼女はそれ以上何も言わず、肩を落とした


アカツキ

『ティア、すまないが羅生門の怪我人の治療を』


ティア

『わかった!!』


アカツキ

『リリディ、付き添ってくれ』


リリディは苦笑いを顔に浮かべ、ティアと共にガーランドのもとに向かう

俺は刀を鞘にしまい、ティアマトと共に大きな木に食い込んだミノタウロスの大斧を眺める

大きいな…よく振り回していたなこんなのさ…凄い筋力だ


ティアマトは片手斧を腰のホルダーにしまい、両手で大斧を引き抜こうとしている


リュウグウ

『馬鹿か?ミノタウロスが抜けなかったんだぞ』


ティアマト

『おらぁぁぁぁぁぁ!』


なぜ止めない?ティアマト?


リュウグウは呆れた顔を浮かべながらため息を漏らし、脇腹を抑えながらもっともなことを口にする



『お前の武器は飾りか?』



ティアマトは真顔でリュウグウに顔を向ける

まぁそうだよな、抜き方はいくらでもあるし


俺はガーランドたちが気になり、近づいてみた

彼は心配そうに怪我をした仲間を見守っているが、ティアの回復魔法で多少なりとも回復はしている

怪我の状況はこんな感じだ


冒険者チーム『羅生門』(Dランク)

ガーランド・ヴィルムット 片手剣士 かすり傷

ミシェル・ロドリー    片手剣士 右足骨折

ノース・カミール     鉄鞭師  右肩の脱臼

キャルミラ・ハーレン   魔法使い 捻挫


脱臼はリリディが無理やりはめこんでいたけども女性なので涙目で凄い痛そうにしてる

骨折しているミシェルは足の傷は治っても骨折は無理だ、ガーランドはそれでもマシになった仲間を見てホッとしている


ガーランド

『大丈夫か、ミシェル』


ミシェル

『あぁ・・くそ!痛みはあるけども心配しなくても大丈夫よ』


キャルミラ

『回復魔法凄いわぁ…痛いけど歩ける』


そうした会話を聞きながら、俺はとあるものを目にとらえる

ガーランド達に横取りされたトロールの鉄弁が近くに転がっていたのだ

今更それに関しては何も言う気はない、気持ちを切り替えよう…


《近くに魔物はいねぇ、心配すんな兄弟…ここは退こう》


『そうしよう』


ガーランド

『その…あの…』


『?』


俺は振り向くと、ガーランドが気まずそうな顔を浮かべて俺の前にいた

どうした?と声をかけるとちょっとした会話をすることになったのさ

そこであれは俺たちに対する接し方を大きく変えることとなる


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