第43話 虫虫虫編 2 英雄はいる
…………………
アカツキ・ライオット
☆アビリティースキル
スピード強化【Le3】
気配感知 【Le2】
動体視力強化【Le2】
☆技スキル
龍・開闢 【Le2】
居合突 【Le2】
光速斬 【Le1】
☆魔法スキル
称号
・・・・・・・・・
リリディ・ルーゼット
☆アビリティースキル
打撃強化【Le3】
気配感知【Le3】
麻痺耐性【Le3】
スピード強化【Le2】
☆技スキル
ドレインタッチ【Le2】
骨砕き 【Le1】
☆魔法スキル
風・突風 【Le2】
風・カッター 【Le2】
黒・シュツルム【Le1】New
黒・チェーンデストラクション【Le1】
称号
リトル・クルーガー【黒】
☆称号スキル
毒耐性【Le1】
動体視力強化【Le1】
・・・・・・・・・・・
ティアマト・ウロボリス
☆アビリティースキル
斬撃強化 【Le2】
気配感知 【Le2】
耐久力強化【Le1】
毒耐性 【Le4】
スピード強化【Le1】
☆技スキル
連続斬り【Le3】
鬼無双 【Le2】
☆魔法スキル
称号
・・・・・
ティア・ヴァレンタイン
☆アビリティースキル
安眠 【Le1】
気配感知【Le2】
麻痺耐性【Le1】
スピード強化【Le1】
☆技スキル
☆魔法スキル
火・ラビットファイアー【Le2】
雷・ショック【Le2】
木・スリープ【Le2】
風・ケア 【Le1】
称号
パナ・プレイヤー
☆称号スキル
デバフ強化 【Le1】
自然治癒 【Le1】
スピード強化【Le1】
・・・・・・・・
ティアと共に応接室の中に入ると、ティアマトとリリディもいた
彼らが何故いるのかはわからないが、いたのは彼らだけじゃなかった
奥のテーブルにも誰かがいた。
神官のような服を着た高齢の女性、その両脇に騎士がいる。
腰から垂れるマントには光り輝くような模様の刺繍がされている
『まぁ座りな。話を聞いてくれってよ』
ティアマトが腕を組みながら言った
俺とティアは何が起きるのかと不安な気持ちのまま椅子に座る。
同時に奥のドアからクローディアさんが入ってきて、
そのまま近くの椅子を隅っこに動かして座ってこう言った。
『来たようね。休みなのにごめんなさいね…ティアちゃんならわかると思うけど、彼女は回復魔法師会長のテスラさんよ』
ティアが驚いている。
『手紙は今朝着たばかりなのに・・・』と彼女は呟く。
テスラ会長は真剣な顔でこう言った。
『回復魔法師会会長のテスラ・アンドラと申します。
手紙を出した後、直接お話をするべきだど思い直し、こうしてこちらに伺いました。
回復魔法師の称号持ちは希少で、現在国内では10名しかいません。
あなたを含めたパナプレイヤーは8名。
その上位のグレイス・ノアになると、私を含め2人だけです。
送った手紙は読んでいただけましたか?』
『はい、読みました。回復魔法師会の会員になれば、
毎月金貨10枚を頂ける上に、依頼に応じて都度、高額な報酬を頂けると…』
いい話過ぎる。
回復魔法をただ使うだけでいいからね
金額が高い理由?単純だよ、魔法で怪我を治すなんて凄いことなんだから
騎士の2人はなんだか険しい顔をしている・・・が、騎士なんてものはいつもそうだ
そんな顔されると、こちらも無駄に警戒してしまいそうになる
『もし回復魔法師会に加入いただけれるのであれば、毎月の手当はもちろん、家賃・食費・諸々の生活費を生涯にわたって保証させていただきます。不都合があるとすれば・・・住居は回復魔法師会の拠点内の部屋になるため、コスタリカに移住してもらうことくらいでしょうか・・・』
『超いい話だな』
ティアマトの言葉に、テスラ会長は微笑みながら小さく頷く
彼女はそのまま視線をティアに移し、話しを再開した
『コスタリカには回復魔法師会の他にも、魔法騎士会に聖騎士会、貴族騎士会や冒険者運営委員会など、様々な団体が本部を構えています。
リリディが手を上げる
『一つ質問をしても良いですか?テスラさん』
珍しいなと思いながら見ると、彼は真剣な顔をしていた
『関係ない話で申し訳ないのですが、魔法騎士会に関してです』
『良いですよ、どうしましたか』
『魔法騎士の中でここ数年で脱退させられた人間はいますか?』
『ここ数年ですか?そういった話は聞いたことがないですね。もっとも、他の協会の1会員の去就に関する情報は、よほどその人が有名な方でなければ、ほとんど話題になることはありません・・・。』
彼女は真剣な顔をすると、うつ向いたまま、こう続ける
『魔法師協会関係で話題になったのは、随分前ですね。数十年前にずば抜けた技量をもつ魔法騎士がいて、忽然と消えたことがありました。コスタリカで話題になりましたが、他協会の話ですし、何が起きていたのかわかりません。』
『その人がどのような方だったか聞いたことはありますか?』
リリディが食い気味に質問する
『伝聞なので真偽はわかりませんが、当時の魔法騎士長でも勝てない程の強さを持つ男性で、あのロイヤルフラッシュさんでも引き分けになったようです。私が知るのはそれくらいで、名前や人柄はわからないですね』
現在の聖騎士長は黒豹人族のロイヤルフラッシュさんだ。彼は現在、この国で最も強いと言われる英雄五傑の中の1人。
数十年の話なら、彼の強さは完成されていないだろう。それでもその魔法騎士がロイヤルフラッシュさんと引き分けになる程の強さだったことに誰もが驚く
リリディ
『詳しい話は魔法騎士協会の関係者に聞くしかないという事ですね』
テスラ
『そうですね』
話の間、リリディの顔は真剣なままだった
そしてティアの話題に戻る
テスラ会長はティアに返事を促した
彼女の答えは・・・ノーだった
テスラ会長は苦笑いするのみ
意地でも引き入れる気は無いようで安心したよ
話は穏便に終わると思っていると、そこで面倒な奴らが口を開く。騎士の2人だ
『協会の誘いを断るだと?』
『上級国民でもあるテスラ会長が自らご足労頂いたにもかかわらず、それを無駄にする気か女!』
威圧的だ。テスラ会長は彼らを止めようとするが、それよりも早く動いた女性がいた
『次に同じ口叩いたら動けない体にするわよ?ここどこだと思ってるの馬鹿騎士供!』
クローディアさんが凍てついた目で騎士達を睨む。その顔は俺達から見ても怖い・・・
『くっ…』
その気迫に負けて流石の騎士2人は口を閉じた
クローディアさんは一体何者なんだろうか?
ロイヤルフラッシュさんとも話していたし
謎が多い女性だよ本当に
『手紙だけでは難しそうなので、直接お伺いしましたが・・・やはり駄目でしたか』
テスラ会長は椅子から立ち上がると、ティアに微笑んで話を続ける
『まぁ時がたてば色々と環境は変わりますから・・・その時にまた来ますね。
人は皆、己の生き方を自由に選ぶべきであると、
私たち回復魔法師会は考えています・・・・・・他の教会と違ってね。』
『すみませんテスラ会長。私にはまだしたいことがたくさんあるんです・・・』
『そうでしょうね・・・ですが気を付けてください。
あなたのような力を持つ者を手に入れようとする権力者はこの国に沢山います。
そして協会同時は仲良くはありません・・・力を手に入れるために姑息な手を使う者だっているでしょう。
貴方達にご加護をあらんことを。
私は帰りますが、また何かあれば来ますね』
くんのかい
テスラ会長が部屋を出る。
騎士2人は苦虫を噛み潰したような顔をしながら、後をついていった。
俺はホッと胸を撫でおろす
無理やり引き抜きされなくて済んだよ
クローディアさんは溜息をついていた
ティアマト
『まぁ変な事態にならなくて良かったなぁ…』
リリディ
『そうですね。しかし魔法騎士の話をもっと聞きたかったですね』
アカツキ
『リリディは何であんな質問をしたんだ?』
リリディ
『以前、似た話を聞いたので、その真相を聞きたかっただけですよ。桁外れに強い魔法騎士がいた話をね』
ティア
『これで冒険者出来るねアカツキ君』
アカツキ
『そうだなティア、ありがとう』
ティア
『えっへん!』
ティアは上機嫌、最近そんな彼女をよく見る
そうしているとクローディアさんがテスラ会長の座っていた席に座り直し、話し始めた
クローディア
『ティアマト君とリリディ君を用事で呼んでいたところにテスラ会長が来たの。まったくの偶然だけどね』
ティア
『え?そうなんですかクローディアさん』
クローディア
『そうよティアちゃん、んで悪いけども本題よ?』
彼女はワイルドに足をテーブルに上げ、腕を組む
綺麗な太腿だ、と思っていると鋭い視線を感じた・・・ティアだな
『!?』
『クローディアさん大人だもんね』
ティアはニコニコしているが、怖い・・・これは作り笑いだと俺は光の速さで感じた
なんて言えばいいかわからない・・・が、ここは俺に対するティアの心象が変わる分岐点のはずだ
平等な評価を口にすればいいと、俺は思い、こう告げる
『ティアのも良いと思う』
凄っごい無表情の視線が俺の心に突き刺さる
生かすのか!?死なすのか!?
どっちつかずの顔はわからないからやめてほしい
ここでクローディアさんの助け舟
クローディア
『コントは終わった?それでだけどさ…魔物退治の依頼よ?最近虫が多いんだけどもそれに混ざって面倒な魔物も現れたのよ』
ティアマト
『そいつぁいい話だぜクローディアさん』
クローディア
『知りたいティアマト君?』
『何も言わなくても勝手に話すだろ?』
『そうね。ランクCのキラービーが姿を現したの。
それはランクBの女帝蜂が近くにいるということよ。貴方達にはキラービーの討伐を依頼したいわ』
キラービーか・・・ということは森のどこかにその巣があるということになる
女帝蜂とそれを守る兵隊蜂キラービー。
そして俺達の担当はキラービーとなる。
肝心の女帝蜂の討伐はエーデルハイドだってさ
あの人たちなら大丈夫だろう
『悪いけど貴方達と共に仲の良い冒険者も呼んでるからね?』
俺達は全員で首を傾げていると、彼女はニヤニヤしながらこういった
『あんた達大好きでしょ?ソード・ガーデン』
ああ大好きさ、大好きだよ!
ギルドを出た時、脱力した様子を誰もが見せる
リリディなんて見るからに嫌そうな顔をしているな
アカツキ
『明日だ。Cランクの魔物だから慎重に行くぞ』
ティアマト
『おうよ』
リリディ
『わかってます』
ティア
『私の麻痺効くかなぁ』
アカツキ
『明日になればわかるさ』
ティア
『アカツキ君それ答えになってない』
アカツキ
『だって…』
俺が困っているとリリディとティアマトがクスクス笑いだす
『ティアちゃんのラビットファイアーでも十分大丈夫だぜ?』
ティアマトがそう告げると、彼女は幾分か安心したようだ
俺達は歩きながら明日の事を話し合う
冒険者はソード・ガーデンの他にもいると聞いたけど、キラービーは何匹いるのだろうか
30㎝ほどの蜂とは聞いている
針が大きく、刺されると毒状態になるらしい
毒だけは勘弁だな
住宅街に着くと、ティアが話題を変えた
『リュウグウちゃんいるかな』
『多分いないだろうな、彼女はソロだし多分頼まれてないんじゃないかな』
『そっかぁ…』
残念そうだ
誘いたくても今回はギルドが冒険者を指名している依頼であるため、こっちが勝手に誘う事は出来ない
橋の上を歩いて渡ると、近くの奥様軍団の会話が耳に入った
『ちょっと前まで橋の下の声が聞こえなくなったと思ったのに、最近、また聞こえるわねぇ』
『でも入った途端に声が聞こえなくなるってのも怖いわねぇ』
『魔物みたいな声は消えたんだけど…』
まだ聞こえるみたいだ。街の七不思議となりそうだなこれ
ティア
『そういえばリリディ君の新しい魔法、見たいな!』
ティアマト
『まぁそうだがよ・・・なんでお前1人で無理したんだよ馬鹿が』
ティアとティアマトが彼に口を開くとリリディは苦笑いしながら答える
リリディ
『台風の日に魔物狩りですよ?つきあわせて迷惑はかけれません』
ティアマト
『馬鹿が・・・迷惑だなんて思うかっての』
リリディ
『なるほど』
ティアマト
『変に気を使いやがって・・・まぁ結果的に珍しいスキルを手にいれたみてぇだが?』
アカツキ
『俺も気になるよリリディ』
ティア
『私も!』
アカツキ
『これは天鮫の魔法スキルですね。亡くなったお爺さんの残した記録にあったので試しに戦ってみたんですよ。
本来天鮫にはスキルが無いと言われていますが、お爺さんの記録通りに条件を整えれることで獲得出来ました』
アカツキ
『倒し方って事かリリディ』
リリディ
『はい。この世界には普通に倒すだけではスキルを習得できない魔物がいて、お爺さんはその一部を知っていたようです』
ティアマト
『お前の爺さんってコスタリカに結構長居してたのは覚えてるけど何者なんだ?
小さい時に何度もあったけども優しい人だったな。』
リリディ
『僕も詳しくは知りません』
彼は眼鏡を触り、うつ向いて答える
何故かティアマトがその様子を目を細めて聞いているのが気になる
『明日頑張ろ、みんな』
ティアの声でみんなが微笑む
ティアマト
『開闢マンは何か言ってねぇのかアカツキィ』
アカツキ
『いや、特に何も…』
《兄弟、いい加減そのゴリラにテラと呼べと言ってくれや…》
アカツキ
『テラって呼べって言ってる』
ティアマト
『わぁったよ、テラは食いたいとか特に言わねぇのか?』
俺は何故か通訳だぞこれ
《キラービーを食えればいいさ。奴ら飛び回るから針で攻撃してくるときの急降下を狙え。
火には凄く弱いからティアちゃんのラビットファイアーでも十分に倒せる。
アイツらは飛び回って戦い難いからCランクにいるだけで、力はD並み。
気を付けて倒せば問題はねぇ。あーそれと麻痺は効かねぇぞ》
俺はそれをみんなに話す。
ティアはショックが効かないことを聞いて残念がるが、
ラビットファイアーが大丈夫と知って明るくなった
『みんな、明日は9時までにギルドに集合だ。呻き声橋で集合しよう』
ティア、リリディ、ティアマトが返事をする
呻き声橋とは地下水路のある俺達の近所の橋の事だ。
近所の奥様軍団がそう言っていたから俺達もそう呼ぶことにした
ティアマト
『楽しみだぜ。テラの声も聞いてみてぇな』
リリディ
『僕も気になります。まさかアカツキさんとティアさんがデートしてる最中に聞くとはね』
変な言い方をリリディがする
少し慌てている俺とティアを見たティアマトが悪どい笑みを浮かべる
ティアマト
『じゃあ俺は帰るぜ。2人の邪魔になっちまうだろうしよ』
リリディ
『僕も空気、すなわちエバーを読みますか』
ティア
『・・・エアー』
彼女はボソッと囁いたが、彼らには聞こえていない
ティアマトとリリディは自分の家に帰っていった
ティアと彼らの背中を見送り、俺は口を開く
『帰るか』
『そだね』
彼女と歩きながら俺は色々考えた
この国には沢山の協会が存在している。
テスラ会長がいる回復魔法師会
魔法に特化した騎士が所属する魔法騎士会
騎士の中でもエリート中のエリートの聖騎士会
貴族騎士が所属する貴族騎士会
警備兵が所属する国家警備協会
そして冒険者運営委員会
他にもあるけども全部言うときりがない
俺達の所属するのは冒険者運営委員会だ。普段は冒険者ギルドやギルドと呼んでいるけれど。
俺達を含む冒険者は皆、冒険者運営委員会に毎月、税を納めている
ちなみに冒険者カードは冒険者運営委員会の会員であることの証明証で、身分証としても使える、
職員達は職員カードだ。役員は役員カードとかあるのかもしれないが、そこまで詳しくない
毎月税金を払うことに不服はない。
冒険者ギルドの職員から依頼を貰い、稼いでるからな
あと国家警備協会!父さんが所属する警備兵だ
結構こうやってみると色々な組織がある
『稼がないとね!』
ティアはやる気が出たようで俺の腕を掴んでブンブン振り始める
同時に俺の心も掴みそうだ・・・否、もう既に掴まれている
きっとじゃれる感じで掴んだのだろうけども、良きかな
アカツキ
『キラービー1匹で銀貨5枚か、安くない?』
ティア
『虫だしね』
アカツキ
『かもな、ティアマトは毒耐性レベル4だし羨ましいよななんか』
ティア
『刺されても平気なのかな』
アカツキ
『刺されないのが一番だ、きっと痛い』
それにはティアも笑うしかない
こうしてティアを家に送り、俺は真っ直ぐ家に戻って夜食を食べ、寝るまで適当に時間を潰した
ベッドで横になっていると珍しく父さんが部屋に入って来た
酔っ払いだとわかる顔をしている。変に絡まれそうだと思うけども逃げ場はない
面倒臭く、上体を起こすと父さんは椅子に座りながらも、手に持っていたビールをゴクゴク飲み始めた
ここで飲むのかよ?部屋が酒臭くなるぞ?
『最近どうだ?』
ありきたりな言葉だ
何が目的なのだろうか。しかし普通に接してみるか
『今日は回復魔法師会の会長が来たんだ。ティアを誘いに来たけども断ったよ』
『ほう・・・協会の会長がか? この街にも来るなんて珍しいもんだな』
『コスタリカからちょっと遠いもんね。何か秀でた者がいるとやっぱり協会に誘われるもんなの?』
『そうだな。力を持つ者はあるべき場所でその力を発揮するべしってのが国の方針だからな・・・
昔はいたんだぞ?この街でも協会から誘われた人がな』
『いるの!?』
『まぁな。俺も冒険者時代はそこそこ強かったけどなぁ・・・上には上がいるんだよ』
父さんはあまり昔話はしない。そんな父さんが珍しく昔の話をしている
酒のせいだろうなこれ
『最初はソロの冒険者だったヒトさ…。1人でBランクの魔物ばかり討伐する人がいたんだぞ?』
『単騎で倒すの?』
『まぁ他にもやばい能力あったが・・・んで魔法騎士会から会長と魔法騎士長が勧誘に来た。
その人は2つ返事でコスタリカに行ったんだが、やっぱり強い人だったよ…』
『どのくらい強かったの?』
『どうやら魔法騎士長も負かしたらしいぞ。俺は嬉しかったな・・・
街で一番を狙ってもあの人だけに勝てなかった。
そんな人が活躍する話を耳にすると嬉しくなったものだ。やっぱり強い人なんだってな』
『それは誰なの?』
『…お前も知っている筈だ。昔の話だから忘れたのか?』
父さんはそこまで話すと椅子から立ち上がり、少し切ない表情を見せてながらドアに歩き出す
『あの人は本当に強かったよ…あのクローディアでも歯が立たなかったしな。
彼は誰にも知られていない称号を俺とクローディアにだけは見せてくれたよ…』
『それってどんな…』
俺が聞く前に父さんは別の言葉を残して部屋から出ていく
『マスターウィザードは魔法における最強の称号じゃない』
不完全燃焼な感じだ。しかし魔法騎士がこのグリンピアから排出されたことは本当の様だ
俺でも知っている人?誰だ?わからないぞ
《兄弟、俺はなんとなくわかったぜ》
『なんでお前がわかるんだよ』
《普通わかるだろ…》
わからん・・・それからテラ・トーヴァに何度聞いても内緒だと言う。意地悪っぷり発揮しすぎだろ
魔法騎士会の魔法騎士は魔法に特化しているので、実際のところ騎士というよりは魔法使いなんだよね
魔法騎士会における最高称号はマスターウィザードとされている。誰もが憧れる魔法使いの頂点だ。
魔法騎士長はその称号じゃないとなれない決まりもある
接近肉弾戦は普通の騎士に劣るものの、魔法に関してはずば抜けた者ばかりらしい
それ以上の魔法の称号は無い、記録上は・・・・
当時の魔法騎士長を打ち負かしたという人は、どんなスキル構成だったのだろうか
てかグリンピアにそんな人がいたんだ、気になるな
まぁ今、色々考えても答えは出ない
俺は明日に控えてそのまま寝る事にした。
だが、俺は学生時代の記憶をそこで思い出すべきだった
そこに答えが隠されていたからだ
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