第38話 Cランクの剛力トロール
…………………
アカツキ・ライオット
☆アビリティースキル
スピード強化【Le3】
気配感知 【Le2】
動体視力強化【Le2】
☆技スキル
龍・開闢 【Le2】
居合突 【Le2】
光速斬 【Le1】
☆魔法スキル
称号
・・・・・・・・・
リリディ・ルーゼット
☆アビリティースキル
打撃強化【Le3】
気配感知【Le3】
麻痺耐性【Le3】
スピード強化【Le2】
☆技スキル
ドレインタッチ【Le2】
骨砕き 【Le1】
☆魔法スキル
風・突風 【Le2】
風・カッター 【Le2】
黒・チェーンデストラクション【Le1】
称号
リトル・クルーガー【黒】
☆称号スキル
毒耐性【Le1】
動体視力強化【Le1】
・・・・・・・・・・・
ティアマト・ウロボリス
☆アビリティースキル
斬撃強化 【Le2】
耐久力強化【Le1】
気配感知 【Le2】
毒耐性 【Le4】
スピード強化【Le1】
☆技スキル
連続斬り【Le3】
鬼無双 【Le2】
☆魔法スキル
称号
・・・・・
ティア・ヴァレンタイン
☆アビリティースキル
安眠 【Le1】
気配感知【Le2】
麻痺耐性【Le1】
スピード強化【Le1】
☆技スキル
☆魔法スキル
火・ラビットファイアー【Le2】
雷・ショック【Le2】
木・スリープ【Le2】
風・ケア 【Le1】
称号
パナ・プレイヤー
☆称号スキル
デバフ強化 【Le1】
自然治癒 【Le1】
スピード強化【Le1】
・・・・・・・・
『うおぉぉぉぉぉ!』
俺は臆することなく 走り出した。トロール2体は、その凶悪な鉄鞭の俺に向けて振り下ろしてくる。
スピード強化が高い俺なら避けられる ! 場所は前だ!
大声を上げるトロール
俺は潰される前に素早く股下に潜り込みながら足を斬るが、浅い
足を切り落とすことが目的なら流石に 斬撃強化が欲しくなるが、翻弄するだけでいいんだ
俺は素早く立ち上がると1体のトロールが振り向きざまに鉄鞭を横殴りに払ってきた ので
飛び退いて避ける。どうやら奴は俺に狙いをつけた様だ 。
『俺が1体引きつける !頼むぞ!』
『絶対無理して攻撃すんなよ!』
『わかってる!』
ティアマトの 叫ぶ声に反応し、俺はトロールが来ると刀を構えた
我彼の力の差は歴然、鉄鞭の叩きつけで地面が大きく凹んでいる
あれを受けると一撃だとわかるぞ、絶対受けたくない
『グロォ!』
『くっ!!』
動きは鈍い、しかし大きな鉄鞭を振るのは速い
動体視力とスピード強化が無ければ、 避けれなかっただろうな
攻撃は控え、避ける事に集中していると背中に何か当たった・・・木だ!
『グロォォォォ!』
『やっば!!!』
俺はしゃがみこんで避ける。
代わりに鉄鞭を受けた木は、無残に切り倒される
それほど太い木ではないけど、 その威力を見ればゾッとする
《避けろ兄弟!!》
テラ・トーヴァの声で、視線を木から正面に戻す と、
トロールはその重そうな足で俺を踏み潰しにきていた
俺は寸でのところで横に大きく飛んで避ける。
俺のいたところの 地面は抉られ、地中の木の根が噴出していた。
ヤバすぎるだろこいつ!本当にランクCなのか…
『居合突! 』
俺は起き上がると同時に刀で真空の突きを飛ばすが、 奴は腕を前に掲げるだけでそれは弾れた。
《兄弟!こいつ硬いから半端なレベルの技は無駄だぜ!》
『早くいえぇぇぇぇぇぇ!』
『グロロロロロ!』
振り回すトロールの鉄鞭を必死に避ける
もう1体は4人もいる、あっちは…
『チェーンデストラクション!』
リリディが黒い魔法陣から鎖を伸ばし、トロールの足に巻きつけてフラつかせた
『ラビットファイアー!』
ティアが5つの火弾をトロールの顔面に飛ばし、視界を奪おうとする
それは判断として正解だ。 トロールが嫌がって顔を逸らしている。
一撃の重いトロールには 迂闊に近づけない、 だからリュウグウとティアマトは慎重になっている
俺もだ
《兄弟!こいつのスキルは打撃強化と粉砕波だ!技スキルは眼鏡小僧には魅力的だが今日出会った のは不味かったな!》
『確かにな!2体相手だと全員で戦えない』
《1体だとしてもギャンブルな戦いだ。 それが2体!ここは時間だけ稼いで逃げろ!1分ありゃあいつらも良い距離まで逃げられる !》
『わかった!』
トロールは口からヨダレを垂らしながら、鉄鞭を大振りに何度も振ってくる。俺は距離をとりつつ避け続ける。合間に居合突を顔面に撃ったところ、 トロールは顔を守るようにして目を閉じて逸らした
見事に技は弾かれたが目は嫌なのはわかった、 そこを狙って一気に 距離を取るか・・・
『グロォ!』
トロールは地面を抉るようにして鉄鞭を振った
土や石がこちらに物凄い勢いで飛んでくる。 なんて力技だよ…
腕で顔をガード し、直ぐに顔を上げるとトロールが迫ってきている
『グロロロロ!』
『多少の 知恵は働くか…』
再び振り下ろされた鉄鞭を避けるため、 奴の真横を通過しながら脇腹を斬る
やはり浅い、そして重すぎる
太い丸太を斬ったかのような感覚、本当に肉体を斬っているのか疑問になるよ
『テラ!俺1人だと勝ち目は? 』
《ねぇ!斬撃強化レベル2あればいいがな》
『ない!』
《諦めな兄弟、トロールにダメージ与えら れるのは、 現状メガネ小僧と熊小僧だけだ 》
俺はトロールの横薙ぎ の鉄鞭をしゃがんで避けつつ、 仲間達を見た
リリディがチェーンデストラクションでトロールの 鉄鞭を鎖で巻き取り、攻撃を防ぐと当時にティアがショックを命中させ、ティアマトが正面から果敢に連続斬りで分厚い筋肉を斬り裂いていた
『グロっ!』
トロールは鎖を引き千切り、ティアマトに鉄鞭を振るう 。 彼は片手斧でガードを試みるが、後方に大きく吹き飛ばされる・・・・大丈夫だ、ちゃんとガードできていたようだ
あっちのトロールは僅かにダメージがあったようだが、 こっちは元気過ぎるよ…
『グロロロロ!』
『面倒過ぎる!』
鉄鞭の叩きつけを跳んで避けた
凄い威力だ、マジで当たりたくない
走ってくるトロールの顔面に居合突をまたお見舞いし、顔を逸らせて動きを止める
無理に攻撃をしなくていい、妨害目的だ。 危ない橋を渡る事は無い
『全然元気だぜ こいつわよぉ!』
『私の槍が弾かれるだと…』
『みんな頑張って!あとちょい時間稼ごう!』
ティアマト、リュウグウ、ティアが口を開いている
あっちのトロールは脇腹から血を流しながら鉄鞭を構えて俺の仲間を睨んでいるが
こっちの方は暴れ過ぎで避けるので精一杯だよ…
《兄弟!先ずは避けろ!》
『へっ!』
俺はトロールの振り回す鉄鞭を避け、掴みかかってくる手を剣で真横に逸らして 難を逃れる
少し距離を取って警戒しているとテラ・トーヴァが口を開く
《んで次だが!》
『どうする!?』
《救援が来たぜ!お休みグッバイ!》
『はっ!!??』
俺は意表をつかれた
何処に救援なんかと周りを見渡そうとすると、それは突然現れた
森の中から何者かが飛び込むようにして、俺と相対しているトロールの首元を通過していく
『切断』
エーデル・ハイドの クリスハートさんだった
トロールの首が刎ね飛ばされ、宙に舞うと胴体は無気力に両腕をブラブラとさせて後方に転倒していった
凄い! 一撃だと!?
俺が 驚いていると、近くに着地したクリスハートさんが俺に近寄り、優しく声をかけてきてくれた
『救援弾を見かけました。 確かに君たちの 手に余る敵…さきほど逃げていた 冒険者から事情を聴き、急いで 駆け付けました、あっちも大丈夫です』
俺はもう一方のトロールに視線を 向けると彼女のチームメンバーの ルーミアさん、アネットさん、そしてシエラさんが 交戦していたのだ
『グロロロ!』
『カウンターブレード!』
アネットさんが白く発光させた剣を トロールの鉄鞭にぶつけて相殺する
トロールは、武器を弾かれた反動で仰け反り、姿勢を崩す。
ルーミアさんはすかさず 懐に潜り込み、双剣でトロールの首を 深々と突き刺した
『やっり~!』
そうしてトロールの腹部を蹴って双剣を抜くと、彼女は後ろにさがる
まだ動けるトロールだが、シエラさんのファイアーボールを全身で受けて火達磨となるとその場で鉄鞭を振り回して暴れ始めたのだ
『もう大丈夫』
シエラさんが無表情のまま言い放つ
するとトロールも徐々に動きが鈍くなり、両膝をついてその場に倒れたのだ
凄い、凄すぎる
ランクCを容易く倒したのかよ…
俺は街最強という名に納得せざるを得なかった。こうなりたいなと僅かな夢が芽生えた瞬間でもある
トロール達 の体から魔石が出てくると、 クリスハートさんはそれを俺に投げ渡してきた
『功績は君達も 物だ』
『受け取れません』
『何故でしょう? 』
『倒したのはクリスハートさん達です。 それに俺の仲間も納得しないと思います』
彼女は俺の仲間に視線を向けた
息も絶え絶えだが、誰もが口元に笑みを浮かべている。
こんな形で魔石を入手したくはないのだろう。
俺達は馬鹿だが真面目なのが取り柄だ
それを察した クリスハートさんはクスクスと笑うと俺に近寄ってきた。魔石を彼女に渡す。
ルーミアさんはニヤニヤしながら口を開く
『良い感じに立ち回ってたねぇ。ちょっと観察してたけど、アカツキ君 素早いじゃん!』
アネットさんも追随する
『Cランクですって言われても騙されるかな、でもやっぱり攻撃力だね~、斬撃強化スキルは?』
俺は間髪入れずに答える
『無いです!』
アネットさん苦笑い
続いて、 ティアマト、ティア、リリディ、リュウグウが口を開く
『しっかし、凄ぇな…トロールがあっという間だぜ』
『私も興奮したよ!』
『凄かったですね』
『流石は 街最強だ』
アネットさんは何故かリリディに視線を向けた
彼女は彼の体の周りを歩きながら観察している。 リリディはちょっと緊張している
『ど…どうしたのでしょう、アネットさん?』
『君の術、凄いね…それ黒魔法だよ。 しかも見た事が無い』
『私も、無い』
シエラさんも口を開く
彼女らでも見たこと ないのか
その後も エーデル・ハイドの皆さんと歩きながらその話が続いた。
リリディのステータスを見てもらったが、彼女らでも驚く姿は何故か珍しい感じがする
『チェーンデストラクション…か』
クリスハートさんは頬杖をつきながら歩き、囁いた
どうやらかなり使い勝手の良い術だとクリスハートさんは評価をしている ようだ
リリディもちょっと嬉しそう
リュウグウはあこがれの目でエーデル・ハイドを見ている
入りたいのかな?なんだか少し焦る
誰も怪我がなかったことに俺はホッとし 、街に戻る
どうやらエーデル・ハイドの人達は 真っすぐ帰るらしい。 魔石の報酬は明日にするのかな
エーデル・ハイドの人達と別れ、 俺達は ギルドに向かう。
ティアマトもリリディのスキルについて思うところがあるようだ。
『本当にリリディの術わかんねぇな』
『この術、いや魔法はこれから賢者になる為に必要となる攻撃の要ですよ 』
リュウグウも気になるようで、二人の会話に入ってくる
『そういえばだけども・・・』
俺は何か知っている事でもあるのかと思い、彼女を見る
ティアも同じタイミングで彼女を見た。
『大賢者は歴史の中で1人しかいないと聞く。しかもそのステータスは知る者はいないから本当にそんな職があるのかも全くわかってい『いますよ!大賢者は!』』
リリディはリュウグウの言葉を遮って答えた
その時の彼はいつにも増して真剣だった
『なぁリリディ』
『なんですかアカツキさん』
『なんでそこまで大賢者にこだわるんだ?』
『…早くギルドに行きますよ』
リリディは先を歩いた
これ以上は止めとくか、彼の中で何かあるのだろう
ティアマトもそれを感じ、何も言わない
ギルドに到着した俺達は、受付で報酬を受け取った。山分け作業をしていると
トロールから逃げていた冒険者の1人が俺達に歩み寄って来た
『お前ら逃げら れたんだな!どうなった!』
『運よくエーデル・ハイドの皆さんが討伐してくれ ましたよ』
『マジかよ!まぁでもお前らのおかげで助かったよ』
『仲間2人はどうですか』
『1人は足を複雑骨折、もう1人は背中が折れているから俺達は当分休まないと駄目だ…ありがとうな、助かった』
『生きていればチャンスはありますよ。良かったです』
『ありがとう、今度お礼させろよな!』
彼らの生存を確認できて、 俺は安心した
冒険者は時に格上の魔物と出会い、逃げるタイミングを間違えると大怪我をする
そこで死んでしまう者だっているのだが、そうならなくて済んだことは良い事だ。
まぁリュウグウが 終始機嫌が良いのはスキル獲得とエーデル・ハイドの皆さんの戦いを見れたからだろ う
気持ちよく帰る リュウグウを見送った後、俺達は 2階のテラスに向かうと、そこにトンプソンさんの屋台は無かった
『明日台風だしな、残念だ』
『早めに撤退したんだろぉ?2日間休みだ。まぁ家の手伝いして暇つぶしとくさ』
『僕は2日間ぶっ続け黙想でもしますか』
『死ぬぞお前ぇ』
『死にません、そのまま寝るかもしれませんが』
ティア、腹を抱えて笑う
いつの間にか空が 暗い、まだ夕方だが今にも降りそうだ
というか風がちょっと強い、そういやそろそろ降るのか…
ティアマトとリリディと別れた俺は ティアを連れて家に送る
周りの人々も空を気にしながら家に急いでいる。 俺達も急がないと
『リュウグウちゃん、 なんだか最近楽しそうだね』
『そうか?』
『うん、前より笑う!』
『確かに不愛想な顔をあまり見なくなったな』
『まぁそのうち また協力したりとかすると思うけど楽しみ』
『前よりも関係は良好だし、 俺も話しかけやすいよ』
『本当は優しい子なんだよリュウグウちゃん、部屋にぬいぐるみ沢山!』
『その情報はいらないかなっ!』
それは女性同士の中でとどめてくれティア
『ティアはこのあと家でのんびりか?』
『そうだよ?アカツキ君は?』
『妹の相手になる』
『シャルロットちゃん相変わらずだね』
ティアを家まで送り届けた後、雨に降られる前に自分の家に戻れた
家に入ると父さんがビール片手にリビングからこちらを見てニヤニヤしている
母さんと妹は台所で夜食の準備だな
俺はなんだか無視できず、仕方なく父さんの横に座った
機嫌が良さそうだが…
『どうしたの父さん』
『オズボーンがかなり感謝してたぞ?日中に屋敷の中を調べたらしくてな。お前から聞いた通りに応接室の仕掛けを見つけたんだとさ』
『どうするって?』
『勿論頑丈に埋めるとさ、それにしても…お化けか』
『幽霊だよ、美人だったよ』
『ティアちゃんとどっちが良い』
『そりゃティアの方が…あっ!』
『息子よ、それは決定打だ…チクられたくなくば今から窓の補強を手伝え?』
『はい!』
別に比べただけ、好意とかそういう意味ではない
知らない女性よりも知っている女性を選ぶだろ?多分
俺は酔っ払いの父さんと共に窓の補強をすることになった
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