第4話 小さな始まり

2週間と数日後、俺は完全に怪我が治った

我慢した分、今日が楽しみで仕方がない俺は朝食を急いで食べた後、防具に着替えて玄関に急いだ


『もう落ちるなよアカツキ』


『わかってる父さん』


リビングで仕事に向かう準備をする父にそう言われたが父さんの仕事は街の警備兵だ、街の治安維持を目的とした兵士だが城の兵士や騎士とは分けられている

兵士や騎士は国を守るためであり警備兵は国民を守るためだ


シャルロットは引きこもりだし朝食後、二度寝だ


『気をつけるのよ』


『わかってる』


母さんにも1度会話を交わしてから家を出る

冒険者ギルドに足早に向かう途中で前方にティアマトとリリディの後ろ姿が見えたから彼らに追い付くと共にギルドに足を運んだ

午前中となると1階は冒険者だらけだ、掲示板に張られた依頼書は基本的に早い者勝ちだから自分たちがしたい依頼を見つけるためには早くくるしかない、のんびりくると余り物しかないからな


しかし俺達はまだFランク、のんびりと掲示板に群がる冒険者の波がおさまると残る依頼は俺たちに丁度良い依頼ばかりだ


『俺達の悲しい特権だな』


『だなぁ』


『ですね』




『あれ?完全復活ね』


背後から声をかけられたがそれは副ギルド長クローディアさんだ

何やらニヤニヤしているが『無理しちゃだやめよ?』と言い放つと受付の奥の事務所に歩いていった

無理をするつもりはない、俺はゴブリン2体討伐と格闘猿2体討伐の2枚を受付嬢アンナさんに渡し、受注完了の判子を押してもらうと彼女は笑顔で口を開く


『久しぶりですねーアカツキ君』


『そうですね、今日はほどよく動きます』


『どっちもFランクの依頼だし大丈夫ですよ、では頑張って来てください』


『はい』


依頼書を懐にしまい、森に向かう最中にリリディは俺を白い目で見つめながら話しかけてきた


『何故アカツキさんはアンナさんと自然に話しているんですかねぇ』


彼は受付嬢アンナさんのファンのようだ、普通に話しているだけだよリリディ

街の中を歩くと今日は商人の馬車とよくすれ違う、野菜の物価が上がると母さんが口にしていたのでそうなる前に商人はせっせと動いているんだと思う


『おぉ怪我治ったかアカツキ坊、お前ら頑張れよー』


今日は休みである冒険者の人がすれ違う前に口を開く


『ありがとうございます、では』


森の前までくると数人の冒険者が歩いて森に入る姿が見える

久しぶりの冒険者生活に楽しみで心臓がバクバク動いているが俺はなんとしてでも試したいことがあるんだ

授かったスキルを使ってみたいだけだけどさ、効果が本当ならば最高の技スキルだ


空は快晴、微弱な風も暖かくて気持ちが良いな

俺達の体調も万全だし心配するようなことなんて何もない


『さっさと行きませんか?』


リリディが眼鏡を触りながら話す

俺とティアマトは小さく頷くとゆっくりと森に入っていく


『さぁって、小手調べしてぇがそれは魔物次第だな』


『先ずはアカツキ君の新しい技スキルの効果を実証しなければなりませんよ』 


『わぁってるさリリディ、まぁあれだな…もしアカツキの話が本当なら俺たちにとって助かる技になる』


二人の会話に俺は混ざる


『格闘猿に試す、打ち合わさせ通りでいいか二人』


『おう』『勿論ですよ』


即答だ、するとティアマトは拳を握りしめ、いつものあれやろうぜとか言ってくる

それは強敵と戦う前にする事だぞとリリディに言われて残念そうな顔を浮かべていたけども意外と彼は俺達のチームの掛け声は気に入っている様だし俺は嬉しい、それ考えたの俺だからな

皆で森の中に入ると干し肉を食べながら先を進む


まだ俺達は趣味の一環としても冒険者、しかしいつかは本気で冒険者が出来るような強さを持ちたい

だから今俺が持つスキルが必要だ


『やっぱ森の空気は美味ぇわ』


『なら空気をおかずに米でも食べますか?』


『お前美女見ながら米食うか言われたら出来るのか?』


『僕ならば容易い』


『くっそ…こいつにこの例えは不味かったなぁ』


ティアマトが溜息を漏らす、呆れているのだろう

しかしリリディの面持ちは自信で満ち溢れている、木製スタッフを肩に担いで魔法使いらしさなど微塵も感じさせてくれない俺の友人リリディの服装は上半身が革装備だが下半身はまるで神官のような服装をしているが

魔法使いなら全身ローブ着たりしろよな…


彼は周りを見渡し、気配感知で魔物の位置を探ろうとするが近くに魔物がいるような感じはしないとの事

見晴らしの良い森の中を歩くが比較的他の冒険者達もよく通る道の方が視界は良く、気配感知が無くとも大丈夫そうではある

魔物の唐突な奇襲を受けなくて済む、俺達は強くないからそういうとこも注意して森に入らないと駄目だ


茂みの奥からリスが頬袋に何かをため込んで木に登ると穴の中に入っていく


『リスは飯時かよ』


ティアマトが口を開くがリリディもそんな彼に向かって意味が深そうな言葉をかける


『魔物も飯時ですよ。狙いは誰なんでしょうねぇ』


その言葉を言い放つリリディが横目で見る視線の先に俺とティアマトは体を素早く向けると茂みの奥からゴブリンが飛び込んできた


『ギャギャー!』


不細工な鳴き声だ、しかもいつも錆びた短剣片手に襲ってくるけども、もう少しまともな武器を持たないのだろうな

手入れが出来ないから錆びてしまうのか、わからん

そんなゴブリンをティアマトは片手斧で容易く両断してしまう

明らかにこいつだけはもう1つ上のランクを普通にこなせそうだがチームで共に上がることを望む彼は一足先にとは考えていない


『ただの魔石だ』


両断されたゴブリンから出てきた魔石は発光していない

ランクが低い魔物はスキルを持っていたり持っていなかったりするがゴブリンは気配関知を必ず持っている魔物だ

ランクが高い魔物ほど良いスキルを保有している。

1体がスキルを2つ持っていたりするがそんな時はどちらかが出る


『次の気配関知スキルはティアマトがいいだろうな』


『良いのかよアカツキ』


彼は魔石を俺に投げ渡しながら話しかけてくるが俺は既に都合の良い技スキルを持っているから大丈夫さ


『大丈夫だ、頼むぞティアマト』


『へへっ、任せな』


彼はパワータイプ、頼りにしてるんだ

魔石を腰の小さな袋に入れて森を見渡し、進む方向を決めるが格闘猿は意外と見つけるのは大変だ、理由は木の上にいるからだ

目が良いティアマトに木の上を見るように指示し、リリディを感知役にすると俺は森の中を散策しながら依頼書の魔物を探したがそこで現れたのはディノスライム、木の根本で静かにしてるがどうやら寝ているみたいだし起こさぬように魔物の前を忍び足で歩いて通過する


無駄に戦い過ぎても今は意味がない、やるならば依頼書の魔物を討伐してから別の魔物を適度に倒して追加報酬を狙うべきだ

その後は暫くして川辺に足を運ぶとそこには格闘猿が1体水を飲むために木から降りていた


『丁度良い、飲み終わって木に戻られても困るから行こう』


俺はそう告げてから皆とともに背後からの奇襲

先頭はティアマト、直ぐ後ろは俺とリリディだ


『ウキャ!』


足音で格闘猿は気付いて振り返る

体は白く、タテガミは赤い

体の大きさは1メートルちょいといった所、ゴブリンと大差はない

名前の通りこの猿は自らの拳を使って攻撃してくる為、腕は比較的硬い

だが他の部位はそうでもない事を知るティアマトは一気に駆け出すと片手斧を大振りに振った、そうすることによって格闘猿は硬い両腕でガードするがティアマトの馬鹿力で吹き飛び、尻もちをつく


『今だ!』


ティアマトの直ぐ横から俺は前に出る

鞘から刀を少しだけ抜くと力強く刀を鞘に押し込み、金属音を響かせながら叫んだ


『開闢(カイビャク)!!』


俺の刀からどす黒い煙が噴出し、それは直ぐに真っ黒な鎧に身を包むアンデットの姿が飛び出してきたのだ


『ウギ!?』


驚く格闘猿、しかしその感情を出すと同時に動きを止めてしまい

現れた不気味な骸骨騎士の抜刀からの斬り上げを避けること叶わず斬り裂される

その場に大の字で倒れる魔物、そしていきなり現れた黒い鎧に身を包むアンデットはゆっくりと俺に顔を見せると黒い煙に戻り、消えていったのだが何故こちらを向いた?


この技は一種の魔物召喚に近い、現れる物体はレベル毎に違うと思うが召喚した魔物が敵を倒した場合、確定でスキルがドロップするという技だ


発動条件は武器の納刀(ノウトウ)だ、となると適性武器は俺が持つ珍しい刀と片手剣ということになる

直ぐに格闘猿の体から発光する魔石が出てきて地面を少し転がって止まる


ティアマトは発光した魔石を見て笑みを浮かべた


『マジかよアカツキ!』


『俺もビックリさ、ん…リリディ?』


彼がいない、ティアマトと背後を振り向くとそこには服の汚れを手で叩いて落とす彼の姿が見えた、頭に草がついている

こいつ転んでたな、と考えていると不貞腐れた顔をしたままリリディが歩いてやってきたんだ


『リリディ、どうしたぁ?』


『君達の士気を上げるために踊ってたんですよ』


『そりゃ最高だぜ、ほら魔石だぜ?お前ぇこれ必要だろ?』


俺とティアマトは道を開けるとリリディが魔石に近付いて手で触れる。

格闘猿から出たスキルとは打撃強化というアビリティースキルだ

こいつが持っているとわかっていた俺達はこれをリリディに渡すことにしていたのだが理由としては彼は魔法使い希望、だがいざ接近戦となると近距離の強みは必要になるので木製スタッフを振り回すリリディはこれが似合うと話し合って決めたんだ


リリディは魔石を握りしめてスキルを体に吸収しながら微笑むと俺たちに口を開く


『助かります、あとは下位魔法1つさえドロップすれば僕は前に進めます』


『もう始まってるだろ?未来の賢者』


『フッ』


リリディは鼻で笑うと胸を張り、眼鏡を触りながら答える


『僕はスタートしてますが賢者としてはまだですよ』


『グダグダ言ってねぇで依頼こなすぞ』


『本当にゴリラは空気を読みませんね』


『ゴリラっつったかぁバカディ?』


『まぁまぁ』


いつもの光景だ、たまにお互いたまにつつき合う

まだ開闢を使用して1回目、確定ドロップは本当のようだな

となると俺達は魔物の持つスキルを覚えておけば思うようにスキルをゲットできる 


川辺を離れ、森の中を歩く

地面から伸びる草は膝下まであるのでたまにいる蛇を踏みそうになってティアマトが驚く


『ですが技スキルの殆どは僕たちが受注出来ないランクの魔物が殆ど、FとEでは心許ないアビリティースキルが殆どです』


リリディの言う通りだな、ランクの低い魔物に技スキルや魔法スキル持ちは限りなく少ない

でもスキルを持っているか持っていないかでは雲泥の差、俺達は暫くはランク昇格に向けて必要なスキルを揃えなければならないだろう


その後、開けた場所でゴブリン2体を俺とリリディで討伐したが打撃強化【Le1】でも体感でリリディは実感出来たようだ


『賢者バスター!』


『ギャッ!』


両手で握る木製スタッフをフルスイングしてゴブリンに命中させるといつも以上にゴブリンは吹き飛んだのだ

実感するリリディは軽く微笑みが嬉しそうだな

残りの格闘猿を探し回り数十分、木の上で寝ていた格闘猿をリリディの突風で地面に落としてからティアマトが斧で斬って依頼は終わりを迎える


帰り道、森の中を歩く俺達の足取りは軽い

明日はどうする?スキルは?と今までしなかった内容の話に誰もが盛り上がる


近くを川が流れている、俺達は人か歩く開けた道を森に囲まれて進む


『次はティアマトさんのアビリティースキルが妥当だと思います、次がアカツキさんですね』


『お?リリディなんか考えてんのかぁ』


『貴方の馬鹿力を活かす為に斬撃強化というアビリティーが必要だと思っただけですよ』


『なんだかんだ考えてるじゃねーか、となるとそれは明日だな…強めの魔物は森の奥だぜ』


俺達は比較的に奥まで行かない、進めば進むほど強めの魔物が出るからだ


『じゃあ明日だ、今日は満足な収穫があったし帰ろう』


『だな!』


『そうですね』


3人で拳を軽くぶつけてから俺達は街に向かおうとしたがここはまだ森の中

帰る道中で魔物と会わない保証なんてない

リリディが一瞬で目を細め、横の森に視線を向けたが何がいるかは直ぐに俺とティアマトもわかった


『ドルルル!』


低い鳴き声、ドスドスと音を立てて森の中から現れた魔物はランクEのコロール

トロールは強面のスキンヘッドをした人間を少し肥大化させた灰色の魔物だがこのコロールはトロールを小さくした感じだ

それでも身長は俺達と変わらないくらいある

 

右手には鉄鞭を持っているがあれを売れば小遣いになる


『やるか?格上だぜ?』


ティアマトが構えながら話すとリリディは返事をせずに構えだした、そして二人は此方を向くがどうやら俺の返事待ちのようだな

刀に触って構えると全力で立ち向かうときに使う掛け声を俺は言うことにした


『行くぞ!俺たち馬鹿は!』


『『剣より強い!』』


俺たちは森の奥から現れたコロールに向かって走り出した

Fランクでの依頼をこなすだけならば趣味程度の感覚だが1つ上のランクとなると本気で立ち向かわないと大怪我をする


『突風!!』


リリディが左手を伸ばした、その先から風が前方に巻き起こるとコロールは強めの向かい風に足を止めてから左腕で顔を隠す


『おぅらぁぁぁぁぁ!!』


その隙にティアマトが片手斧をコロールの右手首を狙う

しかし皮膚が堅く、彼の馬鹿力をもってしても骨まで絶ち斬ることが出来ない


『ドル!!』


コロールが右手に持つ鉄鞭を地面に落とした

ティアマトは素早く回し蹴りでコロールの腹部を蹴ったが倒れない、しかしバランスは崩している


『おらぁ!』


その隙に俺が横からコロールの前を通過しながら喉を斬る

鮮血が飛び散るがそれでもこの魔物は動く


『ドル…ドルッ!!』


『!?』


目の前にいたティアマトを掴もうと手を伸ばすがティアマトは後方に倒れるようにして難を逃れる

握力は人間の比ではないため、捕まれれば面倒臭い


『やれやれですよ!』


リリディがコロールに向かって飛び込んだ

木製スタッフを両手で力一杯握りしめた彼は宙で武器を掲げ、振り下ろしながら再び叫ぶ


『賢者バスター!』



『コッペ!!!!』


リリディは振り上げた武器をコロールの頭に叩き込んだ

コロールも変な声を出しているがリリディとティアマトは体勢を立て直しながら距離をとるとコロールはヨロヨロとし始めた


『脳震盪だ、ティアマト!リリディ!もういっちょいくぞ!』


『おうよ!』『わかってますよ!』


ヨロヨロと動くコロールに俺たちはがむしゃらに四方から何度も斬ったり叩いたりとすると魔物は直ぐに倒れて動かなくなる

魔石が出たのを確認するとようやく死んだんだ

安堵を浮かべてから魔石を腰の袋に入れた俺は全員でその場に座って口を開く


『スキル無しでもいけるな』


『当然だぜ、なんせ賢者志望の打撃が強いからよ』


『侵害ですねぇティアマトさん、賢者は魔法だけじゃないと僕は信じてますよ』


『ケッ!そうかよ』


楽しく会話したところでティアマトに鉄鞭を持つように頼み、その後は森を出る時にゴブリンとディノスライムそして格闘猿などと戦いつつも街に戻って冒険者ギルドに戻る

ギルドの扉を開け、長い赤い絨毯の先は受付カウンター、僕らは前に歩くと受付嬢アンナンさんに魔石と依頼書を渡して報酬を受け取る事になったが今回は金貨5枚と銀貨2枚だが高い理由はコロールの鉄鞭が金貨3枚の価値があったのだ

俺達は祝いに2階に登るとテラスに寄り、屋台を出しておにぎり専門店をしているトンプソン爺さんの元に行く


本当に見た目はお爺ちゃんなのに体が引き締まっている、冒険者出来そうな体格なんだよね

テラスからはギルドの外を見下ろせるが周りの建物も2階建てが多い為、素晴らしい景色とはいい難いな


『おお、未来の勇敢な冒険者達よ!今日はいい顔しているけどもクローディアちゃんと良い事でもしたのかい?』


本当に変態な爺さんだ


『いえ、報酬が結構貰えたので軽く腹に入れようとしてきました』


俺が答えるとトンプソンさんは嬉しそうにして返事をした


『そりゃ嬉しいねぇ!どうじゃ!牡蠣おにぎり!1つ銀貨1枚を今じゃ銅貨5枚さ!』


屋台のテーブルには小さめのショーケース、その中には色々なおにぎりは並んでいるがその中でも高いのが牡蠣おにぎりである、ちょっと大きいのでおにぎりからはみ出しているのが特徴的なおにぎりだが俺達はそれを頼む事にしたよ


屋台の近くの丸テーブルに座って皆で久しぶりの牡蠣を味わうが超美味しい

基本的に報酬は分配だけどもティアマトがおかわりしてしまう、2個目は銀貨1枚だよと言われても彼は迷わずに2個目を頼んで口に運ぶ


『どうじゃ?そろそろ昇格しといて損はないぞい?』


『そうですが今の僕らで叶うかどうかで怪しいのですよトンプソンさん』


『なんじゃい、未来の賢者は臆病じゃな』


『楽勝ですよ』


言い換えている、上手く口車に乗ってしまっているな


『お前等スキル欲しいのはわかるがお前らが依頼できるランク内じゃ乏しいスキル持ちしかいないぞい?Dランクの魔物のスキル1つで戦いの幅が変わるというのに勿体無い』


『なんであんたは詳しいんだい?』


ティアマトが質問をするがトンプソンさんは苦笑いしながら答える


『魔物博士じゃからな!何でも知ってるぞい?』


僕はそんなことを言うトンプソンさんに軽はずみでとあることを聞いてしまう


『じゃあ黒い龍ってこの世に存在するんですかね』


僕の言葉でトンプソンさんは驚いた顔をしたが直ぐにいつもの笑顔に戻ると口を開いた


『きっと残虐な龍じゃな!黒いし!』


多分適当に答えたのだろうと思う、俺達は食べ終わるとトンプソンさんに別れを告げて日が暮れた街の中を歩いていく、馬車がせっせと空荷で移動しているから早く帰って仕事を終わらせたいのだろう

買い物帰りの街の人もいる、基本的にこの街は石のタイルで出来た床で建物がレンガが基礎になったレトロな街並みだ

この匂いは慣れると意外に落ち着くんだよね


『まともな技スキルと魔法スキルが1つ各自持てば昇格してもいいかもな』


『そうですねティアマトさん、その意見には僕も賛成ですがアカツキさんはどうです』


『それが良いと思う、俺は開闢しかないから普通の技が欲しいしリリディだって魔法が欲しい筈だ、一先ず俺とリリディのスキル優先で良いかなティアマト』


『しゃーねぇな、いいぜ』


皆でそう決めると俺達はとある目標も掲げた

街で一番の冒険者になるという無謀で無計画な野望だが目標はでかい方がいい

住宅街に辿り着くと俺は彼らと別れ、家に走って帰った




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