第2話パジャマパーティー前編

「いや、確かに言ったけどあれは見た目はかわいいからこいつは諦めて他に男つくれって感じに言っただろ! 」


「もう~。人前でかわいいとか恥ずかしい事言わないでよ~」


と何とも都合のいい所を切り取った反応が返ってくる。


「付きあってられるか! 」


腕を離したのをいいことに反対方向に走ったら逃げた。

獲物から必死に逃げる小動物のように人に紛れて逃げていった。

そんな中村にむかって罪罪は、何かを言っていたがそんなのはお構いなし。

この方向に逃げると家からは遠回りになるがしょうがない。

今来た道を戻るわけにはいかない。

中村はかなり遠回りにをして、家に帰っていった。

中村が帰る頃にはもう夏になっているが中村が家に帰る時間が遅く、もう辺りは暗くなっていた。

中村は、誰も後ろにいない事を確認してから家の中に入った。

つけられていたらたまらないからな。

「やった~!」

と言って安心して玄関に座りこんだ。

しかし、違和感にきずいた。

見慣れない女性用の靴が置いてあるのだ。それは、明らかに母のものではなく数時間前に見たような気がする靴だった。

かわいらしい今時の女子高生が履きそうなスニーカー。

玄関が開いた音から気がついたのだろうか。

台所から母が


「あんた今までなにしていたの!彼女あんたの部屋で待っているわよ。」


自分の家が急に化け物の胃袋に変わっていく感じがした。


階段を急いで昇っていく。

罪罪は、当たり前のように中村のベットの上で寝転んでいた。

ドアが開いたで中村に気づいたようで

「遅かったよ~。なーくん。」


「誰がなーくんだ! 罪罪いい加減にしろよ」


「罪罪なんて堅苦しい言いかたやめてよー。つみつみって呼んで?私はなーくん」


「だから人の話を」


「あー!パジャマももって来たんだよ!しかも、ベアルック!」


と男性用、女性用の熊パジャマが罪罪の鞄から出てきた。

女性用のパジャマは胸元が大きく開いており、胸が小さな罪罪が着たら恐らく大変な事になるだろう。

ちょっと見てみたい気もするが。


「あーだからペアルックじゃなくてベアルックと。」


この部屋に冷たい風が吹いた。

うわー。なんか俺が滑ったみたいじゃん。罪罪が用意したのに。

てか、こいつ鞄にパジャマいれていた事から最初からこの家泊まる気でいたな!


「はい。お着替えしましょうねー。」


「ちょ、そんな軽いノリでやっていいことじゃないだろ! 」


と中村は必死に抵抗していくが罪罪の謎のテクニックによりスルスルと脱がされていく。


「ばか、やめろ! 何でそんなに脱がすの上手いだよ! 」


「ちょ、脱がすの上手いと恥ずかしい事やめてよー。男の子なんだからー」


「いや、何で俺がむっつりすけべみたいな事になってんだよ!」


結局中村は、パジャマも着ることになる。

しかし、パジャマを着替えただけでは終わらないくらい夜は長い。

中村はどうなってしまうのか。

そして中村は、自分では気づいていなかった。

自分は押しに弱いことに。

そしてとんでもなくお人好しと事に。

パジャマパーティー後編に続く

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