第21話 行こう、城の外へ
王様はカラムが放った『
の魔法で感電していた。
「カラム……」
俺は彼女に声を掛けるのがやっとだった。
彼女は無言で頷いた。
俺は王様を袈裟斬りにした。
王様は倒れた。
「王様! すいません」
死にかけた王様の横に、俺はひざまずいた。
カラムも横にひざまずいた。
そして、泣いている。
「ユキイチロウよ……わしは息子同然のお前と戦って死ねて、満足な反面、裏切られたことを悲しく思う」
「許してください……」
「だが、わしも振り返れば国民のことを考えずに無茶なことばかりやって来た。わしも、ユキイチロウと同じように生きたいように生き、なりたい者のようになろうとしていた」
「はい……」
「それがユキイチロウにとって、わしの娘を愛することなら、シュキイ姫の父親としては本望じゃ」
「ありがとうございます」
「わしが死んだあと、他の者が統治者となりお前を追うだろう。生きたいように生きることの難しさをこれから知ることになるぞ」
「分かっております」
「よろしい……シュキイ姫を頼む」
王様は死んだ。
俺は王様の首を切り取った。
戦いの騒ぎを聞きつけた城の兵士たちが、王の間へ集まって来た。
「ユキイチロウ、なぜ、王様が死んでいる!?」
「おまえ、まさか?」
兵士達が状況を見て、俺を問い詰める。
そして、兵士達は俺を捕えようとした。
「どけ!」
それを避けながら、俺はカラムの方へ向かった。
「行こう!」
カラムの手首をつかみ、俺は、城の外へと向かった。
つづく
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