仕事その3 聖夜の主役たち(2)
吹き抜ける風に雪が舞う。
ツリーの光を受け煌びやかに世界を彩るソレを見て、人々から歓声が上がった。
コレが恐らく、最大級の『プレゼント』になんだろうな。なにせ、広場全体を使った大仕掛けだ。
「ハイ。ノルマ達成ですね」
都那戒が満足げに笑って言った。
………ハイ?
「コレだけの大人数は無理かと思いましたが、さすがはマスターですね。お見事です」
イヤイヤイヤイヤ、ちょっと待とう。いや、待ってくれ。つか待て。
ノルマ達成って何スかね? てか、全てはお前の目論見と、そういう訳ッスか?
「いや~、良かった良かった」なんて満面の笑み浮かべてんじゃねぇよ! テメェ、俺がどんだけ気力使ったと思ってやがる!
言いたい文句は山ほどありやがんのに、口を開閉させるだけで言葉にならねぇし!!
一方の都那戒のヤローは、珍しく満面の笑みを浮かべてやがるしっ
………もういいや………仕事は終わった訳だし。怒んの疲れたし……サッサと帰りたい。マジに。
トントンと俺の肩を叩き、都那戒は笑いながら首を傾げた。
「まだこの仕事、嫌いですか?」
都那戒の顔を見、歓声を上げてる人々を見、俺は薄く笑った。
「ああ、『嫌い』だな」
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