6話 見てて飽きない

―――翌日。



「それで? 見つかりそう?」


「駄目かも……」


 朝、先生に話しに行ったらしいが。


 駄目だったらしい。


「犬飼ー!!」


「泣きべそ……」


「うぅ」


「犬飼」


「何よ。坂上」


「やろう!」


「は?」


「もっと本気でやろう!」


「はいはい」


 私は1つ、本気で協力することにした。


「仕方ないな」


「え?」


「私が助けた先輩ってことで、中学の先輩に聞きに行くよ」


「マジ!?」


「マジ。女同士の方が話は弾むからね」


 別の意味で。


「ありがとう!! 犬飼、マジで……」


「何?」


「マジで、相棒!」


「は」


「犬飼は俺の親友だぞ!」


「はい。喧嘩しないで」


 私は冷静に対処した。


 さて。


「それじゃ私、先輩の所に行ってくるよ」


「ありがとう!」


 面倒だけど、仕方ない。


 本気で協力するって決めたからにはやりとげる。


 それに、高校に入ってからの初めての友達の恋。


 一途に想っている恋心は見てて飽きない。


 それに……。


「ふふ。頑張れ」


「い、犬飼が笑った!?」


「え」


 空気ぶち壊し。


 こんなに飽きない男子は坂上以来かもね。


「浩介から俺と同じ匂いがする!」


「同士!」


 何だろう。


 出会ったっていうか、昨日とキャラが違いすぎるような。


 いや、本当に上川はこっちなのかな。


「はいはい。そろそろ予鈴なるから席に戻れば?」


「「はーい」」


 と言っても、後ろだったり席は近いけど。


「犬飼、犬飼!」


「何?」


「協力してくれてありがとな!」


「!」


「どうした?」


「何でも。恋愛、頑張れ」


 鼓動が鳴り止まない。

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