3話 思ってもいなかった同級生

「急だけどさ、部活とかどうする感じ?」


「帰宅部かな。部活ってしんどいし」


「なるほどなー」


「上川は?」


「俺も帰宅部の予定」


「聞いてきたのに上川も帰宅部じゃん」


「それな」


 他愛もない話。


 上川って案外話しやすいかも。



「犬飼、おっす!」


「はい」


「相変わらずだなー!」


「知り合いか?」


「中学の同級生」


坂上律さかがみりつでーす!」


「上川浩介です」


「浩介ね。よろしくー!」


「よろしく」


「坂上、髪染めたんだ」


「そうそう! かっけぇでしょ!」


「別に」


「んー。好評なんだけどなー!」


「はいはい。似合ってますよ」


「棒読み!!」


「高校で髪染めるって結構やっちまったな! 坂上」


「そうか? 遊べるのって学生の間だけだし、やっとかないと!」


「それはアンタだけ」


「えー」


 見なかった間に髪の色が金色に変わっていた。


見慣れないのと、目がチカチカする。


「犬飼、部活見学行こうぜ!」


「今日はない」


「マジか!」


「本当に阿呆ね」


 相変わらず、呆れるほどの阿呆だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る