第7話 その男凶暴につき

突然の事に戸惑う人々、最悪な現実を切り裂く形で突如として私の前にそれは現れた。


シド「何を驚いてる、革命とは音も無くやってくるもの、水面下で弱者の業は煮え大衆が気づいた時には反旗が翻っているのさ」


ハゼル「お前、自分が何をやっているかわかっているのか、ゲームの進行を妨害する行為、まさしく荒らしだ!」


シド「こんな世界を荒らして回る…上等じゃねぇか。

たっく運営も使えねぇなぁ、普段コンプライアンスがどうとか厳しいくせにこういう奴らはお咎め無しなんだかからよ。

おいカモメ、俺と組め?俺の方からチーム申請しておいたから、左下のチームを組むを押すんださぁ!」


有無をいう余裕なんて無い、私は彼の言う事を承諾し実行に移す。


ハゼル「雑魚が二人になった所でどうせ結果は変わらん、特別にお前が俺に勝った場合でもそちらの勝利としてやる」


シド「やってやろうじゃねぇか!スクラップアンドスクラップだ、ギャハハ

その前に…

この作品はフィクションです、実在の人物や団体などとは関係ありません、また暴力的かつショッキングな表現が含まれますが…」


ハゼル「前置きが長い!」


ハゼルが銃を撃った瞬間、シドが一目散に相手に詰め寄る。彼が選択した武器は、金属バット!?確かソルジャーサイドでもかなり弱いランクに分類されるはずだ、何を考えているんだ?


ハゼル「舐めプかぁ?」


シド「正解!」

「コンテンツにおいて最も重要な事の一つ、それは疑問の解消だ。人生とは妥協の連続である。

食べたいスイーツがあるけど家から遠くてとてもいけない、

もっとお洒落したいけど高いしそもそも自分には似合わない

ムカつく上司に一言言ってみたいけどクビになりかねないエトセトラ、そんな迷える子羊達に打って変わって情報を発信するのが我らエンターテイナーの使命。

動画のタイトルは最弱武器で強敵クソ野郎に挑んでみた結果wとかどうだ?」


ハゼル「良いな…じゃなかった!誰がクソ野郎だ!」


シドは相変わらず大げさな身振りで終始ふざけたような物の言い方をするが、ステージの地形を生かし上手い事攻撃をかわし、互角に渡り合っているように見える。

あの威勢の良さは伊達では無かったという事か、これなら勝てるかもしれない。

しかし一瞬でも思った自分が馬鹿だった、そうだハゼルには奥の手があるんだ。

シドの攻撃があと少しで直撃する所で、彼の視界が一瞬にして切り替わる。


シド「なんじゃこりゃ!?」


能力を効果的に使う為別所で待機していた相手チームのメンバーと入れ替えたのだ、動揺するシドは隙を突かれて攻撃を直で喰らってしまう。


シド「ぴえん」

「痛いじゃねぇか、こっちも本気を出させてもらうぜ」


シドが別の武器を選択する、なんだあれは、巨大なコンパス?あんな武器ソルジャーサイドにあるのか?


ハゼル「チートの類か…何でお前みたいな奴が!」


武器を変更するやいなや、シドはコンパスのペンで円を描き始める、円を重ねて相手チームを丁度囲むように。


ハゼル「まずい、能力を発動させる気だ!一端逃げるぞ」


ハゼル御一考は移動の為に用意していた車に乗り込む、何処に行くつもりだ?向こうが中継している動画で行方を追う。


ハゼル「何とか巻いたようだな」

取り巻き「なんだこの音は」

「上だ!」


なんと車の上空からヘリコプターが追跡している、中にはシドがいて、運転をほおってドアから身を乗り出した。


シド「デーストロイ!」

「今から起きる事を歌にします、それでは聞いてください墜落」


言葉通り墜落するヘリから飛び出したシドが車のボンネットに乗り移る、コンパスを叩きつけてフロントガラスを割ろうという魂胆らしい。

数回叩いてガラスが割れたところで、シドが標的のハゼルを引きずり出す。

二人は移動する屋根の上で交戦を続ける事になる、シドがコンパスで攻撃する度車内に針が貫通するので相手チームが慌てふためく。

戦いの中で足を滑らせ屋根から転げ落ちたハゼルを有ろうことか車の部位と手錠でつないでしまうシド、当然地面に引きずられてダメージを負うハゼルをシドが狙う。

なんて暴力的な戦法なんだ、全くこれじゃぁどちらが敵なのか分からない。


シド「くたばれくたばりぞ来ないがぁ、これで終わりだクソが!あ」


束の間、ハゼルとシドの位置がスケープゴートの効果で入れ替わり形成が逆転してしまう。


シド「申し訳ないクソ野郎、じゃなかったおクソ代官様、どうか天に召されなさってはくれないでしょうか?」


ハゼル「うるせぇお前が死ね!」


シド「ていうか前!」


目の前には武器庫、戦闘で進路が定まらない車が突っ込みたちまち爆発する。もう滅茶苦茶だ…


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