第6話 デスゲームをぶっ潰せ!
<ソルジャーサイド>はいわば戦争ゲームだ、銃撃戦を行ったり戦車や手榴弾等を駆使して相手を倒した数を競うシンプルでありながら臨場感溢れる使用となっている。
今回はオリジナルルールで主催者のハゼルを倒せば私の勝利となる。また残機は無しでHPゲージが底を尽きた時点で敗北だ。
この手のゲームは趣味嗜好と合わない為あまり遊んだ事は無いが、圧倒的に不利な状況とはいえ勝算が無い訳ではない。
その時通知の音が相手チームからのギフトの送迎を知らせた、こんな時にいったい何だ。中にはかなり露出度の高く卑猥なキャラクター用の服が入っていた、嫌がらせのつもりだ、ていうかどこまでこちらの事を知ってるのか、大方ネットの記事を面白がった同級生が晒したのだろう。
ハゼル「おい善意で送ったんだから着ろよ?とんでもない薄情者だな?そうだろ」
コメント欄も完全に相手寄りになっている、思わず飛び出していた…
「ふざけるな!」
一斉に銃口が向けられる。私の勝算、それは最上級の装備だ。
バイトの貯金をはたいて課金した分でソルジャーサイド内でも強力と思われる防具と追尾機能付きのロケットランチャーを購入した。
勿体ないがそこまで大した金額ではないし今は考えている場合ではない。案の定攻撃の的にはされたが傷は浅い、油断しているであろう相手の懐に打ち込んで一矢報いてやる。
ある程度近づいた所でロケットランチャーを装備し標的のハゼルに狙いを定める、一度でも当たれば与えるダメージは凄まじいはずだ、いけ!
確実に、相手に攻撃が命中したはずだった…一瞬の出来事で何が来たのかわからない。
爆風で立ち込める煙の中で倒れていたのは、ハゼルでは無く彼の取り巻きの人物だった。考える間もなく次は私がハゼルの目の前に立っていた。
あまりに突然であったために抵抗も出来ず羽交い絞めにされ銃口を突き付けられてしまう。完全に一本取られてしまった、あともう少しで勝てたのに!
武器も奪われた、もう終わりだ。
ハゼル「どうだ凄いだろ、俺のチート
選択したアバターの位置を入れ替える…大人しく降伏してればこんな醜態をさらさずに済んだだろうに、弱者がつけあがるからこうなるんだ!
アルルカンでも能力が高いと認められた一部のユーザーにのみ使用が許可される力、全く運営もひとが悪いよな?最高だぜ」
なんだチート能力って、文字通り無敵じゃないか?
こんなの理不尽すぎる。圧倒的強者の前ではどんなに足掻いても無駄だって言うのか?
ハゼル「まだあきらめるのは早いぜ、投票で選ぶのは俺じゃねぇ画面の向こうの視聴者様だ!
今ここで、全ての罪を詫び深く謝罪すればその気持ちに免じて許してくれるかもしれないな」
取り巻きやコメント欄が謝罪しろと口々に捲し立てる。勢いに押されて涙ながらに私は土下座し迷惑をかけてすまなかったと謝罪した、最低の屈辱だ、はらわたが煮えくり返るかのごとく悔しさが募る。
しかし一行に罵声は止まない、それどころか謝罪したぐらいで許されるのかと批判はますます加速する。
こんなのって無い…私は何も悪くないのに、誰か助けてよ!。
???「嫌われ者が負けて終わるなんて…何番煎じのコンテンツだよ」
喧騒を遮るかのように一人の男が口を開いた。
特徴的な髪型にあのチョーカー、いつかの!
???「よう有象無象人畜無害共、令和のアナーキストシドだ!
今日はこの胸糞悪いデスゲームをそれはもう滅茶苦茶に息の根も絶え絶えなほどに…
「ぶっ潰していきたいと思う!」
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