第1469話 貧乳5のゴミめ
「いつの間に……」
のんびりコーヒーを飲んでたらリレーヌたちがやって来た。
「お疲れ。負傷者の処置は終わってるが、体力が落ちてるから下がらせてやりな」
「いろいろ言いたいけど、そうするわ。支援部隊、お願い」
八人を担架で運んでいった。え? あの螺旋階段を上がっていくのか? マジスゲーな。
「それで、どう言う状況?」
「オレにもよくわからん。ハンターと
まったく、あのフリーダムどもには困ったもんだよ。
「行方不明って、随分と落ち着いているわね?」
「まあ、死なない仕掛けはしてある。問題ねーよ」
「……もしかして、囮にした?」
「そうなったらイイな~ってくらいには思っている」
最初はあとを追おうとしたが、ハンターたちを残すのも不味いし、いろはの分離体がついていってるってことだ。なら、フリーダムどもにはエサとなってもらいましょうだ。結界マークはつけてるしな。
「酷い仲間ね」
「離れるなと言ったのに離れるあいつらが悪い。多少の危険は自業自得だ」
「まあ、じーの義兄弟って言うんだからわたしが心配するのもしょうがないわね」
そうそう。なんら気にする必要はねーよ。
「で、またリッチを探しにいくのか?」
「そうね。少なくとも大迷宮までは押し込んで、魔法で出て来れないようにするわ」
「へー。魔法を使えるのがいるんだ」
そんなヤツいたっけ? あまり強いヤツなんていなかったが?
「魔法と言ってもじーが魔力を込めた魔法の杖を使うのよ」
これよと大きなケースから魔法の杖を取り出した。
「魔王が持ってそうな杖だな」
「うん。ミナド大迷宮の奥底にいた凪の魔王が持ってたものよ。昔、じーたちが倒して持ってきたそうよ」
うん。カイナが関わってんなら納得だな。
「つーか、あのアホは魔王殺しか? 一体何人の魔王を倒してんだよ?」
魔王の頂点に立つ魔神みたいなもんだけど、この世界には勇者がいるんだから譲ってやれよな。
「…………」
「どうしたの?」
「いや、似たようなのどこかで見たな~と思ってよ」
これほど大きなものではないが、叡知の魔女さんがこれの半分くらいの杖を持っていたのだ。
「べー!」
「ベーくーん!」
どこからかみっちょんとそばかすさんの声が。なにか切羽詰まった感じだな?
「マイスター。リッチです」
敢えて視界から外していたいろはが剣を構えてオレの前に出た。
……ほんと、そのアウトな姿止めてくんねーかなー……。
「総員、構え!」
リレーヌの命令にハンターたちが銃を構えた。あ、ちなみにここは広場です。
「べー!」
「ベーくん!」
なんか泣きべそかきながらも憤怒したそばかすさん。なんなんだ、いったい?
「べーくん、あいつ酷いんだよ! すっごい侮辱を受けたの!」
はぁ? 侮辱? あのリッチ、しゃべれんのか?
「なんて侮辱されたんだ?」
「あいつ、貧乳5のゴミめって言ったの! 見せつけるように貧乳がって言ったの!」
ま、まあ、そばかすさんは童顔で十二、三。いや、十三、四と言っておこう。オレの安全のためにも。
「やーね。貧乳はステータスなのに」
それを君が言っちゃダメなやつ。持てる者が持てない者に言うのは嫌みでしかないんだからさ。
ほら、そばかすさんが赤を通りこして青くなってるよ。
「……お前でいい……」
リッチがリレーヌを見てそんなことを言った。
「巨乳好きか?」
だったらちょっと仲良くなれそうな気がするな。あ、いや、気のせいでした。だから、そんなに睨まないでよそばかすさん。
「ベー様。あのリッチ、女ですよ」
「あ、確かに」
服だがなんだかが揺らいでて気がつかなかったが、立派なものを持っていた。
「おそらく、体を乗っ取ろうとしてるんだと思いますよ。リッチって肉体に未練があることが多いそうですから」
「迷惑な話だ」
体が欲しいならオークの体にでも入ってろよ。オークのメス、いいもん持ってるぜ。まあ、四つついてるけど。
「ハァー。オレがやる。ちょっとぶん殴ってやりたいからよ」
お前に恨みはねーが。リッチにイイ思い出がねー。
と言うか、腐嬢とかだったら目も当てられねー。三姉妹が四姉妹になられたらたまったもんじゃねーよ。
殺戮阿をポケットから抜き、景気づけに地面を陥没させてやる。
「成仏しなかったことを後悔させてやるよ」
リッチとは言え、オレは女でも容赦はしねーぞ!
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