第1464話 リッチも様々
銃撃は一時間以上続き、不意に止んだ。
さすがに一時間も見てられないので椅子とテーブルを出してのんびりとコーヒーを飲んでました。そばかすさんとみっちょんは眠っちゃいました。
カイナの故郷のヤツらの実力からオレも眠ってもイイんだが、このうるさい中、眠れないだけだ。
「こいつらよく眠れんな」
どんだけ神経図太いんだよ? その図太さ、見習いてーよ。
「べー様。どうやらリッチが一旦下がったみたいです」
「脱着式ならそのまま自由に見てこいよ」
最前線まで一キロ。あそこまでいけんなら憑いてるとか言えんだろう。
「ベー様といられるから長距離離れれるんですよ」
そう言う謎設定はいらねーんだよ。ったく。
「なんでもイイが、リッチは見たのか?」
「はい。一般的なリッチでした」
リッチに一般的があるのが知らんが、一般的じゃないのしか見てないんだからよくいるリッチなんだろうよ。
「リッチがよくいるのも嫌ですけどね」
そりゃそうだ。
「下がったってことは聖弾が効かなかったのか?」
「いや、効いてはいたみたいですよ。徐々に薄くなっていましたから。ただ、リッチは知能がありますからね。不利と悟れば逃げるでしょうよ」
「本当に厄介な存在だ」
オレならリッチになったことを後悔させながらフルボッコにしてやるんだがな。
「リッチもまさかフルボッコにされる未来は悟れないでしょうね」
ああ言うのは殴らないとわからない存在だからな。
と、夜空に緑色の玉が一発上がった。今度はどう言う意味だ?
ハンターたちがざわめき出し、軍用トラックのエンジンがかかり、ハンターたちが乗り込んだ。交代か?
「みたいですね」
しばらく眺めていたら軍用トラックが戻って来て、疲れ果てた野郎ども──おっと、レディも混ざってましたか。失礼。
「食事はできてます! 食べれる方はこちらへ! 休む方はこちらへ!」
リレーヌじゃないヤツが指示を飛ばしている。あ、最前線にいったのか。
纏わせた結界が最前線のほうにあった。気づかんかったわ。
「オレらもいってみるか」
お節介かもしれんが、レニスの妹でカイナの孫だ。放っておくのも目覚めがワリー。最後まで付き合うとしよう。
「ドレミ。そばかすさんを運んでくれ」
「イエス、マイロード」
久しぶりの幼女メイド型ドレミさん登場。オレは君の存在を忘れたことはないよ。本当だよ。
「誰への言い訳ですか?」
きっとどこかにいるドレミファンにだよ。
オレは眠っているみっちょんをつかんで強制パ○ルダーオン。空飛ぶ結界を創り出して最前線へと向かった。
最前線では投光器が灯され、昼間のように明るかった。
「骸骨兵は消えてんだな」
骨の山を想像してたら一欠片の骨もなく、地面がささくれだっていた。
「リッチが創り出した霊体だったみたいですね」
「そんなことまでできるんだ」
「かなり高位のリッチなんでしょうね」
そんな相手を銃で撃退するとか、ハンターも非常識だよな。おっと。オレが一番非常識とかはなしだぜ。
「なにしてんだ?」
ハンターたちがレーキを使って地面を削っていた。
「聖弾を回収してるのよ」
首を傾げていたらリレーヌがやって来た。
「聖弾は希少金属。放置はできないわ」
その希少金属を数時間ぶっ放してなかったっけ?
「手伝おうか?」
「そうしてくれると助かる。いつまた現れるかわからないからね」
「リッチって朝は出て来ないよな?」
どこかの腐嬢は太陽の光がダメだったが。
「まあ、そうなんだけど、ミナド大迷宮のリッチは魔術師だったのか、土兵を創り出したりするのよ」
「リッチも様々だな」
まあ、普通の人がリッチになるってのもおかしなものだ。頭のイカれたヤツがなるようなもんなんだろうよ。
ダン! と右足で大地を叩いて聖弾を地面の上へと出した。
「これで集めやすくなっただろう」
集めるのはハンターにお任せ。あくまでも手伝いだからな。
「……あなたって器用よね……」
「いろいろ学ぶのが好きなだけさ」
好きなことには拘りを見せる男、それがオレさ。
「リッチが来ねーなら少し寝るわ」
静かになれば眠れもするからな。
「ええ。ゆっくり休んでちょうだい」
と言うので、邪魔にならないところに結界を張り、シートを敷いて寝ることにした。
「マイロード。こちらもお願いします」
あ、そばかすさんも連れて来たっけ。
「てか、よく起きねーな。一度眠ったら朝まで起きねータイプか? まあ、そこに寝かせおけ」
今張った結界に入れさせ、オレは別の結界を入って眠ることにした。
「そばかすさんもそばかすさんならみっちょんもみっちょんだな」
起きる気配もないみっちょんをスライム型になったドレミの上に乗せた。
ふわ~。お休み。ZZZ……。
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