第15集

【141】

「騙されていることに気がつかない間は、騙されていることが快感なのである。」


詐欺師というのは得てして気分がいい嘘を並べて近付いてくるものです。

そして、詐欺被害者の殆どは騙されていた事に気がつくまではいい気分でいられる場合が多い。

詐欺だけではありません。

恋をしている間は相手のよい所ばかりが見えていたものの、結婚や同棲を始めた途端に本質が露になってしまい落胆することも多くあるのです。



【142】

「自分自身だけが正しいと思い込むことこそが一番の悪である。」


この言葉は相手の主張を一切認めず、自身の主張を通さんとする考えとその行為を悪としています。

悪か否かはさておき、独善的な考えと行為が個人ではなく集団となった時、そこに差別や戦争が生まれるのです。

差別に勝ち負けはないですが、戦争の場合は勝てば主張が通ってしまうのが恐ろしいところです。

勝てば官軍という言葉がある様に、時として独善的な意思わがまままかり通ってしまうのが戦争なのです。



【143】

「世界がつまらないのではない、君自身がつまらないのだ。」


何かとつまらないという言葉を発する人は自身では何かをしない人に多いです。

更にそれが、つまらない世の中云々という発言になると自身の鬱憤を世の中の責任せいにしている場合が多いです。

仮に真実ほんとうにつまらない世の中であっても、自身でおもしろい何かを見つけられるか否かは個人の資質です。

その人がつまらないと感じるということは過去におもしろい経験をしたことがある筈なのですから…

余談ですが、どう工夫して見方を変えても本当につまらない創作物(本、映画、演芸など)はつまらないままなのでどうしようもありません。



【144】

「蛙の子はオタマ、これ常識。蛙になるまでちゃんと面倒見て上げなきゃな。」


蛙の子は蛙…

子は親に似る、或いは親の才覚は子に引き継ぐという様な意味で用いられます。

しかし、蛙の子はオタマ(オタマジャクシ)というのは確かに常識であり、そこへ蛙になるまで面倒を見るという言葉を加えることで育成の大切さや初めから何でもこなすことは出来ないという意味となってます。



【145】

「種をまくのは容易いが、収穫に至るのは難しい。」


この言葉もまた育成の大切さと困難さを表す言葉です。

種を蒔くだけで育てばどんなに楽か…

個人的に農業などに携わる人は尊敬に値すると常々思います。

当たり前のようにスーパーで野菜を買えることは当たり前ではないのです。



【146】

「きっかけはいつもそこにある。」


どの様な物事にも通じる言葉です。

そのきっかけ自体が訪れない事が殆どなのですが、それに気がつけずにほったらかしにしているともう二度と訪れない事も多くあります。



【147】

「26年も休んだんだ、もう一秒だって無駄にしたくない。全力で青春したいんだ!!」


これはある漫画の主人公の台詞です。

主人公は事故で昏睡状態となり26年後に目覚めた四十歳のおっさんですが、寝たきりだった主人公の心は事故当時のままであり、再び中学に通い始める。

というところから漫画は始まります。

そして、第一話のクライマックスにこの台詞が放たれます。

この台詞は本当に胸を打たれます。

26年も寝ていた人間がすぐに動き回れる筈がない。四十歳の男が中学に復学出来る筈がない。

そういった現実問題を創作物ならではのご都合主義ですっ飛ばしたコメディ作品ですが、筆者としては他人に薦められる漫画です。

流行の漫画を好む人には受け入れられないでしょうが…



【148】

「他人の本気を笑うような人は、今まで一度だって本気で何かに取り組んだことのない人である。」


敢えて言いますが、人の本気を笑う奴はクソヤロウです。

無論、その本気が間違った方向であり、人に迷惑をかけるならば一概には言えません。

しかし、普通に生きていて本気で何かに夢中になる人を笑うことは人が人の尊厳を踏みにじる行為なのです。

真剣ほんきには真剣ほんきで返す。

この大切さがわかりますか?

わかるならばあなたも本気で何かに取り組んだことがあるのでしょうね。



【149】

「仏の顔も三度まで、か…仏さんとやらも意外と心が狭いんだな。」


どんな事かはさておき、たった三度で見限るのは神仏として崇められている存在ものとしてはやや早計なのかも知れません。

とはいえ、あまり多く見過ごしておくのもどうかと思いますが…



【150】

「カッコいい死に方なんて世界のどこにもねえんだ!」


何かを為し遂げて死んだ人をヒーローとして讃えるのは構いませんが、生きていた頃にその人と親しかった人としては、その人がヒーローにならないでもいいから少しでも長く生きていて欲しかった。

ということを忘れないでください。

創作物のヒーローと現実のヒーローは違うのです。

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