発音の種類Ⅰ-IPA(母音)
(今気づきましたが、あまりファンタジーらしいこと言ってないですね……。今は知識を記述する項目なので、応用はもう少しお待ちください。辛かったら飛ばしていただいても構いません!)
〈IPAとは〉
さあしょっぱなから出てきましたアルファベット三文字。ここで出てくるIPAの説明から入りましょう。
IPAとは、簡単に言えば「世界中のあらゆる言語で使われる発音」を網羅するために、その基準を示しながら分類も行うために生まれた国際音声記号たちのことです。網羅する、と言ってますから、そこには見たこともないような記号によって、聴いたこともないような発音が示されています。未知のものがあるからこそ、これを活用しない手はないですね(そうしないと、ファンタジー世界がおもちゃ箱のようになってしまいますから)。
まあ見てもらう方が早いですね。私がいつもお世話になってるIPAの図が、東京外国語大学にありますので、これを見ながらお話を聞いてください。http://www.coelang.tufs.ac.jp/ipa/vowel.php (母音)
ちなみに外語大のサイトの優秀なところは、IPA記号に則した音声が聴けるということですね。ほんとこれタメになるし、面白いですよ! ぜひ聞いてみて下さい。
〈IPAを活用する〉
それで、ページに飛ぶと何やら不器用な台形に、古代魔法文字のようなものが並んでおりますが、これこそIPAです。ちなみにこの図は左向きの人間の頭を脳天から真っ二つにしたときの口内を示しています。左上が歯茎、右下が喉奥を示していて、それが左右に三段階、上下に四段階にわかれていますよ、ということです。
ここで、今更ですが母音の単純明快な定義をお伝えします。まず「人間が発音する音」はすべて声帯が震えてでるもので、それを口の中で舌が動いて変音します。これが母音です。子音はさらに、この音+唇、歯などの調音器官を用いて妨害・調音された音です。
換言すれば、母音というのは調音器官によって妨害されずに出る音なんです。結構目からうろこな説明じゃないですか? すごいでしょ。ちなみに子音は妨害されて出てくる音です。
もう一度図に目を戻しましょう。ここには幸運にも妨害されないで発せられる音たちが出そろっているワケですが、でもやっぱり見慣れません。これは覚えるしかないのでしょうがないのですが、名前の付け方を伝えます。
記号をクリックすれば出るのですが、まあ例えば「ɤ」は、「ウ」らしき母音です。初めに唇を丸めるか丸めないかの情報を明記して(円唇・非円唇。点の右が円唇、左が非円唇)、次に舌の前後の位置、最後に舌がどのくらい上顎に迫るかを書きます。ということで「ɤ」は、まず点の左側にあるので非円唇・舌は奥なので後舌、舌はまあまあ上顎に近いので半狭=非円唇後舌半狭母音となります! これ
以上!
〈オーガ語応用〉
いやー、お疲れ様です。ここでようやくファンタジーらしいことをしてみましょう。どの言語にどの母音を持ってくるか、です。
今回はオーガの言葉を例にとってみましょう。オーガは荒々しく、好戦的なイメージがありますから、母音もはっきりとしているはずです。とりあえず
①力の入る円唇母音を多数採用
②あまり力の入らない「ウ」は、不採用
③声の太くなりがちな後舌母音を採用
こういう条件にすると、
ア:ɒ ɔ 円唇後舌広母音・円唇後舌半広母音
イ:i 非円唇前舌狭母音
エ:ɛ 非円唇前舌半広母音
オ:o 円唇後舌半狭母音
の五つをオーガ語の母音にしてみましょう。ちなみに母音の数に制限はないので、多くても少なくても自由です。まあ、適当にしては結構よくできたと思います。皆さんも、ぜひIPAに触れてみてくださいね! 次回は子音です。
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