【新装版】うちのモフモフが最強！ ～かわいさ最強（当者比）ワンコと行くVR冒険記。目指すはモフモフパラダイス！～

39.本日二度目のプレーンウルフです！

　ギルドに戻って回復アイテムも補充しました。

　いよいよプレーンウルフにリベンジなんだよ！

　なお、今回はやっぱりユーリさんの引率はなしです。

　ユーリさんがいなかったというのもありますし、リターンホームがあればすぐにかえって来られますからね。

　そういうわけで、クエストを受けてプレーンウルフの生息地にやってきたのですが、

「うーん、人が多いんだよ」

「やっぱりこのレベル帯だと人気の獲物だからね」

「どうしますか？　場所、変えます？」

「そうしましょうか。もう少し奥の場所に行ってみましょう」

　昼間はいなかったほかのプレイヤーが、いまはたくさんいたのですよ。

　やっぱり夜時間はプレイヤーが多いのですね。

　人が多い場所で戦うのも邪魔になるかもですし、移動なんだよ。

　少し街道から外れて奥の方にある狩り場まで行けば、ほとんど人はいなくなりました。

　数分移動するだけなのに、こんなに違うものなのですねぇ。

「少し移動すればこれだけ人がいないのに……どうして、わざわざ混んでいるところで戦うんですかね？」

「ああ、それね。人が多ければターゲットも分散して一度に襲われる心配がなくなるからよ。もちろん取り分も少なくなるけどね」

「なるほどなんだよ。ボクたちは多少危険でも取り分多めと言うことだね」

「そうなるかしら。さて、それじゃ、ブレンとシルヴァンを呼びましょうか」

　サーシャがいままで呼び出していなかったブレンとシルヴァンを呼び出します。

　戦闘中以外ならMP次第で自由にパートナーを召喚出来るのもサマナーの強みなんだよ。

　さて、呼び出されたシルヴァンは相変わらずのモフモフ銀色狼ですが、ブレンがちょっと変わっていたんだよ。

　昨日まではかなり小さなドラゴンだったのに、今日はボクと同じくらいのサイズがあるドラゴンになっていたんだよ！

「サーシャ、ブレンがおっきくなってますよ!?」

「ええ、レベルが上がって進化できたのよ。プチドラゴンからミニウィンドドラゴンにね」

「まだこのサイズでもミニなんだよ？」

「ミニがとれれば私たちが乗れる程度の大きさになるからね。その場合でも、普段はこのサイズになるんだけど」

　ほうほう、ドラゴンもいろいろあるようなんだよ。

　ボクにはそれくらいでよかったのですが、アプリはもっと聞きたかったようで、サーシャにいろいろ聞いてますね。

　ドラゴンにそんなに興味があるのでしょうか。

　ボクはモフモフのほうが大事なので、高額なパートナーならドラゴンよりもグリフォンですけど！

「お姉ちゃん、お待たせ」

「待たせちゃったわね、リーン」

「大して待ってないので大丈夫です。それより、普通に倒していくのです？」

「そうね。まずはシズクのサンダーボルトを確認してみましょうか」

　シズクちゃんの攻撃力を確認してみるということですので、さっくりとサンダーボルトを浴びせかけます。

　もちろん、プレーンウルフは死にます。

「うん、サンダーボルトは健在ね。これなら緊急回避手段として使えるわ」

「そこは任せてほしいんだよ。危なくなったらシズクちゃんにお任せです」

「頼りにしてるね、お姉ちゃん」

　サンダーボルトの威力も確認できたので、次はどう戦うかの確認ですよ。

　とは言っても、いつもどおり黒号が敵を引きつけている間にほかの皆で倒すというだけでしたが。

　サーシャいわく、もう少し高度な戦術になってくるとバフやデバフを駆使する……らしいのですが、バフやデバフってなんでしょうね？

　今度勉強しておくんだよ。

「それでは戦闘開始ね。ブレンの攻撃力がかなり上がっているから大分楽になっているはずよ」

「それは楽しみですね。でも、私が倒す分の敵は残しておいてくださいよ？」

「そこは大丈夫よ……多分」

「準備は大丈夫なんだよ？　では黒号、ゴー！」

　プレーンウルフに黒号をけしかけ、数匹ほど引きつけました。

　昼間はここで攻撃力不足になり、撤退せざるを得ない状況になったのですよ。

　でも、やっぱりサーシャがいると違いますね。

　プレーンウルフがサクサクと倒されていきます。

　サーシャ自身も魔法攻撃で援護しているし、シルヴァンの攻撃も速くて正確。

　だけど、特筆すべきはやっぱりブレンなんだよ。

　進化して攻撃力が上がったと言ってましたが、かなり攻撃力が上がってますね。

　プレーンウルフなんて、二発もあれば倒せているんだよ。

　やっぱり、サーシャの火力は違いますね。

　昼間に比べてとても楽な戦いを十分ちょっと続けた頃、アプリが休憩をしたいと言いましたので少し休憩なんだよ。

「やりました。クエストクリアです！」

「おめでとう、アプリ。これで全員ランクアップできるわね」

「そうだね。……それにしても、アプリ。十匹だったはずなのに、かなり時間がかかってるんだよ？」

「それはお姉ちゃんところのプリムとサーシャさんのシルヴァンのせいだよ。この二匹が弱っている個体を優先してとどめを刺すんだもん。私じゃあの二匹には追いつけないって」

「……そういえば、とどめを刺すのを優先させてたわね。ごめんね、アプリ」

「そういう細かい指示もあったのですねぇ。すまないんだよ、アプリ」

　うちの子たちは優秀なのでその辺は完全にお任せしていました。

　でも、アプリに話を聞くといろいろと動きに癖があるらしいのです。

　まず黒号ですが、威嚇などで敵の注意を引きつけたらあまり大きく動かず戦うようなんだよ。

　アプリとしてはモンスターを倒すためにあちこち動き回らずにすむので助かるとのこと。

　サーシャに言わせても、タンク役の基本は攻撃をしっかり受け止めつつ相手を釘付けにすることらしいのです。

　つまり、黒号のように一カ所に留まるのが一般的らしいのですね。

　回復するときにいっつも同じ場所にいるなと思ったのはこういうことだったのですか。

　次にプリム。

　この子は隙の大きい相手を優先して狙っているらしいです。

　それも、攻撃がクリティカルになるように相手の弱点狙いで。

　プレーンウルフだと首の辺りが弱点らしいのですが、プリムは正確にそこを狙って攻撃し続けているらしいんだよ。

　あとは、一撃で倒せそうな個体を優先して狙っているとも聞きました。

　弱っている相手を確実に倒して回っているようですね。

　あと、サーシャのパートナーですが、シルヴァンはプリムと似たような動きをしているらしいです。

　さすがにクリティカル狙いの攻撃はしていないらしいですが。

　それから、ブレンは逆に近くにいる相手を次々に倒しているようですね。

　ドラゴンが近くにいる敵をつぎつぎなぎ払うとかちょっと恐いかもですよ。

「……っていう感じかな、動き方の癖は」

「なるほどなんだよ。いろいろとあるんだねぇ」

「私もそこまで気にしたことはなかったわ。ありがとう、サーシャ」

「いえいえ。それで、これからはどうします？」

「街を出る前に受けてきたクエストはすでにクリアしているんだよ」

「私もクリア済みね。一度帰るのも手だけど、もうしばらくプレーンウルフ狩りをしていかない？　明日は平日だし、あまり遅くまでプレイできないしね」

「賛成です。あまり遅くまでプレイすると学校が大変ですからね」

「……実感がにじみ出ているんだよ、アプリ。まあ、気にしないけど」

　それからはしばらくプレーンウルフ狩りを楽しむことにしたんだよ。

　あと、パートナーに指示を出したらどの程度まで言うことを聞いてくれるかの確認もですね。

　結果、プリムはかなり融通を利かせてくれることがわかったのです。

　ただ、クリティカル狙いの戦い方は変わらないみたいで、ターゲットが一撃で仕留められそうな相手か元気な相手かの差だったのですが。

　逆にシルヴァンはあまり言うことを聞いてくれなかったみたいなのですよ。

　サーシャはAIがどうのとか、愛情度が関係してるのかとかブツブツ言ってましたが……よくわからないですね。

　ブレンについては指示を出しても出さなくても大差ないと言うことがわかった感じでしたね。

　なにせ、二発で敵を倒せてしまうので弱ってる敵を優先しても元気な敵を優先しても結果は大差ないという。

　サーシャはもっと細かい指示ができないか試してみると意気込んでましたよ。

　それと、進化したブレンのドラゴンブレスも確認しました。

　結果だけ言うと、最大MPの四割くらいを消費してプレーンウルフを倒せる感じでしたね。

　いろいろと調整もできるらしいので、あとで考えてみるそうですよ。

　そんな感じで一時間ほどプレーンウルフ狩りを続けて、今日の狩りは終了となったんだよ。

　ボクはレベルがまたひとつ上がって12になりました。

　着々と強くなっている感じがしますね！