2.さあ、モフモフを迎える準備なのです!
翌朝、某家電量販店が開店する時間を見計らい突撃なのです。
ゲームに誘ってくれた沙樹ちゃんのほか、一緒にゲームを始めることになった杏もついてきていますよ。
ああ、今日は土曜日なので学校は休みです。
「杏、本当にボクたちと同じゲームを始めるのです?」
「うん、たまにはお姉ちゃんと一緒に遊びたいしね」
「いいんじゃないの? あなたたち姉妹で一緒に遊ぶ機会なんて滅多にないんだし」
「そうだよ。お姉ちゃん、いっつも沙樹さんの家に遊びに行くんだから」
「だって、うちにいてもモフモフがいないじゃないですか」
ボクにとってはモフモフが大事なんだよ。
モフモフがいない我が家は住、環境としてはともかく遊ぶ環境じゃないのです。
「今回は一緒に遊べるんだしいいんじゃない?」
「そうだね。確か《infini fantaisie》だっけ。私も調べたけど、それなりに流行っているみたいだね」
「それなりって言うところが大事ね。あまり人が多いところだとそれだけでいやになりそうだし」
「MMOというのも大変なのですね」
「普通のゲームと違って、リアルな人間関係があるからねぇ。……あ、ゲーム売り場に着いたわよ」
目的地にたどり着きましたので早速ゲームを購入です。
今の時代はゲームのダウンロード権を購入するだけなので、品切れも起こしにくく便利なんだよ。
さて、ゲーム内課金ができるようにそれ用の電子マネーも購入して……。
「おや、沙樹ちゃんも電子マネーを購入ですか?」
「まあね。響は必ず購入すると思ってたけど、私も購入することにしたわ」
「そうなんだね。ちなみに、なにに使うんです?」
「初期パートナーへの投資よ。なにを買うかは秘密ね」
「じゃあ、ボクも秘密なんだよ。ゲーム内で会ったときのお楽しみですね」
ボクと沙樹ちゃんは追加の電子マネーを買いましたが、杏は買いませんでした。
杏は最初から課金が必要になるような職業は選ばないようなんだよ。
さて、ダウンロード権と電子マネーを購入したらすぐに家に帰ってゲームを始める準備です。
沙樹ちゃんも午後には始められるようにするらしいので、ボクたちもそれにあわせて始めることにするんだよ。
「……おお、ダウンロード途中でもキャラクタークリエイトができるのですね」
事前に調べた限りだと、ゲームを始めるときに一番時間がかかるのがキャラクタークリエイトらしいんだよ。
それが先にできるとは考えられてますね。
「それではキャラクタークリエイトを始めてみましょうか」
ボクはVRギアを身につけてベッドに横になります。
次に電源を入れてゲームを起動、最初に全身をスキャンしなくちゃいけないらしいのでスキャンさせました。
そしていよいよキャラクタークリエイトを開始なんだよ!
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
『ようこそ《infini fantaisie》へ。ここではゲーム内であなたの身体となるキャラクタークリエイトを行います』
「おお、声が聞こえるんだよ。そして、さっきまで着ていた服が再現されているんだよ」
最近のゲームというのはすごいですね。
自分の体や服が再現できるとは思ってなかったんだよ。
『まずはあなたの名前を決めてください』
このゲーム内におけるボクの名前ですね。
これは皆で話し合ったときに決めていました。
ボクの名前は『リーン=プレイバード』なのですよ。
『次にあなたの種族を決定してください』
目の前に現れた選択肢は……よくわからないけどいろいろありますね。
適当に選択肢を選んでみると、選択肢の奥の方にボクの姿をした人形のようなものが出てきましたね。
選択肢を選ぶたびに容姿が変化するので、これを見て決定しろと言うことなのでしょう。
いろいろ選んでみた結果、どうやらヒューマンというのが基本的な人間のようなんだよ。
ヒューマンだとボクの姿そのまんまなので、まあなにも変わらないと思うのです。
次に獣人種。
これはいろいろなパターンが選べて、種類によって耳と尻尾が変わりましたが……好みじゃないんだよ。
ボクはモフモフするのは好きですが、自分をモフモフの対象にはしないのですよ。
そのほか、エルフやドワーフといった種族もありましたが……正直、よくわかりませんね。
エルフを選ぶと身長が少し伸びて、ドワーフを選ぶと逆に縮みました。
ただ、ボクの身長は元々低いのであまり変わらなかったんだよ。
最終的に選んだのはハーフリングという種族だったのです。
ヒューマンでもよかったのですが普通の人間というのも味気ないですし、あまり普通の人間と変わらないこの種族を選んだんだよ。
背が少し縮みましたが、あまり気にすることもないでしょう。
あと、ステータスがどうこうという表示もありましたが、よくわからないので無視しましたよ。
『次は容姿を決めてください。身長はあまり変更できません』
次は容姿、つまり髪の色とか髪の長さとか顔の形とかですね。
身長はあまり変更できないらしいのでそのままで。
本当はもう少し背を高くしたかったのですが……しょんぼりです。
顔の形とかはよくわかりませんので、これもデフォルトで……と思ったら、少しは手を加えないといけないらしいですね。
それならば顔の輪郭を少しいじって目元と口元を変更、髪の長さを腰まで伸ばし白色に変えたんだよ。
これで大丈夫でしたので容姿の設定もこれで完了だね。
『次にあなたの職業を決めてください』
きました、職業選択!
たくさんの選択肢が表示されましたが、迷わず【テイマー】を選択です!
『職業テイマーが選択されました。初期パートナーの選択に移ります。通常パートナーのほか課金パートナーも選択可能です』
きたきた、きましたよ!
ついにパートナー選択です!!
このときのために買っておいた電子マネーを解放なのですよ!
さあ、ボクの愛しのパートナー【ライトニングシーズー】カモン!!
『初期パートナーに【ライトニングシーズー】が選択されました。冒険初期が困難になる場合があります。本当によろしいですか?』
む、なんだかしつこいですね。
ボクはこの子に決めているのです!
確認メッセージにOKを押して、正式にライトニングシーズーをゲットなのですよ!!
『最後に初期スキルを五つ選択してください』
初期スキルですか。
これも事前に決めていたのでサクサクいきましょう。
えーと、【鞭】【回復魔法】【料理】【調合】【気配察知】と。
選択理由ですが【鞭】はなんとなく猛獣使いみたいでかっこいいからなんだよ。
【回復魔法】はパートナーたちを支援できるようにですね。
【料理】と【調合】もパートナーのためなんだよ。
【気配察知】は序盤であると便利らしいので覚えておきました。
『以上でキャラクタークリエイトを終了いたします。ゲームのダウンロード率……43%。もうしばらくお待ちください』
これで終わりみたいなんだよ。
ゲームはまだ始められないみたいだから、一回終了して起き上がる。
お昼にはちょっと早いけど、早めに食べておくとしましょうか。
これで、午後からゲームを始める準備は大丈夫なんだよ!
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