第14話 終末の日常③ それぞれの日常
舞台は少し巻き戻り、
神威結界内は赤い炎で満たされ、徐々に黒く景色が変わり始める。
神霊様は、水晶雨が雨あられのように強烈に降りそそぐ中でも、地獄の業火が何度も自神に襲いかかってきても、微動だにせず、ただ
水晶雨はすべて神体をすり抜け、地獄の業火は神霊に触ることすら出来ない。
その状景からは神々の超越した御力の片鱗が多少垣間見ることができた。
その周囲では、無数の
その光景を唖然とした神霊様が、外見は神らしく見えるように取り繕っているが、内面ではこれ以上ない程
神である以上醜態を晒すわけにも行かないのだが、ただ茫然自失となっていた。
脳裏世界では、膨大な修理費用請求が頭に投影されていて、それを見た神霊様は、ぐしゃぐしゃに頭を掻き毟っていた。
(後光ー。失敗するのは、いつものことだけど、これはやりすぎよ)
脳裏世界内で神霊様の絶叫がこだまする。
その心の叫びは、脳裏世界に響き割り、世界が震撼した。
地団駄を踏んで、チクショーと叫んでやりたいけど、神の威厳が崩れないように必死に我慢。
怒りで顔が般若に変身しないように無心よ、無心よと、無我の境地を体験中。
((どういうことよ。あのバカ。影も形もみえないわ))
((出てきなさいよ。この臆病者ー))
((なんでこんな大爆発してるのよ))
((後でどれほど修理費用請求されるかわかってるの))
心の叫びによって脳裏空間に割れ目が細かく生じて、大地震が絶賛爆心中。
((まず、規模がでかすぎでしょ))
(((どう計画したらこんな風景になるのよ)))
(((まわりの神々巻き込みすぎだわ。もっと自重して)))
神霊様は
脳裏世界内は外の空間に負けない規模の天変地異が沸き起こる。
今まで我慢してせき止めていた心の
(((私の後ろにいつまでも隠れてないでもっとしっかりしてよ)))
((((女神なら女神らしくしてー))))
((((そもそもこの展覧会、本店にお伺いしてないでしょうー))))
((((勝手に開催して怒られるの私なのよー))))
((((依頼人も周りに説得されてんじゃねー))))
((((((失敗も全て私に押し付けんなー)))))
(((((お前もまわりにちやほやされて踊らされてんじゃねー)))))
(((((私だけ悪者みたいに思われるなんていやー)))))
(((((なんで私こういう役割しかさせてもらえないのよー)))))
(((((((もう借銭づけの暮らしはいやー)))))))
(もう容赦しない、見つけたらひん剥いてやるわー)
神霊様の魂の叫びによって、脳裏の空間世界は細かくひび割れ、見渡す限り真っ赤に染め上げ、地面は荒涼とした赤い海の岩礁に覆われていた。
脳裏世界の惨状は、現実世界で神霊様のお顔にもに反映され、綺麗なお顔が般若のお面と化した。
(今回の失敗には、さすがの私も堪忍袋の緒がきれたわ)
なんでもない御力操作が
私にもっと頼らなかったことが凄く腹がたつ。
私にすら全く喋らないことにも腹が立つ。
だが私は、
だって、自神の影だから。
影は影らしく、黙って見ていればいいのに、いつも横から余計な手出しして、邪魔をするから叱りつける。
何度も叱りつけたのに一向に止める気配がない。
それどころか、
より一層うざいくらいに干渉の度合いが急上昇、
勝手に私の了解の得ずに依頼者と接触して、協議して、企画立案、
企画も回を重ねるごとにより大規模になって、
私は計画のしがない
何故かいつの間にか計画の主導権を奪われ、
大勢の暇神達を巻き込んで、大盛り上がり、
周りもよせばよいのに、
秘密連絡場所で、連日連夜朝までお祭り騒ぎのドンチャン騒ぎ、
私には毎回連絡会の開催は知らされず、
その頃、私は
連絡会の事後報告は、
お仲間神達からは
絆の深まった暇神達は一致団結して、大きな失敗にむかって脇目も振らずに、
神霊様は、魂の叫びを脳裏世界のあたり一面に届けと叫び、そして
(((((((あーむかつくわ)))))))
(((((((なんであいつ、私より神人気あるのよ)))))))
(((((((私の影が私より目立ってどうするのよ)))))))
(((((そこかー今そこは違うだろ)))))
神霊様に気配すら感じせないように完全に大気に溶け込んで、
神霊様の深層思考探査していた上級神達は、
一斉に心のつっこみを入れた。
神霊様には、まったくその神念波が届かなかった・・・が、
彼神等の見えない地の底で水晶石が淡い光を必死に放っていた。
その後、彼神等の神念波が無言の合図であったかのように突如、
室内中央部分が見えるように
この時間軸でもそろそろ
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
神犯罪の匂いがしたと、神速で現場に急行、現場検証を開始。
彼神は、消防神の一隊、警察神の一隊で只今実況見分中であった。
皆上級神の
超高濃度神威結界の障壁を難なく通過していた。
先ほど事故現場に到着し、事件を引き起こした首謀者はいないか、
神罪を犯した神がいないか、危険思想を持った神はいないか
皆大気に身を潜め周囲一帯で警戒観察をおこなっている。
警神庁・捜査一課神長『マクバラスト』は現下の惨状を見てため息を吐く。
(ハーまた奴らか)
(この事態が収束したら、全員お縄にしろ)
マクバラストが思念波で呟いた奴らとは、
【失敗の女神様と一緒に失敗しちゃい隊】の神々の皆さんのことだ。
視線を向けた先では、地獄の業火に焼かれながら、
2神の暇神が殴り合いの喧嘩をしている。
「俺の神威のおかげでここまで規模が大きくなれたんだ。俺様のおかげだ」
荒ぶる神『ラグロスト』がもう一方の荒ぶる神を神威の纏った拳で殴りつけた。
殴られた神は吹っ飛び水晶の壁に激突した。
衝突箇所の
「いいや、俺だよ。お前のちっぽけ神威なんざ、もう消えちまったよ」
しかし、荒ぶる神『ルドルガス』は足腰で衝撃を全て吸収、反動をつけて荒ぶる神に向かって、
自神を神威を纏った砲弾と化して一直線に突っ込んだ。周辺一帯大爆砕。
ここでは、荒ぶる2神による
荒ぶる神『ラグロスト』は、派閥の大幹部神、
彼神は、『
神体がゴツゴツした神金属で覆われた大神であり、5メルダの体長の巨神である。
彼神が怒ると神金属の隙間から、白い蒸気が勢いよく噴射される。
酔っ払うと笑い上戸になるお茶目な一面も併せていて、
仲間からは、ラグッチ、ラグロちゃんと呼ばれ、
派閥の仲間達の兄貴的な役割を担っていた。
荒ぶる神『ルドルガス』も、派閥の大幹部神、
彼神は、『
神体は、龍顔に3本の角と3つの竜神眼をつけ4枚の翼3本の尻尾を生やした黒色鱗の竜神、
形態は人形態から、龍形態、竜形態と3タイプに変身可能で皆に便利な乗り物として愛用されている。
酔っ払うと突然脱ぎだし全裸になって自神の黒色鱗の素晴らしさを熱く語るナルシスト。
さらに酔っ払って気持ちよくなると鱗をちぎって皆に振舞い次の日に唸っている変な奴。
どうも自神のお気にいりの鱗を取り返したいようだが、景気よく配ってしまったから後悔しているらしい。
ラグロストとは、何かにつけて因縁つけて毎日筋肉言語でお互い会話を楽しんでいるが、のちほどリスラシアから貰う請求書を見て黒色鱗が青色鱗に変身するのが毎度毎度のお約束。
他にも様々な神々が灼熱の水晶大地に焼かれながら狂喜乱舞している。
「失敗の女神様がお隠れになられた」
「失敗の女神様をお捜ししろ」
「荒ぶれ、燃え盛れ、我らに失敗を」
「失敗は正義、失敗は賞賛されるべき」
「失敗の女神様こそ正義の使徒なり」
炎の衣服が崩れ落ちるのも身に任せ、必死に辺りを駆け回る神々の1団。
「我は失敗の女神を崇めるものなり」
「我は失敗の女神が起こされた失敗をあまねく大地に広めるものなり」
「火を
「風よ吹け。神威の嵐を呼べ。失敗の嵐を巻き起こせ」
構造物を破壊している上級暇神『モブダルト』。
上級暇神『モブダルト』も、派閥も大幹部神、
彼神は、『
生き物を切るのが苦手というちょっと変わった剣神様。洋服を切るのが大大大好きな変態剣神。
特に女神の洋服を切るのが何より好物のやっぱり大の変態神。合言葉は「今宵の服はよく切れる」
神技「裏切り」は、女神の下着だけを切る神奥義。神奥義の練習を兼ねて夜な夜な夜の街に出没する完全な変態神。
勿論切った下着は彼神の宝物になって部屋に飾ってある真の変態神。
神の整った甘い顔立ちの少年神、性格は変態だけど、何故かモテモテモブちゃんは、お酒を飲んだら赤ちゃん言葉に大変身。
女神の洋服下着を切ってからの「お姉ちゃんおっぱいほしい」からのスリスリからのモミモミが続き最後のチュパッゴックンまでがお約束。
「我らが大いなる失敗の女神の為、神子候補生共よ」
「我らが失敗の女神の贄となれ」
暗黒空間に浮かび両手を広げ演説している上級暇女神『リスラシア』。
上級暇女神『リスラシア』も、派閥の大幹部神、
彼女神は、『
派閥の会計担当でみんなのママさんとして裏方でみんなを支えていた。
毎月の信者入信獲得No1でみんなのお胸様アイドルとして、今日もみんなを魅了する。
彼女神がいつも後光さんを慰める役で、お水(神酒)を勧める役柄もこなしていた。
酔っ払ったら、モブダルト主演の時代劇が開演され、「あーれー」やら「お代官様お止めになってくんなまし」やら「そんなご無体な」やら「もう少し優しくしてくんなまし」やら結構楽しくわちゃわちゃして騒いて盛り上がっている。
「皆祈れ、敬え、畏れよ、失敗の女神様がご降臨されるように祈るのだ」
水晶の祭壇にのぼりたち、両手を組んで、必死に祈る上級暇神『レイスタン』。
上級暇神『レイスタン』も、派閥の大幹部神、
彼神は、『
後光さんがしゃべらないから、変わりに喋ってくれる
彼神は悪気はないのだが、後光さんを神格化しすぎて、後光さんを大きく見せようと日夜ある事ない事關係無しにしゃべり倒す。
彼が関わる問題はどんどん話が大きくなる。最後の最後に1柱でケツをまくるように逃げ出すまでがお約束。
本日は大幹部5神、全員出動していた。彼等は自由なので、全員集まることなど滅多にない。
本日は彼神等にとって目出度い日であるようだ。
彼神等、大幹部5神は『ラグロスト』『ルドルガス』『モブダルト』『リスラシア』『レイスタン』
を合わせて『
夜の失敗座談会では、彼神等の登場時の順番、言い回し、体勢、
どうやったら、失敗の女神様に神々の視線があつまるかなど、
活発に白熱した議論が行われている。
勿論座談会が終わったら朝まで大宴会が日常的に開催されていた。
補足なのだが、座談会•大宴会で掛かった経費は、借用書兼必要経費扱いとしてリスラシアが後光さんの帰り際におねがいねと甘える声を掛けながら、
そっと借用書用紙を御姿が見えないはずの後光さんの手に毎回確実に手渡している。
そして、借用書を手渡された後光さんは、お姉ちゃんの借用書の大山の中に今度説明するねと、
御心の中で必死に言い訳を繰り返しながら、毎回そっと紛れ込ませていた。
その後の後光さんの
これも毎度毎度のお約束である。
「我らをお導き下さい」
「神酒をお供えするのだ」
「そうすれば、必ず我らの前にご光臨なされるだろう」
「神酒さえお飲みになれば、我らをきっとお導きになられるはずだ」
水晶の祭壇の周囲に蔓延り、跪いて祈る上級神達。
またある暇神は、神威暴風嵐に飛び込み巻き上げながらも踊り狂い、
またある暇神は、地獄の業火に身をまかせ真っ赤に染め上がり、
またある暇神は、
またある暇神は、
【失敗の女神様と一緒に失敗しちゃい隊】の皆さんは、
思い思いに場を荒らし回って遊び回っていた。
貴神等が所属している派閥は闇属性派閥なので、邪悪な神威に満ちている空間でも温泉につかり気持ちいい程度の感覚しかない。
勿論、邪悪な神威で破壊衝動に駆られることはないが、破壊も大好きなので今日はいつもよりウキウキ。
彼神ら、彼女神らにとって、後光さんは
後光さんにとっては、
本日は後光さんの晴れの舞台。
(神課長、深層思考探査で神罪犯罪を計画している被疑神者発見。)
警神庁・捜査神一課長『マクバラスト』は、
彼らを警戒観察していたが、部下から緊急思念波が届いた。
(神名は、手段は、単独犯か、背景は、依頼人はいるのか)
こんな大規模な神鏡球が飛び交う中で、神罪起こそうってのか。
馬鹿だろ。そいつ。頭沸いてんじゃねーか。
(神名はセント=シャルディリアース)
あっこいつか。こいつならありうる。こいつ、頭わいてるしな。
(犯行手段は無許可の
また、今回は厄介な御力持ち出してきやがったな。
(本日使用する計画を思考探査で発見しました)
(協力者は、多数、現在確認中)
(判明している共犯者は妹神セント=シャルバルハート)
はー失敗ちゃんか、こいつも早く姉離れしやがれってんだ。
(妹神は、現在この結界内で潜伏中です。居場所は不明。現在追跡中)
ん、どういう事だ、こんな中級神ごときに手間取るのか。
あー、やつか。そりゃそうか。こんだけ大規模だし、やつも当然うごいてるわな。
(あとそこで遊んでる奴らも仲間です)
まーそうなるわな。失敗ちゃんいくところ、やつらも当然でばってくるからな。
(背景、依頼人は現在確認中。もう暫く時間がかかります)
今回の依頼者は、誰なんだ。
まあ、いいか、どうせやつが何とかすんだろ。
俺たちは全て終わった後で、ゆっくり後始末して楽させてもらうぜ。
(よし、よくやった)
(
(今はそのまま泳がしとけ)
(消防班はそのまま待機。現場をあらすな。我々がいることを悟らせるな)
はー、でもまた、あいつか。あいつもいつも災難だな。
これもあいつが持っている神能の力なのか。
そんな神能、俺ならなんとしてでも、燃やしてやるけどな。
まあ、無理か。いつものことだし、ちょっとは、手加減してやるか。
ー(あら、マクバラストじゃない)
突如マクバラストの脳裏世界に見慣れた波形の神念話が受信され念話が世界に轟いた。
糞っ逢いたくない奴に居場所が特定されちまった。最悪だぜ。
ー(こんなところで出会うなんて奇遇ね)
全然奇遇じゃねーよ。お前まだ俺見張ってんのかよ。このストーカー女神め。
ー(久しぶりにあったことだし2柱でいろいろお話したいわ)
俺はお前と話したくないんだか、俺をまた巻き込まむつもりか。
まぁお前のお陰でこの地位まで上り詰めれたからなあ、感謝はしてんだが、
危ない橋はもう懲り懲りなんだよ。始末書も勘弁してくれ。
他の奴紹介するから、そいつと話してくんねーか。頼むよ。
ー(貴方も忙しそうだし私も時間も無いことだし早速始めましょうか)
糞っ聞けよ。聞いてください。お願いします。ほんと、たのんます。
せめて顔を向かい合わせてから話せよ。お得意のうすら笑みの浮かべた顔ぐらい見せてもどうってことないだろ。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
暗黒世界の最後の砦が崩れ落ちてしまわないように必死にあたり一面に輝き鳴り響いていく。
通常とは異なった
500柱の幼いシャルリア達が
いや、だった。1柱は、ぜいぜい荒く息を吐いていた。
ーもう無理でしゅー
ー眠りたいでしゅー
当初の目的は達成したと感じているが、
実際視聴神達がどう思ってくれているか、わからない。
今後の行動方針もわからない。
外を見ても終末世界は全く変わっていない。
ー不安になってきたでしゅー。新しい協議会設立でしゅーーみんなー集合でしゅーー
脳裏は大勢の幼いシャルリア達が一心不乱に脇めも振らず、
協議、可決、実行を、認知、判断、実行と同時並行で神速処理されている。
誰も幼いシャルリアの1柱を見ようとすらしなかった。
ーあれ。こないでしゅー
ー新しい協議会設立でしゅーーよ。みんなー集合でしゅーー早くでしゅー
ーかってにひとりでやってよ。
ーもういっぱいいっぱいだわ
ーもう協議会に新たな協議会に回す御力は残ってないわよ。
ーもうやめて。私達殺すつもり。もうこれ以上仕事もってこないで!!
脳裏で協議会設立を検討されたが、たちまち
その時点で性能上昇し続ける時間に制限があることを悟る。
ーどうしよう。このままじゃ意思が統率出来なくなって『さんかい』が解体しちゃうでしゅー。
ー誰かに相談できれば・・誰もいないでしゅー・・
現実世界のシャルリアは
クルッと回って
汗が飛び散る。白い髪の毛は、滝で行水をしたかのように汗で濡れていた。
神体からは汗の水蒸気がゆらゆらとキラめいている。
ー御力がどんどん抜けていく感じがするでしゅ
脳裏世界では、幼いシャルリアの1柱が仰向けに倒れた。
ーもう駄目でしゅー
ーみんな後は頼むでしゅ
幼いシャルリアの
その神眼には、
神眼が大きく開いた。壁に穴が開くほど凝視した。
幼いシャルリアの1柱は気づいた。まだ、最後に確かめることがあったと。
ーそうでしゅ
ーいるでしゅ
ーいたでしゅ!!!
脳裏世界で倒れ込んでいる幼いシャルリアは、最後の力を振り絞って叫んだ。
ー聞いてるでしゅか。
ー
・・・使用者の思考を確認。・・・回答します・・はい・聞こえています・
ーやったでしゅー
倒れ込みながらも幼いシャルリアの1柱は、両腕をこれでもかと大きく振り上げた。
細い糸を掴み取った幼いシャルリアの周りに、
わらわらと20柱程、幼いシャルリアが集まってきた。
ーだいじょうぶ
ーあなたのことはわすれないわ
ーかたきは必ずとってやるわ
ーすごいよ。あなた天才よ。
ーいやだわ。意思確認するの忘れてたじゃない。
ーすっかり確認するの忘れてた。
ーもううっかりさんね。
ーさすがだわーすごいわ。
ーあなたやるはね。
ーうれしーなんとかなるかも。
ー
ーその前にこのアップテンポの曲止めてよ。
ーもっと曲のスピード遅いのにして。
ーそうそう、いったん休憩させて。
・・個体名シャルリアの願い・・継続支援要請・・・・確認・
・・個体名シャルリアの願い・・選曲作業一旦中断・・確認・
・・個体名シャルリアの願い・・選曲要望・・・・・・確認・
・・個体名シャルリアの願い・・神体回復依頼・・・・確認・
・・継続支援要請・受理・・・・今後継続します・・・
・・選曲作業一旦中断・受理・・作業開始します・・・
現実世界のシャルリアは
可
・・選曲作業・・一旦中断・・完了・・・・・・・・・
・・継続支援要請・・煙幕発射準備・・・・・・・・・
同時にシャルリアも曲に合わせて
・・再度選曲開始・要望・検索・適合・・・・・・・・
・・適合曲音源・・再生開始・・・・・・・・・・・・
・・継続支援要請・・煙幕発射・・完了・・・・・・・
白い煙幕は、巨大水晶内部を満たすが、次第に掻き消えていく。
やがて曲調がゆったり流れていき、
小川のゆらゆらとゆれる波紋がうっすらとみえる、
そんなやさしい曲調が暗黒世界に溶けていく。
・・適合曲音源・・再生完了・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・神体回復依頼・受理・・神体探査開始・・・・・・・・・・・・・
・・個体名シャルリアの神脳内御力危険水域到達確認・・・・・・・・
・・上位仮契約者・・個体名セント=メグフェリーゼの命令該当・・・
・・「たとえ消滅してもシャルリアを絶対に守りきれ」に抵触・・・・
・・命令を実行します・・・・御力回復ユニット・・起動開始・・・・
・・個体名シャルリアの神脳内御力・・・緊急回復・・開始・・・・・
・・完了・・個体名シャルリア神脳内御力正常値まで回復・・・・・・
・・御力総量探知・・・・正常値まで回復確認・・・・・・・・・・・
脳裏世界で存在している総勢500柱もの幼いシャルリア達が一斉に煌き輝いた。
ー御力が漲って来たでしゅ。
ーやったでしゅ。
倒れ込んでいた幼いシャルリアもムクッと立ち上がり元気になったと飛び跳ね回っている。
くるくる回っていたら、次第に目が回ってきて、またぶっ倒れた。ふにゅー
ーうわー疲労がきえたわ。
ー元気みなぎるー○○○○○D!!
ータッタラーシャルリアはレベルが上がった。
ー疲労回復したけど、何故か嬉しくないわ。
ーこれ、無限労働地獄確定しちゃったよ。シクシク
ー労働改善を要求するわ。
ーもっと楽な神様のもとに転神したいよ。
ー無理よ。私達に選択権はないわ。
ー一生飼い殺しよ。
ー逃亡しよう。
ー無理デース
ーくっ殺せ。
ー誰よ、歌って踊ろうって言った奴、出てきなさい、ぶっ叩いてあげるわ。
ーもう、いっそ消えてしまいたいの。
幼いシャルリアの1柱を囲んでいた幼いシャルリア達は肩を落とし項垂れた。
・・円型回復神能陣起動準備・準備完了・円型回復神能陣起動・展開開始・
音楽の曲超が変わると同時に汗まみれのシャルリアの回りに突如、光り輝く円型回復神能陣が展開され、
より強い輝きが垂直に昇る。
円型回復神能陣の内側は純白光に染まり純白光の柱が高く
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