第4話
「お金はその気になれば稼げるよ。全然知らないし勝手に思っただけだけど,今のマユちゃんをほんの少し変える事が出来たらナンバー入りすると思う
人を惹きつける魅力があるんだから」
それは確かに感じていた。
一緒に居たい
そう思わせる雰囲気はあるのに活かせていない。
助手席側を向くと,静かに照れた様な顔で微笑んでいた
(なんか言ってくれないと恥ずかしいじゃん)
心の中で呟いたがどうも顔は緩んでしまう…
そう,この感じ。
決して口数は多くなく,会話が途切れてしまう
ここを意識して変えていけばきっと良くなる。
それは店での話であって,このままでもいいと思っていたりする…いや,本音はこのままがいい。
べらべら喋るより,その笑顔さえ見れれば満たされる
よし,決めた
店が違うし,次いつ会うか分からないけどマユに会ったら話しかけて笑わせよう
おれの密かな楽しみが出来た。
二人がコンビニから出て来た。
バタンッ
「好きなサンドイッチ無くてさー。待たせてたらごめーん」
「そんな時間経ってないよね?てかユウキなにニヤついてん?きもっ!笑」
「ひどいな笑よし,行くよ」
もう彼女達は自分たちの世界に入ったようで返事は無い。
にやけてたのは否定しないし,今日二度目のきもいもあえて流す
チラッと横を見るとマユはいつもの表情で窓の外を眺めていた。外は雨から,水気を含んだ雪がまた降り出していた。
二人でいた時間は5分位と短かったがいまだ心地良い余韻が心を満たしていた。
…そういえば
二人が店から出て車に乗る時,マユがおれの方を向いて何か言おうとしてたな…何だったんだろう?
「お疲れ様でした」
と,車から降りるまでマユはずっと窓の外を眺めたままだった
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