第10話 ネコマタフェスティバル開催!!

ねこまたフェスティバル20××

日時

20××年8月10日(ハトの日)開催!!


ラインナップ


忌野猫志郎とスーパーチャオチューオールスターズ

ジャコパラダイスオーケストラ

七尾マタタビト

ウェルカムジョンソン

ユミリンゴベンジー

ハニャレグミ

スーパーニャー

ユニャユニャ帝国

ネコラッピン

ニャンニャンサテライツ

ネコロック

ビョーンク

キャットボーイスリム

ニャンダーワールド

キャッツだぜ

フィッシュマンズ

YMニョー

猫日ファンク

にゃま崎まさよし

渋猫知らズ

クロマニョーンズ

銀ニャンBOYZ

電気グルーメ

ミッシェル・ニャン・エレファント

ボブ・ニャラン

プロニャジー

グニャーンディ


 待ちに待った、ネコマタフェスティバルが始まりました!!お空に煙だけの花火が上がります

「ポンポンポーン!ポンポンポーン!猫又フェスがはじまっちゃうよー!ヒニャカ会長の挨拶だよーん!!ポンポンポーン!!」

 最近の猫又界の人気者、兼近猫又の司会で遂に始まりました!!


 ニャエバ・スキー場の奥の森を貸し切って、日没から朝方まで。世界各地の猫又だけでなく、その他の全国の妖怪も各地からワラワラと遊びに来ています。

 ステージは

  ヒルズステージ

  ロイヤルカナンステージ

 の2つ。

 分かれて、それぞれでお客の数を競ってお祭り騒ぎ。

 警備は完璧なセキュリティを誇り、厳しいことで有名な警備妖怪「鬼のおて手軍団」。


 同じ時間に観たいアーティストが重なり文句を言い暴れ、会場を追い出される者。観たいアーティストのステージを無理やりハーフandハーフで観に行こうとして妖怪が多すぎて結局動けず、ヤケクソで片っ端から食える妖怪は食って片付けようとして、希望のステージに行こうとする者。是等これらは、鬼のおててや凄腕の猫又(猫又は日本では妖怪でもトップクラスで妖氣が強い神様側妖怪なのだ)などにこっぴどく叱られ、会場をつまみ出されていた。


 すごく見たかったステージに歓喜して、着いた途端達成感で成仏する者。酒を飲みすぎてそこらに寝て妖怪達に踏んづけられてペシャンコになりヒラヒラ夜空を飛んで行く者。ステージで白熱しすぎてダイブし、受け止められず踏んづけられ、ペシャンコになりこれもまたヒラヒラ飛んで行く者。生の紅菊岳とMTTB(この場所のみ非合法)を売りさばいて、会場の外へつまみ出される者。久しぶりに友妖怪に会い、嬉しすぎてステージそっちのけでキャンプサイトでファイヤーダンスを始め、周りの妖怪も巻き込み燃えて燃やしてしまう者。その辺で拾ったよくわからない肉(この辺は樹海)をその炎を使って焼いて食う者。

 それぞれの楽しみ方で妖怪達は楽しみ、騒いでいるようだった。


 正直、異形の者が見える人間がこれらを観たらどうでしょうか。大所帯の百鬼夜行にしか見えないかもしれません。

 あなおそろしや。


 さて、お食事処には『ニャエバ食堂』を始め、妖怪カレーの屋台が特別に登場し、用意されたカレーは222食。登場から22分で完売となりました。カレーの威力でそのまま昇天していく妖怪も多数あったようです。黒蜥蜴の丸焼きや、トン、チン、カンのオリーブオイル漬け、もち豚の豪華丸焼きなど、人気のメニューも盛り沢山。拾ってきた何かのデロリンとした死体を持ってきて(周りは樹海)食堂や屋台にいる妖怪に、「これを調理しろ!」と無理を言ってくる者もあり、こういう輩も容赦なく鬼のおて手に持参した死骸と共に、会場を追い出されておりました。

 あなおそろしや。


 ミュージシャンの珍事件では、

 ミッシェルガンエレニャントのニュースケ猫又が酔っ払って警備隊に担いで連れて行かれたと、現場にいた妖怪たちがザワザワし、SNSにあげていました。

 海外からのアーティストでは、プロニャジーとグニャーンディが電線を使って、滑り降りるフジヤマゴッコをしており、山を燃やしそうになっていて、鬼のおて手に厳重注意されておりました。

 クロマニョーンズのステージでは、ステージと観客席との「こたつニャンコ」の大合唱が行われた模様です。

 音楽は妖怪を一つにすることが証明されました!!

 あなすばらしや。


さて、そろそろユミリンゴベンジーのステージが始まるようです。

ユミリンゴが颯爽とステージに現れると姿を見ただけで嬉しさのあまり、失神する女の子妖怪が続出。これはユミリンゴのライブでは毎度の事のようで、警備の方も慣れたもの。


 何という事でしょう! 

 手を繋ぎ合わせた警備の匠、鬼のおて手コンベアーに患者が続々と担ぎ出されていきます。倒れた妖怪がスムーズに運ばれていく様は圧巻です!!


 さて、忘れそうになっておりましたが、あ!みつけました!約束通り、ユミリンゴベンジーのステージに又三はおりました。

 約束しちゃったからね。

 ようやく又三登場です。又三は今回招待した全てのステージは流石に見れず、でも、ある程度絞って見れるように一日中会場をうろついていたようです。妖怪カレーの指示もやり、会場中を駆け回っていたようで、ユミリンゴのステージが終わる頃は、ステージ横で丸くなり寝てしまっておりました。アンコールが終わり、ステージから降りてきたユミリンゴは隅で寝ている又三を見つけ、起こさずそっとタオルケットをかけてました。優しいところもあるんですね。

ってあれ?

タイマーでもついているのですかね?又三の首元に何か違和感が……。



 それから1時間後。

 ユミリンゴと又三は一緒にボブニャランのステージを見ておりました。おや?又三よく見ると首に蛇が巻きついています。妙なタオルケットだと思ってたら、タオルを巻き付けた蛇だったんですねー、コブラでしょうか?コブタイマー。程よくキュッとしっかりと巻きついております。

 あ、頭は又三に噛み付いてますね。又三、少ししびれているようです。それをリードのように手首に巻きつけて満面の笑みで楽しそうに又三を連れ回すユミリンゴ様。まるで女王様と下僕。

 その様子を、変なサングラスをかけた猫又がハンカチを噛みながら後ろから見ておりましたとさ。


 又三、今日はとにかくお疲れ様!!



 さて、後日談。

 この日は参加した妖怪達の中ではステータスとなり、参加できなかった妖怪達からは伝説の出来事となったようです。ちなみに、海外のスターのビョーンクは、チャオチューオヤツの食べすぎで、2時間ステージを遅らせて出てきたそうな。

 

とっぴんぱらりのぷー。

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