第11話 夢の国
東京スカイツリーを見学し終わった時、僕は無気力になっていた。
どこかで昼食を済ませて、気づけば東京ディズニーランドに来ていた。
僕はあのキスが頭に離れなかった。
でも、とりあえず遊んだ、
ディズニーランドなんて初めてだし、多分もう来ることはないと思うから。
意外とアトラクションは楽しかった。
エレベーターみたいなのが一気に落ちる奴とか、ウォータースライダーみたいなのとか、制服が汗がウォータースライダーの水しぶきなのか分からないぐらい遊んだ。
気がつけば辺りは暗くなっていた。
もう夜か、まだまだ遊びたかったな。
そんな事を彼らと話してると向こうから賑やかな音が聞こえてきた。
ふと音の方を見てみると、ディズニーのキャラクターが、パレードを行ってる。
すごい綺麗だ、もっとひねくれた感想が出てくるかと思ったが、文句なしで綺麗だ。
見て、めっちゃ綺麗。
彼らに伝えようとすると彼らはいなくなっていた。
はぐれてしまった。
どうしよう、とりあえず当たりを見渡す。
彼らはいなくなっていた。
しかし、彼らよりパレードの方が綺麗だったので、彼らを探す事より、優先して、パレードを見てた。
パレードを見てから少し時間が経った。
ふと視線を落とすと、目の前には彼女がいた。
彼女は1人だった。
彼女は僕の存在に気づいていない。
声をかけようか悩んだ。
彼女とは全く話してないからだ。
でも、ここで彼女に話しかけないと後悔する。
なんて思われてもいい。
彼女に話しかけないと。
まだ話しかける言葉も決まってないのに彼女に声をかけた。
久しぶり。
声は多分震えてる。
彼女は僕の方を見る。
少し睨んでる。
当たり前だ、もう半年以上話してなかったからだ。
でも、そんな事はどうでも良い。
彼女に何を伝えたいかも分からないけど、彼女には幸せになって欲しい。
ねぇ、今幸せ?
自分でも変な事を聴く。
僕はもっと挙動不審になる。
え、うん。
幸せだよ。
彼女は僕に戸惑った様子で答えた。
彼と付き合ってるから幸せなの?
僕は気になって聴く。
うん、それもあるよ。
彼女はハッキリ答えた。
そうなんだ...
会話が止まる。
次何を伝えようか、
愛の気持ち?それとも、彼の悪口?
あのさ、
うん、何?
こう言う人の話をちゃんと聞けるところが好きだ。
口が考えるより先に動く。
学校でそう言う行為をするのは、少し駄目だと思うよ。
みんな知ってるし....
僕は嘘を付いた。
この事は多分僕と彼女と彼しか知らない。
彼女の顔は青ざめてた。
こんなはずじゃなかった。
ごめんね、それじゃあ。
彼女を置いて逃げる。
僕は最低だ。
折角のチャンスだったのに。
僕は最低だ。
彼女を置いてにげて。
僕は最低だ。
彼女の幸せを願ってると言ってたのに。
しばらく走ってると彼らを見つけた。
僕は何事も無かったように彼らの輪の中に入っていった。
この時僕は理解した。
僕は彼女の幸せを願っているんじゃなくて、
僕は、僕と彼女が結ばれた後の幸せを願っている事を
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