第7話 5歳児の添い寝
■リーブル皇帝 寝所
今日は疲れた。
5歳児にお仕置きは向いていないのであろう。
裁縫士に指示をした人間の名は聞きだしたが、どうせ偽名であろう。
黒幕にはたどり着けない。
いつものことだ。
少しは楽しいことを考えよう。
メイドのマチルダは俺の友達になってくれるだろうか?
今日は3人で床に並んで寝ているが、俺の友達がこの二人だけと言うのは少しさびしい。
こいつらは、何も言わなくても俺の言いたいことがわかってくれる。
だが、こいつらは喋れぬ。
話し相手にはなってくれぬのだ!
頭の中にもう一人いるが、こいつもちょっと違う。
俺が考え事をするとちょっかい出してくるが、話しかけて応えるやつではない。
マリーは友達というには距離が近すぎる。
俺の中では家族の一人だ。
隣の白虎の寝顔を眺めると人を殺すような生き物には見えぬ。
どこを触っても怒りもしない。
が、足の裏が大体俺の頭ぐらいはある。
つめを引っ張ると、俺の指ぐらいのが出てくる。
やはり、人は殺せるな。
うん、楽勝だろう。
白虎が来た時が人生で一番嬉しかったかもしれない。
まだ、何とか俺が抱いてやれるサイズだった。
腕の中に持てたのは2週間ぐらいだったが。
半年ぐらいはベッドで一緒に寝ていた。
だが、あっという間にベッドが重みに耐えられぬようになった。
自らの重さを理解した白虎はベッドに上がることはもう無い。
少し寂しいので、こうやって床で一緒に転がっている。
黒狼は俺が目を開けているときは、いつも起きている。
顔を見ると必ず目が合う。
不思議だ。
目も黒いので、暗闇に溶け込むのには最高だろう。
撫でてやってもあまり喜ばない。
嫌がりもしないが、ひたすら俺を見つめているだけだ。
体は白虎の半分ぐらいしかない。
だが、口は白虎と同じぐらいでかい。
俺の頭は口の中に楽勝で入るはずだ。
顎の下のけがふさふさしてさわり心地がいいので喉をさする。
全然嬉しそうにしない。
つまらぬ。
誰も遊んでくれぬ。
やはりベッドで寝ることにしよう。
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