179●『2024能登半島地震』と二つの映画『日本沈没』(1973)(2006)。⑥奥能登はどうなる? 軍事というディストピアへの道。
179●『2024能登半島地震』と二つの映画『日本沈没』(1973)(2006)。⑥奥能登はどうなる? 軍事というディストピアへの道。
そこで、無人化した奥能登の未来、三つ目のパターンです。
③ 軍事基地化する。
ネットのニュース
●「まさにトモダチ作戦の再現」 在日米軍、被災地に物資輸送
2024 1/17(水) 17:02配信 産経新聞
能登半島地震の被災地支援として、在日米軍は17日、航空自衛隊小松基地(石川県小松市)から能登空港(同県輪島市)にヘリコプターで支援物資を輸送した。同日、能登空港を視察した木原稔防衛相は「まさにトモダチ作戦の再現と感じている」と語った。
この日、在日米軍のUH60ヘリコプター1機が、小松基地と能登空港の間を2往復。食料品や紙おむつ、生理用品などを運んだ。小松基地から能登空港までは50分以内で移動できるという。18日も実施する予定。
ちょっと不思議。
ひとつは、規模が小さいこと。
UH60は単ローターのヘリで、陸自さんの双ローターのチヌークに比べて、ペイロードが半分くらい。これを一機か二機の稼働とか。
それでは運搬できる支援物資が量的に少ないのでは?
むしろ在日米軍さんには、ヘリ輸送よりも、不整地走破力の高い軍用トラックやトレーラーを出して陸路輸送していただいた方が効率的かも? なんて、私のようなシロート如きがつまらぬことを考えてしまいますが……
もうひとつは、飛行コース。
小松基地から奥能登の能登空港へは、石川県を八割がた縦断するようなもので、片道飛行時間が「50分以内」というのは、実はかなり遠方。
しかし、奥能登のすぐ手前、和倉温泉のある七尾市までは、山道の無い比較的平坦な幹線道路が通っているので、そこまではトラックで続々と運んで物資の
そうすれば、より多くの救援物資を空輸できるはずです。
そこんところ、気になりますね。
ひとつ仮定してみましょう。
もしも、奥能登に米軍基地を置いたとするならば……
そこまでヘリを使って軍人や軍需物資の輸送を迅速に行うとしたら……
それこそズバリ「自衛隊の小松基地と奥能登の能登空港を結ぶ空路」ってことになるでしょうね!
ヘリは航続距離が限られますので、米軍の物資は輸送機で空自さんの小松基地へ降ろし、そこからヘリで奥能登の某米軍基地へ……
ですからこれは、穿った見方をするならば、「将来、奥能登に米軍基地が建設されることを想定して、現地へのヘリ輸送空路をシミュレーションしている」……のかもしれないと、
というのも……
この度の地震で、奥能登の日本海沿岸は、なんと一分間で4メートルも隆起したというではありませんか。日本沈没でなく日本浮上!
海底が露出してしまった漁港の風景の痛ましいこと。
しかし、いかにも遠浅となった、その風景から連想します。
「辺野古に、似ている……」
奥能登の海岸部が過疎で無人化したら……
隆起した海底は河川敷みたいなもので、もちろん個人所有でなく公有地でしょう。
そして、海岸隆起で漁業が成り立たなくなり、無人化する小規模漁村。
二束三文で土地を買収、沖縄の辺野古みたいにそこを埋め立てて、米軍基地を作ることは現実的なプランかもしれません。
今回、地震の救援物資を運ぶ米軍ヘリは、帰りにちょいと寄り道して沿岸を回り、将来の基地の候補地の現況を撮影することもできるでしょうね? 実際にどうしたかは知りませんが……
つまり、「将来の奥能登の軍事基地化を想定して、ヘリによる補給空路のシミュレーションと、将来の基地候補地の下見をしよう」と思ったら、できなくはない……なんて気がしないでもないのです。
*
能登半島には軍事基地を置く価値があるのでしょうか?
あくまでシロートの私の妄想ですが……
ネットのニュース
●北朝鮮「弾道ミサイル試射に成功」 固体燃料使用、弾頭は極超音速型
ソウル=稲田清英2024年1月15日 14時15分 朝日新聞デジタル
北朝鮮の朝鮮中央通信は15日、同国のミサイル総局が14日午後、従来の液体燃料より素早く発射できる固体燃料を使った中長距離弾道ミサイルの試験発射を行い、成功したと報じた。迎撃が難しい極超音速型の弾頭を装着したという。ミサイルの性能を高め、攻撃力を強化する動きを続けている。
恐るべしNK国。
着々と開発が進む大陸間弾道弾。
特に今回は、「極超音速弾頭」という、ほぼほぼ迎撃困難と言われる高性能兵器を実用化したらしいとのこと。
NK国のミサイルの射程は21世紀に入って飛躍的に延び、米本土も全域に直接着弾させることが可能となりました。
NK国からのミサイルの発射方向は南と北。
NK国から南方へ発射するミサイルは、沖縄やグアムの米軍基地にヤな気分を与えますし、北方へ発射するミサイルは、米国本土を狙うが如しで、あちらの国民にヤな気分を与えていますね。
そして能登半島は……
NK国から北方の米本土を意識して打ち上がる大陸間弾道弾が、横方向からバッチリよく見えるのでは?
だとしたら、米国にとって、NK国のミサイルの早期迎撃を狙う基地の建設地として、奥能登がベストポジションになりはしないか?
というのは、大陸間弾道弾が「極超音速弾頭」を積んでいる場合、その弾頭が極超音速に達して迎撃(撃墜)困難になるのは、ミサイルがドーンと撃ちあがってから、大気圏外の高みに達して米国本土に向かって落ちていく、「下り坂」のコースに入ってからということでして……
つまり、大気圏外に向かって上昇していく「上り坂」のときはまだ速度が遅く、極超音速に達していないのですね。
それってちょうど、日本海の上を、放物線みたいな曲線を描いて昇っていくときであって、位置的には能登半島の目と鼻の先になりますね。
だから、ミサイルを撃墜するなら「上り坂」のとき。
とすると…
能登半島の先端に近い山の上に、今はまだ完成していませんが、ミサイル撃墜用の「高出力レーザー高射砲」なんかを配備できれば、NK国の大陸間弾道弾から米本土を守る最前線基地になるのではないでしょうか?
それにもうひとつ。
いざ有事というときに、敵国は巡航ミサイルや無人攻撃ドローンを大量に発射します。それは日本海の水面スレスレに我が国目指して飛んできます。
その最初のターゲットは、日本海沿岸の原子力発電所。
原発を破壊すれば日本国内は広域に停電して防衛行動も阻害されます。
そのうえ、格納容器に穴を開けて放射性物質を大量に噴き上げれば、通常弾頭のミサイルで、核兵器と同様のダメージを与えられるのです。
しかも日本の上空には西から東へと偏西風が吹いています。
日本海沿いの原発がドカンとキノコ雲を立ててしまえば、死の灰はたちまち東京まで届くでしょう。
このようなとき、日本海の全域をイージスなレーダーで眺め渡して、敵の巡航ミサイルや攻撃ドローンをいち早く探知、それを迎撃する国産対空ミサイルを誘導する防衛拠点として、能登半島は、たぶん好適のポジションとなるでしょう。
こうした基地を日本海の離島に作ることもできますが、能登半島は陸路でつながっているので、基地建設にも補給にも断然有利、しかも道路の要所にゲートを設ければ、「陸の孤島」と化して、国民の目も届かない秘密基地の運用が容易となります。
*
以上のように、奥能登の無人化が進めば、有害廃棄物の処分場にされるか、他国に事実上占拠されるか、軍事基地にされるか……などなど、ディストピアな未来が待ち受けていることが想像されます。
軍事基地は、それ自体は有用なマターなので厳密にはディストピアではありませんが、戦争というディストピアと裏腹の関係にあることで、便宜的に含めさせていただきました。
*
「ポツンと一軒家」というささやかなユートピアが住民の避難によって見捨てられ、無人化した先には、単なる廃墟を超えた、恐ろしいディストピアが待ち受けているのではないか……
そう思うのです。
【次章へ続きます】
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