123●我がボンビークック(3)フライパンでパンを焼く:フライパンソテーパン。

123●我がボンビークック(3)フライパンでパンを焼く:フライパンソテーパン。




 フライパンでパンを焼く、文字通りのクッキング。

 縦型のトースターもオーブントースターも、だいたい一度に焼ける食パンは二枚。

 しかし、一袋の食パンは4枚~10枚。

 トースト二枚ではお腹に足りないとき、続けて焼くのがめんどくさい。

 それに、縦型のトースターもオーブントースターも、なにがしかの焦げカスがたまって、いずれ掃除しなくてはならない。

 それに、食パンの袋の封を切らないまま、焼けばおいしい、いつか焼こう……と思って、ついつい食べ損ねている間に、すっかりカラカラパサパサの“放置パン”になってしまうことも。


 そこで一気に一袋全部、焼き上げることはできないか。


 で、フライパンである。


 フライパンは大きいほどいい。

 油の代わりにバターかマーガリン、といっても値段が高いので、もっぱら値引品のスプレッドを使っている。あまり使い過ぎないこと。やや少なめに。

 過熱してスプレッドがすっかり液化したら、パンを投入する。

 三、四枚ずつ重ねて、手で四分割にちぎる。

 バラバラとフライパンに投入、木ベラで適当にひっくり返す、

 スプレッドが沁みたもの、そうでないものとムラができるが、それでよし。

 焦げる前に、適量のハチミツかパルスイートを垂らす。

 これも、沁みたものとそうでないものと、ムラができるが、それでよし。

 二、三分で焦げ目がついたら、火を止めて大皿に移す。

 熱いうちに、お箸でつまんで食す。

 見た目はワイルドだけど、風味はいろいろになる。

 フレンチトースト的に、ハチミツとバター風の何かがよく沁みたピースがあれば、

 カラカラのラスク風に仕上がったピースもある。

 カリカリの耳も、ヤワヤワの耳も、おいしい。

 ほぼ、おやつ感覚で食べられる。


 最近のフライパンは、何もしなくても焦げ付きにくくできているので、ほとんどメンテフリーで、調理後はサラッと洗えばいいだけだ。


 フライパンソテーパンと勝手に名付けたこの調理物体は、焼き上がった時には小さくなるので、ついつい食べきってしまいがちだ。

 そのあとが、怖い。

 一袋、普通サイズの一斤まるまるが胃袋に収まって、胃液でふやけてきたら、結構大変である。

 超、もたれる。殺人的である。

 あれには懲りて、以後、過ちを繰り返さないように心がけている。

 半分は残して、冷めたらチンして食べればいいのだ。


 まあ、なにひとつ芸のないフライパンソテーパンであるが、

 秋冬の寒い時期、短時間でパッと大量にできるあったかいパンは、いいものだ。


 食パンだけでなく、バターロールパンなども、そのままフライパンソテーでOK。

 こちらはパン自体が脂っこいし、中にマーガリンが入ったものもあるので、スプレッドを足さず、パンだけで炒めてしまうことも。


 出来上がったら、コーヒーやスープに合わせる。

 コーヒーも、たまにはレギュラーでフィルターペーパーを使うが、たいていはメンドクサイのでインスタント。

 その代わり、自分なりに三種類ほどブレンドしている。

 安物粉に、やや高級な粉を混ぜる。

 からっぽのコーヒー瓶に粉を入れて、シャカシャカとシェイク。

 混ざり方にムラができるので、味に微妙な変化ができる。

 理論的には、毎回、ほんの少し、違った味わいになるはず。

 このカオス感覚が、まあ好みというか……


 およそ上品な調理ではないが、そろそろ寒くなってくると、フライパンソテーパンの出番だ。

 そこで思うのは、これ、炒める途中でシナモンとか、粉末ココアとか、カレー粉とか、各種ふりかけを加えれば、甘くも辛くも、それぞれ違った味になるだろう。

 また。試してみよう。




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