第21話:弱肉強食
――翌日
四人で集まった、今回は全員軽装だ。最低限の食料と一応の護身武器くらいしか持っていない。
そしていつもの通りノートを使った。
扉をくぐるとそこは森の中だった。
恐る恐るみんあで扉をくぐり、私が扉を閉じる。
「ねえウィル……流石にここは不味い気がするよ」
「露骨な視線を感じますわね」
「うぅ……怖い」
びびっている皆を前に本日の課題を発表する。
「本日は皆さんに魔物を買ってもらおうと思います」
ひぃ……と誰かの声が漏れたが気にせず続ける。
「私が強化魔法を大量にかけて皆さんの力を底上げします。
あとこの森は魔王の暗黒魔力が無くなったのでもう弱くなっていますが、念のためさらに私が森をまとめて神聖魔法で弱体化させておきます。
信じられないという風なアンだったが、今までだって信じられないようなことが山盛りだったんだから今更信じないとも行かないだろう。
「ウィルさん……信じてますよ?」
「大丈夫大丈夫」
――数時間後
「魔物弱っ!」
「まさかファイアーボールで倒せるとは……」
「私なんて投石ですよ!」
三人とも無事サル型と狸型とオオカミ型の魔物を討伐してきた。
「自信をつけさせるために私が大分協力したけど、いつかは自分で勝てるようになってくださいね?」
「その日は来るのかな……」
フロルは釈然としないながらも実際に倒せたという事実は自信を持つには十分だった。
その日の食事は今日狩ってきた魔物の調理だ。
魔物は魔力を豊富に持っているので食べれば魔力の底上げができる。
「自分で狩ったとは言え、少し食べるのには抵抗ありますわね」
「そーかな? 普通に美味しいよ?」
「見た目の問題じゃないかな……」
そう、この料理は、というか魔物を使用した料理は適切な死体処理をして切り分けてもどうしても見た目が悪くなる。
「三人とも食べるのをためらっているので私は魔物の肉のスープを飲んで肉をかじる」
意を決してタルトが骨付き肉にかじりついた。
「あ、いけますね?」
二人は信じられないという顔をしながら肉を焼いた物とスープを口に運ぶ。
「美味しいですわね」
「美味しいよ!」
そうして皆の魔界で自給自足は無事に終わった。
私はそろそろ戦いも必要かなと少し魔力のついてきた三人を見て思った。
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