第2話 謎のお客さん
3時。ユキ姉が「おやついらないのー?」といったが私は「後で食べるー」と言って2階へ上がった。自分の部屋へ歩いていた。 ガチャ、とドアを開けるとそこには日向兄がいた。「ち、ちょっとなんで勝手に入ってんの!?」 日向兄はいつもの調子で動揺することも無く「漫画借りに来ただけ〜」とだけ答えた。 「いや、勝手に人の部屋漁さんないでよ…まぁいいや。…ねぇ、日向兄。次はどの国に行くの?」 「え〜っとアーゼンっていう国に行くんだよ。」 「アーゼン、ってどこの辺?」日向兄は、「えーっとね、ここから北の方。」
と、日向兄はいつの間に出したのか、地図の北の方を指さした。 「他にもアリシア、カロニア、フエフキって言う国だよ。」 「へぇ、変わった名前。」 しかも全部四文字。私のいる所はまぁまぁ大きい村だ。セーシリア、という村だ。でも、さっき日向兄が言ったのは国の名前なんだよね。 私はセーシリアから出たことが私の部屋ないからよくわからないが、日向兄はよくそういう所に行っているのだろう。
「日向、ちょっと来て〜」 と下の階からユキ姉の声がした。 「はいはい、今いくよ〜」と言って日向兄は下の階へ向かった。 私の部屋から出るとき、日向兄のポケットから何かが落ちた。 「…?なんだろ」 私はそれを拾った。さっき日向兄が言っていた国の名前が書いてあるメモだ。 「おっちょこちょいだなぁ、相変わらず。」
私はめんどくさくなったので明日返すことにした。
翌日
「ふぁ〜良く寝…って私いつの間にか寝てたの!?」
私は昨日、歯磨きも何もせず寝てしまったようだ… 「……は〜ぁ。」
まぁいいか… そんなことより早く下に行ってあのメモ返したほうがいいよね。
階段を降りて、リビングへ向かった。 廊下でユキ姉と会ったので日向兄は何処にいるか聞いてみることにした。 「ユキ姉、日向兄しらない?」 ユキ姉は
「もう旅行ったわよ。」 「えぇ……どうしよ…」あのメモ大切なやつだったらどうしよう…… 「実花顔色悪いわよ?大丈夫?それにどうしよ…って?なんかあったの?」 「実は…日向兄が落とした色んな国の名前が書いてあるメモを返しそこねちゃったの…大切なやつだったらどうしよう…」
「日向なら大丈夫よ。大事な物だったら帰ってくるわよ。」 そうかなぁ、とぽつりと呟いた。 「私が言うから間違えないわ。」 益々不安なのだが…
「それより実花、朝食食べ終わって支度終わったらお使い行ってきて〜」
またお使いか…まぁいっか。今日華天高等学校は休みだ。 華天高等学校とは、私が通ってるこの世にいる「人魔」と呼ばれる怪物のことを習うところだ。
「分かった、今日休日だし行ってくるよ。」
……とは言ったものの、まさかお使いに頼まれた物が鉄パイプだとは思わなかった… 「はぁ…まぁ普通の子ならこんなの重くて耐えられないよね…」 私は大丈夫だ。…なんとか。 「あぁ〜もう夕方じゃん…」 私の休日戻ってこないかな。 「さすがにこんなに時間かかるとは思わなかった…甘かった…」
ぶつぶつ独り言を言いながら家の前までたどり着いた。 「ユキ姉、ただい…あれ?お客さんかな。」 見慣れない靴があった。誰だろう。 「ユキ姉〜誰か来てるの?」 リビングへ向かった。 お客さん、はユキ姉にそっくりな白髪の綺麗な赤色の目だった。 「……え?」鉄パイプを落としそうだった。 危ない… 「あら、こんにちは。」お客さんは微笑んだ。
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