少女旅記録

らむねーど。

第1話 人魔と人の子

―この世界は主に3つの種族にわかれている。

  一つは人間。もっとも多いのはこの種族だと言えるだろう。しかし人間は弱く哀れな生き物。 二つ目は魔法使い。 善良な物もいれば悪も居る。そいつらは「魔女」と呼ばれる。もう全滅した、とも言われているが…。 三つ目は人魔。 人の姿をして、私達に近寄ってくる厄介なやつだ。意思を持っているものもいるがそれは一握りだという。…異型も同じようなものだ。 名前の通り異型、いわゆる化け物という存在であろう。異型師というやつもいるらしい。

 ―長く話しすぎてしまった。これからは少女が紡ぐ物語を見てもらいましょう。またいつか。





朝食の良い匂いで目が覚めた。 見慣れた天井、私の横には壊れた目覚まし時計。いつになったら処分しようか。 「さて、と。」 私はゆったりと服を着替え始めた。今日は学校ではないし、ゆっくりしてて大丈夫だろう。 着替え終わった私はリビングへ向かった。


「おはよう!ユキ姉〜!」私の姉、ユキに声をかけた。「おはよー実花。…と言うよりこんにちは、かなぁ。もう11時よ。」 「え〜全然だよ」笑いながら答えた。 

さて、朝の支度も終えたし、何しようかな〜 と考えていたその時、「ただいま〜」 あ、日向兄だ! 日向兄はふらふら旅をしている21歳、あまり家には帰ってこない。

「お帰り、お兄ちゃん!」 ユキ姉が笑顔で玄関へ走っていった。私も一緒に向かった。



「ただいま、ユキ、実花〜。」と言いながら私達に抱きついてきた。 恥ずかしいような嬉しいような、複雑な気持ちになった―

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