雨と太陽と月

 今外では、バケツをひっくり返したような豪雨。最近、太陽を見ていない気がする。ついつい憂鬱ううつな気分になる。


 しかしだ。神界では雨は滅多に降らない。一年に一度か二度あるかである。だから、子供たちが雨が降るとはしゃぐのだ。小学校へ入学する時に買ってもらった、雨具が使えると思って。


 神界には太陽がない。それなのに綺麗な青空が広がり、気持ちよさそうに雲が浮かぶ。不思議なことに影も西から東へと傾いてゆく。

 

 天体に詳しい息子に聞くと、空の粒子自体が光を発しているから、太陽がなくても明るいらしい。


 初めて神界の空を見た時、不思議な気持ちがしたものだ。時が止まっているような感じ。それなのに動いている。

 おそらく永遠とはこういう感覚なのだろう。変わること――死ぬことはなく生き続ける。そうだと思う。


 夜には、クレーターが見えるほどの大きな紫の月がかかる。しかしなぜ、太陽はなくて、月があるのだろうか。これもまた神界の不思議である。


 2020年7月31日、金曜日

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