第12話何言ってんだ、俺は……
俺は月史絵を寝かせて、食事を摂れるようにキッチンを借り、一食作り、ベッドの側にそっと置いてから月史絵家を後にした。
帰宅し、19時まで彼女からの連絡やメールを告げる着信音はスマホから鳴り出すことはなかった。
夕飯を済ませ、ベッドでスマホを何気なく弄っていると連絡を告げる着信音がなり、通話に出た。
「もしもし、月史絵さ——」
『佑音、迷惑掛けてごめん……食事まで作ってくれてありがとう。美味しかった。私って借りばっかつくってるね、佑音に……ごめん、迷惑ばっか——』
月史絵が消え入る声で謝り続ける。
彼女の嗚咽混じりの声が俺の胸を締め付け続けて、堪えられなくなり、「謝らな、いで……」と発するので精一杯だった。
『うぅ、ん……』
「何があっても月史絵さんの支えになりたいと思ってる。だから……月史絵さんに別れてほしいって言われるまでは月史絵さんを想って、月史絵さんに尽くすから。遠慮せず、迷惑掛けて良いんだよ。お互いに支え合って、生きていこう。じゃあ、また。おやすみなさい」
『……ありがとう、佑音ぅぅっ。おやすみなさい、佑音』
通話を終え、うつ伏せになり、枕に顔を埋め、脱力した俺だった。
ああぁっ、なんであんなこと……
告白して、結婚しようって言ったみたいになっちゃったよぉ〜!
言った手前、死にたくなった俺だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます