第11話彼女が心配に

驚きのあまり立ち尽くしていると、月史絵がフルフルと身体を震わし、内股になりスカートを押さえ、室内へと促してきた。


「えぇっ......えっと、はっうぅぅ......は、ははぁっ入ってっ!佑音ぅぅっ」

「そっそそっ、そうしますっ......」


彼女の部屋に足を踏み入れ、フローリングの中心に敷かれた円形のシャギーラグまで歩き、腰をおろした。


俺が腰を下ろすと同時に彼女が限界だったらしく、扉近くで膝から崩れ落ちた。


「大丈夫っ?じゃないよね......恥ずかしいのに無理しなくても」


俺は彼女の背中を擦り、心配で声を掛けた。


「はぁっはぁっ......佑音にぃっ、ふぅっはぁっはぁっ、よろっこんでぇっ、はぁっ、もらいた、くて......」

荒い息のままで、絶え絶えながら答えてくれた彼女。

「そう......んだ、ありがとう。でもっ、倒れるまで無理しないでっ!お願いだからっ月史絵さん......」


「ありぃ、がとぅっ......佑音。そんな顔にぃ......させるつもりじゃ、なかったのに......」

意識を失いそうなほどに微かな声量の彼女。


瞼が閉じていき顔から倒れる寸前で彼女を支え、ベッドに運び、寝かせる。

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