第10話メイド服の彼女

一ヶ月が経過し、期末テストを終えた数日後。

「今日、空いてたら家来ない?」

「えっどうしたの?いきなり」

月史絵からの唐突な誘いに驚きの声をあげ、訊ねた。

「......佑音と、したい......なぁって......嫌?」

含みのある甘えた声音で誘ってきた。

「そ、そそっ、それってどうゆう......意味、ですか?」

「きっ......聞かない、でよ......うぅぅ」

頬を紅潮させ、恥ずかしながら目もとに涙を浮かべた彼女。


あっこれは、もしかして......


放課後になり、月史絵から一言、「絶対来てね」と言われ、彼女の後ろ姿を見届けてから時間を空け、教室を出た。


月史絵家を訪問するのはこれが初めてではない。テストの一週間前にテスト勉強を称してお邪魔した。

当然、彼女から誘われてのこと。

決してやましいことが目的とかではなく、健全な方だ。


月史絵家に到着し、深呼吸をしてからインターフォンを押した。

「高ヶ浜です」

『高ヶ浜くん、上がって。部屋に居るから』

と、彼女の言葉が切れた。

玄関扉を開けて、用意されていたスリッパを履き、彼女の部屋がある二階へと向かった。

階段の一段一段を上がっていき、彼女の部屋の前に着き、再び深呼吸をしてから扉をノックした。

室内から物音一つ聞こえてこない。

「入るけど、良いかな?月史絵さ──」

ドアノブに手を掛け、扉を開けながら訊ねると、扉の前で彼女が立っていた。

羞恥心で悶えながら、恥ずかしがりながらもスカート──メイド服のスカートの裾をきゅっと握りながら、言葉を発した彼女。

............佑音」

メイド服姿の月史絵美織だった。

「えっ......ええええぇぇぇぇーー!?」

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